不動産人/投資用不動産「萎縮」の先

一棟売物件や区分所有のマンションなど不動産投資の動きがおとなしい、“原因”ははっきりしています。
金融機関の融資が厳しいからです。

スルガ銀行、西武信用金庫、レオパレス21、大和ハウス工業・・・など不正融資と施工不良問題と続いた問題で金融庁が各金融機関に対して行った調査結果(投資用不動産向け融資に関するアンケート調査結果)を読むと、各不祥事が社会問題化する前に、既に金融庁は「不動産投資に対する融資」がヒートアップしていたことを知っていたことが分かります。

現実的に融資が厳しくなった発端は、「かぼちゃの馬車」(スルガ銀行)の問題であったのですが、根元には低金利が続く中でサラリーマンや富裕層の人が『年金もあてにならないし、アベノミクスもどこか信用できない』と思っていたところに、「不動産融資ビジネス」を生業とする人が乗っかってきたからに他なりません。

聞くところでは、不動産セミナー等で不動産投資の魅力を説いていた方の多くは、早々と出口を見つけて物件を売却して、他の投資先や現金等に代えてしまっているとか・・・

当時、納得してマンションを購入にも拘らず多くの人は、フルローンと管理費の支払以外の出費が思いの他厄介なものだということを痛感し、考えていたほど上手くは行かないことが分かったという感じでしょうか!

勿論、それはやり方が拙かったからで、上手く行っている人もいらっしゃる。

「不動産投資」自体が悪いわけではありません。

株式投資でも、不動産投資でも同じだと思いますが、相場が良いときは誰でも上手く行くような気分になる。

反対に、市場が停滞しているとどうしようか迷いでしたりして、余計にわけが分からなくなる。

何が悪かったのか、どうしたら改善できるのか、また、何をしたら傷が浅いうちに解決出来るのか。一人ひとりの問題であって、他の人がこうしたから、自分も同じようにしていればイイのだというものではないはずです。

一度、立ち止まってチャンと考えてみましょう!

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不動産人/「宅地建物取引士」試験の話

10月といえば、今年は消費税のアップもありますが、10月20日は宅建の試験ですね。

わたしも受験して合格したのですが、今から40年くらい前のことですから、頭も中もスッキリしていて暗記力もあった頃でした。不動産関係の会社に勤めていたわけでもなく、宅建に興味があったわけでもなかったのですが、資格のひとつもあった方がいいのかなって感じで、数ヶ月の間週に1~2回夜に学校に通っていました。9月になってもテキストの内容が頭に入っていない状態で「どうせ駄目だろうな」と思っていた矢先、先生が「あとの1ヶ月は試験に出るところだけ教えます。」と言ったのです。

実際は、具体的な部分ではなくて、建築基準法のこのあたりとか、宅建業法のここらへんって言ったものでした。

所謂、過去の問題から推察した予想ですけど、こちらにとっては藁をも掴む気持ちですから、先生の言われた部分を丸暗記しましたね。
1ヶ月間の集中力って凄いもので、繰り返し繰り返し覚えることで、びっしり頭の中にはいるものです。
過去問題や予想問題をやって、なんとなく合格しそうな感じがしてきました。

今だとネット上で動画開設とか、いろんな講師の解説とか無料で試すことが出来るらしいので、随分便利で楽できるのかも知れませんが。
不動産会社に勤めている人でも、未だ宅建持ってない人は多いのですが、仕事しながら机上の勉強するのはなかなか難しいことです。

試験を受ける為の知識以外の余分なことを知っているからです。
宅建合格したからって、不動産屋として一人前の仕事が出来るかって言うとそうでもないし、反対に、不動産業者として営業成績が良いからって言っても宅建合格とは直結しないものです。

宅建試験を受験される方は、頑張って合格してください!

