不動産ナマ知識/相続財産の”路線価“評価=不適切の判決

世間では相続で不動産を残された財産は、土地は路線価・建物は固定資産税評価額を基に相続税の算定をすると思っています。
その算定基準を信じているから、相続税対策でアパートを建てたり、タワーマンションを買って節税を行っているのですから。

ところが、今年8月末に東京地裁が路線価に基づく相続財産評価を“不適切”とする判決を下しました。
日経新聞によると、2012年6月に94歳で亡くなられた男性が、その2年半~3年半前に2棟のマンションを購入していました。
相続人が路線価等で相続税評価額「約3億3千万円」から銀行からの借入金を引いて相続税額を「ゼロ」として税務署に申告。
購入時の価格は「13億8700万円」(2棟)で、国税が示した不動産鑑定でも評価額は「12億7300万円」で、国税は相続人の「ゼロ」申告を“申告漏れ”と指摘し、相続人がその取り消しを求めて提訴したというのが今回の裁判の流れです。

以前にあるセミナーで、テーマが“こうすれば相続税は安くなる”という講演を聞いたときに、講師が相続税が高いと感じた時は、「不動産鑑定士に依頼して鑑定評価をしてもらい国税に突きつければ勝負できます」というような内容の話を聞いた記憶があります。
今回のケースは、その逆バージョンです。

今回の判決では、「近い将来に発生することが予想される相続で、相続税の負担を減らしたり、免れたりする取引であることを期待して実行した」ので、“不適切”なのだとしています。

元々“路線価”は“実勢価格”よりもかなり低い価格ですので、現金で保有するより不動産に換えて相続した方が「税金が安く」なる、だから節税目的で不動産購入を考えている人は多いのです。
最近では、国の方も基礎控除も低くして「浅く広く相続税を徴収しよう」と考えているから、地価の高い東京などでは特別大金持ちでなくても、忙しなく相続税対策をしているのですが。
ここ数年の地価上昇で、“路線価”と“実勢価格”の差はより大きくなっているので、今回のようなに4倍も評価も差があるなんてことが起こっているのです。

モグラ叩きはまだまだ続きます・・・

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“空き家”問題と相続&賃貸の関係について

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不動産ナマ知識/相続税の物納(不動産)

国税庁のHPによると、平成28年分の相続税の申告状況の概要が簡潔にまとめられていて今の状況がよく分かります。

 

【相続税の対象者の増加/物納の減少】

1被相続人の数

平成28年中に亡くなられた方(被相続人数)は約131万人。
この内、相続税の対象となった人数は、約10万6千人、その割合は8.1%。

平成25年度税制改正により、基礎控除額の引き下げが行われる前は約5%程度だったと覚えているので、随分増えたわけです。

2課税価格と税額

課税価格の合計は、14兆7813億円、被相続人一人当たり1億3960万円。
その税額は、1兆8681億円、被相続人一人当たりでは1764万円。

3相続財産の構成比率

相続財産の金額による構成比は、
『土地38.0%/現金・預金31.2%/有価証券14.4%/家屋5.5%』です。

『土地と家屋の合計では、43.5%』となり圧倒的に「不動産」の割合が大きいことが分かります。

また、国税庁のHPには、「相続税の物納処理状況等」のページがあって、毎年度の物納申請件数と許可された件数や取り下げや却下件数などが分かります。

この表を見ると、実は物納が10年前、20年前に比べてもの凄く減少していることに驚きます!

相続税の物納処理状況等/国税庁 ←クリック

平成30年度の申請件数はたったの99件で、そのうち許可された件数は47件と驚くほど少ないのです。許可された47件の金額は280億円ですから、1件当り5億9557万円。

【物納が少なくなってきた訳】

相続税はお金で支払うことが原則ですが、金銭納付が難しい人の為に、一定の財産での物納が認められています。

そのひとつが「不動産」です。

平成11年度の1%弱にまで不動産の物納が減った原因は、バブル崩壊後に地価が下落し金銭納付が難しくなった納付者が増えたことから、平成4~6年頃から物納申請件数は急増、さすがの税務署も処理するのに困って平成18年の税制改正で申請件数を抑えに掛かったわけです。

