不動産人/公的価格と実勢価格

9月19日に国交省が発表した「平成29年都道府県地価調査」によると、京都・大阪と関西圏の商業地がアップ率で全国最上位に就ける健闘ぶりです。

原因が、外国人観光客の増加による店舗・ホテル需要や、オフィス空室率の低下による収益性が上がったことであることは間違いありません。賃貸や分譲マンションの仕入れ金額とホテルや民泊施設の購入価格は2~3倍以上ありましたから、地価を押し上げるには十分でした。(←過去形になっているのは、一応ブームはいっぷくした感がありますので・・・)

でも、そもそもベースはとなっているのは、超低金利だからです。

公的価格

この間、国交省のアンケートが着ておりましたが、バブル期に地価が高騰し、固定資産税評価額もアップした時期に特例として負担調整させて納税額を押さえ込んでいるのですが、その特例措置が来年切れることにどう思うかっていう内容でした。

誰しも、税金が上がるのは好きではありませんが、ズーっと負担調整率でごまかしていても、また年金みたいに訳が判らなくなるのも怖いですね~(笑い)

 

≪土地の公的価格≫

公示価格

基準値価格 固定資産税評価額 路線価

内 容

一般の取引の指標 公示価格の補完 税金計算の基礎 相続税等の基礎

基準日

毎年1月1日

毎年7月1日 前年1月1日

(3年に1度)

毎年1月1日

公開時期

3月下旬

9月下旬 4月ごろ

7月下旬

管 轄

国交省 都道府県 市町村

国税庁

 

公示価格を100として、路線価80、固定資産税評価額70を目安としているとなっていますが、固定資産税評価額は3年に一度の見直しですから、ブレがあるのは避けられません。

 

実勢価格

実勢価格は実際に取引される価格(←過去形)ですが、いわゆる売り値(←希望価格)とは違います。

収益物件が不足気味である今のような状況では、売り値は高めに成りがちです。

将来、様々な状況が変化すれば買い手の付き難いことになりますので、売り値も調整局面を迎えることにもなりましょう。

でも、その時に購入者の状況も変化しているので、いつが一番いい時期なのかは、なかなか悩ましい問題であります。

不動産は生ものですから、旬を逃すと美味しくいただけない・・・

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不動産ナマ知識/金融機関の融資基準

【今の不動産融資姿勢】

正直なところ、弱いながらも“逆風”が吹いている感じですよ。

国の年金資金の運用や、低金利の金融機関も貸付先に苦労していますから、株式運用や不動産融資に特化してお金をつぎ込んでいる訳でしょう。だから昨年・一昨年あたりは、不動産融資も緩々(ゆるゆる)だったのかも知れません。だから今は少し調整局面なのかも知れませんが、これからもズ~っと不動産融資だけが順調だなんて嘘でも言えません。
昨年の不動産融資額がバブル期を超えたなんてニュースを目にしたのはつい此間でしたが、個人的な皮膚感覚では1~2割位融資が厳しくなっているという感覚です。

それでも、できるだけ手持資金を使わずに収益物件を手に入れようと考えている人が多い状況は、今のところ変わりっていないようです。

購入を検討できる収益物件の数も減っていることも確かです。

不動産融資というものを、購入者側と金融機関側の双方から見た3つの要素【担保評価】【与信】【融資基準】について考えてみます。

【担保評価】

金融機関に融資申し込みをするときの第一関門が、担保評価です。

「物件の価値」には、その金融機関独自の掛け目があって、融資限度額になります。

担保評価はどこの金融機関でも同じではありませんし、融資担当者や支店によっても異なりますから、よく「自分は此の位の金額なら借入れ可能だから・・・」って思っていても、最近の傾向では買主様ご本人の希望する融資金額は1~2割くらい不足する感じです。

人には厳しく、他人には甘いのが世の常でございます。

【与信】

融資対象の不動産評価とは別に、融資申込者(法人や個人)の信用評価を与信といいます。

法人であれば、決算内容やキャッシュフロー、個人であれば収入・支出を、そして買い主様が現に保有している資産の内容が与信に影響します。

購入しようとしている不動産の利回りがそれ程でなかったとしても、節税効果や本業の収入に余裕があれば融資は楽です。 その反対の場合は、融資額はご本人が思っているほどでないこともありますが、これはあくまでその金融機関が判断することですから、意に反する場合であっても仕方ありませんよ。

