不動産人/マスクマン

今年の就職活動シーズンの頃でした。新聞の投書欄に、ある学生さんが「いくつもの会社を訪問して面接を受けたのですが、自分の氏名は名乗るのですが、面接してくれる方は名前も肩書きも伝えてくれない…」というのがありました。
学生さんの言っていることが当然で、考えてみれば、会社の名前は判っていても、質問している人がどういう人なのか判らないなんて、本当におかしな話ですよ。
もう数ヶ月前のことなのに、まだ記憶にあるのは、かなり納得した内容だったからでしょう。

私のメインの仕事は一棟売物件の売買仲介業ですが、10数年前から家主さんに直接依頼された物件のテナント募集や入居者募集もするようになりました。
大阪で物件を所有している東京や地方の方が、知人の紹介とか、ネットで「南森町不動産」HPを読んでもらって、親身に相談されると嬉しくって賃貸募集もするようになったわけです。

賃貸の場合はだいたい、業者さんが連れてくるお客さんがどこの誰とも判らないことがほとんどで、内覧した後の返事もないことの方が圧倒的に多いものです。

勿論、借りたいとか、条件交渉してくる場合は、お客さんの素性も判ってきますが…

物件によってはなかなか決まらないケースもありますので、いろいろな業者さんが取っ替え引っ替えお客さんを連れて来てくれるのは有難いのですが、その後の返事が全く無いということが続きますと、こちらとしては気の抜けたサイダーみたいな感じになるのであります。

まあ、賃貸の営業って、とりあえず案内する仕事なのかも知れませんが…昨日なんか、飲食不可の物件に飲食希望のお客さんを連れて見に来る賃貸業者なんてのは論外ですわ!

売買物件、特に収益物件の商談や現地案内の場合は、同業者さんとのコミュニケーションもそれなりに必要なので、売主や買主のプロフィールも大体判ることが多いですね。
また、売主・買主との遣り取りの結果もそれなりに連絡や報告があることが普通なので、話として白黒がはっきりするものです。

コミュニケーションが取れない業者さんとは自然と疎遠になって行くものですから、『いい加減な奴だな!』っていう評価で終わってしまいますよ!

不動産ナマ知識/宅地建物取引士

「宅建主任者」から「宅建取引士」へ

「宅地建物取引主任者」を「宅地建物取引士」に名称変更するなどの宅建業法改正が、国会で可決され後の2015年の4月1日から施行となりました。 一見すると、わざわざ「…主任者」から「…士」に変更するだけなのに大袈裟なことをと思いますが、実はなかなか大変な手間と年月が掛かっております。 法案等によりますと・・・暴力団に関係した人は、そうでなくなった日から5年間経過すること、暴力団関係者がその事業活動を支配する場合はダメ。

「宅地建物取引士」を含めた宅建従事者の倫理規定・コンプライアンス意識と、重事項説明の内容が年々増加するなど、取引に関する法律や関連制度が多様化するため宅地建物取引士の責任は益々重くなっています。

確かに、かつての重事項説明書は一棟売マンションでも、A3用紙一枚だけなんてのも見たことがありますが、今では考えられないことです。

その為、専門的知識の習得などに更なる研修制度が実施されています。 我々当事者としては、これらが有料化されたり、新たな団体に加入したりするのを恐れている次第です。なぜなら、今まで新しい制度や法律の整備がなされると、それが新たな天下り先に繋がる口実なんてことだったら由々しき問題だと思うからです。 「宅地建物取引士」は、その不動産会社の営業関係者の「5人に1人必要」というのが絶対数必要ですが、以前からくすぶっていた「3人に1人必要」にしようというのは、当分の間はなさそうだというのです。理由は、十分な教育を受けた「宅地建物取引士」がいて、その他の従業員もボトムアップするからその必要はないということらしいが・・・正直いって、その意味はよくわかりませんなぁ~

いわゆる“士業”といえば、弁護士、不動産鑑定士、司法書士など「士」と呼ばれる専門性の高い国家資格の俗称ですが、最近では、マンション管理士やファイナンシャルプランニング技能士などの新参ものもありますが、「宅地建物取引士」も専門性の高い国家資格だと言うのであれば、不動産の営業に関わる人は全員その資格を持つことが望ましいのじゃないでしょうか。

「宅地建物取引士の記名押印」

売買や賃貸借の契約をする時には、その契約前に宅建業法第35条に定める重要事項の説明、重要事項説明書への記名押印及び同第37条に定める書面(契約書等)への記名押印は、「宅地建物取引士」が行う必要がありますが、不動産業者でも意外と勘違いしていることがあります。 まず、宅建業者が売主の場合や複数の仲介業者が存在している取引の場合も、すべての宅建業者が宅地建物取引士の記名押印をしなければならないということ。