特に厳格化するとして、測量や境界確定に関する書類を最長1年以内(但し、利子が要る)とは言え、敏速に提出しなければならないことになったことが大きい。

測量や道路明示に掛かる時間は物件にもよりますが、大阪市内など隣地所有者が数人の物件でも数ヶ月、費用も数十万円、場合によってはそれ以上掛かる場合もあります。
隣地に厄介な人がいたり、所有者が相続などで数十人居たり、外国に居たりするとその作業は手間隙が思ったよりも掛かります。

生前から相続対策を考えていて、現金は別の策を講じてあまり保有しないようにし、多くの不動産を引き続き子供達に引継ぎ、物納したい不動産は測量手続き進めておくなどの準備ができる地主さんでないと物納制度を利用できにくくなったと思われます。

また、物納できない不適格な不動産には、未測量物件の他に①担保に入っている物件、②相続人間で争いがある物件、③古年建物④敷金返還を要する物件などもあります。

【時間との戦い】

物納の申請は相続発生後から10ヶ月以内と、通常の相続税の申告、納税の期限と変わりません。
通常の相続でもバタバタなのに、物納する「不動産」が決まっていない場合はその手続きだけでも大変で、ハードルはもの凄く高いことが想像できますね。

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不動産ナマ知識/「老後2千万円蓄え必要」金融庁報告書の余波

6月3日に金融庁が発表した「人生100年時代を見据えた報告書」が、大騒ぎの火種となってしまいました。
長くなる定年後の人生、じわり減り始めた公的年金、そして超低金利が続く中での運用難の時代を皆が実感し、将来への不安を感じ始めている。
そんな時に、95歳まで生きるには夫婦で約2000万円の蓄えが必要だと発表したのだから無理もありません。

高齢者の間に老後資金の不安が強まったのが平成30年頃からだったから、今多くの高齢者は「長く働く」ことを理解し始めていると思います。
公的年金だけは生活できないことを知っているけど、政治家は「100年安心」だと言っていたこともチャンと覚えています。(昨日、何を食べたかは忘れてしまっていますが^^)

いわゆる、平均的だとされる65歳男子+60歳女子の夫婦では、年金収入20万円に対して毎月5万円の赤字が生じるという試算から、95歳まで生きると約2000万円要るのだそうだ。

報告書では、現役のときから長期積み立ての商品に分散投資するように、定年後は退職金も有効に使いましょうと示唆しています。

後日、麻生金融相が「表現が不適切だった」と釈明しているのをニュースで見ました。
でも、余計に意味が分からなくなってしまいました。
たぶん、今の60歳の25%の人が95歳まで生きるという推計があるそうですので、「年金だけでは食って行けないよ」と言いたいのだということでしょう。

それから不動産関連の問題についてひつだけ取り上げてみますと・・・長い人生の中で最も比率の高いものとして、子供の教育費・老後の生活費などがありますが、最たるものは「住居」です。

どこに住むか、どんな処に住むかによってリタイアした後の生活費は全然違ってくるものです。

日本全国の持ち家比率は60%強です。最も比率が高いのが、富山県80%弱、秋田県、山形県と続きます。関西圏は賃貸比率が高くて、大阪府は40%強、京都府も約35%です。

賃貸か持ち家かという論議はあるのですが、持ち家派の方が定年位で住宅ローンが完済していると楽ですよね。
逆に、賃貸派の方は相変わらず支払いが続きます。
世帯人数が減ったりして引っ越すのもお金が掛かるのと、受け入れてくれる賃貸住宅も若いときのようには見つからないかも知れません。

この問題は出来れば、60歳より以前に考えておいて準備したいとです。
70~80代でこの問題に対処するのが結構きついと思われます。
金融庁の人はそこまで考えてはくれませんからね!

★高齢者問題に関する記事★

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不動産人/不動産と相続放棄の関係

親や兄弟が亡くなると相続の問題が発生します。特に大金持ちでなくても、相続は誰にでも起こるややこしい問題です。

例えば、お父さんが一人暮らしをしていた分譲マンションの場合、数年の間、空き家にしていると管理費が滞納していたり、運悪くマンションの大規模修繕工事の時期にぶつかってしまって修繕積立金だけでは収まらない金額を負担しないといけないってこともあり得ます。
それは相続する人が特定されていない場合、先ずは相続人全員で負担するという考え方でいいしょう。