ここだけの話ですが、この融資申込者の与信は、かなり伸縮自由であってA氏は満額融資を受けれたのに、B氏は80%の融資しか承認されなかったりする理由が判り難いから厄介です。 そうそう、金利も金融機関のみならず融資申込者によっても、「へぇー!」って言うほど違う場合もあります。

【融資基準】

不動産投資のリスクとして、金融機関の融資基準そのものの変化があります。〔変更といった方が正しいかも知れません。〕

“リスク”って危険とか、マイナスとかじゃなくって、資産運用で言うところの“リスク”は、結果のバラツキ具合を意味します。つまり、マイナスの場合はもちろん、プラスになった場合も同じく「リスク」というのです。

不動産融資に対して厳しい目で審査する金融機関でも、景気が上向くなりその兆しが見られるとなると基準を変化させます。

従来、不動産担保評価の基準として利用されていた「固定資産税評価額」「路線価なども、一時、「収益還元」(≒収益性)に取って代られた時期もありました。 最近では建物の「検査済証」の有無で融資の可否を決定したり、「建築年数」を盾に融資の期間を決めることが多いようです。 融資が厳しい時期には、結果として購入できる人や法人が少なくなります。

信用金庫や信用組合など中小金融機関には不動産融資に意欲的なところも沢山ありますが、物件探しだけでなく、金融機関の融資姿勢も研究しておくことが大事です。

 

この前、某信用金庫の方と話をしておりました。そのときの話しでは、今の融資基準としては、「鉄筋コンクリート造の場合、新築で57年」の融資期間が可能、「鉄骨造の新築物件なら44年間」だそうです。

つまり、平成9年新築の築後20年経っているRC造の収益マンションがあるとすれば、融資期間を“57-20=37“→37年間で計算してくれるということです。

仮に融資を受ける金利が3%だとすると、1億円かりて月額返済約373,000円となりますので、そのマンションの表面利回り8%(年収800万円)とすれば・・・

収支では、年収800万円-(月返済額37万3千円×12月=447万6千円)=352万4千円です。

ここから固定資産税や管理費・補修費などを控除して、最終的な収益が決定します。

でも、税金はまだ払ってないことをお忘れなく!

 

巷では、築年数の新しい収益物件が人気です。先の要件である、融資期間が長くて、いわゆる遵法性(←建築基準法などに違反していないということ)を満たしているので、金融機関も融資対象に成りやすいからです。

それに大阪でも、築年数の新しい物件の利回りは5~6%位と少し前に比べて低くなっているので、低い金利で融資を受けることの出来る買主様や、手持ち資金を物件価格の2~3割投入できる買主様ででないと収支が合いません。

一般的な尺度でいうところの富裕層・資産家の方が、資産運用のひとつとして不動産融資をしてみるって感じでしょうか。

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不動産人/6つの係数

先回の「不動産人/表面利回りと収益還元利回り」の話に出てきた係数の続きですが、”不動産人”のタグに入れましたが、この資料は以前に使ってたFPのライフプランニングの教科書から引っ張り出しております。不動産投資を考える方法として、収益還元法や現在割引率・・・またこういった係数が使われることがあることを知っておきましょう。

終身雇用や年功序列のシステムが徐々に崩れてきて、長寿社会をライフプランニングする将来予測が難しくなっています。

でも、机上でプランを立てなくても、少なくとも頭の中で漠然とした将来のイメージは誰しも持っているものです。

より具体的にするためには「6つの係数」が便利です。

私はFPの受験からもう何年も経ちましたし、日常的には使うことが殆んど無い「6つの係数」ですが、いまでも気になるのは何故でしょうか。

i=利率

n=期間

P=現在値

S=将来値

R=n期間継続して支払う(受け取る)額

ライフプランニングを勉強しているときに「6つの係数」を使って色んなケーススタディをやってみたことが面白かったからだと思います。

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【終価係数】

現在の額から将来の額を求める時に使用する係数、例えば複利計算など身近に使える係数。

S=P(1+i)n

■100万円を年利3%で複利運用すると10年後は幾らになるか?

