不動産仲介業も商売ですから、信頼や説明力・表現力って大事なことです。
今回は、以前に一棟売りマンションの売買契約をした時のことをお話します。
売主側の仲介業者さんが売買契約書(案)を作成してきて、買主側の仲介業者として当方が疑問点や修正箇所がないかどうかチェックすることになりました。
売買金額の内訳として、土地・建物と(建物の)消費税に分ける際、売主側の仲介業者の社長さんが「売主は個人だから消費税は掛からない」というのです。
理由を聞くと、「個人は消費税が必要ないから」と言うのです。
「へぇ~そうなんですか」と聞き流しておきましたが、こういう仲介業者さんでもちゃんと売主から売却を依頼されて商売できてるんだなぁと変な感心をしてしまいました。
消費税の課税事業者
消費税は、『課税事業者』と呼ばれる事業者が納税する税金です。
法人でも個人でも『課税事業者』になりえます。
単に「個人だから消費税は関係ない」なんてことは全くありません。
それに、先の売主さんは何棟もマンションを所有している方だと聞いてましたので、『課税事業者』である可能性が高いと思われました。
『課税事業者』であるどうかを判断するには、2年前の課税売上で判断します。
2年後に課税売上が一切ない場合は消費税を払う必要は勿論ありません。
それと、もし2年前に課税売上が1000万円を超えていなければ、売却した年に『課税事業者』になることはないので、消費税は課税されません。
それは基本的な知識ですので、おそらく売主さんはご存じのはずです。
特定期間というもの
プラスして課税事業者のことで付け加えると、『特定期間』(※注)というものがあります。
通常の基準期間の課税売上高が1000万円以下でも、『特定期間』における課税売上高が1000万円超だったら消費税の課税対象になります。
※注・・・個人:前年の1月1日~6月30日 法人:前年事業開始以降6ケ月
インボイス方式が導入される
2023年10月1日から導入されるインボイス制度。
免税事業者が消費税を預かる形で納税することなく”益税”となることが難しくなる制度だと言われています。
この制度によりもうすぐ、免税事業者は消費税を上乗せして請求できないということも知っておかないといけませんね。