30年間ほど収益用不動産の仲介をしてますが、これまでもこのような時期が何回かありましたけど、比べてみても今回の不動産投資ブームは結構長期間続いています。
金利が上昇傾向になると不動産市場は売りの傾向が強まり、価格は低下して利回りは高くなる、でもその時は銀行も慎重な姿勢で借入は今までのようにはいかない、大雑把に言えばその逆の流れが来て、またその繰り返しです。
稀に見る低金利と金融緩和の時代でしたから、購入するには最適な時代でしたけど、そろそろブームが終焉してしまうと感じている人も多いはずです。
実はコロナ前にその兆しがあったのですが、コロナで更なる金融緩和と支援金策があったので、幸い不動産投資の人気は衰えることなく推移することが出来ました。
『出口戦略』って一般には、売却することを指します。
不動産って購入(入口)は意外と簡単で楽しいのですが、所有している期間はいろいろな問題に遭遇しますが、窓口になってくれる不動産業者が一仮対応してくれると問題は解決します。そのことによって不動産運用の知識を習得できれば大変有意義な経験です。
反対に売却(出口)は難しくて悩ましいものです。
自分の所有物件は、他の物件より優れているように思う人が多いし、少しでも高く売りたいと思うのは人情ですから、世上の動きを横目で見ながらの思い切りが難しいですね。
それに買いたい人がいない限り売却は出来ません。
通常ですと、一棟売物件だと数か月は掛かりますし、区分所有のマンションだと売値が相場からかけ離れていない限り1ヶ月は必要でしょう。
タイミングよく高値で売ることが出来るとキャピタルゲイン(売却益)を得ることが出来て、これまでのインカムゲイン(賃料収入)を合算させて不動産投資は完結して、投資の成果が数字で把握できます。・・・(収益還元法の考え方です。)
売却益が出ると譲渡所得の税金を払う為、出来れば長期譲渡(譲渡した年の1月1日現在の所有期間が5年を超える土地や建物を売ったときの税率は、5年以下の場合よりも税率が低い)が望ましいですね。
また、築年数の経った物件は次の買主にとっては、借入のハードルが高まりますし、修繕や改装の資金のことも考えないといけないので、どうしても利回りはそれなりのものが欲しいですね。
また金利が上昇局面になると、一層、買主の期待利回りは高くなります。
その時は銀行も融資に慎重になり、今のように誰にでもローンを組んでくれる訳はありません。
この見極めはプロでも素人でも同じで、絶妙のタイミングで売り抜けることはなかなか難しいものです。
今の収益物件の取引状況は少し停滞気味のような感じがします。
4月には日銀の総裁も代わり、欧米の金融動揺もありで、そろそろ次のステージの入り口に差し掛かっている気配を感じます。
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