不動産人/認知症の疑いのある人

現在66歳のわたしですが、町を歩いていてもたぶんわたしより年上だと思える人の方が多い場面がよくあります。
自分のことは分かっていないものですから、逆にその人たちは私のことを自分より年上だと思っているのかも知れませんが…
そういえば、知り合い方の母親がどうも認知症みたいだと嘆いていましたけど、周りの人は大変です。

1~2ケ月前に突然我が事務所に訪れた初老の男性の話です。
どこかで「南森町不動産」を紹介されたらしくて、ご自宅のことで相談したいようでしたが、話をお聞きしても「兄さんがどうのこうの」、「固定資産税がどうのこうの」と話に脈絡がなくて、なにをどうしたいのかよく分かりませんでした。

結局、「もう一度、お兄さんの意見を踏まえてから、お話を整理してからお聞きしますので」と一旦お帰りいただきました。
その後、何度かお電話をいただくことがあったのですが、運悪く私が商談中で詳しくお話することが出来なかったので、折り返し連絡をするといつも不通になっているのでした。

申し訳ないので、教えて頂いた住所に手紙を出してみました。

そんな擦違いがあって、3日前に「明日の午前中に伺います」との連絡があったのですが、結局ご訪問はありませんでした・・・
そして翌日の今日の午前中に「すみません…」と扉が開いて、ご本人が何故か地図の本を持って来られたのです。
改めて、訪問の内容をお聞きしたのですが、先回にも増して話の中身が広がっていて「あれ」とか「それ」「それで」の語句が多くて理解できませんでした。
ただ、たぶん自分が死んだ後に自宅をどうするかを心配されているような感じはしました。

 

ご自身は奥さんも子供さんもいないというので、ご兄弟やその子供さんのこともお聞きしました。
でも、だからどうしたいのかお聞きすると、頭の中が混乱するらしくて会話は先に進みません。
不意のご訪問でしたので、わたしの方が別の約束の時間になってしまったので、再び「整理してから連絡お願いします」と告げたのですが、「すみません」を言って帰って行かれました。

最初に年齢はお聞きしていたのですが、(見た目は私より年上に見えますが、)実は私より5歳若いということでした。

ドンドン高齢化の進んでいる日本国、他人事だと笑ってられない話です。

★高齢化の関する記事

高齢者の意思・能力

不動産取引の2つの高齢化問題

高齢者の「終の住まい」

///////////////////////////

事業用不動産の売却・購入・買い替えなどのご相談は、お気軽にご連絡お願い申し上げます。
≪一棟売マンション・収益ビル・倉庫・工場・遊休地・相続物件など≫


TEL06-6360-9791
南森町不動産の「会社案内」
南森町不動産の「お問い合わせ」

不動産ナマ知識/不測の事態が…相続対策に落とし穴

相続税対策としてタワーマンションを購入したけれど、国側が勝訴して追徴課税3億円超が確定したというニュースを見て書いています。(令和4年4月19日付)

一般的に相続財産の評価について、土地は「路線価」を使用し、建物は「固定資産税評価額」を使うということですが、国税庁は「時価」に基づくとしていますので、「路線価」以外の“算定基準”を使うことは問題ありません。
でも、数年前に出席した相続対策のセミナーの講師が、殆どの税理士さんは「路線価」を使って機械的に税額を算出していると解説していました。
税理士さんは、不動産の専門家ではないので「不動産鑑定」「取引事例」などを使う方法は思いつかないというのも仕方ないのかも知れません。

今回ニュースになっているケースは、①金額が大きい、②時価と路線価との差が4倍くらいある、③相続人の中に孫を養子にして周到に節税対策をしていた、④被相続人は90歳だったがタワーマンション2戸を購入して、3年後に亡くなっている、⑤購入に際して多額のローンを組んでいたため、申告した相続税はゼロだったことが、国税庁から相続税対策としてやり過ぎだと判断されたようです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

先のタワーマンションなど収益用不動産を購入するのとは違い、自分でアパートやマンションを建てるという古典的な相続対策があります。
アパートやマンションを新築する場合は、計画~着工~完成~賃借人の入居まで長い時間を要するので、途中で依頼者(被相続人)が亡くなってしまうという不測の事態が起こることがあります。