宅地建物取引業法  第37条1項(書面の交付)

(注)1項は「売買又は交換」2項は「宅地又は建物の貸借」でほぼ同じような内容です。

宅地建物取引業者は、宅地又は建物の売買又は交換に関し、自ら当事者として契約を締結したときはその相手方に、当事者を代理して契約を締結したときはその相手方及び代理を依頼した者に、その媒介により契約が成立したときは当該契約の各当事者に、遅滞なく、次に掲げる事項を記載した書面を交付しなければならない。
■取引の当事者の氏名(法人にあつては、その名称)・住所

■物件の住所・所在、地番・種類、構造

■取引金額やその支払の時期及び方法

■引渡しの時期・移転登記の申請の時期

■契約の解除に関する定めがあるときは、その内容

■損害賠償額や違約金の内容 ■天災その他不可抗力による損害の負担と内容

■当該宅地若しくは建物の瑕疵を担保すべき責任

■公租公課の負担と内容・・・・・・等が主たる事項です。

 

それに、宅建業法第37条では、いちいち細かくは書いていませんが、売主が業者の場合、仲介業者が記名押印しているから売主自らの記名押印を不要だとはしていません。 また、仲介業者が複数の場合、根付業者が代表して記名押印すれば、その他の中間業者は仲介手数料を受け取るために領収書さえ持ってくればイイというものではありません。

昔ほどではありませんが、今でも意外といいラフな場合も多いようですが。

 

不動産人/住居表示と地番

法務局の申請書類に『地番・家屋番号は、住居表示番号(○番○号)とはちがいますので、注意してください。』と書いてあります。 そうです、「住居表示」と「地番」は、通常同じではありません。

(田舎に行くと、地番と住所が同じところもありますが・・・)

「地番」→「その土地の登記簿での所在地・番号」

「住居表示」→「建物の表示で、そこに住む人の住所・番号」

として利用しています。

法務局では、土地はすべて「地番」で登記されていますし、建物の登記簿上の「家屋番号」も「地番」が分かれば調べることができます。

■住居表示のしかた■(大阪市)

(町名)

(街区符号)

(住居番号)

大阪市××区 ××●丁目 ●番 ●号

マンションは、●―●号

棟番号と各戸の番号

※街区符号のつけ方は、数字を用い、大阪城にもっとも近い街区を起点として、連続蛇行式により順序よくつけるものとする。

※住居番号のつけ方は、大阪城に近い街区の角を起点として原則として右廻りに街区の境界線を10m間隔に区切り、住居番号の基礎となる番号を当該間隔に順次つける。 (大阪市住居表示実施基準より)

 

■地番の意味■

元々「地番」は(明治時代の地租改正以来)固定資産税を聴取するために個々の土地につけた番号です。

だから、“固定資産税・都市計画税”の請求は所有者の住所に着ますが、対象不動産の表示は「地番」で行っています。

土地を特定するためにつけた番号と、その所有者を明解にするための登記することになります。

 

自己管理

数日前から、喉に痛みがあって、ヒリヒリしています・・・風邪引いたみたいです。で、今日はやたらと動き回ったらり、しゃべりまくったりしないで大人しくしておこうと思っています。
一人でやってる不動産業者さんって、一般の人が思っているより結構たくさん居るのですが、健康を害するとお陀仏です。
有給休暇もありませんし、健康保険も会社負担なんてありませんからね。
そのくせ、お酒はよく呑むし、よく食べますので、体にはすごく悪いことばっかりしているみたいですが。(笑)
自己管理って言うんですか、なかなか難しいですね。

一番いいのは、自分でドンドン用事を作って、自分を追い込むことですね。

でも、スケジュールで一日をパンパンにしてしまうと、いろんな用事が飛び込んできた時に対応できませんから、そうですね、一日のうち、30~40%は比較的柔軟に行動できる時間を用意して置かないとダメだと思っています。

昨日、神戸の業者さんとしゃべっていると、9月は暇だったとか、そうそう、そんなこと言っていた業者さん他にも居ましたね。

詰めた商談が2~3つ重なりと、一日の予定は動かせませんので、すごく忙しいし疲れますが、10月はそんな日がたくさんあると嬉しいのですが!(笑)