遺産分割や相続放棄を先延ばしにすると、固定資産税の納付やマンションや建物の維持管理が疎かになりがちですので、残された方々で速やかに話し合う必要があります。

また、故人が友人の賃貸マンションの連帯保証人になっていたりすると、その義務は相続人に引き継がれますので、その友人に連絡して別の連帯保証人を付けてもらうか、相続放棄するとかの判断をしなくてはなりません。

原則、相続放棄は3ヶ月以内に家庭裁判所に申し立てを行う必要があります。
相続の対象となった時からスタートですので、必ずしもお亡くなりになった日ではありませんので、お間違えの無いように。

ただ、相続放棄をしたとしても、故人(被相続人)の債務が消えてなくなるというわけではありません。相続放棄後、その相続人の次の順位の親族が相続人になるからです。

日頃は気にしていなくても、疎遠にしている伯父さんや叔母さん(被相続人の兄弟姉妹)や内縁の妻との間に生まれた子(内縁の妻は相続人になれない)、お父さんとは腹違いの兄弟姉妹などいろいろな立場の人がいるものです。

もし、相続放棄をしようとする時には、他の親族にいちいち了解を得る必要はありませんが、次の相続人になる方に連絡するのが大人としてのマナーじゃないでしょうか!

≪関連するサイト≫

民法改正による連帯保証人の扱いの変更

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不動産ナマ知識/”空き家”問題と相続&賃貸の関係について

【空き家問題と相続と賃貸の関連について】

昨今、なにかと”空き家”問題がクローズアップされています。
空き家の全国約820万戸(2013年)の内、「賃貸用の住宅」と、「長期にわたって不在の住宅と、取り壊すことになっている住宅」の合計が空き家全体の90%超です。
主たる原因は、①賃借人が見つからない②相続して取得した古い家に相続人が住まないということです。

「新築物件に入居者を取られてしまう」
「古い物件なので、修繕コストが高い」
「相続したけれども遠方なので…」
「相続人自身の高齢化」
「相続自体で揉めている」
「建物を除去すると固定資産税が上がる」(注1)

国としても損壊・倒壊や火災・衛生等の点で近隣に及ぼす悪影響を放置して置けなくなり、特に問題がある空き家に対しては「特定空家等」として、行政が所有者に対して助言又は指導、勧告や命令等を行うことができるようになりました。

(注1)
固定資産税
200㎡以下の「小規模住宅地」は、1/6に軽減
200㎡超の部分は床面積の10倍迄が「一般用住宅地」として1/3に軽減
都市計画税
「小規模住宅地」で1/3、「一般用住宅地」で2/3の軽減措置があります。
※家が建っているだけで、税金が安くすむし、解体費用も要らないし!

【賃貸用空き家の場合】

賃貸用住戸の場合の空き家(445,5万戸)は、共同住宅が約90%です。
傾向とすれば、古年・床面積小規模な物件の方が空き家になっている。
因みに、大阪府の賃貸用空き家数は、全国で2番目に多く、供給数の多さが人口増加に追いついていない感じです。
1東京都 645,000戸
2 大阪府 444,200戸
3 神奈川県 347,300戸
4 愛知県 271,000戸
全国 4,455,600戸
平成25年住宅・土地統計調査 特別集計(確報)

【戸建空き家の場合】

2013年の空き家の内、約半分弱の45,7%が賃貸用共同住宅、持ち家戸建が33.6%、持ち家共同住宅11.8%と続きますが、このうちの持ち家戸建が1998年139万戸→2013年275万戸と5年間で136万戸も増加しています。
戸建住宅の場合、分譲マンションなどと違って所有者自ら管理・修繕を行うのが通常ですので、一旦、空き家の期間が長引くと建物の老朽化はスピードアップしてしまいます。
数量的には大都市圏の方が多いのですが、率的には地方都市の戸建空き家率が高くなっています。

≪空き家阻止の対策≫
空室の発生を抑制し、特に戸建住宅の空き家要因である”相続で取得”(注2)した所有者の負担を軽減する策が講じられています。

■空き家の譲渡所得3000万円特別控除について■
相続日から起算して3年を経過する日の12月31日までに、被相続人の居住の用に供していた家屋を相続した相続人が、その家屋(耐震性のない場合は、耐震工事後)又はその家屋を解体後の土地を売却した場合は、売却益から3000万円と特別に控除できる制度ができました。
◇適用を受ける為の主なハードル◇
★対象となる譲渡期間・・・平成28年4月1日~平成31年12月31日
★建物は昭和56年5月31日以前に建築されたもの
★分譲マンションは対象外
★売却代金1億円以下(分割して売却した場合はその合計金額)

その他、適用要件があります・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

☆平成31年4月1日から注意すべき改正点2つ!