私も今から30年以上も前のことですが、、ご相談者のお父さんが賃貸マンションがほぼ完成した段階で亡くなられたことがありました。
今とは違う思いますが、その時は未入居でしたけれど貸家建付地の評価減が適用されたと記憶しております。

税法も変化しますし、税金の適用基準も微妙に変化しますので、以前はこうだったと言っても今はそうならないことがありますので、気をつけないとエライ目に合います。
税金を払う側と、税金を徴収しようとする側の攻防は、モグラ叩きゲームのようにあっちを叩けばまたこっちというように延々と続いております。

現状の考え方は・・・

【建築途中で亡くなった場合】
土地=自用地の評価(評価減はない)
建物=亡くなった日までに要した費用×70%(建替えにより、旧賃借人の入居が決まっている場合などで例外あり…)

 

【建物完成後に亡くなったが、空室状態の場合】
土地=賃借人がいなければ評価減はない。

※更地価格×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)

※賃貸割合=全10戸の内、5戸入居者がいれば5/10、全戸空き室だと0/10

※一旦入居者が入ってから退出した場合は、賃貸中とされます。

※一時的な空室でない物件の敷地は、賃貸事業を行っていないので、貸家建付地の評価減は適用されないし、小規模宅地の特例も適用されません。

建物=空室割合に応じる(固定資産税評価額×(1-借家権割合0.3×賃貸割合)

★不動産と相続に関する記事

財産評価基本通達6項

相続財産に収益不動産がある場合

相続財産の”路線価“評価=不適切の判決

実家の処分はなぜ揉める?

///////////////////////////////

事業用不動産の売却・購入・買い替えなどのご相談はお気軽にご連絡お願い申し上げます。

≪一棟売マンション・収益ビル・倉庫・工場・遊休地・相続物件など≫

TEL06-6360-9791

南森町不動産の「会社案内」

南森町不動産の「お問い合わせ」

不動産人/パーキング投資

パーキング投資が好きな方もいます!

不動産投資として先ず頭に浮かぶのは、ビルやマンション、区分所有の投資用マンションが先ず頭に浮かぶのですが、パーキング(駐車場)に興味を持っておられる方もいらっしゃいます。
私の知っているAさんは、大きなターミナル駅などではなく、普通電車しか止まらないような駅の近くで30~50坪位の土地を購入して複数のパーキング投資を行っておられました。

元々パーキングの収益率は低いので借り入れをしてまですると採算に合いません。

だから、購入はすべて現金です。
購入するとパーキング業者さんに一括して土地を貸し、毎月定額の賃料をいただくという方法です。
たぶん、固定資産税を払ってしまうと数パーセントの利回りでしょうから、銀行に預けているよりは、ずっとましだと割り切っておられる風です。

節税効果は低いかも…

パーキングは、平面タイプだと「更地」と同じ固定資産税相続税が掛かります。

ちなみに、上記のようなパーキング用に専門業者に土地を賃貸するのは、「事業税」(地方税法)の課税対象になるのかという裁判が東京高裁であって、その土地所有者は駐車場業を行うものと認められないと判断されたそうです。
但し、個人事業税は地方税ですので東京以外での判断は不明です。

それに、他の不動産貸付業と認定されるものがあった場合は、トータルで事業税の対象となる場合があります。

換金性は高い

どちらにせよ、パーキング事業(土地)は現金より評価が低いという相続税の基本的な部分以外はあまり節税対策としては効果がなさそうです。

ただ、月極駐車場の場合、借地借家法の適用外であるので、貸主からの通告で比較的簡単に賃貸借契約を打ち切ることが出来ますし、コインパーキングは辞めると決めたら即辞めることも出来ます。
早期に賃貸契約を引きずることなく更地にすることが出来るという事は、それだけ換金性に優れているということにも繋がります。
インカムは低いけれど、キャピタルゲインは高いかも知れませんし。

そう言えば、パーキング投資をしていたAさんは、ご高齢で、且つ現金をお持ちの方でしたので、将来的なこと(値上がり・相続等)も考えてパーキング投資をしておられてのでしょうね。。

