不動産ナマ知識/『インボイス制度』とか『e-TAX』とか

去年トライしてみましたが、ややこしかったので結局は途中で断念してしまった『e-TAX』に再チャレンジしています。

去年は最初のところで躓(つまづ)いてましたが、税理士さんのYouTubeを真剣に視てなんとかなりそうです。お役所の説明書きは兎に角ややこしいので、YouTubeみたいに目で見て解説してもらえると操作方法は分かります。

もうひとつの税金関係の関心事は『インボイス制度』です。

今年の10月から開始ですから、どういう風な影響や知識が必要なのか知っておく必要はあります。

先日、税理士さんによる不動産業者向けの講習会がありましたので、参加して参りました。

■免税事業者の大家さんと、課税事業者のテナントとの関係では、課税事業者のテナントさんから大家さんに課税事業者への変更や家賃の値下げなど多少なりとも諸問題が発生しそうです。

■家賃の支払いが口座振替の場合のインボイスは、賃貸契約書などに登録番号を書いておくなどする。制収書や領収書・契約書などどれかに登録番号を記載していれば大丈夫だということです。

■預かった消費税から、支払った消費税を差し引く(仕入税額控除)を計算しなくても、従来からある「簡易課税制度」を使えば不動産業で「みなし仕入率」40%を使ってしまえばイイので事務負担は全然ラクチンです。

■不動産業者が、仕入れをする時に「個人」や「免税事業者」から不動産を購入した場合に消費税を仕入れ税額控除できる特例があるとのこと。

但し、棚卸資産(販売用)として扱う場合であって、自ら使用する目的や賃貸する目的で故事から購入した場合は、仕入税額控除できないとのこと。

こういうのって後々所有目的が変わることもあるし、なんか不明朗な感じもしました。

商売していれば分かることですが、税金さえなければ儲かるのになぁ~ってつくづく実感するものです!

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不動産ナマ知識/「事業用資産の買換え特例」の廃止・変更!

お正月明けの「えべっさん」が終ると、ぼちぼち仕事モードになるの大阪です。
今年も西宮戎に行ったのですが、コロナ前に戻った人出でにビックリしました    \(^^)/

 

築年数の古い賃貸マンションや自社ビル・工場や店舗・駐車場などを売却、一定の期間内に別の事業用不動産などを購入した場合、譲渡所得の税金を低く抑える制度があります。

ざっとしたイメージですが、譲渡益の80%を繰り延べ出来るので、税金が安く済むからです。(≒20%課税の意味)

 

この事業用資産の買換え特例(1号)が、個人:令和5年12月31日まで、法人:令和5年3月31日までで廃止されることになっています。

また、長期所有の土地、建物を国内の土地、建物に買換えた特例(4号)は、課税繰り延べ割合を現行の80%⇒90%に引き上げられます。

こちらは個人・法人ともに令和5年3月31日まで。

一定の要件に当てはまらないとダメですが、例えば大阪市の収益物件や事業用物件で所有期間がその年の1月1日現在で10年を超えていたものを売るのなら、この特例に適用するか確認した方がいいですね。

税金の問題はやはり税理士さんや税務署に確認する必要はありますが、入口の話ならネット上で調べる程度でいいと思います。

買い替え特例(1号)と(4号)の違いで一番大きなのは、(1号)が決められた既成市街地内からそれ以外の所へ買換えるのに対して、(4号)は国内の土地建物から国内の土地建物に買換えることが出来るので、エリアはグッと広くなります。

 

買替資産は、売った年の前年から売った年の翌年の3年間に取得することになっていますが、やむを得ない事情があって税務署が認めれば2年以内まで延長することが出来ます。

但し、取得の日から1年以内に事業に供する必要があります。

 

【国税庁HP】No.3405 事業用の資産を買い換えたときの特例

また、売った物件の取得費が購入した物件の金額になるので、減価償却費は低くなってしまいますが…

※例えば、売却物件1億円(取得費3000万円)⇒購入物件1億2000万円(取得費を引き継ぐので3000万円となります。)

将来の心配事としては、新たに購入した物件を売却した時は、取得費が低いことになっているので、その時は売却益がドット出てしまう可能性があります。

特に個人の短期譲渡所得だと税率が高いので、要注意となります。

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不動産ナマ知識/返済比率”65%”の話

コロナ禍、ウクライナの戦争、インフレなど矢継ぎ早に試練の波が押し寄せてきて、元々あった少子化、高齢化、借金体質の財政なども手つかずの状態であります。
世界中の景気が悪化しつつあって、ニュースなどでは来年は結構厳しい状況になることがほぼ確実視されているみたいです。

