不動産ナマ知識/検査済証のない収益物件

建物の“検査済証”と言えば、建築基準法に基づいて申請された“建築確認申請書”の通りに建てられているというお墨付きを表す文書であります。

従来は役所(特定行政庁)だけで発行されていましたが、現在は指定確認検査機関(民間)交付されています。
最近でこそ検査済証の有り無しをうるさく言うのですが、昭和末のバブル期迄は検査済証の有る無しはさほど気にする必要も無かったのですし、金融機関の方も融資審査の要件としてはさほど重要視していなかったと思います。

でも、昨今は融資を受けようとする方ならお分かりだと思いますが、検査済証の無い物件は金融機関の“断り文句”のひとつとなったりすることがあります。検査済証の有無をうるさく言い出した大きな原因は、収益物件の購入者が金融機関の融資申し込みをした際に、その収益物件が違反建築物であると判るとそもそも融資対象にならないとか、仮に融資が受けられてもその金額が思いのほか低かったりすることになることになるケースがあるからです。

バブルが弾けて、外資系のファンドが日本に進出し、証券化するために信託受益権の取引を行う場合や、現物の所有権取引であっても、バブル期の反省から建物の遵法性(←違反していないこと)を証明するルールを作って、そのための踏み絵的な資料として検査済証が脚光を浴びることになったのです。

その当時、元々大阪は東京などに比べて、検査済証のない建物が多かったので、今まで野球のルールで試合していた人間が、ある日を境にラグビーのルールで試合しろよって感じたくらい我々大阪の不動産業者はかなり戸惑ったものです。

特に、大阪は“車庫転”(シャコテン)といって、建築確認時点では1階を駐車場で申請してから、建物が完成した後に店舗として賃貸すると言った容積率違反の物件が多いと言われています。この場合、駐車場の面積は一定の範囲まで容積率に算入しないという決まりがあるので、建ててから店舗や住居に改装するという方法で違反をするのです。
元々この場合は、賃貸マンションを建てて、将来とも売却する気が無いからこういう方法を取っていたと思うのでが・・・百歩譲って”人間の欲”として許せる部分も感じないではありません。

でも、別のケースですが、私の知っている不動産業者さんの居る分譲マンション内の1階部分の事務所が、建築確認の段階では駐輪場で、マンションが完成してからその駐輪場を事務所に改装して区分所有物件として分譲業者が売却したなんて凄い技を使ったケースもあるそうですが、これは本当に悪質であって全然可愛くありません。

でも、検査済証”が無いと金融機関が絶対に融資しないわけではありません。
一般的に、都市銀行は厳しいですし、地銀、信金、信組、ノンバンクは概ね緩めです。
要は、購入者が金融機関からどのように評価されているのかという問題とか、融資する側からみて融資する必要性があるのかどうかという問題です。

そんな大阪でも”検査済証”の取得率はひと昔は3割程度しか取得されていなかったけれども、近年は8割以上に上昇しているようです。


古い物件の中には、違反性がなく検査済証を取得することに問題ないのにも関らず、わざわざ申請しない建築物もあったくらいでした。
30~40年前、清水建設や大成建設などのスーパーゼネコンの建てたビルなどは、役所の”検査済証”よりも、社内検査を受けて出される“完了書”みたいなものの方が値打ちがあったって言っている人もいました。 また、多くの物件の中には“検査済証”は有なのですが、その後の改装工事や行政による都市計画や用途変更・容積率等の変更によって現状の建物が違法である場合があります。 (既存不適格)
このような既存不適格物件も検査済証はあっても、実際は無いのと同じ扱いなのですが、余程悪質か凄い違反でなければ融資を受ける際の問題は比較的少ないと思っていましたが、最近経験した事例では”検査済証”がないのとほぼ同じでした。
築年数が古くて融資期間が短くなる収益マンションや収益ビルの融資問題を解決するには、売却する金額を下げて、利回りをアップさせて収益力を魅力的にして売る方法を取ることが多いですね。

割り切って購入できて資金調達もできるプロの業者さんは違反性があっても購入していきますが、余程リスクが取れる購入者でないと、一般消費者の方にはお勧めできないと思っています。