特に不動産業者として仕事している方は、一応、宅建って不動産屋の免許みたいなものですから絶対に合格してくださいね。

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不動産ナマ知識/事業用不動産の売買契約前から決済までの流れ

【売買契約前の重要書類について】 

特に事業用の不動産を購入しようとする時は、購入しようと思った物件が見つかったら、『守秘義務契約書』(いわゆる、CAという書類)を出すケースが増えています。物件の詳細資料を得る為に、売主に対して、その資料や内容を他の者に口外しないことを約する書類です。

その後、契約にいたる過程で『買付証明書』(購入申込書などとも言う)を提出し、当該物件について購入の意思があることを表明する習慣があります。またそれ以前に、『取り纏め依頼書』(とりまとめいらいしょ)と言う形で、購入希望者が特定物件の売却条件の整理を、仲介業者に書面で依頼することもあります。 (もちろん、『媒介契約書』で購入の意思を示してもよいのですが、事業用物件になると、案外依頼者と仲介業者の信頼関係があることを前提にしている為に、媒介契約を結ばないケースが多いのが実情です。)

売主が買付証明書の条件で承知すれば、『売渡承諾書』を発行し契約内容の詳細を詰めていくことになります。

『買付証明書』『売渡証明書』の段階では、契約は成立したことにはならないと考えることが、一般的にも知られています。(それを逆手に取って無闇に書類を出す人もいるようですが、信義に反しますので、とても困ったものです。)

その後、売主・買主の合意内容を『覚書』『協定書』を取り交わすことで確認するケースもあります。

ここで注意すべきなのは、『覚書』が目的物件の内容・売買代金を確定し、契約の当事者の意思が契約の成立を認めることが出来ると判断された場合、一方の意思では合意内容を解除出来ず、最悪の場合は損害賠償を求められることもあるということです。

その後、宅建業法で定められた物件説明を、契約締結前に、『重要事項説明書』により宅地建物取引士(注1)が、取引の当事者に書面で行わなくてはなりません。 通常、ここで買主は最終的な意思決定を下した後、『売買契約書』の締結に至ります。

なんと面倒な流れかと、思われる方もいらっしゃるでしょう が、物件内容や権利関係・購入目的・資金の流れなどがハッキリいている場合は、商談は非常にスムーズに進みます。 しかしながら、特に事業用不動産の場合は、売主、買主に色々なクリアにすべき問題があるのが普通です。 その為、商談自体が、時間的・内容的にも手間のかかるケースが多く、依頼された仲介業者とのコミュニケーションが不可欠になってきます。その仲介業者が貴方にとって、最もよきパートナーでないと困ります。

そのような問題を抱える方にとっては、日頃からよき相談相手となる不動産屋さんとの出会いがとても重要なことだと考えます。

【注1】

 宅地建物取引業者は、事務所設置の要件として、従業員5名毎に1名以上の専任の取引士を置くことが義務づけられています。

 

【不動産売買:決済時の手続き】

不動産取引を頻繁に経験している人は、プロでなければそうはいないでしょう。 一度や二度取引を経験している人でも、売主やら買主、仲介業者、司法書士、銀行員が一堂に会して次から次に書類が出て来て、「こことここに実印をお願いします。」とか、「これは銀行印で・・・」とか言われて、ほとんど訳の分からないうちに、「それではお金を支払って・・・(または、受け取って・・・)」となり、やっこらさ終了するという具合な感じじゃないですか? 今回はその手続きを、多少なりとも分かりやすいように整理してみます。

例えば1ヶ月前に重要事項説明、契約行為、手付の授受も無事終了。 さて買主の決済金の準備が整ったら、売主・買主は契約書上の約定日に決済取引をすることになります。

売主は仲介業者を通じて買主の段取り具合を教えてもらい、決済時に抵当権の抹消する書類を抵当権者(普通は、金融機関)に依頼します。(目安として決済1~2週間前迄に)

仲介業者(注2)は正式に決済日が決まれば、賃料収入や固定資産税などの日割り精算金の計算をして、売主と買主がそれぞれ幾らの金額を授受するのかを文書で伝えます。

また、通常であれば契約の場所は売主の都合で決める場合(仲介業者の事務所、売主の自宅…)が多いのですが、決済については金額が大きなものであることもあり買主の都合(≒融資する金融機関の都合)で決めるのが普通です。

売主にとってその決済場所が馴染みのない地域や場所であることが多いので、仲介業者は全く土地勘がない売主でもちゃんと時間通りにその場所に迷わず行けるように、住宅地図や目的場所の電話番号をお教えすることが必要です。

※    実際に売主が時間通りに来なくて、取引が出来なかったということもあります。最悪ですと、違約で契約解除です。 そして、仲介業者は決済金の金種(買主が希望する金額を“振込みなのか、現金なのか、小切手で準備するのか…)について売主・買主に意思の疎通がないようにするのも大切な仕事のひとつです。