これがパーキング投資の最大のメリットかも知れません。

★不動産と節税に関する記事

財産評価基本通達6項

損益通算『土地金利不算入』の話

個人が消費税課税事業者になる場合

要注意!年末の契約【長期譲渡か、短期譲渡か】

///////////////////////////////

事業用不動産の売却・購入・買い替えなどのご相談はお気軽にご連絡お願い申し上げます。

≪一棟売マンション・収益ビル・倉庫・工場・遊休地・相続物件など≫

TEL06-6360-9791

南森町不動産の「会社案内」

南森町不動産の「お問い合わせ」

不動産ナマ知識/「長屋」の処分について

「長屋」の処分について相談をいただきました。
いわゆる、落語に出てくる「長屋」をイメージしたような木造家屋で、築年も昭和30年代で今は空き家になっています。

相談内容は、このまま売却するか、更地にして売却するという内容でした。
事前に物件について調査していましたので分かってはいましたが、実際に現地に行ってみると改めて進入路と接道状況(3メートル弱の道路幅員)の狭さに問題を感じます。

「長屋」という古風な呼び名は、今ではテラスハウスやタウンハウスというハイカラな名称になっています。

名称は違っていても、住宅が2戸以上で廊下や階段などの共用部分がなく道路から直接出入りできる建物です。

「長屋」は戸建住宅と違って「区分所有法」(建物の区分所有等に関する法律)によりいろいろな制約を受けます。

基本的な考え方は分譲マンションと同じですが、「長屋」の場合は“連棟式建物”ということで確認申請時に基礎・屋根・壁等が一棟で申請して建てています。

その部分が共有部分ですので、所有権を持っていても自分ひとりの判断だけでは建物を解体することは出来ません。

4軒長屋であれば自分以外の所有者(共有部の変更の決議は、)全所有者の4分の3以上に合意してもらう必要があります。(建て替え決議は、5分の4の同意が必要です。)特にお隣の所有者については解体すると壁の半分が無くなることもありますので、解体の合意は必須条件となります。(壁などの修復費用は解体する側が負担します。)

当然ながら、「長屋」の端の家だとお隣は1軒ですが、中の家だと2軒となりかなり大変です。

今回のご相談のあった物件については、他にも厄介な部分がありました。

それは道路の問題ですが、道が狭いということは解体工事や改築工事など施工時に工事車両の出入りに制限を受けるので、工事費用が高くつくということ。

そして、もっと問題だったのは、広い道路から当該地に至る進入路と周りの「長屋」の道路が全て各住宅の敷地による持ち出しによっている「私道」だったということです。
水道や下水道、ガス工事をする際の道路の掘削同意を得るのに、沢山の所有者の同意が必要となるので、大変な時間と場合によっては金銭が要るからです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

結論としては、金額的には低くなるけれど、現状のままでプロの不動産業者に引き取ってもらうのが現実的な解決方法だということになりました。

このような老朽化した「長屋」をどうしょうかと考えている方も沢山いらっしゃるはずです。
不動産はふたつと同じものはありませんので、個別に調査して費用対効果を考慮したうえで、どうするのが一番いいのか判断するしかないですね。

≪補足≫
今回の「長屋」を売却するのではなくて、”賃貸物件”として入居者を募集する案も検討しましたが、ちゃんとリフォームしても安価な賃料しか期待できないことからそろばんに合わないということで、その案は“没“と判断致しました。

★「不動産の処分」に関する記事

更地渡し

お隣との境界について

高齢者の不動産取引

//////////////////////

事業用不動産の売却・購入・買い替えなどのご相談はお気軽にご連絡お願い申し上げます。

≪一棟売マンション・収益ビル・倉庫・工場・遊休地・相続物件など≫

TEL06-6360-9791

南森町不動産の「会社案内」

南森町不動産の「物件情報」

南森町不動産の「お問い合わせ」

不動産ナマ知識/財産評価基本通達6項

「この通達の定めによって評価することが著しく不適当と認められる財産の価額は、国税庁長官の指示を受けて評価する。」(財産評価基本通達6項)


「タワーマンション購入による相続税対策」「アパート経営についる相続対策」を謳った節税策に対して国税庁が、『その相続税対策はやり過ぎ!』だと問題視する場合に使う規定となっています。