不動産人/人生いろいろ、商もいろいろ

大相撲秋場所千秋楽は、日馬富士が優勝決定戦でも豪栄道に勝って逆転優勝。

11日目の時点で星の差3つから逆転したのは、15日制が始まって以来の快挙だとか!
勝負事は最後まで何が起こるか判らないと言いますが、不動産仲介業の仕事も大どんでん返しや、煮え湯を呑まされることなど、全くいろいろな経験をさせてくれます。

本当にいろいろなことがあるので、どれから書いたらいいのか迷ってしまいますが・・・

例えば、(最近の話ではないのですが、)契約日、売主様の会社に買主様と一緒に伺ったのですが、到着後に買主様の本社(台北)から送金が出来ないということが判ったのでした。
理由は、台北のD銀行が台風で休業しているというのです。
日本では、台風如きで銀行が閉まるなんて考えられないことですが、売主がカンカンに怒ってしまって「だから外国人と契約するのは嫌だったんだ!」なんて言い出す始末です。

その銀行は日本のD銀行の台北支店だったので、売主はD銀行の本店に確認の電話をしました。
結果は、本当に台風で休んでいたので、皆、沈黙して引き上げました。

そして、売主様は憮然として、後日改めて契約に臨んだのでした。

ある売り物件に、買主が付くのに手間取っていたのにも関わらず、いざ買主が付くと、ほぼ同時に別の買主が現れるなんてことも日常茶飯事です。

また、次々に買主が付くのに、売主がいろいろな要因で、断り続けることがあります。暫くすると、「最初の買主が一番良かったなぁ~」なんてことも結構よくあることです。

こんな話しも・・・契約後、暫くして、売主の経営する会社の資金繰りが悪化していることが判って、買主様に事情を説明して、理解して頂き、慌てて決裁したってこともありました。
売主の会社は、その直後に倒産しました・・・(汗)

世の中、何が起こっても不思議ではありません。
粘り強く、諦めてはアカンということです!

不動産人/「契約の履行に着手」って何ですか?

「契約の履行に着手」っていう言葉が売買契約書には書いてありますが、どいうことなのか?

不動産の契約は“一括決済”と言う“契約と決済を同時に済ませること”もありますが、多くの場合、契約時に手付金のみを支払い、残金を決済日に支払って取引を終了するのが一般的です。

でも契約後、売主または買主から解約を申し出ることもあります。

売買契約書において、手付金は「当事者の一方が契約の履行(※注1)に着手するまでは、買主はその手付金を放棄して、売主はその倍額(※注2)を支払って、契約の解除をすることができる」とする手付け解除の契約内容が一般的です。

※注1…契約が速やかに完了するように実行すること。
※注2…受領済の手付金を返還し、かつそれと同じ金額を支払うということ。

でも、このような解除権が契約後いつでも使えるということでは、相手方が不測の損害を被ることになりますので、その時期について一定の制限が必要だと考えられています。

その“一定の時期“が「当事者の一方が契約の履行に着手するまで…」というものです。

不動産の売買契約において“契約の履行”とは、次の行為を行なうことだと考えられています。

売主の行為 所有権移転登記の手続

分筆登記の手続(一筆の土地の一部の売買)

確定測量図の作成(実測売買契約)

買主の行為 内金(中間金)の支払

 残代金の支払

契約解除に伴い相手方が履行の着手している場合は、手付金の放棄や倍返しだけでなく損害金を支払う必要が出てきますので、当然のことながらよく考える必要があります。

勤務先の倒産、急な転勤、家族の病気なども売主には関係がありませんから白紙解約は難しいので、買主は手付金を放棄しなければなりませんし、反対に、売主の立場で同じようなことがあったら、倍返しの対象になります。

(中間金は返ってきますし、返さなければなりません。)

但し、停止条件付契約として“ローン特約”“買い替え特約”がある場合は違いますよ。

ローン特約を付けて契約をした場合は、予定していたローンの承認が得られなかった場合や、予定していた金額に足りなかった場合は、白紙解約できますので、手付金は帰ってきます。

ただ、いいかげんな遅滞行為や虚偽の申請行為などにより、約定の時期までに承認が得られなかった場合などは、白紙解約できませんので、契約後すぐに金融機関に融資申し込み手続きをする必要があります。

天職

高校野球で歴代最多通算111本塁打を放った早稲田実の清宮幸太郎選手が、プロ志望届を提出することを表明しました。
夢は王選手のホームラン記録868本を目指すことと、大リーグを意識しているというからたいしたもんです。
若くして、将来の仕事を決めるというのは最近では珍しいことのように思いますが、スポーツ界ならではかも知れません。
我々のような一般人は、学校を卒業してから出会う人に左右されて、いろいろな経験をして、(例えば)30代、40代になって独立したり、また、会社の中での得意分野を極めたりする感じじゃないですか?