一、平成31年12月31日までの適用条件が、平成35年12月31日まで延長される。

一、被相続人が相続開始の直前に老人ホーム等に入所している場合は、入所前に居住していた家屋及びその敷地等は「特例の適用を受けることができるようになります。

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■法定相続情報証明制度■・・・平成29年5月29日スタート
相続が発生すると、自宅やその他不動産の名義変更(所有権移転登記)を行いますが、名義の変更することが諸々の理由により、そのまま放置されている物件も多いとか・・・それが、昨今の空き家問題の一因となっているということで、相続人が登記所に戸籍関係の書類を提出すれば、登記官が認証付の法定相続情報一覧表の写しを交付(手数料無料)、従来の戸籍に代わり、この一覧表で被相続人の預金の払い戻しや、相続登記が便利に出来るという制度ができました。

(注2)
個人住宅が空き家になった契機として、持ち主の取得理由の第1位が相続(56.4%)、第2位が新築して注文・購入(20.5%)と、半数以上が相続であります。
「平成26年空き家実態調査」

【大阪市の場合】・・・市内の空室率

大阪市の空室率(17.2%)は、全国平均(13.5%)と比べて高く、主たる原因としては、新築住宅の供給数が活発で、借家の占める割合が多いところに起因するものと思われます
空き家の内、賃貸住宅が占める割合は・・・
◎大阪府 空室率14.8%→内、賃貸住宅61.7%
◎大阪市  〃 17.2%→内、  〃 67.6%

空き家率の高い区は、西成区(23.8%)、東住吉区(23.8%)、生野区(22.4%)旭区(21.4%)となっていて、古い木造住宅が多いエリアです。
※それぞれ、空き家の内の戸建住宅が占める割合が4分の1前後です。

中央区や浪速区でも、空き家率は17~18%と高いのですが、これは単身者向けマンション(≒投資用マンション)の新規の供給数が多いことが原因と思われますので、賃貸用マンションをお持ちの方は、今後も賃料含めて住居者確保は厳しい局面が続きそうです。

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不動産ナマ知識/新築と中古、どっちがイイのか?

☆不動産投資の現状☆

2018年に不動産投資市場でいろいろな不祥事があったお陰なのか、金融機関の不動産融資に対するハードルは一段と引き上げられて、いまやフルローンなんて言葉は「死語」扱いとなっております。
それでも、融資さえクリアーできれば購入したいという投資家さんも多いのが実情です。

初めて投資用マンションを購入する方や、不動産に対する知識のない方は、新築物件に対する危険性を感じることが少ないようです。
また、そういう方は中古物件に対して必要以上に危険性を感じているのかも知れません。

実際、新築物件中古物件は何がどういう違いに気をつけないといけないのかを、考えてみましょう。

 

■仲介手数料の有無■

投資用に限らず新築の分譲マンションや戸建住宅は、事業主が販売しているので仲介手数料が要りません。(稀に仲介業者を通じて販売している場合がありますが、その場合は仲介手数料が必要となります。)

例えば、1700万円の物件だと、その(3%+6万円)×消費税8%=61万5600円中古物件だと要りますが、新築物件ゼロです。

でも、新築物件は1700万円の中に販売業者の利益や広告宣伝費が内蔵されているだけだと考えれば一概に不必要な費用が要らないものとは言えません。

 

■新築物件だと修繕費用が必要ない■

確かに建物は新築物件であれば10年とか15年とか修繕工事の負担は無さそうです
中古物件であれば、築10年、築20年経っている物件であれば、売主がどの程度の修繕工事やメンテナンス工事をしたのか知る必要があります。
そして、そのような工事をしていなかっったら近い将来その金銭的な負担をする覚悟をして購入しないといけません。

実際的な支出を伴わない「減価償却費」という経費も含めて、新築物件に軍配が上がりそうです。

 

■賃借人の確保が心配な方■

新築物件の場合、入居者の確保が楽だと思います。
ただし、それは最初だけです。

入居者の入退去が2~3回あれば、後は中古物件と同じです。

投資用物件の場合、単身者用のマンションが多いので、同じ入居者が5年10年と住み続けるケースはあまり考えられません。
同じ収益物件であっても店舗物件や事務所は、住居系と違って中長期の賃貸期間を想定して運用します。