※     受け取る金額が大きくなると、現金では数えるのが大変ですから、小切手は現金の代用物で便利です。でも、帰り道で落としたり、盗まれたりすると一大事です。で、小切手の表側に2本線が引いてある“線引き小切手”が広く使用されています。その線引き小切手は、持ち込まれた銀行が支払を取引先に対して行なうルールですから、万が一の場合でも被害にあった人が銀行を通じて不正にお金を受け取った人を特定できるからです。

また、通常であれば不動産売買は買主の融資を利用します、その際に金融機関が“司法書士”(注3)を紹介することが多いようです。司法書士は、売主と買主の所有権移転手続きを代行する仕事をして、取引を完了させます。

だから、決済時の最も大事な“不動産の所有権移転・変更”の実務は司法書士が行なっているわけで、仲介業者はその周辺作業、金融機関はお金の作業をしているというイメージでいいと思います。

司法書士さんが「登記申請書類は整いました!」と云えば、買主は決済金の支払いをし、売主は領収書を渡します。

※     もっともポピュラーなのが売主の口座に振り込む方法です。これが一番安心ですが、振込みしてから、自分の口座にちゃんと着金しているかどうか確認することが普通だと思います。今更なんて思いますが、着金確認をするのに数十分とか、1時間とか掛かることがありますので、次の用事がある人は一応余裕を持っておいたほうが無難ですよ。 ※     買主から売主の口座に振り込む場合の手数料は誰が負担するのか?通常は買主が負担している場合が多いけれど、珠に「それは売主が負担すべきだ…とか、小切手作成費用も売主の都合で…」と主張する買主もいます。そこまで云わなくてもとは思いますが、売主・買主が双方納得すればそれはそれでいいことではあります。 また、固定資産税等の精算や賃料収益の精算金の授受もこの段階で行ないます。

前述した金種内訳により支払いますが、買主の出金手続きや売主の着金確認に時間が掛かればこの時点で、ひたすらジッと待つことになります。 その時間を利用して、筆界確認書や確認申請書類の原本や鍵の引渡し、収益物件であれば賃貸借契約書の原本や、管理会社の引継ぎなどをするのもいいでしょう。

売主と買主はそれぞれが司法書士さんに報酬の支払いをして、司法書士さんは登記手続きに法務局へと向かいます。

※    売主側と、買主側に分かれて双方に司法書士が付く場合もあります。

以上の決済手続きが終われば、最後に仲介業者に対して“仲介手数料の支払い”(注4)をして「お疲れ様でした!」と全てが終了します。

【注2】・・・仲介業者

契約は売主・買主間で行う行為なので、当人同士で締結して何ら問題はありません。 ただ、現実的には余程慣れた方でない限り当事者同士だけで不動産の売買行為を完結させるのは無理があると思います。 当事者が合意している場合、事務処理と立会人としてのポジションで“不動産業者”を仲介人として立てる方法がいいのではないでしょうか。 ちなみに、その場合の報酬(仲介手数料)は当然ながら通常より割安になると思います。

【注3】・・・司法書士

司法書士の試験に受験資格は特に無く、中卒でも、未成年者でも、試験に合格することは可能です。試験に合格しても、未成年者である間は司法書士登録をすることはできません。 司法書士の職務内容は、法務局・裁判所(金額制限あり)提出書類、ただし不動産の表示に関する登記は土地家屋調査士が行ないます。 登記費用で大きなものは登録免許税プラス司法書士報酬ですが、税額は物件により異なりますし、司法書士報酬はそれぞれ司法書士により異なります。

【注4】・・・仲介手数料の支払い

仲介業者の仕事は契約時で一応終了していると考えられており、仲介手数料も決済時ではなく契約終了時点で請求権があると考えられています。 手数料を契約終了時点で50%、決済終了時に残りの50%を支払うことが多いようですが、これも何か決まったルールがあるわけではありません。 ちなみに私ども『南森町不動産』は、契約時には1円も戴かず、決済時に全額を戴くことにしています。

 

【登記済証(権利書)の紛失している場合】

売買契約(所有権の移転)の後、決済の直前に、売主から「登記済証(=権利書=権利証)が見当たらない」とか、(相続物件などで所有者が複数いる場合など)「誰が持っているのか分からない」とかいうことは間々あることです。

