不動産ナマ知識/「マスターリース」と「リースバック」は全然ちゃう!

TVで高齢者向けに自宅を売却し、売却後に毎月買主に賃料を支払ってその家に住み続ける「リースバック」というCMをよく見かけます。
でもトラブルも多発しているというのを知ると、心配な気持ちと一般の方の不動産知識の無さに付け込んだ不動産業者や事業者の悪意が感じられてすごく嫌な気持ちになります。

わたしのお客様に「マスターリース」物件を購入したいという法人がいらっしゃいますが、その法人はプロの不動産会社ですので、「マスターリース」の長所や短所、そしてその意味も理解した上でのリクエストですので、わざわざ下手な説明など無用なのです。
もし一般法人や個人などからのリクエストであれば丁寧な説明が必要となります。

 

「マスターリース」とは

オーナーが不動産業者と賃貸借契約を締結することを「マスターリース」と呼び、その不動産業者と借主との契約を「サブリース」と言います。

「マスターリース」契約は「サブリース」契約を前提に行うことになります。

「マスターリース」はオーナーが不動産会社に「一括借上げ」する契約なのです。

オーナーが不動産会社を通して借主を確保する大きな理由は、募集や管理する手間やその他の問題点を不動産業者が面倒見てくれるというのが最も大きな理由です。

当然、対価が発生しますが、オーナーにとってはそれを上回るメリットがありのです。

但し、「マスターリース」でも賃料保証型と稼働率変動型があり、必ずしも家賃が保証されている訳ではありません。

家賃以外にも、管理費の負担、維持管理費の負担など、そこはオーナーと不動産会社の契約内容になります。

 

「リースバック」とは

先に紹介した「リースバック」は、一見すると「マスターリース」や「サブリース」に似ているのですが、いくつかの点での違いがあります。

「リースバック」の基本的な部分

  • 所有権がリースバック業者に移行する。・・・その業者が大家さんになる。

  • 売主はその家に住み続ける。・・・・売主は賃借人になる。

以上の2点を基本としているのですが、トラブルになる事例としては、売却価格(=業者の購入価格)が著しく低額であるとか、賃料自体が高いとか。

賃貸借契約としては、定期建物賃貸借契約が多いのですが、一般の方の多くは普通賃貸借との違いを理解していないし、業者側も丁寧に説明していない場合があるでしょう。

特に、高齢者をターゲットにしている商品ですので、取扱する業者によっては高齢者が大きな損害を被ることも…

 

知らないことを聞くのに多少後ろめたさもあるかも知れませんし、そもそも、何が分からないのか分からないってこともありますよね!
不動産の知識は浅くても、人を見る目はある筈ですよね、いや、あって欲しいです!!

★高齢者と不動産取引に関する記事

高齢者の意思・能力

不動産取引の2つの高齢化問題

高齢入居者との賃貸契約

//////////////////////

事業用不動産の売却・購入・買い替えなどのご相談はお気軽にご連絡お願い申し上げます。

≪一棟売マンション・収益ビル・倉庫・工場・遊休地・相続物件など≫

TEL06-6360-9791

南森町不動産の「会社案内」

南森町不動産の「お問い合わせ」

不動産ナマ知識/インボイスの影響と不動産取引実務

10月1日からスタートしたインボイス制度、直前になって評判の悪さから岸田総理もあわただしく対策会議などやってましたが、今更何をって感じです!

たぶん多くの人は会社の決算や個人の確定申告の時に、インボイス制度の煩わしさを実感することになるのだと思います。

不動産売買においてもインボイス制度は影響するのでしょうが、ここでは仕入れ控除がどうとかいうようなことは税の専門家にお任せして、不動産の取引実務のテーマを4つ取り上げました。

 