1,000,000円×(1+0.03)10=1,344,000円

1,344,000円÷1,000,000円=1.344・・・終価係数

早見表があるので、複利4%で10年間運用すると1.48の終価係数、複利5%で10年間だと1.629の終価係数を掛けるとすぐに幾らになるのか分るのでとっても便利です。

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【現価係数】

“終価係数”とは逆に、将来の額から現在の額を求める時に使用する係数。

P=S[1/(1+i)n

■ 10年後に100万円にしたい場合、年利3%で1年複利運用するとして手持ちは幾ら必要か?      1,000,000円×[1÷(1+0.03)10]=744,110円

744,110円÷1,000,000円=0.7441・・・現価係数

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【減債基金係数】

将来目標とする額を貯めるために必要な毎年の積立額を求めるときに使用する係数。

R=S[i/(1+i)n-1]

■10年後に100万円を貯めたい。年利3%複利として、毎年幾ら積み立てればいいか?

1,000,000円×0.03/[(1+0.03)10]-1=87,230円

0.03/(1+0.03)10-1=0.08723・・・減債基金係数

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【資本回収係数】

借入金から年間返済額を求めたり、現在の資金額を運用しつつ一定期間で資金を取り崩すときに使用する係数。

R=P[i/(1+i)-1]

■   100万円を年利5%で借りて20年間で返済する場合、毎年の返済額は幾らか?

1,000,000円×{0.05/[(1+0.05)20-1]+0.05}=80,240円

0.05/[(1+0.05)20-1]+0.05=0.080240・・・資本回収係数

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【年金終価係数】 

毎年の積立額から将来の元利合計を求めるときに使用する係数。

S=R[(1+i)n-1/i]

■  毎年50万円を年利3%で10年間積み立てたら、10年後には幾らになるのか?

500,000円×[(1+0.03)10-1]/0.03=5,732,000円

[(1+0.03)10-1]/0.03=11.464・・・年金終価係数

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  【年金現価係数】

目標とする年金額を受け取るために必要な年金原資を知るときに使用する係数。

P=R[(1+i)-1/i(1+i)n]

■  毎年60万円ずつ年金を10年間受け取りたい場合、年利3%で複利運用するとして今幾ら預ければいいのか?

600,000円×[(1+0.03)10-1]/[0.03×(1+0.03)10]=5,118,000円

[(1+0.03)10-1]/[0.03×(1+0.03)10]=8.530・・・年金現価係数

※出所&参考資料:ライフプランニング・リタイアメントプランニング(日本FP協会)

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不動産人/“表面利回り”と“収益還元利回り”

事業用不動産購入、特に収益物件を買おうとするときには、今後の金利の動き、景気の動向、家賃収入の推移などを予測することが必要です。その上で、収益性を考える指標として『利回り』について考えます。ただし、『利回り』は時代や経済とともに変動するものであります。

一般的に使われている『単純利回り』(“グロス利回り”とか“表面利回り”とか言います。)は、要するに現時点での収入で逆算して、その不動産の価格を求める方法です。

年間収入500万円 ÷ 期待利回り10% =5000万円

別に『DCF法』(ディスカウンティド・キャッシュフロー)と呼ばれる収益還元法があります。

この方法は不動産投資に関するいろいろな要素を念頭に利回りを予測するもので、且つ、投資期間を定めて投資分析することが可能ですので、収益用不動産を金融商品としての観点から分析できますので、不動を投資信託商品として検討する会社の購入判断をする際にも使っています。

予測する要素は、調達金利、賃料の変動、空室率、現時点での購入予定価格と将来の売却予想価格、購入時や売却時の費用など多岐に渡ることからそれなりのデータや経験がないと計算できません。

『DCF法』は、不動産価格の「正解」を出すものではありませんが、不動産投資の判断基準のひとつの材料です。

例えば、年間純収益4500万円 期待収益率6%  5年後に転売した場合は …

売買予定価格4億円 4500万円×4.212(注1)+4億円×0.7473(注2)=4億8846万円

この数値は、4億8846万円以下で投資すれば6%の期待収益率を得ることが出来るというものです。

注1 年金現価係数   注2 現価係数

※これらの係数については、結構ややこしいので、次回「6つの係数」をご覧下さい。

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不動産ナマ知識/生産緑地地区について考えてみよう!