契約の段階で、「権利書は大丈夫ですか?」と聞いている時は、「銀行の貸金庫に置いてあります」とか、「大事な書類は全部まとめて仏壇の引き出しに…」なんて言っていても、いざ探してみると「あれっ!確か…」ってことです。何年ぶりに見ようと思ってみても、人の記憶は案外いい加減なものだと思い知らされます。

平成17年3月7日からの不動産登記法の改正で、「登記済証」は「登記識別情報」(12桁の暗証番号)に替わりましたが、長らく所有している不動産を売買するときは「登記済証」で行うことになります。

勿論、「登記済証」を紛失しても、その権利そのものがなくなるものではないし、権利書だけで売買は出来るものでもありません。

でも、所有者自体の不都合が生じるものですから、大事に保管すべき重要書類なのです。

不動産登記法改正前は、登記を受けたことのある成年者2人(以上)が、保証した「保証書」を添付して登記することになっていました。

改正後は、その保証制度がなくなり、(1)「事前通知制度」(2)「資格者代理人による本人確認制度」(注5)のどちらかで「登記済証」を紛失した人の本人確認することにより登記申請を受け付けることができるようになりました。

手続きが簡単になったことは間違いありません。

【注5】 (1)法務局(登記官)から書留郵便などで申請が本人のものかどうかを確認してくるので、少々時間が掛かる。 (2)資格代理人(登記申請の代理を業とすることができる代理人)が、本人確認できる情報に基づいて申請してきた場合には、(1)の「事前通知制度」の手続きは必要ない。この場合は主に司法書士の先生がその代理人になる場合が多いと思いますが、時間的には早いので主としてこちらを使う方が便利だと思います。

《別に、公証人による本人確認制度もあるが、凡そ(2)と同じ。》

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不動産ナマ知識/不動産取引の2つの高齢化問題

高齢化社会を迎え、不動産を売買する人の判断能力を確認することが必要となってきております。

認知症、精神障害など判断能力が低下している場合には、家庭裁判所が審判を行い、本人を援助するために成年後見人を選任して、本人を代理して契約することができます。また、保佐人や補助人を選任して本人の援助をして不動産取引をすることもできます。

もし、高齢者が不動産の売買契約に際して、法律行為の意味や認識する能力を欠いていることが後日判れば、契約は無効となります。

でも、通常の生活をしている元気な高齢者の方にその疑いが感じられない場合、いちいち判断能力があるかないかを調べることも難しいこともありますし、何歳からとかいう決まった線引きもないのですから・・・80歳超の売主さんに「高齢者としての判断能力」についてお尋ねしたら、怒られた上に商談自体と打ち切られたという話もあります。
一応、子供や奥さんなど親族交えて商談すると安心ですね。

最近気づいたのですが、もうひとつの高齢化問題があるということを・・・不動産仲介業者も高齢化しているということをです。
不動産業者も70歳、80歳でも現役で仲介業務をしている方が沢山いらっしゃいます。
ベテランの不動産業者の方はベテランの政治家と同じく、円熟した経験や巧みな交渉能力など正に働き盛りかと思えるくらい仕事が出来る方がいらっしゃいます。
売主・買主との長い間の人間関係もあって、信頼関係も十分な場合も多いのですが、珠に「あれっ?」って思うような時もあったりします。
例えば、若い時と比べて物忘れが・・・とか、パソコンやメールを使った事務処理とは概ね苦手な方が多いですね。

売主・買主だけでなく、不動産仲介業者の高齢化も確実に大きなテーマであります。

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不動産人/賃貸の仲介手数料訴訟で敗訴(東急リバブル)

あの東急リバブルが裁判で負けました。

8月10日頃の新聞に載っていましたので、既にご存知の方も多いと思います。
訴状の内容は、「賃貸住宅を借りた際に、家賃1ヶ月分の仲介手数料を支払った借主が、『原則は賃料0.5ヶ月分のはず』とし支払った内の半月分の返還を求めた訴訟です。東京地裁は「東急リバブルが借主から承諾を得ていなかった」ということで借主の主張を認めたということです。

住居系賃貸仲介の仲介手数料は、貸主と借主双方合わせて賃料の1ヶ月分が上限として世間的には認知されています。

ただ、細かく言えば「当該依頼者(この場合は借主)の承諾を得ている場合を除き、借賃の1月分の1/2に相当する金額以内とする。」(国土交通省)とされている。

普通はここまでの理解をしている人は居ないと思いますので、この借主さんは余程こういう方面に詳しい方なのでしょうね。

東急リバブルの担当者も、契約前には手数料は1ヶ月分であることは伝えていたと思われますが、おそらく、入居審査も済まして契約日を伝えてから手数料の金額を伝えたのではないかと想像します。

それのどこが悪いのか?

