不動産ナマ知識/不測の事態が…相続対策に落とし穴

相続税対策としてタワーマンションを購入したけれど、国側が勝訴して追徴課税3億円超が確定したというニュースを見て書いています。(令和4年4月19日付)

一般的に相続財産の評価について、土地は「路線価」を使用し、建物は「固定資産税評価額」を使うということですが、国税庁は「時価」に基づくとしていますので、「路線価」以外の“算定基準”を使うことは問題ありません。
でも、数年前に出席した相続対策のセミナーの講師が、殆どの税理士さんは「路線価」を使って機械的に税額を算出していると解説していました。
税理士さんは、不動産の専門家ではないので「不動産鑑定」「取引事例」などを使う方法は思いつかないというのも仕方ないのかも知れません。

今回ニュースになっているケースは、①金額が大きい、②時価と路線価との差が4倍くらいある、③相続人の中に孫を養子にして周到に節税対策をしていた、④被相続人は90歳だったがタワーマンション2戸を購入して、3年後に亡くなっている、⑤購入に際して多額のローンを組んでいたため、申告した相続税はゼロだったことが、国税庁から相続税対策としてやり過ぎだと判断されたようです。

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先のタワーマンションなど収益用不動産を購入するのとは違い、自分でアパートやマンションを建てるという古典的な相続対策があります。
アパートやマンションを新築する場合は、計画~着工~完成~賃借人の入居まで長い時間を要するので、途中で依頼者(被相続人)が亡くなってしまうという不測の事態が起こることがあります。

私も今から30年以上も前のことですが、、ご相談者のお父さんが賃貸マンションがほぼ完成した段階で亡くなられたことがありました。
今とは違う思いますが、その時は未入居でしたけれど貸家建付地の評価減が適用されたと記憶しております。

税法も変化しますし、税金の適用基準も微妙に変化しますので、以前はこうだったと言っても今はそうならないことがありますので、気をつけないとエライ目に合います。
税金を払う側と、税金を徴収しようとする側の攻防は、モグラ叩きゲームのようにあっちを叩けばまたこっちというように延々と続いております。

現状の考え方は・・・

【建築途中で亡くなった場合】
土地=自用地の評価(評価減はない)
建物=亡くなった日までに要した費用×70%(建替えにより、旧賃借人の入居が決まっている場合などで例外あり…)

 

【建物完成後に亡くなったが、空室状態の場合】
土地=賃借人がいなければ評価減はない。

※更地価格×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)

※賃貸割合=全10戸の内、5戸入居者がいれば5/10、全戸空き室だと0/10

※一旦入居者が入ってから退出した場合は、賃貸中とされます。

※一時的な空室でない物件の敷地は、賃貸事業を行っていないので、貸家建付地の評価減は適用されないし、小規模宅地の特例も適用されません。

建物=空室割合に応じる(固定資産税評価額×(1-借家権割合0.3×賃貸割合)

★不動産と相続に関する記事

財産評価基本通達6項

相続財産に収益不動産がある場合

相続財産の”路線価“評価=不適切の判決

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不動産人/仲介業者の独り言⑦

将来就きたい職業

ランドセルの株式会社クラレが毎年行っている「将来就きたい職業」が4月5日発表されました。
(2022年4月に小学校に入学する子どもが調査対象です。)

男の子の1位は2年連続で「警察官」、女の子の方は「ケーキ屋・パン屋」で24年連続1位だそうで凄い人気ですね。

私が個人的に気になるのは、「自営業」「不動産屋」ってどうなのかってことです。

男の子の「自営業」は13位、ちなみに去年は10位で、女の子は「自営業」希望は、15位、去年は13位。
これってまずまずのランクインじゃないですか?
職業の中に「社長」とか「経営者」という選択肢がなかったからかもしれませんが、自分で仕事したいという気持ちはイイ感じですね!

親は子供に希望する職業はというと、男の子の親が「公務員」「会社員」「医師」
の子の親は、「看護師」「公務員」「医師」となっています。
でも「会社員」って果たして”職業”って呼べるのかどうか?どうでしょうかね?

「不動産屋」っていうのは調査結果の中にはなかったですね。

子どもの頃、私の希望する職業は「動物病院の先生」「本屋さん」それに何故か「不動産屋」でした。
勿論、「不動産屋」ってどういう仕事なのかよく分かっていませんでしたし、夢を叶えようと努力した訳でもありませんので、今の自分が子供の頃の夢を叶えたという気持ちにはなっておりません(^^)

2022年4月6日

★不動産業の仕事に関する記事

「雨の日の客は本物」

10年後に残れる仕事

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不動産人/“季節感”のない年度末

3月末は年度末、昔だったら駆け込み需要とか押し込み需要とか言って、なんとか年度内(3月中)に契約だけでもとかいう不動産取引があったものです。

いつ頃からでしょうかね、そういうのがなくなってしまったのは…年度末の取引って、ある意味、数字合わせの部分もありますが、おそらく銀行や各企業が年間通して数字を見ているので、年度末にバタバタと数字合わせをする必要がなくなっている為だと思われます。

数字を創る側の銀行を相当進化させたのは、昭和後期のバブル期の不良債権処理によって得られた功績が大きいのでしょうか。

例えば、あの頃はペパーカンパニー使って不良債権を「飛ばし」ていたなんて、いかにも悪いことしている雰囲気ありましたけど、今は「飛ばし」もチャンとA社→B社と実態のある法人を使って所有権ごと移動させていますから罪悪感は全くありませんよ、ちゃんとした“商“ですから。

取引企業も銀行に嫌われたら生きていけませんから、逆らうことは出来ません。
特に不動産業界は、低金利と金融緩和があれば景気が良くなる業界です。
銀行の支援が不可欠な業界なのです。

 

コロナ禍で世界中が金余りと言われて“コロナバブル”と言われて株や不動産は高止まりしているのですが、実経済は相当傷ついているって思うのですけど。

コロナ禍で滞留している資金の中には、相当不良債権化しそうなものがありそうですね。

だってあんなに大盤振る舞いして困っていない人にまでお金出していたんですから…どういう風に回収するかって言えば「増税」しかないでしょう。

 

3月29日、岸田総理は「総合緊急対策」を来月末までに取りまとめるよう指示しました。

「総合緊急対策」は4つの柱になるということです。

■原油の高騰対策

■穀物などの食料品対策

■中小企業の資金繰り支援

■生活が困窮する人などへの支援

あの“年金受給者への5000円給付”は早々に取止めとなりましけど、「総合緊急対策が単なる夏の「参議院選挙」対策にならないことだけは願ってやみません。

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「年収倍率」今と昔

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不動産景気の遅効性

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