「売ってしまえば後はあくまでも買主の問題」だと思っている不動産業者だったら、お構い無しに取引するでしょうが・・・そこは、業者としての姿勢とか信義則の問題かも知れません。

※  検査済証は改めて取り直すことは出来ません。ただ、検査済証という書類を紛失しても、役所で取  得済かどうかの確認やその写しを取ることはできます。
※  設計士などが調査する“住宅診断”や不動産証券化の際に専門の調査会社が行なう“エ ンジニアリングレポート(通称ER)”でも物件の遵法性調査や強度診断、建物の劣化状況 とその修繕費用などが分かるのですが、“検査済証”そのものではありません。

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時短要請協力金の遅れで二重苦~三重苦

新型コロナの3度目の緊急事態宣言もどうやら延長されるみたいです。(5月6日現在)
今までの時短要請に応じた飲食店に対する協力金は遅れ遅れになっていて、非常に苦しい状況に追い込まれていることは間違いない。

2度目の「緊急事態宣言」下での第1期の申請、その宣言が延長された為の第2期の申請、「まんえん防止等重点措置」に変わって第3期の申請と同じような申請が必要で、わたしの友人のクラブ経営者も日頃事務作業などしていないので、肩が凝ってしかないと嘆いていました。

お店も休まざるを得ないし、その上、協力金はいつになったら支払われるのか分からない。(下表:サンケイ新聞デジタルより)

手元の資金は生活費含めて、毎日ドンドン減っていく…

つなぎでカードローンでの借入を繰り返す日々だそうです。

はたして、この借金は返すことが出来るのかどうか分からないし。

改めて、休業補償の方法を見直さないと、このままズルズル中途半端なコロナ対策していても身近なお店は疲弊していくだけですよ。

今更ですが、オリンピックのマラソン、なんで札幌で走っているのですか?

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不動産ナマ知識/決済と抵当権の抹消

第3回目の緊急事態宣言下の真っ只中、17日間で新型コロナ感染者数がどこまで抑えることができるのか、それにワクチン接種がいつどのように行われるのか、いつになったら落ち着いた日常生活に戻ることが出来るのか分からないことだらけです。

【売却予備軍の不動産が…】

 

大阪市中心部のキタ・ミナミの飲食向け店舗の空き室が目立ってきています。

あれから1年間、休業や時短の繰り返し、それに今回はアルコールの禁止があります。
オフィスもじわりと空が増えてきたようです。

新型コロナ禍で、約4割の人が年収減を実感している…そんな調査結果も明治安田生命が出しています。

テナントや入居者の収入源は、大家さんの収入減に早晩辿りつきます。

 

支援金や低利借入、リスケなどの影響で、売り物件不足が顕著で、逆に売却を考えている大家さんは、比較的思った金額で処分できる可能性は高いと言えます。

倒産件数は劇的に少ないみたいですが、実態経済は結構冷え込んでいますので、潜在的な倒産予備軍や廃業予備軍が密かに出番を待っているという気がしてなりません。

コロナ債務を抱えてしまった事業者にはそれほどの時間の猶予がありません。

大家さんが本当にしんどくなってくると、“売り物件”が増えてくる。

売却する不動産に限った事ではありませんが、おおかたの不動産には抵当権根抵当権が設定されている。

抵当権は、土地や建物に設定してお金を借りて、全額を返済すれば抵当権は抹消手続きをします。

 

(注:抵当権は自動的には抹消されません。それに必ずしも、抵当権を登記上抹消しなくても構いませんが、後々のことを考えれば全額返済時にさっさと抹消することが最良だと思います。)

 

根抵当権は、設定後、極度額の範囲で何度でもお金の貸し借りが出来ますので、借入額がゼロになっても根抵当権は消滅しません。

 

【借入残高を確認/債務超過・隠れ債務】

 

売却する場合には、売買契約書に「決済引渡しまでに抵当権を抹消すること」が条件になっていますので、契約後どのくらいの期間おいて決済日を決めるのかは仲介業者が売主と買主の都合を聞いて調整します。