ネット上でも実際の判例を見ることができますが、不動産業者や建築業者としてもどうゆうルールなのかは最低限知る必要があると思いましたので、簡単に整理してみたいと思います。

不動産を使った節税策

相続税の課税対象者は年間死亡者の内、約8%でもの凄く多いとは言えません。
ただ、富裕層の保有財産はそれ以外の方の財産とかなり差がありますので、相続税課税対象者にほぼ近い方も含めて非常に関心が高いというのが現状です。
その節税方法も多種多様で、生命保険を使った策、養子縁組で法定相続人を増やす策、生前贈与や教育資金贈与などで相続財産を減らす策等あります。
要するに税金の問題ですので、税理士さんの協力が必要ですが、不動産を使った策は相続税対策の大きな柱のひとつです。

■更地に賃貸アパートを建築する

■タワーマンションを購入する

■収益不動産を借入金で購入する

こんな風に不動産を購入、所有すると例えば現金や預貯金の1億円を不動産に変えると3000万円とか4000万円の相続評価額に変えることも可能です。
不動産を使う対策は金額が大きいのでその効果も大きいし、他の対策に比べて分かりやすいというのが人気の理由なのでしょう。

先の3つの対策は、建物の相続税評価額=固定資産税評価額だということ。
次に、土地は路線価で評価するので、それだけでも地価公示価格の80%程度になるし、小規模宅地等の特例を適用するとさらに相続税評価額を下げることができます。
建物を自宅ではなくて貸家として人に貸せば、貸家の評価(借家権30%ダウン)に出来ます。

借入金で不動産を購入すれば、不動産の相続税評価額より差し引かれるので、大きな節税効果をもたらすというのはアパート建築や収益物件購入を推奨する業者の常套句でもあります。

要するに程度の問題

「財産評価基本通達6項」はそうした行為をダメだと言っているのではありません。
(今のところ)『露骨な節税』はダメだと言っている。
『露骨な節税』とは、例えば余命数ヶ月の段階で数億円するタワーマンションや一棟売マンションをほぼ借入金で購入するとか、相続税の申告が終ったらさっさと売却するとか税務署をなめたような行為をするなってことです。

昔から節税対策と税務署は“モグラ叩き”のような関係です。
おそらく、税務署は役所の中でももっともキッチリ仕事する役所です。
物事には程度ってものがありますので、そこのところは我々アドバイスする側の人間も十分に気をつけないといけません。

★不動産と税金に関する記事

印紙を貼る「課税文書」

個人が消費税課税事業者になる場合

新築物件は『固定資産税評価額』が決まっていないが…

///////////////////////////////

事業用不動産の売却・購入・買い替えなどのご相談はお気軽にご連絡お願い申し上げます。

≪一棟売マンション・収益ビル・倉庫・工場・遊休地・相続物件など≫

TEL06-6360-9791

南森町不動産の「会社案内」

南森町不動産の「物件情報」

南森町不動産の「お問い合わせ」

不動産ナマ知識/相続財産に収益不動産がある場合

相続と投資用不動産の身近な関係

賃貸マンションやワンルームマンションへの投資がブームになっていましたが、不動産投資ブームの波は数十年前から繰り返しあり、既に多くの方が収益不動産を所有しています。

サラリーマン家主さんがマンション投資した結果、5~6戸の分譲マンションを所有しているなんてことも珍しいことではありません。

趣味と実益を兼ねて家主業を行っていたお父さんが故人になってから、残された相続人は収益不動産を含めた遺産をどういう風にしたらいいのかという大きな宿題を負うことになります。

大きなテーマで言えば、「遺産分割協議」の問題ですが、先ず、相続と相続税は違う問題だということを認識しなければなりません。

相続は家主さんの死亡により発生しますが、その中の約8%の人に相続税の納付が必要だということです。

 

死亡者数に対する相続税の課税件数の割合がどれくらいかをみると、2019年は8.3%となっています。実際に課税があった被相続人(死亡者)の数は100人のうち約8人ということです。
課税があった被相続人1人に対する相続税額の平均は、1,714万円となっています。2015年以降は相続税の基礎控除額が縮小されたことで、課税される人の割合は2014年の4.4%から8%台に増加しました。

(生命保険文化センターHPより)