【土地・建物の区分は必須】

一棟売物件に限らず、収益物件の売買はいまだに土地・建物を分けずに取引を行うケースが多い。

売主・買主で都合のいい仕分けを行っているのですが、インボイス制度が始まると建物金額を明解にする必要があると思われます。

【固定資産税の清算金】

不動産売買を行うと取引金額とは別に、年間の固定資産税を日割りして売主と買主の間で金銭のやり取りを行います。

固定資産税自体は毎年1月1日現在の所有者が支払うことに決まっていますが、不動産取引の商慣習として日割り按分するのが半ば当たり前になっているのです。

ところが、税金の世界ではこの清算金は取引金額の一部なのです。

だから、インボイス制度ではその金銭の内の建物部分は消費税の課税対象になります。

これって実務的には無茶苦茶めんどうくさい事務作業です。

 

【持ち回り保証金】

関西では収益物件の売買取引する際に、その物件の賃借人(テナント)が入居時に家主さんに預けた金銭(保証金・敷金)を買主が引き継ぐものとする「持ち回り」の契約をするケースがあります。

最近では関東方式と称して、預り金の金額を売主から買主に実際に支払うケースも増えていますが…

インボイス制度では、税法上この「持ち回り」金額は売主にとって「譲渡収入」と見なされるので、その金額を土地と建物に按分して建物分の消費税額を計算する必要が出てきます。

 

【三為契約のインボイス】

売主A⇒買主B、売主B⇒買主Cという流れで不動産取引を行い、Bの登記手続きを中間省略して売主A⇒買主Cと移転登記を行うことを三為契約と呼びます。

登記費用が安く済みますし、不動産取得税も見つからなければ掛かりません。

でも、インボイス制度はA⇒BとB⇒Cの2つの契約関係についてインボイスを発行する必要を求めるはずです。

//////////////////////

国会議員の人たちは、不明朗な政治資金の支出や寄付金をもらっても記載していない場合でも、「事務的なミス」だとか「記載間違い」だとか言って、何事もなかったかのように偉そうに発言しています。

内閣改造して大臣になった人の資産報告訂正は恒例行事です。

そんな政治家はインボイス制度を決めた人たちですが、一般庶民がこんな細々した作業をしなければならないって絶対にわかっていないでしょうね~(××)

★不動産と税金に関する記事

投資用中古マンションの減価償却費

要注意!年末の契約【長期譲渡か、短期譲渡か】

個人が消費税課税事業者になる場合

//////////////////////

事業用不動産の売却・購入・買い替えなどのご相談はお気軽にご連絡お願い申し上げます。

≪一棟売マンション・収益ビル・倉庫・工場・遊休地・相続物件など≫

TEL06-6360-9791

南森町不動産の「会社案内」

南森町不動産の「お問い合わせ」

不動産ナマ知識/初心者向け怖い話②おんぶに抱っこ

エンドユーザー(いわゆる、素人さん)の場合、不動産購入する消費者はプロの不動産業者より弱い立場にありますから、東京地裁や東京高裁の判決では、専門的知識の乏しいエンドユーザーに対して、投資用マンションを販売した担当者の責任とする判例があります。
でも最終的に悔しい思いをするのは“お客さん”の方なのです。
ダマされてはいけません。

先日、ホテルや不動産事業のユニゾンホールディングスが倒産しました。
負債総額は1262億円で今年最大の倒産です。
コロナ禍でホテル事業はひどい目に会い、不動産業ならではの借入依存割合の多さが、コロナ明けに実体として表れてきたということでしょうか。
会社更生法やスポンサーもつくようですから、大企業はイイですよね。
個人の不動産投資家は、もしもの時は全部自己責任ですよ!

〈融資基準は変わるって話〉

不動産投資の話で、レバレッジを効かすというのがあります。

手持ち資金を少なくして、借入資金の比率を高めれば自分のお金を使わずに不動産運用が出来るので効率がイイという訳です。

ここ10年間ほど、アベノミクスのお陰で金融機関の融資姿勢は甚だ緩くて、日銀の低金利政策で不動産投資市場に収益物件を転売して儲ける業者がもの凄く多くなりました。

転売業者さんは一般の購入者(素人)よりも、情報の入手が早くて、決済するのも早いので、どうしても不動産投資家は転売業者さんの物件を買うケースが多くなってしまいます。