【生産緑地2022年問題】

都市計画上、市街化区域内の農地は“宅地”並みに固定資産税を課して、宅地化を促進していくことになっているけれども、「生産緑地」(注1)の指定を受けた所有者は、納税の負担を少なくすることができます。

ただ、全国80%の生産緑地の所有者が30年の営農義務が期限を迎える2022年に、生産力からの変更をする土地が大量に出てくるのではないかと言われている。

(注1)生産緑地

1992年の改正生緑地法によって指定を受けた土地は、固定資産税は農地として、相続税については納税猶予が受けられる「生産緑地地区」(大半が大都市圏:注2)ができました。

条件:面積500㎡以上の良好に耕作されている農地

地主は農業を30年間続けることが義務付けされる

建築等の新築や宅地造成等の土地の形質の変更は原則としてできない

 

(注2)単位:ヘクタール

地 域 市街化区域農地 生産緑地地区
(全 国) 15,793 14,182
東京都 1,055 3,521
大阪府 1,278 2,210
埼玉県 2,964 1,808
神奈川県 1,480 1,478

各数値は平成22年現在のものです。

農業それ自体を、大都市で行っていき続ける人は少ないと思いますが、生産緑地の地主さんの多くは、既にアパート経営や貸し駐車場などの不動産賃貸経営をしていることも多いのではないでしょうか。

500㎡以上というと、150坪超ですから、都会では大きな財産です。

この際、売却して換金しようと考えている方もいらっしゃるでしょうから、仮に、大阪府下の2210haの1割の生産緑地が売却物件として市場に出ると、66万78525坪の宅地が生まれることになります。(1ヘクタール=3025坪)

30坪の土地なら22,284戸分の建売住宅ができます。

300坪のコンビニなら、2万2261戸の店が生まれます

そうそう、なにも売却するばかりではなく、土地の有効利用として、300坪のコンビニなら、2万2261戸の店が出来ますし、「貸家建て付け地」や「アパートローン」を借りることで、相続税対策として賃貸マンションをお考えならば、建売住宅の何倍もの戸数の住居が大阪市府下に建つでしょう。

日本の空き家総住宅数は,6063万戸と5年前に比べて5.3%の上昇し、空き家率は,13.5%と過去最高になりました。(平成25年度総務省調査)

勿論、大都市圏よりは地方の方が人口減少・高齢化が進んでいるので空き家率は高めではありますが、大都市圏でも中心分や人気のエリア以外は、入居者の確保はかなり厳しいものがあります。

2022年まで、まだ5年あるなんて言わないで、ボチボチ考えてみませんか!
ご先祖さまの残した土地について、総合的な判断で、良き対処をご協議ください。

【国の対策も…】

9月6日の日経新聞によると、農水省と国交省が「生産緑地」問題について、そろそろ法案の整備に取り掛かっているようです。まず、「生産緑地」の賃借をNPOや企業向けに認める制度を整え、その場合は、相続税の猶予を与えるとあります。また、賃借する場合の農業委員会の承認の代わりに、市区町村の承認でOKとするようなことも考えているとの記事を見掛けました。

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不動産人/更地渡し

一般の方からすれば、「更地」とは、建物、構築物、工作物などが建っていない状態の宅地のことですが、不動産業者としては、借地権や地役権などの私法上の権利が付いておらず、購入後に自由に建築できる状態になっているでないと「更地」ではありません。

(尚、抵当権や建築基準法・都市計画法など公法上の制約があっても「更地」です。)

また、地下の埋設物がある場合や、昔の建物が解体されているにも関わらず、抹消登記がなされていない場合など、調査不足や勘違いなども多くて、実際の不動産市場では、完全な「更地」状態の売地は意外と少ないものです。

例えば、地下の埋設物と言っても、建物の基礎や地下室を残して地上物だけを撤去しているケースはよくあるものです。買主がそれでは困るという場合で、売主はその撤去工事を望まない場合は、取引価格で調整せざるを得ませんが、肝心な地下の撤去物の図面や資料が全くなくなっている場合は、撤去するのに幾ら掛かるのか把握できません。

