不動産ナマ知識/訂正印・捨印

今朝など、まるで冬そのものの寒さでした。
今年は秋の虫の鳴いている声を聞いていません。
風情ってなくなりましたし、テレビのワイドショーでもやたら切れる人の話題が多くなっているような気がしますが、日本国中でなにかしらの不満が溜まっているんでしょうね。

不動産の世界でも何か言ったら、コンプライアンスとか言って、業者さんも自分で自分の首絞めているような感じがしています。
だから、契約書とか申込書とかもすごく神経質な扱いになってます。

最近の不動産取引では(昔は当たり前だった)“手書きの契約書”を見かけることは殆んどなくなっています。
今は、ワードやエクセルで作成して、プリンターから打ち出し、チェックして、一応作成できればメールで相手方の業者さんに送って内容確認してもらった上で最終的に完成させることが多いですね。

で、不動産取引の場面で、誤字や脱字とか“訂正印”で修正したり、当日に新たな合意内容を書き加えたりすることは滅多になく、ましてや予め“捨印=訂正することを前提にあらかじめ契約書などの欄外に押しておく訂正印のこと)を押すなんてことは殆どなくなりました。
だから、社会人になった時にパソコンがあるのが当たり前の20~30代の不動産業者さんですと、“訂正印“をもらって「4文字削除、5文字追加」記入なんていうことを経験したことがある人は滅多にいないでしょう。
ネットで検索してみても、“捨印“は絶対に押すべきものでないとする意見で占められていますが、”捨印“の目的は少々の書き間違いなどで、その都度連絡を取って訂正の確認を取りに行くのが面倒だなどという理由で、その手間を省く便利な慣習ですが、訂正の範囲や限度は決められていないので、理屈上は”捨印“は「白紙委任」と同じです。

それでは“捨印”で契約金額や購入希望額、契約名儀人の変更が可能かについては、意見も判例も1つではない。
契約者の意見と異なる内容に変更されても、契約書等を2部作って各1部ずつ所持することや、1部しか作成しなくてもコピーを持っておくことで、一応の保全はできると思います。
でも、“捨印”の効果が広義に解釈されれば、もう内容を無茶苦茶に修正されたとしてももう後戻りはできません。
最近のように何かあると法律が出てくるギスギスした世の中では、どんな書類にでも“捨印”は押さないほうが賢明です。