これは半ばどうしょうもないことです。

転売業者さんはローン付も上手ですから、素人の買主さんはおんぶに抱っこ、渡りに船って感じですね。

融資姿勢が緩かったので、100%ローンや諸費用も含めて全部借り入れで賄う人もいらっしゃったと思います。

でも、返済はその収益不動産の賃料収入から行わないといけません。

入居者の退去、募集、リフォーム費用などは手持ち資金を使わないといけないなんてこともあります。

賢い不動産投資家は短期で売り抜けるとか、購入後の適当な時期に自己資金を突っ込んでローン残高を減らしに掛かります。

こういう人も以外と多いですね。

 

今後予想されることとしては、金融が緩んでいる時に購入した築年数の経った物件、違反物件などです。
いつまでも金融機関が同じ基準で融資してくれることはありません。
今までだったら30年のローンを組んでくれたのに、5年経ったので次の購入者には25年のローンを組んでくれるかと言うと必ずしもそうではありません。
その時の景気や金融情勢によっては、グンと短いローンしか組めないかも知れません。

そうなると、売値を下げるかどうかの判断にも影響するし、1棟の収益マンションも車庫転(1階の車庫で建築確認を下ろしてから、店舗にして収益を上げるような行為)も金融が緩いと大目に見てくれていたりするのですが、一転、融資審査が厳しくなると違反物件だからダメとか、且つては検査済証が無いとダメっていう時期もありました。

銀行さんの基準ってコロッと変わるってことを知っとかないと、怖いものです。

〈おんぶに抱っこの怖さ〉

投資用物件にフラット35を利用するのは駄目だと皆さんご存じです。
でも、セミナー商法の講師や良くない不動産業者は、バレなければOKですから、金利も固定で安心とかいうアドバイスに乗ってしまう人も多い。

今、不正使用が見つかってローンの一括返済を求められる案件が続出しているという。

この場合は、住宅金融支援機構が取り扱いですが、もし一般の銀行や信金などが不動産業者とタッグを組んで、投資用不動産を進めてきたら怖い話になります。
「かぼちゃの馬車」はシェアハウスですが、通常の一棟売マンションの世界でも悪質なタッグマッチで一般投資家をはめに行っていた話はありました。

その多くは、区分マンションの投資で成功体験を味わった人も多かったようです。
そして『今度は本格的な一棟マンションを買いましょう~!』ってね。

被害者は大阪や東京の現物を見ないで購入するような地方の投資家、公務員や教師、毎日「先生」って呼ばれているお医者さんなどが多いと言われています。
ローン付が簡単な信用のある人達ですが、満額ローン+管理もお任せのおんぶに抱っこです。

銀行もオーバーローンって分かっていても、全然OKで進めます。

結果、訴状もおきていますが、大変な労力以外に時間も費用も必要です。

相手は時間が掛かることを知っている、本当にワル(悪)です。
ローン? 自己責任です。
こんなの自業自得で割り切れませんよね、でも自己責任です。

付き合う人を間違えましたね、

★不動営業に関する記事

実務的な仕事

信頼関係

悪意の商法を御紹介します

営業スタイルの話

不動産投資「商法」にだまされないで!

マンション投資家の敵・悪徳管理会社

 

//////////////////////////////////////////////////////////////////////

事業用不動産の売却・購入・買い替えなどのご相談はお気軽にご連絡お願い申し上げます。

≪一棟売マンション・収益ビル・倉庫・工場・遊休地・相続物件など≫

TEL06-6360-9791

南森町不動産の「会社案内」

南森町不動産の「お問い合わせ」

不動産ナマ知識/初心者向け怖い話①入居状況の嘘

購入者がエンドユーザー(いわゆる、素人さん)の場合、多少の取引経験があったとしても、プロの不動産業者が圧倒的優位の立場にあります。

東京地裁や東京高裁の判決では、専門的知識の乏しいエンドユーザーに対して、投資用マンションを販売した担当者の責任とする判例があります。

しかしながら、購入者にも落ち度があるとして4割の過失相殺(※)も認められていたりするので、全面的に消費者が保護されるわけではありません。

 

※過失相殺:被害者の側にも過失があれば,それを考慮して賠償額を減らすこと。

 