正直言えば、普通はそれで由として進めて行きます。厳密に言うとすれば、重要事項説明書を行う前に「仲介手数料は賃料の1ヶ月分を頂戴いたしますので、ご承諾お願いします。」と伝えればいいのでしょうかね。

借主さんも物凄い隙間を突いてきたものだと思いますね。

コンプライアンスに厳しい東急リバブルですが、そういう会社相手に訴訟を仕掛けてくるお客さんもたいしたものです。

確かに賃貸仲介には、このような仲介手数料・更新料・広告料・退去時の自然損耗や費用負担、鍵の交換費用など不透明なお金が動きます。
きっちりしたルールを作らないといけないことは間違いありませんが、訴訟まで起こしてまで争うことなのかとも思うのですが・・・

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不動産ナマ知識/初めての裁判(2)・・・「裁判官は選べない」

訴訟を起こそうとする場合、まず弁護士さんを誰にすれば良いのかと考えるものでしょう。
私たちのように裁判所に行くことや法律相談をしに頻繁に弁護士事務所に行く用事がない人間は、知人の紹介とか所属している不動産団体の顧問弁護士事務所がまず頭に浮かびますが、今回の場合も同業の不動産会社の顧問契約先の弁護士事務所に依頼することになりました。

そうすると原告として裁判所に通う必要もなく、弁護士の先生と行う打ち合わせはその事務所で行います。
最初は少し長めの打ち合わせになりますが、裁判が月1回のペースで行われることになれば、その裁判の前か後に協議したり、裁判所からの質問事項についての反論を行う内容を話し合ったりすることになります。

相手(被告)からの反論については、殆ど我々の主張に対して全否定でした。この全否定については、初めは猛烈に憤りを感じましたが、弁護士の先生によると、裁判とはそういうものだそうで、「私が相手の弁護士の立場でも、同じような反論をします」と言っておられましたので、”裁判とはそういうものか”と割り切るようにしました。

半年以上のやりとりの末に、裁判官から両方の弁護士に対して、和解に応じる気持ちがあるかどうかの打診があったそうです。

我々はどういう(和解)金額であれ、和解に応じなくて判決となっても同じようなもんだろうということで、和解に応じる意思を示したのですが、被告は元々が”金銭を支払う意思のない”ことを主張し続けていたのでおそらく和解には応じないだろうと(私自身は)思っていました。

8月1日お昼過ぎに、大阪地方裁判所に出向き、まず我々原告が小さな部屋に呼ばれて裁判官から「800万円で・・・合意できますか?」と告げられました。
我々は、一旦退席し協議の結果「しょうがないな」ということで、被告側の弁護士さんと入れ替わって再び部屋に入るます。

我々が着席すると、被告側の弁護士さんも席に着き、裁判官から何故か「被告が400万でと言うところを、頑張って800万円にしてもらいました」とまるで相手側の弁護士を労うような言葉が出て来たのには驚きました。

なんか我々が妥協して和解に応じたことが虚しく感じられた瞬間でした!

それから、支払いをいつ出来るのかという点で、相手側の弁護士さんが一度被告と電話で確認する為にまた部屋を出たのですが、(すごく長く感じましたが)10分以上してから戻ってきて、

「会社の支払いが毎20日締めの翌15日支払いなので、15,16日が休日になっているので17日で・・・」

と言うじゃないですか!?

※「CA」「取り纏め依頼書」「買い付け証明書」等は自ら経営する法人名で提出してきたが、結果的に購入そのものは個人として購入した。こういう経緯からしても、法人の定期支払いの期日が出てくること自体がおかしいと思うのですが・・・

咄嗟に、元々和解金の支払いは『可及的速やかに』というのが前提ですから、自分の会社の支払日に併せるなんて人を馬鹿にしているとしか思えませんでしたので、「おかしいじゃないですか!」という声を上げましたが、すると裁判官は「まぁそう言わずに・・・」と我々をたしなめる様な発言です。

さすがにこれには、頭にきました!!