また、新築時の賃料設定は同じエリアの中古物件と比べると高く設定できるのですが、入退居が2~3回行われれば、後は中古としての賃料だということは必ず知っておかないとダメです。

 

■利回りや資産価値とか…■

表面利回りで考えると、新築物件中古物件より低いと考えられます。

中古物件も最初は新築だったのですが、築年数を経て物件価格を下げて売り出されているから、相場の賃料が確保できれば新築よりも利回りは高くなります。

新築物件を購入される方は、相続税や所得税などの節税目的が多いと思いますので、利回りは低くてもいいのでしょうか。

もの凄く築年数が経っている中古物件は、設備や共用部などのメンテナンスしていてもやはり古さを感じますので、賃料設定も低いし購入に際しての融資期間も短いというデメリットを解消するために高い利回りで売りに出します。

よく「不動産は“立地”」だと言われます。

いかに新しくても立地が悪いと資産価値は低いと言わざると得ません。
反対に古い物件でも、駅前だとか駅近だとか利便性に優れているとかだと資産性はあると言えます。

特異な例ですが、10年位前に数百万円だった古年の投資用マンションを地上げ業者が1戸1戸買い増しして、今はその頃の3倍とかになっている物件を見たことがあります。
お金と時間に余裕のある投資家さんなら、そういうもの古年物件に目を付ける手もあります

★投資用不動産の利回りに関する記事★

「72の法則」

総合的な判断

表面利回りと収益還元利回り

6つの係数

自己資金とか利回りとか

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不動産人/不動産購入の諸経費について

マイホーム購入でも収益用不動産でも、物件価格とは別に諸経費と称する費用が必要です。
収益用不動産・事業用不動産は自宅とは違った経費もありますし、税務上の処理についての知識も若干必要です。


一口に諸経費と呼ばれますが、何が諸経費と言えるのかは些か曖昧な部分があります。

大雑把に物件価格の10%弱なんていう人もいれば、物件購入時の手付金を契約時の諸経費に入れている不動産会社もあるそうです。

ここでは物件価格以外に最低限必要な費用全体とします。

1.仲介手数料・・・多分、諸費用の中で一番大きな金額になっている。

2.司法書士報酬・・・所有権移転、抵当権設定などの登記費用。

3.固定資産税等精算金・・・日割り精算することが多いが、税務上は資産計上します。

★売買取引の習慣、大阪と東京の違い

4.家賃等の精算金・・・賃借人付の物件だと、決済日を基準に日割り精算します。

5.管理費用の精算金・・・管理業者を引き継ぐ場合は、決済日を基準に精算します。

6.火災保険料・・・建物に対する損害保険加入費用。

7.印紙税・・・物件価格に応じて契約書に印紙を貼る。また、固定資産税精算金・家賃等の精算金の    金銭受領時にも印紙が必要です。金融機関との金銭消費貸借契約書(ローン契約書)にも印紙貼ります。

8.登録免許税・・・所有権保存・移転・抵当権設定を司法書士さんが手続きを行う際に、印紙や現金で納付する。

9.不動産取得税・・・物件を取得してから数ヵ月後に支払います。

1~9までは不動産取引の際、仲介業者が介在している場合はその担当者が、売主から直接購入する場合は、売主からそれぞれの内容と金額を買主に説明します。

その他、購入目的によっては、贈与税や相続税、譲渡所得税の税額が物件購入によってどう変化するのか気になりますが、勿論、購入前に試算しておられるわけであっても、その後の諸状況の変化にともなって机上の計算通りには行かないのですが、不動産業者としてのサポートは必要だと思われますので、今後の管理運用方法についても説明が要りますね!

税金の試算については、不動産業者は専門外です。細かな部分については、税理士さんや税務署に相談しないといけません。

★不動産購入に関連する記事★

一棟売マンションを購入した時の、不動産取得税・固定資産税

収益マンション購入後の管理委託業者への注意

修繕費と減価償却費

敷金・礼金・保証金の話

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不動産ナマ知識/投資用不動産の「節税効果」って“嘘”ですか?

今日は平成最後の天皇誕生日です。
1958年に東京タワーが完成した記念日でもあります。
ついで言えば、その3年前に私が生まれた日でもあります。

 

「節税効果」は“嘘”ではありません、半分“正しい”と思います!