日本の不動産市況は相変わらずの低金利状態ですので、融資が受けられれば購入する意欲は買主側にはまだまだあります。
でも、最近は先の見通しに不透明さがあるせいか、数年前の勢いはないように感じられます。金融機関の方も、最近では買主の希望通リの金額でOKなんてことは減っていますね。

元銀行員で今不動産屋している友人によると、”65%ルール”みたいな考え方があるようです。
要するに、例えば2億円の一棟売収益マンションを購入する場合、数年前だと1億8000万円(90%)の融資が見込めたのに、今は1億3000万円(65%)しか借りることが出来ないというのが普通だとか・・・勿論、物件にもよるし、買主の属性にもよりますので、あくまでも一般論ではありますが・・・

つまり、以前であれば2000万円でよかった自己資金は6000万円用意する必要があるのだということです。
数年前よりは厳しくなってはいますが、長い目で見れば此れって至って当たり前の状態なのですけど、不動産屋を20年とか30年やっていますと、融資って厳しく成ったり、緩く成ったりするってことを学習することが出来ますよ。

来年(卯年)は兎は跳ねる特徴に乗じて、景気は好転・回復すると言われておりまので、株式市場にとっては縁起のいい年として知られているようです。
そうなるとイイですね。

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不動産ナマ智識/預り金(保証金・敷金)の運用益や相続評価について

参議院選挙前の安倍元首相の狙撃や、富田林の2歳児虐待で死亡させるというような普通では考えられない事件が続きます。
TVなどで繰り返し事件を見過ぎると気持ちが落ち込んでしまったりして、よくないそうです。気持ちをハッピーな状態にするように心掛けましょう

話は変わって、今回は大家さんの預かっている保証金・敷金についてです。

 

≪預り金の運用益≫

 

賃貸借の契約時には、家主さんは保証金・敷金・礼金などの一時金を受領する。

家主さんから見れば、保証金・敷金は賃貸借契約が続いている間「預り金」として経理処理しますので、売上や収入にはなりません。

※敷引きの金額が確定していると、その金額は売上となります。

でも、例えば1000万円の預り金をタンスに置いたままにしている家主さんはいないでしょう!

銀行の口座に入れておくと、利息が付きますが、その場合は利子として源泉分離課税されて納税は終了です。

預り金を家事消費したら、適正利息を計算して各年分の不動産所得に算入します。

その適正利息は年によって異なります。

No.1377 保証金の経済的利益に係る課税関係|国税庁 (nta.go.jp)

保証金・敷金を現金・預貯金で持っていて相続が発生したら、そのお金は相続財産になっても将来の返還債務として扱うので±0となります。

定期借地権の預り金については、長期間且つ金額も多い場合も想定されていて無利息であるので、運用益部分を「経済的利益」として下記の計算式で算出する。

経済的利益=保証金額―保証金額×基準年利率による複利原価率

令和4年分の基準年利率について(法令解釈通達)|国税庁 (nta.go.jp)

この経済的利益の額が、土地価格の1/2超の場合、譲渡所得となり分離課税される。

一般的には、保証金は土地価格の1/2以下なので先に書いている通常の税務処理になるはずです。

 

≪相続時の底地評価≫

 

店舗・事務所の建物に土地を貸している場合、普通借地権と定期借地権とでは相続発生の場合の取扱いが変わるので、税務署や税理士さんなど専門家の相談が欠かせません。

先ず、土地評価額=借地権評価額+底地評価額であることを確認します。

普通借地権の土地(底地)の評価=土地の更地価格×(1-借地権割合)

他方、定期借地権評価は、借地期間の残存期間が短くなるに伴って逓減し、反対に底地評価額が上昇するという説があります。

その他にも、定期借地物件の相続上の計算方法があるので、どうすれば有利なのか協議が必要です。

(権利金や前払い地代などいろいろな場合もあります。)

賃貸マンションなどでは、金額も大きくないので細かいことは気にならないのですが、大型店舗や物件の数が多くなってしまうと預り金の金額も馬鹿になりませんので注意が必要なケースもあります。