今日初めて、裁判官と会ったのですが、すごく感じるものがありましたね。
この人は我々とは違うバランス感覚の持ち主なんだと気が付きました。

裁判で被告相手に戦っていたと思っていたのですが、実は裁判官を相手に戦わないといけないものだと初めて分かりました。

たぶんこの裁判官は、事業用不動産の売買取引や仲介業務などという仕事に対する理解もないし、分かろうとしようともしていないのだと・・・だから、結果がこうなったのだということを。

裁判は、裁判官次第でどうにでもなると…我々は弁護士さんを選ぶことは出来ても、裁判官は選べないのです。
今回の裁判で、自分なりにいろいろなことが分かりました。

今の世の中、意識していなくても色々な問題に対処する必要性が高まっています。

出来れば、もめごとのなく安心して過ごしたいものです、でも、身に降る火の粉は払わにゃなりません、
不動産のトラブルは、損害も大きな金額にものになりますので、不動産業者の皆さんだけでなく、不動産の購入や売却をお考えの皆さんも、みんなが良い人ばっかりじゃありませんので、ご注意をして付き合う人を見極めて下さい!

※この買主は相続対策用に収益物件を保有する為の購入でした。仲介手数料が所謂、正規手数料の「3%+6万円と消費税」の半分で済んだわけです。裁判としては、表面上我々不動産業者が勝ったように見えますが、被告である買主が実は「手数料が半分で済んだ」と心の中でほくそ笑んでいるのでしょう。判決を取れば、実名で公表出来たのですが、和解では双方の歩み寄りということで、内々の手打ち式でしかありません・・・残念です。

初めての裁判(1)・・・「媒介報酬等請求事件」

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不動産ナマ知識/初めての裁判(1)・・・「媒介報酬等請求事件」

8月9日の森友学園への国有地売却と財務省の公文書改ざん問題について、元財務省幹部が再び不起訴になり、テレビや新聞などの各マスコミでは疑問の声が上がっている。

いったい検察は真相を解明しようとしているのか?

そもそも捜査をする気があったのかどうかすら分からない!

近畿財務局の職員が自殺までしているのに、全うな神経の持ち主ならだれしも納得できないことだと思います。
また、娘をレイプした父親を無罪にした裁判官のことも、我々が素直な気持ちで疑問に思う感情が司法の世界では通用しないみたいな事例です。
アメリカでも同じように、女の子をレイプした男子が「良家の出身」「名門校の生徒」という理由で検察の申し出を却下した裁判官が辞任したというニュースもありました。

司法の世界はケッタイな世界だと思っていましたが、それは他人事だと思っておりました、ついこの間までは・・・

 

ここからが本論ですが、昨年の初夏の頃、大阪の十三駅近くの一棟売収益用マンションの売買契約がありました。買主の74歳の男は、自ら経営する会社の社印を押して「CA」(守秘義務契約書)を提出、その後資料を吟味して「取り纏め依頼書」を1度、その後「買い付け証明書」(金額変更があったので)2度提出し、建物を内覧後に重要事項説明書と売買契約書の案文が出来たその時、値付け業者に対して「君らはなにも仕事していないので、仲介手数料は支払わない」と通告してきたわけです。

因みに、私は最も売主側に近い立場の仲介業者としてこの取引に関わっておりました。

根付業者さんは買主と何度も連絡を取ろうとしたのですが、電話に出ないし、出ても「忙しい、こっちから連絡するから」とか逃げまくったあげくに、売主の処に直接出向き購入を嘆願したのです。
売主も「仲介手数料は支払うべきだ」との意見を述べ、買主も相応の対価は支払う旨の態度を表明したので、我々に通知のうえで仲介業者抜きの売買契約を終了させたのでした。

よく仲介業務には「媒介契約書」の取り交わしが必要だとされていますが、今回のような事業用不動産の売買では買主側の仲介業者は最終取引金額の合意があった時に、仲介手数料も決定するのが一般的です。

今回は、最終の「買い付け証明書」提出時に仲介手数料1550万円の支払い(因みに正規手数料の満額であれば1750万円だった)を買主が承諾していたので、速やかに「媒介契約書」の取り交わしがされる直前でした。