★遺産総額が基礎控除額を下回る場合、相続税はかかりません。

相続税課税対象額=遺産総額―基礎控除額

※遺産総額:預貯金・現金・株・不動産などの合計

※基礎控除額:3000万円+(相続人数×600万円)

 

ここでは相続財産の内の収益不動産だけを見ながら進めますので、相続財産全体の問題は扱いませんので、あまり相続税のことは触れないようにします。

遺産分割については、遺言書がある場合は、原則として遺言書に従って遺産を分けます。

遺言書がない場合で相続人が複数いるときは、話し合いでどうするのか決めないといけません。

その中に一棟マンションや投資用分譲マンションがあったら、どうしたらいいのかというのが問題です。

 

遺産分割/3つの方法

遺産分割には、【現物分割】【換価分割】【代償分割】という3つの方法があるとされています。

 

【現物分割】

現金は長男、株は次男、自宅はお母さんとかいう風に現物をそれぞれの相続人が取得する方法です。
収益不動産も共有名義にできますが、後々揉める可能性が高いということで避けた方がいいとされています。

分譲の収益マンションを複数相続した場合、同じ建物内であれば各相続人に分けても大きな差はないのですが、全く別の場所だとか間取りや面積も大きい小さいなどバラバラだと各相続人によって格差が生じますので、次の【換価分割】【代償分割】などの考え方も頭に入れながら対処する必要があります。

【換価分割】

相続人が取得した財産の全部または一部を換金して、その換価代金を分割する方法です。

相続人がだれも収益不動産の取得を望まないときに適しています。

【代償分割】

例えば、相続人の一人である長男が収益不動産を取得して、他の相続人である次男や長女に現金を支払うというやり方です。

遺産分割は相続人全員の同意が必要です。

特に相続税の納付が必要な場合は、相続発生から10ケ月以内が申告と納税を行うこととされていますので、収益不動産が含まれるとなると遺産分割協議は非常にタイトなスケジュールであります。10ケ月内に合意できそうにない場合は、一旦、法定相続分で取得したものとして申告と納税してから、後日遺産分割協議が成立してから修正申告する方法がとれます。

 

相続で「家主」が変わります!

家主さんの死亡により、金融機関の口座が凍結される可能性があります。
特にこちらから申し入れなくても、なんらかの情報網で金融機関は死亡情報を手に入れます。(絶対とは言えませんが…)

余談ですが、私の父親が死亡した30年程前は、死亡後に郵便局や信託銀行でも相続人のひとりが印鑑と通帳を持って窓口で出金できました。
それ原因で、我が家は長い間揉めて遺産分割が出来ない状態になってしまいましたが。

口座が凍結されると、振込や引落の機能がストップしますので、家賃保証会社や賃借人からの家賃の入金にも影響しますし、管理費や水道光熱費などの口座引き落としも出来なくなります。

相続開始から遺産分割協議が終わるまでは、その収益不動産は法定相続人全員の共有です。

収入も支出も全員のものですので、厳格に言えば「確定申告」する必要が発生します。

 

口座凍結の解除することも出来ますが、相続人全員の戸籍や印鑑証明などを揃えるなどの手間ひまは掛かります。

 

通常の収益不動産の売買と同じように、入居者(賃借人)に家主が代わったことを通知し、家賃の振込口座が変わるのならその旨をお知らせしないといけません。管理会社や家賃保証会社などにも同様の報告をしなければなりません。
水道光熱費やカードの支払いも同じです。

ローンが残っていたら金融機関にも報告して、ローン残高の債務(借金)を相続することになります。

一生のうち、なんども経験しないことを処理しないといけないので大変だと思います。
ちゃんとした相談相手が要るといいのですが、相続人それぞれの思惑や感情なども調整しないといけない損得だけでは出来ない仕事です。
でも、なんとかしないと前に進めません。

★相続に関する記事

実家の処分はなぜ揉める?

相続登記の義務化

土地相続未登記に「過料」?

