カルロス・ゴーン被告が国外に逃亡したり、新型コロナウィルスでインバウンド(外国人旅行者)が激減したりと、島国の日本も昔ほど目に見える国境はなくなっていて、不動産の取引も日本人同士だけのものとは限らないものになってきております。
とは言うものの、実際のところは、私も純粋に外国の方と取引したことは3度(売買1件・賃貸2件)しかありません。
大阪市内の不動産会社には、中国籍やその他の国の社長さんが経営しているところも増えてきていますので、本国から日本へ不動産投資物件や住まいを探される場合は、同じ国籍の方を頼って取引が行われることと安心感があると思います。
でも、対象物件の売主や家主さんは日本人だというのが多いでしょう。
日本国内の不動産取引は、日本の法律や商習慣に基づいて行われるわけですから、外国人だからと言ってびくびくする必要はありません。
外国人特有の注意点を3つ確認しておきたいと思います。
【言葉や通訳・代理人】
我々がその外国人と通訳なしで意思疎通を欠くことが無いほど、語学力があれば問題ないのですが、そういう不動産業者の数は少ないのです。
一般的には日本語が話せて、契約書や重要事項説明書が読める人が通訳してくれると助かります。(場合によっては翻訳作業も必要)
でも、当事者の友人ではなく第三者の方に依頼すると結構な費用負担が発生します。
これをだれが負担するのかという問題ですが、理屈の上から言えば、その外国人の方が通常の仲介手数料とは別にその費用を負担していただけるといいのですが、それを承諾いただけない場合、取引金額によっては商談を進めることが出来ないことも考えられます。
(←報酬金額が小さいと経費倒れになりますから)
また、代理人を立てて商談を進める場合もあると思いますが、契約者と代理人との関係がどのようなものか、また、法的に問題がないのか確認することが重要だと思われます。
【印鑑や住民票】
「短期在留者」(入管法施行規則によって90日、30日又は15日のいずれかと規定)や「海外居住者」の場合、“住民票”や“印鑑証明書”は取得できないので、それに代わる“宣誓書”や“サイン証明書”を用意してもらう必要があります。
司法書士さんが指示してくれるでしょうから、一応そういうものが要るということくらいはしっておきたいものです。
【納税管理人】
例えば、転勤や移住などに起因して納税する人が海外に住んでおり、住所が日本にない場合などに国税や地方税の申告書の提出などを処理する目的で選任される人のことを言います。
納税管理人は、納税者の代わりに日本の税務署に確定申告を提出したり、税務署からの連絡を受けたりします。
税理士や司法書士などに依頼することが多そうです。
税金だけでなく、マンションの管理費やその口座の管理、不動産に関わる日常的な問題を処理する判断もしてもらえると助かりますので、不動産を管理する人からしても海外の居られる外国人・日本人問わずそういう立場の人(納税管理者)はどうしても必要です。
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