最低限の知識は持つべきなのですが、不動産取引の世界は奥が深くていろいろな罠が潜んでいます。

これから触りの部分だけでもお話しましょう。

 

〈収支計算や収入の話〉

収益用不動産の収入は家賃・共益費・水道代・駐車場代・自販機収入・携帯電話会社のアンテナ設置料など、住居以外なら消費税も一旦売上として計上します。
収入の多い物件と、それより低い収入しかない物件だと、多い方がイイに決まってます。
では支出としては浄化槽やエレベーターのメンテナンスなどの建物管理費・管理費・固定資産税・修繕費やリフォーム代・入居者の募集費用・仲介手数料・共用部分の水道代や電気代などがあります。
また、大きいのは借入金の返済です。
「利息」は経費で落とせますが、元金は単なる返済です。

これで収支を計算して、どれだけ手元に残るのか計算します。

他に経理上の経費としては、減価償却費がありますが、実際の支出はありませんので「過大評価」する営業担当者もいますが年々減少しることをお忘れなく。。

東京地裁令和4年の判例では、営業担当者が上記のような固定資産税などの経費を考慮せずに、収支計算をしていかにも儲かるように説明をしたそうです。

その上悪質なのは、購入後に買主が困ることを見通していて、近い将来に損切りして売却することを想定していたようです。
実はこの手口は昔からよくあるやり方で、不動産投資に興味のある素人さんは売主や仲介業者がどのような人物なのか見極めないとどんでもないことになります。

また別の怖い話として、レントロール(いわゆる家賃表ことです)に書いてある賃借人が実は空室だったり、記載されている賃料が相場より相当高い金額だったり、高収入と思わせて購入後に嵌められたなんてことも実際にあった話です。

こういう場合、架空の賃借人は売買契約後に退去届が出て、決済前後には退去します。

あのスルガ銀行以外の金融機関でも不動産業者とグルになって融資用にレントロールの改ざんをしていたという話を耳にしたことがあります。

圧しの強い営業マンに掛かると、相手のペースで話が進んでしまいます。

分からない事や疑問点はチャンと聞いて、どのような答えが返ってくるか見定める。

収益用の不動産は何処から見ても100%リスクのないというものはありませんが、許せる程度ってありますので、そこを理解するのが不動産投資の肝心なポイントです。

次回は「築年数」「違反物件」のお話です。

★不動営業に関する記事

悪意の商法を御紹介します!

気をつけようこんな不動産屋

不動産投資「商法」にだまされないで!

マンション投資家の敵・悪徳管理会社

 

//////////////////////////////////////////////////////////////////////

事業用不動産の売却・購入・買い替えなどのご相談はお気軽にご連絡お願い申し上げます。

≪一棟売マンション・収益ビル・倉庫・工場・遊休地・相続物件など≫

TEL06-6360-9791

南森町不動産の「会社案内」

南森町不動産の「お問い合わせ」

不動産ナマ知識/入口と出口

30年間ほど収益用不動産の仲介をしてますが、これまでもこのような時期が何回かありましたけど、比べてみても今回の不動産投資ブームは結構長期間続いています。
金利が上昇傾向になると不動産市場は売りの傾向が強まり、価格は低下して利回りは高くなる、でもその時は銀行も慎重な姿勢で借入は今までのようにはいかない、大雑把に言えばその逆の流れが来て、またその繰り返しです。

稀に見る低金利と金融緩和の時代でしたから、購入するには最適な時代でしたけど、そろそろブームが終焉してしまうと感じている人も多いはずです。
実はコロナ前にその兆しがあったのですが、コロナで更なる金融緩和と支援金策があったので、幸い不動産投資の人気は衰えることなく推移することが出来ました。

 

『出口戦略』って一般には、売却することを指します。
不動産って購入(入口)は意外と簡単で楽しいのですが、所有している期間はいろいろな問題に遭遇しますが、窓口になってくれる不動産業者が一仮対応してくれると問題は解決します。そのことによって不動産運用の知識を習得できれば大変有意義な経験です。
反対に売却(出口)は難しくて悩ましいものです。