売買契約締結後に相続発生が…

相続税の物納(不動産)

///////////////////////////////

事業用不動産の売却・購入・買い替えなどのご相談はお気軽にご連絡お願い申し上げます。

≪一棟売マンション・収益ビル・倉庫・工場・遊休地・相続物件など≫

TEL06-6360-9791

南森町不動産の「会社案内」

南森町不動産の「物件情報」

南森町不動産の「お問い合わせ」

不動産人/売買契約締結後に相続発生が…

不動産の売買契約を締結して、売主から買主へ引き渡し(≒決済)前売主または買主が死亡した場合の取り扱いについて考えてみます。

【売買契約】

相続人が被相続人の地位を引き継ぎ決済に臨むことになります。
もし契約自体を止めるつもりなら契約手付金の没収、倍返し等の契約書上に記載された方法で解約することになります。

【相続税】

売主が死亡した場合は、取引不動産は残代金請求権(未収金)という課税財産になり、反対に買主が死亡した場合は、売買契約金額が引渡請求権(購入金額)という課税財産になるが、不動産(金額は相続税評価額)として申告することも可能だそうです。

【譲渡所得税と住民税】

不動産を売却すると、その譲渡益に対して譲渡所得税と住民税が課税されます。
勿論、譲渡損の場合に課税はありません。
通常だとその不動産の「引き渡し日」を基準に考えるのですが、希望すれば「契約日」とすることも認められています。
「引き渡し」基準だと、取引を引き継いだ相続人は相続による取得した場合と同じく、被相続人の取得費を引き継いで“確定申告”する。
住民税も発生し納税することになります。
他方、「契約日」を基準に申告するということは、“準確定申告”を行います。
“準確定申告”は被相続人(故人)の譲渡所得として、相続人が相続開始日から4ケ月以内に申告と納税を行う必要がありますので、急ぎの仕事であります。
算出された所得税は、相続税の計算上、債務控除の対象となる。
そして、“準確定申告”に対応する翌年度の住民税は、被相続人(故人)が翌年の1月1日に生存していないので、課税はありません。

【小規模宅地等の特例】

売主・買主ともに当該不動産(宅地)が相続発生と同時に「債権」になる為、「小規模宅地等の特例」は適用されないらしい。
ただ、課税財産として申告する場合は、適用を受けることが出来るケースもあるらしいので、税理士さんとの相談は必須です。

以上、税理士さんの講習で聞いた受け売りですが、詳しい税率や計算方法などは税理士さんにお任せするとして、不動産業者としてはこのくらいの知識を持ってご相談に乗れればと思っています。

★相続に関連する記事

不動産と相続放棄の関係

高齢者の不動産取引

相続税の物納(不動産)

相続財産の”路線価“評価=不適切の判決

////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////

事業用不動産の売却・購入・買い替えなどのご相談はお気軽にご連絡お願い申し上げます。また、いろいろな身近なご相談も受け賜りますので、お電話やメールでも結構ですので、お待ち申し上げます。

≪一棟売マンション・収益ビル・倉庫・工場・遊休地・相続物件など≫

TEL06-6360-9791
南森町不動産の「会社案内」
南森町不動産の「物件情報」
南森町不動産の「お問い合わせ」

事業用不動産の売却や購入・テナント募集など、お気軽にお問合せください!

 

不動産ナマ知識/相続財産の”路線価“評価=不適切の判決

世間では相続で不動産を残された財産は、土地は路線価・建物は固定資産税評価額を基に相続税の算定をすると思っています。
その算定基準を信じているから、相続税対策でアパートを建てたり、タワーマンションを買って節税を行っているのですから。

ところが、今年8月末に東京地裁が路線価に基づく相続財産評価を“不適切”とする判決を下しました。
日経新聞によると、2012年6月に94歳で亡くなられた男性が、その2年半~3年半前に2棟のマンションを購入していました。
相続人が路線価等で相続税評価額「約3億3千万円」から銀行からの借入金を引いて相続税額を「ゼロ」として税務署に申告。
購入時の価格は「13億8700万円」(2棟)で、国税が示した不動産鑑定でも評価額は「12億7300万円」で、国税は相続人の「ゼロ」申告を“申告漏れ”と指摘し、相続人がその取り消しを求めて提訴したというのが今回の裁判の流れです。

以前にあるセミナーで、テーマが“こうすれば相続税は安くなる”という講演を聞いたときに、講師が相続税が高いと感じた時は、「不動産鑑定士に依頼して鑑定評価をしてもらい国税に突きつければ勝負できます」というような内容の話を聞いた記憶があります。
今回のケースは、その逆バージョンです。