こういう、やってみないと幾ら掛かるのか判らない場合の価格交渉はなかなか大変です。

また稀に、過去の建物が登記上存在していて、解体資料がない場合は専門家に頼んで抹消の手続きをしてもらうことになりますが、手間と費用がかかりますね。

建物滅失登記とは・・・建物を取壊した場合には、1ヵ月以内に建物滅失登記を行わなければなりません。
建物滅失登記とは法務局にある取壊された建物の登記簿を閉鎖する手続きです。
滅失登記には申請義務があり怠った場合10万円以下の過料に処す。という決まりがあります。(不動産登記法159条ノ2)

なお、私法上の権利が無くても、宅地の所有者が自己所有の建物を建てている場合は「建付地(たてつけち)」と言っています。

それに対して、「更地渡し」とは、現状は建物が建っているが、その建物を撤去して引き渡すことを意味するものです
その場合の費用負担は、既に売却価格や契約内容に反映されているものですから、契約のときには「建て付け地」であっても、決裁の時には「更地」になっていて売主側の契約の履行が終了していることで、買主は残代金(決裁金)を支払うことになります。

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不動産人/”両手”と”片手”の話

自民党と民主党

かつて民主党が政権をとる前、その政策集に、「不動産の仲介手数料を1社で売主、買主の双方から取る“両手取引”の原則禁止」について記載されて、現実に民主党が政権を取ったわけですから、その後どういう方向に進んでいくのか興味津々であったのですが、別に大きな変化はありませんでした。

確かに、民主党って当時は“生活者目線”をアピールしていて、ダムを止めるとか、日本を観光立国にするとか、子育てを重視するとか、良いこともいっぱい言っていたように思いますが、実行する力はなかったようです・・・

この仲介手数料の話も、どちらかと言えば、大手不動産業者の嫌がるテーマだと思いましたので、切り口としてはすごく面白いと思いましたが、当然それをさせないとする大きな圧力があったのでしょうね。

それどころか、政権が自民党に戻ると、まず大きな企業が儲かって、それから一般庶民の生活が潤いだすなどと言っていたのに、前段の方は達成したのに、未だに一般庶民の賃金が上昇モードにならないとなると黙ってしまいました。

挙句の果てに、「働き方改革」とか言っていますが、巷では年金支給を75歳にする布石だと思われては、アカンのじゃないでしょうかね。

両手と片手(分かれ)

不動産業界では、売主から仲介の依頼を受けた不動産業者が自ら買主を見つけた場合、双方から仲介手数料を受け取りができるケースを“両手”と呼んでいます。

そして、売主側と買主側それぞれに仲介業者がいる場合は、それぞれの業者が依頼を受けた売主と買主から仲介手数料が支払われます。

これを“片手”とか“分かれ”と呼んでいます。

◆問題は“利益相反”ではなく、“情報の囲い込み”です。◆

“両手取引の禁止”は、一時的に大手不動産仲介会社の株価を下げました。
そもそも何故上場している会社の株価を下げる要因になるのか?
理由は簡単、大手不動産会社の仲介手数料の大半が“両手”だからです。

善いとか悪いとかじゃなくて、売主側の元付業者になることの多い大手業者、特に金融機関の系列業者は買主を見つけるのにわざわざ他業者に情報を公開しないことが多いというのが常識です。

→※これを情報の囲い込みと言う。

だって、他業者と一線を画すると、収入が“両手”“片手”では2倍違うんですから…
一般的に中小零細業者は買主側、つまり購入希望者の依頼によって営業活動するケースが多いと思うのですが、中小零細業者にとって“両手禁止”による影響はどう考えるべきなのか。

自分自身のことから言えば、仮に“両手の禁止”を額面通りに受け取ったとしても、さほど影響はなさそうだと思っています。

前原国交大臣(当時)のインタビュー記事(ケンプラッツ)より

「両手取引原則禁止の意図と見直し理由について、『両手取引をしたいということで囲い込む問題が出てくる。そのことによって閉鎖的な市場があるということから、これが生まれたと聞いている。ただ、中小零細の不動産業者から相当なクレームが来た。』」
売主・買主への両手行為が利益相反じゃないのかと言うことよりも、一部の大手業者の行っている“情報の囲い込み”についてこそ問題の本質なのです。

“両手禁止”についての各種のコラムで“両手”“利益相反”こそが問題の本質だとするものがありますが、これは理屈だけが先行した現場を知らない論評かと思います。

実際に両直(←売主・買主の両方から依頼を受けて仲介すること)で成約すれば儲かるのでしょうが、すごく神経を使いますし、すごく忙しいですので、仲介業者としては色な意味で“間違いを起しやすい”状態となります。

立場が違うと、考え方もやり方も違うもんです

(弁護士は訴えられる側と、訴える側の両方から依頼を受けることが出来ますか?)