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不動産ナマ知識/不測の事態が…相続対策に落とし穴

相続税対策としてタワーマンションを購入したけれど、国側が勝訴して追徴課税3億円超が確定したというニュースを見て書いています。(令和4年4月19日付)

一般的に相続財産の評価について、土地は「路線価」を使用し、建物は「固定資産税評価額」を使うということですが、国税庁は「時価」に基づくとしていますので、「路線価」以外の“算定基準”を使うことは問題ありません。
でも、数年前に出席した相続対策のセミナーの講師が、殆どの税理士さんは「路線価」を使って機械的に税額を算出していると解説していました。
税理士さんは、不動産の専門家ではないので「不動産鑑定」「取引事例」などを使う方法は思いつかないというのも仕方ないのかも知れません。

今回ニュースになっているケースは、①金額が大きい、②時価と路線価との差が4倍くらいある、③相続人の中に孫を養子にして周到に節税対策をしていた、④被相続人は90歳だったがタワーマンション2戸を購入して、3年後に亡くなっている、⑤購入に際して多額のローンを組んでいたため、申告した相続税はゼロだったことが、国税庁から相続税対策としてやり過ぎだと判断されたようです。

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先のタワーマンションなど収益用不動産を購入するのとは違い、自分でアパートやマンションを建てるという古典的な相続対策があります。
アパートやマンションを新築する場合は、計画~着工~完成~賃借人の入居まで長い時間を要するので、途中で依頼者(被相続人)が亡くなってしまうという不測の事態が起こることがあります。

私も今から30年以上も前のことですが、、ご相談者のお父さんが賃貸マンションがほぼ完成した段階で亡くなられたことがありました。
今とは違う思いますが、その時は未入居でしたけれど貸家建付地の評価減が適用されたと記憶しております。

税法も変化しますし、税金の適用基準も微妙に変化しますので、以前はこうだったと言っても今はそうならないことがありますので、気をつけないとエライ目に合います。
税金を払う側と、税金を徴収しようとする側の攻防は、モグラ叩きゲームのようにあっちを叩けばまたこっちというように延々と続いております。

現状の考え方は・・・

【建築途中で亡くなった場合】
土地=自用地の評価(評価減はない)
建物=亡くなった日までに要した費用×70%(建替えにより、旧賃借人の入居が決まっている場合などで例外あり…)

 

【建物完成後に亡くなったが、空室状態の場合】
土地=賃借人がいなければ評価減はない。

※更地価格×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)

※賃貸割合=全10戸の内、5戸入居者がいれば5/10、全戸空き室だと0/10

※一旦入居者が入ってから退出した場合は、賃貸中とされます。

※一時的な空室でない物件の敷地は、賃貸事業を行っていないので、貸家建付地の評価減は適用されないし、小規模宅地の特例も適用されません。

建物=空室割合に応じる(固定資産税評価額×(1-借家権割合0.3×賃貸割合)

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財産評価基本通達6項

相続財産に収益不動産がある場合

相続財産の”路線価“評価=不適切の判決

実家の処分はなぜ揉める?

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不動産ナマ知識/「年収倍率」今と昔

ご存じの通り、「年収倍率」はマンションを年収の何倍の価格で買えるか?という指標です。
東京カンテイの調査によると新築マンションの2020年の全国平均は年収の
8.4倍、東京都のそれは13.4倍、大阪は10.3倍となっています。

築10年中古マンションだと、全国5.9倍、東京11.5倍、大阪7.9倍です。
かつて「年収5倍論」みたいな説が頭にこびりついている私のような世代(昭和30年生まれですが…)には、年収の10倍なんて途方もないことのように感じるのですが、バブル期を知らない若夫婦にとっては『買えるのだからいいじゃない』ということでしょう。
逆に、新築も中古も販売価格が相当高くなっているので、それにつられて賃貸の家賃も上がっていて、賃貸よりも購入した方が毎月の支払いが低いなんて状況になっています。

 

簡単に言えば原因は2つです。

一つ目は「低金利」です。

昭和と平成の境目にあったバブル期の「年収倍率」最高値は東京の18.12倍(1990年)、大阪は13.87倍(同年)でした。
当時の住宅ローンの金利は確か7~8%だったと思います。