自分の所有物件は、他の物件より優れているように思う人が多いし、少しでも高く売りたいと思うのは人情ですから、世上の動きを横目で見ながらの思い切りが難しいですね。
それに買いたい人がいない限り売却は出来ません。

通常ですと、一棟売物件だと数か月は掛かりますし、区分所有のマンションだと売値が相場からかけ離れていない限り1ヶ月は必要でしょう。
タイミングよく高値で売ることが出来るとキャピタルゲイン(売却益)を得ることが出来て、これまでのインカムゲイン(賃料収入)を合算させて不動産投資は完結して、投資の成果が数字で把握できます。・・・(収益還元法の考え方です。)

売却益が出ると譲渡所得の税金を払う為、出来れば長期譲渡(譲渡した年の1月1日現在の所有期間が5年を超える土地や建物を売ったときの税率は、5年以下の場合よりも税率が低い)が望ましいですね。
また、築年数の経った物件は次の買主にとっては、借入のハードルが高まりますし、修繕や改装の資金のことも考えないといけないので、どうしても利回りはそれなりのものが欲しいですね。
また金利が上昇局面になると、一層、買主の期待利回りは高くなります。
その時は銀行も融資に慎重になり、今のように誰にでもローンを組んでくれる訳はありません。
この見極めはプロでも素人でも同じで、絶妙のタイミングで売り抜けることはなかなか難しいものです。

今の収益物件の取引状況は少し停滞気味のような感じがします。
4月には日銀の総裁も代わり、欧米の金融動揺もありで、そろそろ次のステージの入り口に差し掛かっている気配を感じます。

★不動産のリスクに関する記事

ミスは何故起ったのか!

教訓:積水ハウス55億円損失

法人融資の裏技

自分だけは大丈夫と思う気持

マンション投資家の敵・悪徳管理会社

//////////////////////////////////////////////////////////////////////

事業用不動産の売却・購入・買い替えなどのご相談はお気軽にご連絡お願い申し上げます。

≪一棟売マンション・収益ビル・倉庫・工場・遊休地・相続物件など≫

TEL06-6360-9791

南森町不動産の「会社案内」

南森町不動産の「物件情報」

南森町不動産の「お問い合わせ」

不動産ナマ知識/『インボイス制度』とか『e-TAX』とか

去年トライしてみましたが、ややこしかったので結局は途中で断念してしまった『e-TAX』に再チャレンジしています。

去年は最初のところで躓(つまづ)いてましたが、税理士さんのYouTubeを真剣に視てなんとかなりそうです。お役所の説明書きは兎に角ややこしいので、YouTubeみたいに目で見て解説してもらえると操作方法は分かります。

もうひとつの税金関係の関心事は『インボイス制度』です。

今年の10月から開始ですから、どういう風な影響や知識が必要なのか知っておく必要はあります。

先日、税理士さんによる不動産業者向けの講習会がありましたので、参加して参りました。

■免税事業者の大家さんと、課税事業者のテナントとの関係では、課税事業者のテナントさんから大家さんに課税事業者への変更や家賃の値下げなど多少なりとも諸問題が発生しそうです。

■家賃の支払いが口座振替の場合のインボイスは、賃貸契約書などに登録番号を書いておくなどする。制収書や領収書・契約書などどれかに登録番号を記載していれば大丈夫だということです。

■預かった消費税から、支払った消費税を差し引く(仕入税額控除)を計算しなくても、従来からある「簡易課税制度」を使えば不動産業で「みなし仕入率」40%を使ってしまえばイイので事務負担は全然ラクチンです。

■不動産業者が、仕入れをする時に「個人」や「免税事業者」から不動産を購入した場合に消費税を仕入れ税額控除できる特例があるとのこと。

但し、棚卸資産(販売用)として扱う場合であって、自ら使用する目的や賃貸する目的で故事から購入した場合は、仕入税額控除できないとのこと。

こういうのって後々所有目的が変わることもあるし、なんか不明朗な感じもしました。

商売していれば分かることですが、税金さえなければ儲かるのになぁ~ってつくづく実感するものです!