 

投資用マンションの営業トークや広告で、「不動産投資は節税になる」とよく見聞きします。
特に、「減価償却費」は実際の出費はないのに、経費として収入から引けるので「節税」になると・・・また、青色申告すると10万円控除や貸借対照表や損益計算書を添付している場合には、最高65万円とかいうのも実際上の出費を伴わない合法的な「節税」であります。

ところで、平成30年度税制改正で、2020年度より基礎控除が38万円から48万円に引き上げられます。

単純に個人事業主にはメリットがありますが、会社員しながら不動産投資している人の場合、給与所得控除の金額が10万円下がるので、基礎控除10万円アップと相殺されてしますから基礎控除の引き上げのメリットを得られない人も出て来ます。

事業的規模(一般には「5棟10室以上」)になって、それなりの収入があれば配偶者を青色専従者にして給与を支払い、ボーナスを出すとすると、(実際に支出するかどうかは別にして、)所得分散で税金を安くするだけの「節税」効果はあるでしょう。

ガソリン代や飲食費、セミナー出席費用なども経費計上することも出来ますが、金額的には細かな部類の話ですので、ものすごい程の効果があると言うにはならないと思っています。

そのことに神経を使うよりは、実際の収入自体を確保することやアップさせることに注力する方がいいのじゃないかと思います。

不動産投資は不動産所得があるから意味があるので、入居者確保、テナントの誘致が最も大事です。
空室にしていても節税にはなりますが、実質の赤字ですから、稼働率を上げることや、もっと収入をアップさせる方法を考えてみませんか。

例えば、サブリースしていて実質賃料の90~80%の収入で満足することなく、自分で仲介業者に募集を依頼してもっと収入をアップさせる方法を模索してみませんか。勿論、悪徳管理会社に搾取されているかも知れないのなら、リフォーム費用や管理報酬も正当なものなのかともう一度検証してみるのもいいかもしれません。

不動産による「節税効果」として最も大きなのは、「相続対策」で現金を不動産に代えた時の“相続税評価額”の低下だと思われます。

大雑把に言えば、相続の時に現金1億円はそのままで評価されますが、(色々なものがありますが)不動産の評価は土地であれば“路線価”や、建物は“固定資産税評価額”などを基本に評価しますので、現金に比べて半分とか、それ以下になって納税負担を減らせる効果が期待できるからです。

また、現金であれば1億円に対する預金金利は低いけれども、不動産であれば更地であってもパーキングで収入を得ても今の預金金利よりは多いでしょうし、店舗やマンションを購入してテナント・入居者に入ってもらえれば、大阪市の物件でも5~6%の利回りにはなります。

不動産投資は「節税+収益」の両方が見込めるので、富裕層のみならず投資に興味のある方々に向けて今後も不動産投資は無くならないのでしょう。

★不動産の利回りに関する記事★

ワンルーム投資平均利回り4%

イールドギャップ

自己資金とか利回りとか

キャップレート

“表面利回り”と”収益還元利回り”

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不動産ナマ知識/「私が売主です!」でも…本人かどうか確認する

売主が真の所有者かどうか特定する?確認する?

当たり前過ぎて、そんなこと判りきったことだろうって思いますよね。

勿論、他人に成りすまして、人の土地を勝手に売ったり、買ったりするのは犯罪だとわかっていますが、でも例えば、相続物件の場合に相続人が3~4人で、1人だけと契約してもその他の人の相続分には契約の効力が及ばないので、こういう場合も、「真の売主」ではありませんから、この取引は完結できない可能性があります。

こういう複数の売主さんが合意して売却するなどの相続物件の売却はかなり手間隙が掛かります。
(注1)一人ひとりが納得できる条件でないと契約書にハンコをついていただけません。

全員が揃っている場面では、「そうだね」なんて言っている人が、個別にお話をしてみると「あの人に都合で・・・」なんて話が横道に逸れて、「だから嫌です」なんてことにも成りかねません。