仲介業務の基本“分かれ”で売主・買主の立場で努力することだということは間違いないことです。勿論、私だって両手の商売をしたことが無いわけじゃありませんが、”基本”は”基本”であって、基本を見ないようにするのを当たり前にすると”商売の道”を踏み外すことになりかねません。

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不動産ナマ知識/教訓:積水ハウス55億円損失

【中間省略登記】

大手不動産会社積水ハウスが、東京の五反田のマンション用地購入に伴う取引で、「地面師」による詐欺にあい、55億5000万円を特別損失計上するというニュースを見ました。
ネットで8月初めに見たときは、あんな大企業であり、購入代金70億円もする土地取引であるにも関わらず、大きなミスをするんだなぁと思ったのですが、反対に騙したほうの悪い奴は本当にいっていうか、すごいです。

ネット上で知る限り、所有者から4月に購入した不動産会社Bが「中間省略」登記で、積水ハウスに転売するというスキームだったらしい。

「中間省略」とは、所有者→B→積水ハウスで所有者はBが転売することを承諾するので、登記簿にはBは現れてこなけれども、積水ハウスは物件を購入できるという手続きです。

【参考】三為契約(さんためけいやく)

【本人確認】

今回の場合は、所有者を名乗る70代の女性の本人確認できる為の「パスポート」が偽者だったということらしい。

本人確認は、昔よりうるさくなっていて、運転免許証や住民基本台帳カードやパスポートなどの写真付きのものは1つで、健康保険証や年金手帳など写真付でないものは2つ以上が必要です。

通常の不動産取引は、不動産仲介業者が本人と交渉し面識もありますが、例えば相続があった後、共有名義などで親と子供の2名なっていたりすると、その一方が遠方に住んでいたりして仲介業者の人も面識がない場合は多々あります。

その場合、仲介業者も本人に直接対面し、売却などの意志があるかなどを充分に確認していないケースとなる場合もあります。

※勿論、いつも共有名義の売主の方が、同じ思いの人ばかりではありません。その最たるものが”相続”により所有権の分散です。当事者同士の話し合いで売却そのものに賛成反対もありましょうし、売却する合意があっても、金額に対する考え方、当事者の配分方法、売却する仕事を任せる仲介業者の選定など、なかなかやっかいな問題が山積であります。

私も以前に買主側の仲介をした時にこんなことがありました。売主がお父さんと長男の共有名義である一棟売マンションの取引で、売主側の仲介業者さんが本人確認していますということで決裁に臨んだのですが、(長男の委任状はあったのですが、)司法書士さんが『ご長男が同席していなので電話をして確認します』ということになりました。ところが、ご長男は長野県の雪深い山中のホテルのコックをしている方で、ちょうど取引の時間が電話に出るのも難しい時間帯に重なってしまって、何時間も待ってから決裁したことがありました。

売主側の仲介業者の方は、それでも「大丈夫です、お父さんが了解しているから・・・早くしてください」って言っておりましたから、『何言ってるんや!アホちゃうか』って心の中で思っておりました。

他人間の取引でも最初から巧妙に売主を装い、不動産業者もグルでの「地面師」を巻き込んでの詐欺まで存在するというケースがあります。それが今回の詐欺事件だったようです。

今回のケース、積水ハウスの社長さん達は報酬の減額するそうですが、直接の担当者の方、その上司、司法書士、関係書類をチェックしていた弁護士、また間接的ではありますが、資金調達に関係していた金融機関の方達に及ぶまで、(私ごときが言うことでも御座いませんが、)誠に心中察するに余りあります。

気をつけなくてはなりません。

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不動産人/”地目”(ちもく)の話

「地目」って重要事項説明でもあまり引っ掛ることもなく、「宅地」ですとか、「畑」ですとか、す~っと終わってしまうものです。でも一応その土地の利用状況による区分・種類ですから、現況と登記簿記載が一致していないとよろしくないわけです。