私は38歳の時に会社を辞めて独立したのですが、当時はバブル期の後で金融機関といえども倒産する時代で、その子会社に居ることは決して安泰なものではなく、上司から「この船は沈むから、君はまだ若い・・・早く辞めたほうがいい」って言われて決断したのでした。
それまで、固定給でしか働いたことがなかったので、一人で不動産業をするって言っても全く収入の当てはなかったので不安はありましたが、なるようになると思って独立したのでした。

紆余曲折ありましたが、これが私の天職だと感じることができたのは、それから暫く経ってからでしたね。

不動産人/公的価格と実勢価格

9月19日に国交省が発表した「平成29年都道府県地価調査」によると、京都・大阪と関西圏の商業地がアップ率で全国最上位に就ける健闘ぶりです。

原因が、外国人観光客の増加による店舗・ホテル需要や、オフィス空室率の低下による収益性が上がったことであることは間違いありません。賃貸や分譲マンションの仕入れ金額とホテルや民泊施設の購入価格は2~3倍以上ありましたから、地価を押し上げるには十分でした。(←過去形になっているのは、一応ブームはいっぷくした感がありますので・・・)

でも、そもそもベースはとなっているのは、超低金利だからです。

公的価格

この間、国交省のアンケートが着ておりましたが、バブル期に地価が高騰し、固定資産税評価額もアップした時期に特例として負担調整させて納税額を押さえ込んでいるのですが、その特例措置が来年切れることにどう思うかっていう内容でした。

誰しも、税金が上がるのは好きではありませんが、ズーっと負担調整率でごまかしていても、また年金みたいに訳が判らなくなるのも怖いですね~(笑い)

 

≪土地の公的価格≫

公示価格

基準値価格 固定資産税評価額 路線価

内 容

一般の取引の指標 公示価格の補完 税金計算の基礎 相続税等の基礎

基準日

毎年1月1日

毎年7月1日 前年1月1日

(3年に1度)

毎年1月1日

公開時期

3月下旬

9月下旬 4月ごろ

7月下旬

管 轄

国交省 都道府県 市町村

国税庁

 

公示価格を100として、路線価80、固定資産税評価額70を目安としているとなっていますが、固定資産税評価額は3年に一度の見直しですから、ブレがあるのは避けられません。

 

実勢価格

実勢価格は実際に取引される価格(←過去形)ですが、いわゆる売り値(←希望価格)とは違います。

収益物件が不足気味である今のような状況では、売り値は高めに成りがちです。

将来、様々な状況が変化すれば買い手の付き難いことになりますので、売り値も調整局面を迎えることにもなりましょう。

でも、その時に購入者の状況も変化しているので、いつが一番いい時期なのかは、なかなか悩ましい問題であります。

不動産は生ものですから、旬を逃すと美味しくいただけない・・・

トイザラス倒産とアマゾン

アメリカのおもちゃ販売大手のトイザラスが倒産したという!(日本トイザらスは対象外らしい)  トイザラスといえば、アメリカ企業の日本進出の象徴的な会社であったので、一世を風靡しましたね、25年前の奈良店オープンにブッシュ大統領(←パパの方)が来たのを覚えている人もいてはるんじゃないですか?

原因はネット販売に負けたことだとか・・・トランプ大統領もアマゾンを名指しで「各地の小売業者が打撃を受けている。多くの職が失われている」と批判しているそうで、アメリカでは百貨店や安売り衣料品店が苦境にさらされていることが大問題になっているそうです。

たぶん日本でも、近い将来、同じような大問題が起こるんじゃないですか?

不動産仲介業も今から20数年前は、電話とFAXとコピー機があれば何とかなったのですが・・・その後、ワープロ、ポケベルの時代が来て、それから後に、パソコン、携帯電話~スマホへと営業ツールが変化してきたわけです。今、20代30代の方にはなんでもないことですが、当時40歳前後のアナログ人間には、その後の20年間は結構大変な変化だったんです。

年配の不動産屋さんには、今でもメールが使えない人がいますが、ガラパゴスみたいで固定電話とFAXで戦ってはります!!