いわゆる収益物件の表面利回りは2~3%なんて当たり前でしたし、日本中が「不動産は下がらない」って信じていましたから、売却すれば損はしないという前提だった時代でした。
私も購入した新築マンションが2年ほどすると2倍以上になって、一度売買契約して決済待ちしている間にまた値上がりしたので、違約金を支払って二度目の売買契約したなんて経験もしました。
それから3000万控除を受けて、次の新築マンションを購入するのに約100倍の倍率があって、幸運にも抽選でその物件を購入するという経験もしました。いまから思えば夢のような時代です。

今の住宅ローンの金利は1%とかもしくはそれ以下です。

返済金額が昔とは全然違います。(下表参照)

当然、購入金額はそれなりに高くても手が届くことになります。

金 利

毎月返済額

6%

228,075円

3%

153,940円

1%

112,914円

借入金額4000万円/返済期間35年として/ボーナス払い無/固定金利として

 

二つ目は「夫婦共稼ぎ」です。

30~40年前は奥さんが正社員で働いているのは、教員や公務員くらいしか思い浮かべないくらい少なかったのですが、最近では奥さんが全く働いていない世帯はレアケースになっています。
特に、大阪や東京では、大きな企業もあって二人とも正社員なんて家族も多い、だからマンションや戸建住宅を共有名義でローンも組めますので、初めてのマイホームであっても6000万円や7000万円の物件を買えたりするわけです。
要するに、お父さんの稼ぎだけでは苦しくっても、奥さんの年収でダブルの住宅ローン組めばOKだということですね。

これは中古でも一緒です。

大阪市内の中心部では、新築マンションをタワーマンション以外で購入するのは結構難しい状況で、少し郊外でないと供給される物件は少ないですね。
それにプラスして、新築マンションはここ数年間の土地高騰のお陰でもあって、間取りや専有面積が大きなものが少ない。
そこで目を引くのが、築年数は経っているが10年前、20年前の中古マンションです。
平気で80㎡とか4LDKの広さを持っている物件があります。
ただ、コロナ禍で人流が止まっているので、売りに出る物件は思うほど多くはありません。

私の知り合いの人で、築年数20年以上経っているのに、今売却すれば1000万円以上譲渡益が出るが、50歳後半とかになって自宅を売却すると次にどこに住むのかという問題があるので、本当は売りたいけど売れないと残念がっていました。

それにしても、物件価格自体が相当高くなっていることは間違いありません。

年収倍率が10倍超の二つの原因を考えてみると、逆に怖いのは①金利の上昇、②家族の離反(離婚・別居)の二つのリスクです。

金利はそろそろ上がるだろうと皆が感じているところです。

また、30年間で結婚した夫婦のうちの32%は離婚をしているというデータもある。

だからこそ、これからも夫婦仲良く、二人共に安定した収入を確保して快適な人生を過ごさなければなりません。

 

 

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不動産マメ知識/大阪市消防局立入検査で法令不備7%

昨年12月に大阪市のキタ新地にほど近い雑居ビル内のクリニックで起きた放火殺人事件、あれから約2ケ月が経ちました。

放火した犯人はガソリンを撒いて火をつけたということですが、25人の亡くなられた方たちは火傷ではなくて煙を吸ったりして一酸化炭素中毒が死因だったそうです。あの建物は「階段がひとつで、1~2階以外の階に不特定多数の人が出入りするような店舗や飲食店・物販店がある建物=特定一階段等防火対象物」というものでした。

大阪市消防局の立入検査数は5480ケ所、その内の7%の376ケ所に階段や避難口に邪魔になる障害物があったり、防火扉付近に開閉を妨げるものが置かれていたりしていたということです。

事件直後は、ビルのオーナーもテナントも気をつけていますが、しばらくすると気持ちは緩んでしまいますので、この時点で“7%”と言う数字は結構高いものと感じました。

以前にわたしも、商業ビルの管理業務をしたことがあるのですが、今回の雑居ビルと同じような規模の建物でした。
非常階段の踊り場にくつ箱を置いたり、専用部分が徐々に荷物が増えてくるとどうしても共用部分に私物やストックする品を置いてしますのです。
ひどかったのは、従業員の飼っている小型犬を非常階段の手すりにつないでいるなんてこともありました。
注意しても本人は悪いことだと思っていないというのが厄介でしたね。

注意する→また置く→引込める→また置く→注意する→また引込める…の繰り返しでした。

消防署から注意してもらう手もあるのですが、そうすると目を付けられるので、法定点検以外の時もビルのオーナーに是正勧告みたいなきつめのお咎めがあるので、それは避けたいという意識も働いてしまいますし、管理会社としての怠慢というイメージも避けたいという気持ちもありますから。

今回の事件は、ふだんは気にしない非常階段防火扉ってすごく大事なんだと改めて思い起こしました。

複数のテナントが入るビルに火災が起こると、建物全体に火煙が流れますので、ビルのオーナーやテナントとそこで働く従業員は運命共同体だという意識が必要だと思います。
日ごろからの心掛け、行動ってすごく大事ですよね!