裁判官も「黙示の契約」の成立は認めているようで、半年以上に渡る審議の後、和解の話が出てきました・・・

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※契約の成立を主張する当事者は,契約書が作成されなかった経緯,当事者の人的な関係,経緯及び交渉の状況などの間接事実を積み上げて契約の黙示の成立を主張することになります。
経緯や交渉記録にメールの存在は欠かせません。面談した際も、渡した書類や会話・質問等の内容はメモにしておきましょう。レターパックでお送りした物があれば、何を送ったのか記録しておくことは大事です。

このように,契約書がなくても「黙示の契約の成立」が認められる余地があるわけですが,無用な紛争を予防するためにも,不動産取引には,契約書の作成が必要なのはいうまでもありません。

私自身は判決を出してほしい気持ちがあったのですが、共同仲介者の中にはこれ以上に裁判が長引くことに疲れ始めている者もいたし、和解の金額がだいたい見えてきて、判決を取ってもどうせ同じような金額だろうと察しが付いたので和解調停の席に着いたわけです。

結果は我々の申し立て金額の半分、被告側は全く支払う意思はなかったわけなので、表面的には我々の勝利だと考えてもいいのですが、「黙示の契約」が成立しているのに何故報酬金額が半分なのかは全然理解できません。

(続きは、『初めての裁判(2)』・・・「裁判官は選べない」へ)

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不動産ナマ知識/「貸し渋り」「貸し剥がし」

数年前に比べると不動産投資に対する融資姿勢は厳しくなっていることは間違いありませんが、でも冷静に考えれば今のような状況が通常の状態なのかも知れません。

「貸し渋り」

アベノミクスの金融緩和策と低金利政策で、不動産に向かってドッとお金が貸しやすくなったお陰で、投資用マンションや一棟売収益ビル・マンションなどの買主さんはフルローン(満額融資)を受けることも珍しくない状況が続きました。

スルガ銀行やその周辺で商いをしていた不動産業者、レオパレスなどの地主さん向けの建築業者と組んで積極的に融資を行ったきた金融機関のお陰で、不動産融資に対するお金の流れは厳しくはなっていても全く駄目かというほどでもないのです。

だから、今の状態を「貸し渋り」とは言い切れないとは思います。

でも、ついこの間までの融資姿勢を知る人は「貸し渋り」のように感じてもおかしくはありませんよね。

「貸し剥がし」

昭和と平成の境目でのバブル破綻の際、巨額の不良債権を抱えた金融機関は自己資本比率の改善、経営の安定化を図るために、「貸し渋り」に加えて「貸し剥がし」も行いました。
当時、所有者の同意なしに銀行が買主を探すなんてことがよくありましたし、リーマンショックの時もそのような動きがありました。

勿論、買主はその金融機関の取引先ですから物件を購入する際の資金は融資も含めて問題はありません。

でも、なぜ所有者の同意無しに物件を売ろうとするのか?

通常であれば、借主(所有者)が返済を滞ったり、契約内容に違反があったり、経営不振で倒産などの自体が生じたので金融機関が「期限の利益の喪失」を恐れて手を打つことは有り得ます。

当時はそうではなくて、黒字経営している不動産会社が毎月ちゃんと返済しているのに、一括返済を求められたということがありました。

理由は、金融機関からみてその会社のバランスシートが崩れているということです。

つまり、所有している不動産の価値が下がって、”担保割れ”していると金融機関は言っているのです。

大幅に景気が悪くなると言うことは、収益のバランスがチャンとしていても、現物の不動産を評価して値崩れしていると判断できれば、金融機関は債権を回収することができると言うことです。

これが「貸し剥がし」の怖さです。このようなことはそう頻繁にはありませんが、一般的に不動産購入には2~3割の資金が必要だと言われている理由はこういうこともあるからなのでしょうか。

不動産業界の会社は他の業界よりも、借入依存率が高い業界です。

景気が良いと一気に成長しますが、逆に悪化するとバタバタと倒産するという繰り返しの業界でもあるのは、そういうことなのでしょう。

「他山の石」の教訓

そんな風に過去に大損をした不動産会社を「他山の石」として、一般の不動産投資家の皆さんは二の舞を踏まないようにして欲しいと思っています。

現実的に考えると、フルローンで購入した投資用不動産は長い目でみれば、近い将来で(実質的)赤字になる可能性が高いので、世間の景気の良い時に売ってしまうか、本業の収入に余裕が出来たときに借入金を減らす努力をする必要があります。

また、出来るだけ空室期間を少なくして安定した返済原資を確保し、不必要な管理費や高額なリフォーム費用を支払うこともないように気をつけましょう!