今回の判決では、「近い将来に発生することが予想される相続で、相続税の負担を減らしたり、免れたりする取引であることを期待して実行した」ので、“不適切”なのだとしています。

元々“路線価”は“実勢価格”よりもかなり低い価格ですので、現金で保有するより不動産に換えて相続した方が「税金が安く」なる、だから節税目的で不動産購入を考えている人は多いのです。
最近では、国の方も基礎控除も低くして「浅く広く相続税を徴収しよう」と考えているから、地価の高い東京などでは特別大金持ちでなくても、忙しなく相続税対策をしているのですが。
ここ数年の地価上昇で、“路線価”と“実勢価格”の差はより大きくなっているので、今回のようなに4倍も評価も差があるなんてことが起こっているのです。

モグラ叩きはまだまだ続きます・・・

★不動産と相続に関する記事

不動産と相続放棄の関係

“空き家”問題と相続&賃貸の関係について

相続税の物納(不動産)

所有者不明の土地

////////////////////////////////////////////////////

事業用不動産の売却・購入・買い替えなどのご相談はお気軽にご連絡お願い申し上げます。

お電話やメールもお待ち申し上げます。

≪一棟売マンション・収益ビル・倉庫・工場・遊休地・相続物件など≫

TEL06-6360-9791
南森町不動産の「会社案内」
南森町不動産の「物件情報」
南森町不動産の「お問い合わせ」


事業用不動産の売却や購入・テナント募集など、お気軽にお問合せください!

不動産ナマ知識/相続税の物納(不動産)

国税庁のHPによると、平成28年分の相続税の申告状況の概要が簡潔にまとめられていて今の状況がよく分かります。

 

【相続税の対象者の増加/物納の減少】

1被相続人の数

平成28年中に亡くなられた方(被相続人数)は約131万人。
この内、相続税の対象となった人数は、約10万6千人、その割合は8.1%。

平成25年度税制改正により、基礎控除額の引き下げが行われる前は約5%程度だったと覚えているので、随分増えたわけです。

2課税価格と税額

課税価格の合計は、14兆7813億円、被相続人一人当たり1億3960万円。
その税額は、1兆8681億円、被相続人一人当たりでは1764万円。

3相続財産の構成比率

相続財産の金額による構成比は、
『土地38.0%/現金・預金31.2%/有価証券14.4%/家屋5.5%』です。

『土地と家屋の合計では、43.5%』となり圧倒的に「不動産」の割合が大きいことが分かります。

また、国税庁のHPには、「相続税の物納処理状況等」のページがあって、毎年度の物納申請件数と許可された件数や取り下げや却下件数などが分かります。

この表を見ると、実は物納が10年前、20年前に比べてもの凄く減少していることに驚きます!

相続税の物納処理状況等/国税庁 ←クリック

平成30年度の申請件数はたったの99件で、そのうち許可された件数は47件と驚くほど少ないのです。許可された47件の金額は280億円ですから、1件当り5億9557万円。

【物納が少なくなってきた訳】

相続税はお金で支払うことが原則ですが、金銭納付が難しい人の為に、一定の財産での物納が認められています。

そのひとつが「不動産」です。

平成11年度の1%弱にまで不動産の物納が減った原因は、バブル崩壊後に地価が下落し金銭納付が難しくなった納付者が増えたことから、平成4~6年頃から物納申請件数は急増、さすがの税務署も処理するのに困って平成18年の税制改正で申請件数を抑えに掛かったわけです。

特に厳格化するとして、測量や境界確定に関する書類を最長1年以内(但し、利子が要る)とは言え、敏速に提出しなければならないことになったことが大きい。

測量や道路明示に掛かる時間は物件にもよりますが、大阪市内など隣地所有者が数人の物件でも数ヶ月、費用も数十万円、場合によってはそれ以上掛かる場合もあります。
隣地に厄介な人がいたり、所有者が相続などで数十人居たり、外国に居たりするとその作業は手間隙が思ったよりも掛かります。

生前から相続対策を考えていて、現金は別の策を講じてあまり保有しないようにし、多くの不動産を引き続き子供達に引継ぎ、物納したい不動産は測量手続き進めておくなどの準備ができる地主さんでないと物納制度を利用できにくくなったと思われます。