★不動産と税金に関する記事

固定資産税への疑念

『消費税』の基本的な知識

個人が消費税課税事業者になる場合

投資用中古マンションの減価償却費

///////////////////////////////////////////////////////

事業用不動産の売却・購入・買い替えなどのご相談はお気軽にご連絡お願い申し上げます。

また、身近なご相談も受け賜りますので、お電話やメールでも結構ですので、お待ち申し上げます。

≪一棟売マンション・収益ビル・倉庫・工場・遊休地・相続物件など≫

TEL06-6360-9791

南森町不動産の「会社案内」

南森町不動産の「物件情報」

南森町不動産の「お問い合わせ」

 

不動産ナマ知識/「事業用資産の買換え特例」の廃止・変更!

お正月明けの「えべっさん」が終ると、ぼちぼち仕事モードになるの大阪です。
今年も西宮戎に行ったのですが、コロナ前に戻った人出でにビックリしました    \(^^)/

 

築年数の古い賃貸マンションや自社ビル・工場や店舗・駐車場などを売却、一定の期間内に別の事業用不動産などを購入した場合、譲渡所得の税金を低く抑える制度があります。

ざっとしたイメージですが、譲渡益の80%を繰り延べ出来るので、税金が安く済むからです。(≒20%課税の意味)

 

この事業用資産の買換え特例(1号)が、個人:令和5年12月31日まで、法人:令和5年3月31日までで廃止されることになっています。

また、長期所有の土地、建物を国内の土地、建物に買換えた特例(4号)は、課税繰り延べ割合を現行の80%⇒90%に引き上げられます。

こちらは個人・法人ともに令和5年3月31日まで。

一定の要件に当てはまらないとダメですが、例えば大阪市の収益物件や事業用物件で所有期間がその年の1月1日現在で10年を超えていたものを売るのなら、この特例に適用するか確認した方がいいですね。

税金の問題はやはり税理士さんや税務署に確認する必要はありますが、入口の話ならネット上で調べる程度でいいと思います。

買い替え特例(1号)と(4号)の違いで一番大きなのは、(1号)が決められた既成市街地内からそれ以外の所へ買換えるのに対して、(4号)は国内の土地建物から国内の土地建物に買換えることが出来るので、エリアはグッと広くなります。

 

買替資産は、売った年の前年から売った年の翌年の3年間に取得することになっていますが、やむを得ない事情があって税務署が認めれば2年以内まで延長することが出来ます。

但し、取得の日から1年以内に事業に供する必要があります。

 

【国税庁HP】No.3405 事業用の資産を買い換えたときの特例

また、売った物件の取得費が購入した物件の金額になるので、減価償却費は低くなってしまいますが…

※例えば、売却物件1億円(取得費3000万円)⇒購入物件1億2000万円(取得費を引き継ぐので3000万円となります。)

将来の心配事としては、新たに購入した物件を売却した時は、取得費が低いことになっているので、その時は売却益がドット出てしまう可能性があります。

特に個人の短期譲渡所得だと税率が高いので、要注意となります。

★不動産と税金に関する記事

固定資産税への疑念

個人が消費税課税事業者になる場合

相続税の物納(不動産)

///////////////////////////

事業用不動産の売却・購入・買い替えなどのご相談は、お気軽にご連絡お願い申し上げます。
≪一棟売マンション・収益ビル・倉庫・工場・遊休地・相続物件など≫


TEL06-6360-9791
南森町不動産の「会社案内」
南森町不動産の「お問い合わせ」

不動産ナマ知識/返済比率”65%”の話

コロナ禍、ウクライナの戦争、インフレなど矢継ぎ早に試練の波が押し寄せてきて、元々あった少子化、高齢化、借金体質の財政なども手つかずの状態であります。
世界中の景気が悪化しつつあって、ニュースなどでは来年は結構厳しい状況になることがほぼ確実視されているみたいです。

日本の不動産市況は相変わらずの低金利状態ですので、融資が受けられれば購入する意欲は買主側にはまだまだあります。
でも、最近は先の見通しに不透明さがあるせいか、数年前の勢いはないように感じられます。金融機関の方も、最近では買主の希望通リの金額でOKなんてことは減っていますね。