※令和4年2月28日に総務省消防庁は新たに発表しました。先の大阪の立ち入り検査同様の建物が対象ですが、全国の消防本部が各地の雑居ビル約3万棟に立ち入り検査を実施した結果、約13.3%に避難通路に避難の障害になる物が置かれていたという。防火戸の周囲に閉鎖の妨げになるものが置かれていたケースも5%あったそうです。感覚的にはこの数字が実態に近いような気がします。

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水漏れで水道代が高額に…

その管理会社は「最適」なのか?

マンション投資家の敵・悪徳管理会社

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不動産マメ知識/固定資産税への疑念

少し前の朝日新聞で、「固定資産税への疑念」というコラム記事を読みました。要するに、次の3つの疑念があるという内容です。

①3年毎の評価額変更をするために、約1億8000万筆の土地と、約6000万棟の家屋を自治体からの依頼により不動産鑑定士が評価を算出すること。

②海外ではドイツのように、6年毎に評価替えを行うことになっていたが、膨大な手間ひまが掛かる為に、実際には断念している違憲状態だそうだという。

現在ではどんな課税方法がいいのか議論中だとか。

大阪市の令和3年3月の予算によると、歳入予算(100%)の内、市税収入(40%)の内の半分が固定資産税と都市計画税(20%)です。

大阪市以外でも概ねそれぐらいの割合はあるはずで、確かに税収の大きな柱です。

ちなみに、その固定資産税と都市計画税の額(367270百万円)は、大阪市の人件費を賄って余りある金額です。

③日本の固定資産税は「適正な時価」を課税標準としているが、それは税収を確保したい市町村などの自治体が依頼した不動産鑑定士さんが作業を行っている。

そこに忖度は存在しないのか?・・・と疑念を問うているというコラムです。

今回、このページを書くにあたってネット上の関連記事を読んでみると、今年1月に朝日新聞、2月に東洋経済誌が茨城県で不動産鑑定の評価業務をずさんな契約手法で依頼していたことがスッパ抜かれていました。
茨城県の大半の市町村が評価業務を随意契約で発注し、入札で発注先を決めていた市町村より最大で4倍以上の開きがあったとのこと。
果たして、固定資産税の評価って「適正な時価」に基づいて算出されているのか疑ってみる必要はありそうな気がします。

Yahoo不動産の質問コーナーに、「固定資産税とは、大雑把に言えば、国や市町村という大地主がいて、それの使用料という年貢(税金)を毎年払っているという事」という回答がありましたが、ある意味それは正解だ。

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不動産ナマ知識/「長屋」の処分について

「長屋」の処分について相談をいただきました。
いわゆる、落語に出てくる「長屋」をイメージしたような木造家屋で、築年も昭和30年代で今は空き家になっています。

相談内容は、このまま売却するか、更地にして売却するという内容でした。
事前に物件について調査していましたので分かってはいましたが、実際に現地に行ってみると改めて進入路と接道状況(3メートル弱の道路幅員)の狭さに問題を感じます。

「長屋」という古風な呼び名は、今ではテラスハウスやタウンハウスというハイカラな名称になっています。

名称は違っていても、住宅が2戸以上で廊下や階段などの共用部分がなく道路から直接出入りできる建物です。

「長屋」は戸建住宅と違って「区分所有法」(建物の区分所有等に関する法律)によりいろいろな制約を受けます。

基本的な考え方は分譲マンションと同じですが、「長屋」の場合は“連棟式建物”ということで確認申請時に基礎・屋根・壁等が一棟で申請して建てています。

その部分が共有部分ですので、所有権を持っていても自分ひとりの判断だけでは建物を解体することは出来ません。

4軒長屋であれば自分以外の所有者(共有部の変更の決議は、)全所有者の4分の3以上に合意してもらう必要があります。(建て替え決議は、5分の4の同意が必要です。)特にお隣の所有者については解体すると壁の半分が無くなることもありますので、解体の合意は必須条件となります。(壁などの修復費用は解体する側が負担します。)