※  現況の地目に変更があった場合は、変更があった日から1ヶ月以内に“土地地目変更登記”を行わなければならないとされています。

※  固定資産税については、登記簿上の地目ではなくてその年の1月1日現在の利用状況によります。

※  農地から別の用途に変更することを「農地転用」といって、宅建などの試験にもよく出題されるところです。農地転用手続きを行わないと、現況が宅地であっても売買無効や登記が出来ない場合、金融機関からの融資を受けることが出来ないなどの不都合が生ずることが考えられます。

■4条転用(自己転用)農地の所有者が自ら農地をそれ以外に転用する場合
■5条転用(他社転用)農地を買ったり、借りたりした人が農地以外に転用する場合

「必要とする手続き」

◆市街化区域内の農地を転用する場合               農業委員会への届出
◆市街化調整区域内の農地を転用する場合で、面積が4ha以下の場合 知事の許可
◆     〃              面積が4ha超の場合  農林水産大臣の許可

《地目の種類》・・・23種類

農耕地で用水を利用して耕作する土地
農耕地で用水を利用しないで耕作する土地
宅地 建物の敷地及びその維持若しくは効用を果たすために必要な土地
塩田 海水を引き入れて塩を採取する土地
鉱泉地 鉱泉(温泉を含む)の湧出口及びその維持に必要な土地
池沼 灌漑用水でない水の貯留池
山林 耕作の方法によらないで竹木の生育する土地
牧場 獣畜を放牧する土地
原野 耕作の方法によらないで雑草、潅木類の生育する土地
墓地 人の遺骸又は遺骨を埋める土地
境内地 境内に属する土地で、宗教法人法第3条第2号及び第3号に掲げる土地(宗教法人の所有に属しないものを含む。)
運河用地 運河法第12条第1項第1号又は第2号に掲げる土地
水道用地 もっぱら給水の目的で敷設する水道の水源地、貯水池、
用悪水路 灌漑用又は悪水排泄用の水路
ため池 耕地灌漑用の用水貯溜池
防水のために築造した堤防
井溝 田畝又は村落の間にある通水路
保安林 森林法に基づき農林水産大臣が保安林として指定した土地
公衆用道路 一般交通の用に供する道路(道路法による道路たると否とを問わない)
公園 公衆の遊楽のために供する土地。
鉄道用地 鉄道の駅舎、付属施設及び路線の敷地。
学校用地 校舎、付属施設の敷地及び運動場。
雑種地 以上のいづれにも該当しない土地。

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不動産人/信頼関係

今日は朝からいろいろ連絡をすることや、反対に電話やメールがたくさんあつてバタバタしていました。

11時には、25年前に仲介した購入いただいた分譲マンションを売却する売買契約をしてから、売主さんと昼食して、別件で2時からの打ち合わせに備えました。
夕方、先月契約した賃貸物件契約書等の書類を東京の家主さんにレターパックで送って、一段落です。

私どもの業務のベーシックな部分は一棟売マンションやビルの売買ですが、ホームページや紹介でお知り合いになった方から、賃貸マンションの入居者募集や店舗や事務所のテナント募集を依頼していただけた物件は、賃貸の仕事もさせていただいてます。
でも、一年間で10件とかですから、少ないですけど・・・「信用されてる」と感じるので、すごくやりがいが感じられます。

意志の疎通が図れているので、東京とか奈良とかの遠方の家主さんであっても、遣り取りは非常にスムーズです。

売買でも、そうありたいのですが、売買の契約は仮に意志の疎通が図られていたとしても、賃貸ほど速くは事が運ばないのが通例です。

特に、一般の方の場合、私どもみたいな不動産業者ほど日常的に不動産取引に接していないことが多いのは当たり前ですが、いろいろ勉強されているので、結構難しいことを知っていらっしゃったりします。

だから、つい、「こんなこと、当然知っているはず・・・」と思って話していると、決裁直前に「持ち回りって何でしたっけ?」とか、「建物消費税は安くならないのか!」とか、今頃ですかとアッと驚くような質問もなくはないです。

分からないことは、別に恥ずかしいことではありませんので、その都度聞いて頂きたいですね。

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また、いろいろな身近なご相談も受け賜りますので、お電話やメールでも結構ですので、お待ち申し上げます。

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