また、物納できない不適格な不動産には、未測量物件の他に①担保に入っている物件、②相続人間で争いがある物件、③古年建物④敷金返還を要する物件などもあります。

【時間との戦い】

物納の申請は相続発生後から10ヶ月以内と、通常の相続税の申告、納税の期限と変わりません。
通常の相続でもバタバタなのに、物納する「不動産」が決まっていない場合はその手続きだけでも大変で、ハードルはもの凄く高いことが想像できますね。

★相続に関係する記事★

不動産と相続放棄の関係

空き家問題と相続&賃貸の関係

実家の処分はなぜ揉める?

所有者不明の土地

///////////////////////////////

事業用不動産の売却・購入・買い替えなどのご相談はお気軽にご連絡お願い申し上げます。

≪一棟売マンション・収益ビル・倉庫・工場・遊休地・相続物件など≫

TEL06-6360-9791

南森町不動産の「会社案内」

南森町不動産の「物件情報」

南森町不動産の「お問い合わせ」

不動産ナマ知識/「老後2千万円蓄え必要」金融庁報告書の余波

6月3日に金融庁が発表した「人生100年時代を見据えた報告書」が、大騒ぎの火種となってしまいました。
長くなる定年後の人生、じわり減り始めた公的年金、そして超低金利が続く中での運用難の時代を皆が実感し、将来への不安を感じ始めている。
そんな時に、95歳まで生きるには夫婦で約2000万円の蓄えが必要だと発表したのだから無理もありません。

高齢者の間に老後資金の不安が強まったのが平成30年頃からだったから、今多くの高齢者は「長く働く」ことを理解し始めていると思います。
公的年金だけは生活できないことを知っているけど、政治家は「100年安心」だと言っていたこともチャンと覚えています。(昨日、何を食べたかは忘れてしまっていますが^^)

いわゆる、平均的だとされる65歳男子+60歳女子の夫婦では、年金収入20万円に対して毎月5万円の赤字が生じるという試算から、95歳まで生きると約2000万円要るのだそうだ。

報告書では、現役のときから長期積み立ての商品に分散投資するように、定年後は退職金も有効に使いましょうと示唆しています。

後日、麻生金融相が「表現が不適切だった」と釈明しているのをニュースで見ました。
でも、余計に意味が分からなくなってしまいました。
たぶん、今の60歳の25%の人が95歳まで生きるという推計があるそうですので、「年金だけでは食って行けないよ」と言いたいのだということでしょう。

それから不動産関連の問題についてひつだけ取り上げてみますと・・・長い人生の中で最も比率の高いものとして、子供の教育費・老後の生活費などがありますが、最たるものは「住居」です。

どこに住むか、どんな処に住むかによってリタイアした後の生活費は全然違ってくるものです。

日本全国の持ち家比率は60%強です。最も比率が高いのが、富山県80%弱、秋田県、山形県と続きます。関西圏は賃貸比率が高くて、大阪府は40%強、京都府も約35%です。

賃貸か持ち家かという論議はあるのですが、持ち家派の方が定年位で住宅ローンが完済していると楽ですよね。
逆に、賃貸派の方は相変わらず支払いが続きます。
世帯人数が減ったりして引っ越すのもお金が掛かるのと、受け入れてくれる賃貸住宅も若いときのようには見つからないかも知れません。

この問題は出来れば、60歳より以前に考えておいて準備したいとです。
70~80代でこの問題に対処するのが結構きついと思われます。
金融庁の人はそこまで考えてはくれませんからね!

★高齢者問題に関する記事★

不動産取引の2つの高齢化問題

高齢者の「終の住まい」

遺産分割協議書

不動産と相続放棄の関係

実家の処分はなぜ揉める?

/////////////////////////////////////////

事業用不動産の売却・購入・買い替えなどのご相談はお気軽にお電話やメールお待ち申し上げます。

≪一棟売マンション・収益ビル・倉庫・工場・遊休地・相続物件など≫

TEL06-6360-9791

南森町不動産の「会社案内」

南森町不動産の「物件情報」

南森町不動産の「お問い合わせ」