当然ながら、「長屋」の端の家だとお隣は1軒ですが、中の家だと2軒となりかなり大変です。

今回のご相談のあった物件については、他にも厄介な部分がありました。

それは道路の問題ですが、道が狭いということは解体工事や改築工事など施工時に工事車両の出入りに制限を受けるので、工事費用が高くつくということ。

そして、もっと問題だったのは、広い道路から当該地に至る進入路と周りの「長屋」の道路が全て各住宅の敷地による持ち出しによっている「私道」だったということです。
水道や下水道、ガス工事をする際の道路の掘削同意を得るのに、沢山の所有者の同意が必要となるので、大変な時間と場合によっては金銭が要るからです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

結論としては、金額的には低くなるけれど、現状のままでプロの不動産業者に引き取ってもらうのが現実的な解決方法だということになりました。

このような老朽化した「長屋」をどうしょうかと考えている方も沢山いらっしゃるはずです。
不動産はふたつと同じものはありませんので、個別に調査して費用対効果を考慮したうえで、どうするのが一番いいのか判断するしかないですね。

≪補足≫
今回の「長屋」を売却するのではなくて、”賃貸物件”として入居者を募集する案も検討しましたが、ちゃんとリフォームしても安価な賃料しか期待できないことからそろばんに合わないということで、その案は“没“と判断致しました。

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不動産ナマ知識/相談相手の選択(弁護士・税理士・設計士…)

「相談相手の選択」はとても大事なことです。

 

不動産の問題って、幅が広いので相続に関わる不動産の問題、例えば分割、売却、管理、税金、融資などいろいろなことが頭を駆け巡るわけです。
所有権移転や分割協議書などは司法書士さんに相談して、その後売却になると宅地建物取引業者にバトンタッチです。

でも、こんな人もいますよ。

相続税の問題を相談して申告します。
その後、50坪の駐車場だけは売ってしまおうと、「A先生、売るの手伝ってくれませんか?」ってね。
その駐車場の売却を手伝う?って、普通は「売って下さい!」っていう意味ですよね。
もしもし、A先生は不動産業者じゃありませんよ?

で、A先生は不動産業者に資料渡して、買主を見つけると、手数料相当額を頂戴することになります。
誠に美味しいサイドビジネスです。

※こういう場合、不動産業者が資料の提出、質問、調査への協力をA先生に申し入れると、本業が忙しいのか、怠慢なのか、妙に値打ちを付けているつもりなのか判りませんが、「遅い、的外れ、中途半端」なことが多いですね。悪口言うつもりはありませんが、本当にそうなんですよ^^)

物件調査は?・・・資料受け取った不動産屋さんがします。
重要事項説明は?・・・取引実務を行なう不動産屋さんがします。
土地の測量は?・・・測量士の方に依頼します。
駐車場の契約者の解約手続きは?・・・契約手続きをする不動産屋さんがします。
融資が伴う場合の手続きは?・・・買主さんと仲介業者もお手伝いします。
決裁手続きは?・・・同じく取引する不動産屋さんがします。
登記手続きは?・・・司法書士の先生がします。
売主からの報酬は?・・・先生達が頂きます!

こういうケースが、弁護士・税理士・設計士などの士業の先生にはあったりします。

反対に、不動産業者もそういう相談を受けることがあります。
例えば、不動産って相続の問題で不動産の相続税評価額を算出する場合、多少なりとも何回か経験していれば大よその評価額は算出できるものです。
賃貸マンションの確定申告のお手伝いなんかも、家主さんの代わりに計算なんて普通の不動産屋ならできると思います。
でも、税理士法に引っかかると拙いので、そういう場合は知り合いの税理士さんを紹介したりします。

士業全体の人数が増加し続けているにもかかわらず、AIの発達、依頼者の減少、競争の激化で設計士・税理士さんや弁護士さんもそれなりに大変だと聞いています。

私のような不動産業者、コンサルタントやFP、その他士業の方々それぞれに業務範囲に関わる関連法規があります「餅は餅屋」です。

適切な相談相手を見つけることは依頼者の責任です。スムーズに問題を処理できるかできるかどうかの重要ポイントですので、頑張って下さい!

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