元銀行員で今不動産屋している友人によると、”65%ルール”みたいな考え方があるようです。
要するに、例えば2億円の一棟売収益マンションを購入する場合、数年前だと1億8000万円(90%)の融資が見込めたのに、今は1億3000万円(65%)しか借りることが出来ないというのが普通だとか・・・勿論、物件にもよるし、買主の属性にもよりますので、あくまでも一般論ではありますが・・・

つまり、以前であれば2000万円でよかった自己資金は6000万円用意する必要があるのだということです。
数年前よりは厳しくなってはいますが、長い目で見れば此れって至って当たり前の状態なのですけど、不動産屋を20年とか30年やっていますと、融資って厳しく成ったり、緩く成ったりするってことを学習することが出来ますよ。

来年(卯年)は兎は跳ねる特徴に乗じて、景気は好転・回復すると言われておりまので、株式市場にとっては縁起のいい年として知られているようです。
そうなるとイイですね。

★不動産と金融・融資の記事

「年収倍率」今と昔

忘れていませんか? 金融機関の怖さ

コロナ禍の金融緩和と収益物件

///////////////////////////////

事業用不動産の売却・購入・買い替えなどのご相談はお気軽にご連絡お願い申し上げます。

≪一棟売マンション・収益ビル・倉庫・工場・遊休地・相続物件など≫

TEL06-6360-9791
南森町不動産の「会社案内」
南森町不動産の「お問い合わせ」

不動産ナマ智識/預り金(保証金・敷金)の運用益や相続評価について

参議院選挙前の安倍元首相の狙撃や、富田林の2歳児虐待で死亡させるというような普通では考えられない事件が続きます。
TVなどで繰り返し事件を見過ぎると気持ちが落ち込んでしまったりして、よくないそうです。気持ちをハッピーな状態にするように心掛けましょう

話は変わって、今回は大家さんの預かっている保証金・敷金についてです。

 

≪預り金の運用益≫

 

賃貸借の契約時には、家主さんは保証金・敷金・礼金などの一時金を受領する。

家主さんから見れば、保証金・敷金は賃貸借契約が続いている間「預り金」として経理処理しますので、売上や収入にはなりません。

※敷引きの金額が確定していると、その金額は売上となります。

でも、例えば1000万円の預り金をタンスに置いたままにしている家主さんはいないでしょう!

銀行の口座に入れておくと、利息が付きますが、その場合は利子として源泉分離課税されて納税は終了です。

預り金を家事消費したら、適正利息を計算して各年分の不動産所得に算入します。

その適正利息は年によって異なります。

No.1377 保証金の経済的利益に係る課税関係|国税庁 (nta.go.jp)

保証金・敷金を現金・預貯金で持っていて相続が発生したら、そのお金は相続財産になっても将来の返還債務として扱うので±0となります。

定期借地権の預り金については、長期間且つ金額も多い場合も想定されていて無利息であるので、運用益部分を「経済的利益」として下記の計算式で算出する。

経済的利益=保証金額―保証金額×基準年利率による複利原価率

令和4年分の基準年利率について(法令解釈通達)|国税庁 (nta.go.jp)

この経済的利益の額が、土地価格の1/2超の場合、譲渡所得となり分離課税される。

一般的には、保証金は土地価格の1/2以下なので先に書いている通常の税務処理になるはずです。

 

≪相続時の底地評価≫

 

店舗・事務所の建物に土地を貸している場合、普通借地権と定期借地権とでは相続発生の場合の取扱いが変わるので、税務署や税理士さんなど専門家の相談が欠かせません。

先ず、土地評価額=借地権評価額+底地評価額であることを確認します。

普通借地権の土地(底地)の評価=土地の更地価格×(1-借地権割合)

他方、定期借地権評価は、借地期間の残存期間が短くなるに伴って逓減し、反対に底地評価額が上昇するという説があります。

その他にも、定期借地物件の相続上の計算方法があるので、どうすれば有利なのか協議が必要です。

(権利金や前払い地代などいろいろな場合もあります。)