相続物件でなくても、共有名義になっている不動産も同様です。

(注1)相続人:相続による移転登記前の場合

【確認書類】

■戸籍謄本・除籍謄本など、全相続人が確定できる書類

■遺産分割協議書もしくは遺言書の有無

【有効な契約】

■相続人全員と契約を結ぶ。

■相続による移転登記の完了をもって不動産を取得した人と契約を結ぶ。

他にも、売主が未成年者成年被後見人など、知らずに契約すると取り消される可能性があります。
代理人だという人「私が売主です!」と言っても、正式な委任状(注2)も持たずに現れる場合ならば、代理権がないので商談を進めてもその商談は無駄になります。

(注2)正式な委任状

売主本人の実印のある委任状で、当然、本人の印鑑照明書添付されたもの。代理人の権限の範囲を定めてある内容を確認することも重要です。

法人の場合も注意すべきことはあります。株式会社の場合、代表取締役以外の者と契約すると、契約に効力が及ばない場合があるので、必ず代表取締役と契約を結ぶ必要があります。

その他の団体・法人でも理事長・組合長・代表社員など権限のある者と契約する必要があります。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・   以前、こんなことがありました。一棟のマンションを売ることにした高齢のお父さんが売却をするのに知り合いの不動産業者の方と進めていて、丁度、私の知り合いが収益マンションを購入する意思があったので物件を紹介したところ、話がトントン拍子に進んで契約することとなりました。物件の所有者はご本人とご長男の持分が少しで、取引の時にはご長男も同席することにしていたのですが、悪いことにその日が大雪になり、ご長男が長野県から来れなくなったわけです。
売主の片方が来れないので、司法書士の先生も本人確認が出来ないということで延期しようということになりましたが、お父さんが「大丈夫です。息子も同意しているので今日取引を済ませたい…」と主張し始めました。
売主側の不動産仲介業者も「大丈夫です」と言うのですが、些か無責任な感じの発言としか感じられません。(早く済ませたいだけの理由に、腹も立ちましたけど)
その後、司法書士さんと息子さんが電話とFAXで、いろいろやり取りをしてもらって間違いないという判断が出来たので、取引は無地終了出来ました。
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犯罪収益移転防止法

(平成20年3月1日施行:平成28年10月1日一部改正)

いわゆる「マネー・ロンダリング(資金洗浄)」対策として、宅建業者は一定の義務を課せられる「特定事業者」注3)のひとつとなっています。

(注3)特定事業者

仕事上、本人確認義務を課すのが妥当と考えられる業種・・・金融機関等、ファイナンスリース事業者、クレジットカード事業者、宝石・貴金属等取扱事業者、郵便物受取サービス業者、電話受付代行業者、電話転送サービス事業者、弁護士・弁護士法人、司法書士・司法書士法人、行政書士・行政書士法人、公認会計士・監査法人、税理士・税理士法人、そして宅地建物取引業者をいいます。

宅建業者は、不動産売買や仲介を行なう場合、取引に係る当事者の①本人確認をすること②その記録を7年間保存すること③疑わしい取引の届出をすることの3つの義務が課されることになりました。

本人確認は、職業を聞くことと基本的に顔写真付の身分証明書にて確認し、取引を行なう目的(買い替え、相続対策、投資など)を行なうことになっています。

また、不動産売買における疑わしい取引としては、短期間に複数の土地建物に現金で支払いを行うこと、また高額であることなど。売買契約の締結が、架空名義や他人の名義で行なわれた疑義が生じた場合。契約書としての法人が、実体のないもの疑い、必要書類を契約者の住所以外に送付することを希望するなどが、疑わしい参考事例として挙げられています。(国土交通省)

また、スルガ銀行の問題でもあったような、公務員やサラリーマンがその収入に見合わない高額な物件を購入することも疑わしい事例となって、「マネー・ロンダリング」を防止するのに協力することになっております。

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不動産人/路線価 沖縄5%アップで首位

7月2日、2018年分の路線価(1月1日現在)が発表されました。
全国平均で3年連続上昇です。
一番の上昇は沖縄で「5%」で、単なる投資ではなくて、住宅需要が拡大しているのと、企業進出も追い風だそうです。
でも、元々の原因は、金融緩和です。

昭和バブルの時は、プラザ合意からの金融緩和、米国のサブプライムローンでリーマンショックがあって、今はゼロ金利政策で賃貸マンションと相続税対策です。

但し、年収700万円のサラリーマンが1億円の一棟売物件を購入できたような時代は去ってしまいましたので、フルローンで収益物件を購入できる人はかなり限られます。
不動産市場は、金融緩和との裏表だということはハッキリしています。

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