今だけのことだけじゃないて、少し先のことも考えてみられては如何でしょうか?

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不動産人/当事者間の売買は危険です!

不動産取引は安全に完結しよう!

通常は不動産売買は仲介業者が売主・買主の間で両方の意向を考慮して安全に取引が成就できるように進めます。

勿論、売主・買主が直接、口頭で売り買いの合意をする(諾成契約という)ことでも、契約は出来ます。
そして、売買契約書という課税文書(印紙を貼っている書類)にするこことによってもしもの紛争が起こってもその売買契約書の内容が優先されるという安心感があります。

不動産売買では「言った、言わない」が一番最悪です・・・
個人間の売買であれば、相手が全く知らない人ということはないでしょうから、揉めてしまうと折角の人間関係までダメにしてしまうことになります。

個人間の直接取引のメリットは、仲介業者に支払う仲介手数料が要らないということだけですし、金融機関の融資を受ける際にも売買契約書や重要事項説明書の提出を前提にしている金融機関もあります。

不動産取引で起こった揉め事は、結果として仲介手数料よりも高い報酬(?)になりますので、何が一番大事なのかをよく考えてから行動に移りましょう。

仲介手数料をまけてもらって安心を買う!

仲介手数料が負担だというのであれば、単純に仲介手数料を安くして契約の労を取る「不動産会社」を探せばいいと思います。

また、年配のお父Aさんに代わって息子CさんとBさんが商談に合意した場合、本当にAさんがちゃんと理解しているのか確認する必要がありますので、第三者の司法書士さんや仲介業者による確認作業は必須です。
また、何らかの理由で通常ではありえない底地の売却、他人の所有地の売買なども売主・買主の合意だけでは危険な取引です。

仲介業者も何の意味も無いのに、単に報酬を請求することはありません。

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高齢者の不動産取引

個人の低額不動産売買契約について

相談相手の選択(弁護士・税理士・設計士・・・)

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不動産人/契約不適合責任(改正民法)

2020年4月1日、120年ぶりに民法の大改正が行われるのですが、ぼちぼち我々の不動産業界でも大家さんや賃貸保証人の問題、売主責任の問題などがどういう風になるのかが話しに出るようになりました。

改正では、現行の「瑕疵担保責任」「契約不適合責任」に転換されて、不動産の売買契約においては売主の責任が一層重くなるようです。

隠れたものである必要がなくなる!

そもそも「瑕疵担保」で言うところの「隠れたる瑕疵」自体がなくなる。
「契約不適合責任」では、売買契約の内容と少しでも適合しないときはアウトです。
そして、買主は売主に対して「契約不適合責任」を追及できることになります。
その責任の取り方は、「2つ」から「4つ」に増えます。(下表)

「瑕疵担保責任」の場合

損害賠償

契約解除

金銭により買主に生じた損害を補う方法。 買主の購入目的が達成できない場合は、契約の解除ができる。

「契約不適合責任」の場合

損害賠償

契約解除

追完請求

代金減額請求

※上記記載

不適合箇所を修繕してもらう請求のこと。 追完請求に応じない場合、代金を請求されること。

※「瑕疵担保責任」の損害賠償は、購入に際して負担した費用や実損です。
「契約不適合責任」の損害賠償は、転売した場合の利益までもが含まれますし、追完請求や代金減額請求と併せて損害賠償請求ができるようになるとされています。

「瑕疵担保責任」では、「契約の目的が達せられないとき」に契約解除ができる。
「契約不適合責任」の場合は、契約の目的が達せられたとしても契約解除できるし、追間請求や代金減額請求と併せて請求できるということですから、売主さんは大変です。

但し、「契約不適合責任」は任意規定です!

現在の「瑕疵担保責任」と同様に、「契約不適合責任」も契約当事者(売主・買主)が合意すれば、民法上で免責扱いすることができます。

ただ、現行でも宅地建物取引業法では『売主が宅地建物取引業者、買主が非宅建業者の場合』は強行規定で「瑕疵担保責任」は引渡しの日から最低2年間以上を必要とされています。

そして、民法と宅建業法の関係では、民法よりも宅建業法が優先します。

★「隠れたる瑕疵」に関する記事

「瑕疵担保責任の免責」と「現状有姿」

「事故物件」と「告知義務」

=ややこしいぞ=瑕疵担保責任(PC版)

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