賃貸マンションなどでは、金額も大きくないので細かいことは気にならないのですが、大型店舗や物件の数が多くなってしまうと預り金の金額も馬鹿になりませんので注意が必要なケースもあります。

★賃貸契約に関する記事

マスクマン

テナント募集の張り紙

サラリーマン家主さんの話

///////////////////////////////

事業用不動産の売却・購入・買い替えなどのご相談はお気軽にご連絡お願い申し上げます。

≪一棟売マンション・収益ビル・倉庫・工場・遊休地・相続物件など≫

TEL06-6360-9791

南森町不動産の「会社案内」

南森町不動産の「お問い合わせ」

不動産ナマ知識/不測の事態が…相続対策に落とし穴

相続税対策としてタワーマンションを購入したけれど、国側が勝訴して追徴課税3億円超が確定したというニュースを見て書いています。(令和4年4月19日付)

一般的に相続財産の評価について、土地は「路線価」を使用し、建物は「固定資産税評価額」を使うということですが、国税庁は「時価」に基づくとしていますので、「路線価」以外の“算定基準”を使うことは問題ありません。
でも、数年前に出席した相続対策のセミナーの講師が、殆どの税理士さんは「路線価」を使って機械的に税額を算出していると解説していました。
税理士さんは、不動産の専門家ではないので「不動産鑑定」「取引事例」などを使う方法は思いつかないというのも仕方ないのかも知れません。

今回ニュースになっているケースは、①金額が大きい、②時価と路線価との差が4倍くらいある、③相続人の中に孫を養子にして周到に節税対策をしていた、④被相続人は90歳だったがタワーマンション2戸を購入して、3年後に亡くなっている、⑤購入に際して多額のローンを組んでいたため、申告した相続税はゼロだったことが、国税庁から相続税対策としてやり過ぎだと判断されたようです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

先のタワーマンションなど収益用不動産を購入するのとは違い、自分でアパートやマンションを建てるという古典的な相続対策があります。
アパートやマンションを新築する場合は、計画~着工~完成~賃借人の入居まで長い時間を要するので、途中で依頼者(被相続人)が亡くなってしまうという不測の事態が起こることがあります。

私も今から30年以上も前のことですが、、ご相談者のお父さんが賃貸マンションがほぼ完成した段階で亡くなられたことがありました。
今とは違う思いますが、その時は未入居でしたけれど貸家建付地の評価減が適用されたと記憶しております。

税法も変化しますし、税金の適用基準も微妙に変化しますので、以前はこうだったと言っても今はそうならないことがありますので、気をつけないとエライ目に合います。
税金を払う側と、税金を徴収しようとする側の攻防は、モグラ叩きゲームのようにあっちを叩けばまたこっちというように延々と続いております。

現状の考え方は・・・

【建築途中で亡くなった場合】
土地=自用地の評価(評価減はない)
建物=亡くなった日までに要した費用×70%(建替えにより、旧賃借人の入居が決まっている場合などで例外あり…)

 

【建物完成後に亡くなったが、空室状態の場合】
土地=賃借人がいなければ評価減はない。

※更地価格×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)

※賃貸割合=全10戸の内、5戸入居者がいれば5/10、全戸空き室だと0/10

※一旦入居者が入ってから退出した場合は、賃貸中とされます。

※一時的な空室でない物件の敷地は、賃貸事業を行っていないので、貸家建付地の評価減は適用されないし、小規模宅地の特例も適用されません。

建物=空室割合に応じる(固定資産税評価額×(1-借家権割合0.3×賃貸割合)

★不動産と相続に関する記事

財産評価基本通達6項

相続財産に収益不動産がある場合

相続財産の”路線価“評価=不適切の判決

実家の処分はなぜ揉める?

///////////////////////////////

事業用不動産の売却・購入・買い替えなどのご相談はお気軽にご連絡お願い申し上げます。

≪一棟売マンション・収益ビル・倉庫・工場・遊休地・相続物件など≫

TEL06-6360-9791

南森町不動産の「会社案内」

南森町不動産の「お問い合わせ」