不動産ナマ知識/金融機関の融資基準

【今の不動産融資姿勢】

正直なところ、弱いながらも“逆風”が吹いている感じですよ。

国の年金資金の運用や、低金利の金融機関も貸付先に苦労していますから、株式運用や不動産融資に特化してお金をつぎ込んでいる訳でしょう。だから昨年・一昨年あたりは、不動産融資も緩々(ゆるゆる)だったのかも知れません。だから今は少し調整局面なのかも知れませんが、これからもズ~っと不動産融資だけが順調だなんて嘘でも言えません。
昨年の不動産融資額がバブル期を超えたなんてニュースを目にしたのはつい此間でしたが、個人的な皮膚感覚では1~2割位融資が厳しくなっているという感覚です。

それでも、できるだけ手持資金を使わずに収益物件を手に入れようと考えている人が多い状況は、今のところ変わりっていないようです。

購入を検討できる収益物件の数も減っていることも確かです。

不動産融資というものを、購入者側と金融機関側の双方から見た3つの要素【担保評価】【与信】【融資基準】について考えてみます。

【担保評価】

金融機関に融資申し込みをするときの第一関門が、担保評価です。

「物件の価値」には、その金融機関独自の掛け目があって、融資限度額になります。

担保評価はどこの金融機関でも同じではありませんし、融資担当者や支店によっても異なりますから、よく「自分は此の位の金額なら借入れ可能だから・・・」って思っていても、最近の傾向では買主様ご本人の希望する融資金額は1~2割くらい不足する感じです。

人には厳しく、他人には甘いのが世の常でございます。

【与信】

融資対象の不動産評価とは別に、融資申込者(法人や個人)の信用評価を与信といいます。

法人であれば、決算内容やキャッシュフロー、個人であれば収入・支出を、そして買い主様が現に保有している資産の内容が与信に影響します。

購入しようとしている不動産の利回りがそれ程でなかったとしても、節税効果や本業の収入に余裕があれば融資は楽です。 その反対の場合は、融資額はご本人が思っているほどでないこともありますが、これはあくまでその金融機関が判断することですから、意に反する場合であっても仕方ありませんよ。

ここだけの話ですが、この融資申込者の与信は、かなり伸縮自由であってA氏は満額融資を受けれたのに、B氏は80%の融資しか承認されなかったりする理由が判り難いから厄介です。 そうそう、金利も金融機関のみならず融資申込者によっても、「へぇー!」って言うほど違う場合もあります。

【融資基準】

不動産投資のリスクとして、金融機関の融資基準そのものの変化があります。〔変更といった方が正しいかも知れません。〕

“リスク”って危険とか、マイナスとかじゃなくって、資産運用で言うところの“リスク”は、結果のバラツキ具合を意味します。つまり、マイナスの場合はもちろん、プラスになった場合も同じく「リスク」というのです。

不動産融資に対して厳しい目で審査する金融機関でも、景気が上向くなりその兆しが見られるとなると基準を変化させます。

従来、不動産担保評価の基準として利用されていた「固定資産税評価額」「路線価なども、一時、「収益還元」(≒収益性)に取って代られた時期もありました。 最近では建物の「検査済証」の有無で融資の可否を決定したり、「建築年数」を盾に融資の期間を決めることが多いようです。 融資が厳しい時期には、結果として購入できる人や法人が少なくなります。

信用金庫や信用組合など中小金融機関には不動産融資に意欲的なところも沢山ありますが、物件探しだけでなく、金融機関の融資姿勢も研究しておくことが大事です。

 

この前、某信用金庫の方と話をしておりました。そのときの話しでは、今の融資基準としては、「鉄筋コンクリート造の場合、新築で57年」の融資期間が可能、「鉄骨造の新築物件なら44年間」だそうです。

つまり、平成9年新築の築後20年経っているRC造の収益マンションがあるとすれば、融資期間を“57-20=37“→37年間で計算してくれるということです。

仮に融資を受ける金利が3%だとすると、1億円かりて月額返済約373,000円となりますので、そのマンションの表面利回り8%(年収800万円)とすれば・・・

収支では、年収800万円-(月返済額37万3千円×12月=447万6千円)=352万4千円です。

ここから固定資産税や管理費・補修費などを控除して、最終的な収益が決定します。

でも、税金はまだ払ってないことをお忘れなく!

 

巷では、築年数の新しい収益物件が人気です。先の要件である、融資期間が長くて、いわゆる遵法性(←建築基準法などに違反していないということ)を満たしているので、金融機関も融資対象に成りやすいからです。

それに大阪でも、築年数の新しい物件の利回りは5~6%位と少し前に比べて低くなっているので、低い金利で融資を受けることの出来る買主様や、手持ち資金を物件価格の2~3割投入できる買主様ででないと収支が合いません。

一般的な尺度でいうところの富裕層・資産家の方が、資産運用のひとつとして不動産融資をしてみるって感じでしょうか。