買主の都合で多いケースは、決済金を銀行から融資をしてくれる日です。

売主の都合で多いのは前述のように、抵当権を抹消できる日の場合であります。

通常は、今回の取引で買主が支払ってくれる売買代金で残債を返済して抵当権を抹消します。

これを「同時抹消」と言い、不動産売買では珍しくありません。

ただ、売主が本当にしんどい状態で、買主からの決済金だけでは売主の残債が一部残ってしまうこともあります。

残債を全額抹消できる現金が用意できない場合は、売主は別の物件に担保を設定してお金を借たり、他の財産を処分してお金を作るとか、場合によっては親戚から借り入れをしてでも、なんとか資金を搔き集めて抹消する手立てを講じなければなりません。

決済できなければ、違約金が発生したりする場合もありますが、元々資金繰りに窮している売主が違約金を支払うことは難しいので、買主としても迂闊に手付金を支払うことは避けたいですね。

このように売主も契約時にはどのくらいの準備期間を設けて決済に臨むのか考えて於かないといけません。

【抵当権抹消できないときの仲介業者の責任は…】

 

もし、抵当権根抵当権の金額が取引金額よりも大きかったり、複数の抵当権が設定されていたりする場合は、要注意です。

仲介業者は売主に金融機関の残高証明を求めますし、登記簿に記載している他に借入金(高利貸し、個人的な借入金)がないかどうかを確認します。

仲介業者は、売買対象物件の権利関係や登記情報を説明し、聞き取り調査や金融機関の抹消手続きについて問題がないと確認している限りにおいて、売主が抵当権の抹消ができずに所有権移転(決済)が出来ないという売主の違約については、その責任を負うものではないとされています。

もちろん、買主に不利益になるようなことが分かっていたなら、仲介業者の責任はとても重いということは当然ですけど。

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既に中小企業の35%が過剰債務を実感

政府は明日23日にも、新型コロナウイルスの感染が拡大している東京、大阪、京都、兵庫の4都府県に、昨年4月と今年1月に続いて3回目の緊急事態宣言を決定するようです。

今回は東京よりも大阪の感染者数が格段に多くので、たぶん全国規模のニュースとしてはインパクトが薄いのではないかと思います。
今回はデパートなどの大型店舗、テーマパークなどの人の集まりやすいところも対象になるという話も出ているようですし、コールデンウィーク真っただ中と言うのが、最悪のタイミングですよね。

そんな時になんですが、緊急事態宣言が発せられれば、当然“補償”“支援”ということが無ければいけません。
休業に伴う資金繰りの下支えは絶対に必要です。

『新たなる借金が発生する不安』

4月15日付の東京商工リサーチの記事によると、すでに35%の中小企業が過剰債務だと感じているという。
飲食店、小売店、医療など一般個人を対象とした業種が上位にランクされている他、いろいろな業界に広く及んでいるということです。
コロナ収束の時期は未だ見通しが立ちませんが、いつか収束する時に経営者やそこにお勤めしている方にとって本当の意味でも正念場がやってくると思うと、妙な緊張感を感じます。

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人為的? “売り物件不足”

コロナ禍・不動産市場の風向き

コロナ不況の入口に立っています

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不動産人/人為的? “売り物件不足”

コロナ禍なのに、日経平均株価が30年半ぶりに3万円台を回復したことは、普通に考えて有り得ないことだと思った人が大多数じゃないでしょうか。
証券業界の人のご意見では、日経平均を構成する東証一部上場企業は自営業や中小企業に比べて、コロナ禍の痛みが少ないところが多く、過去最高の業績を上げた企業もあったりして、全く正常なマーケットなのだそうです。
「へ~そうななんだぁ」って感じですけども、野村証券やクレディ・スイスが巨額損失を出したなんてニュースもありましたし、どこかマネーゲーム風な感じは拭いきれません。

売り物件減少+価格は高止まり!

 

株価のように不動産は上昇してはいませんが、(都心の商業地を例外として)下がってもいません。
今年の2月頃から大阪市内の不動産市況は急に冷え込んだように感じられます。
レインズの市場動向で見ても、大阪市内の登録物件は前年比では減少気味傾向、売り物件が少なくても成約状況は前年比でみても好調です。
結果として、購入希望者が検討できる物件情報は少なくなっています。

同様に事業用の不動産市場も、コロナ禍でも結構取引は行われていたのですが、新しく売りに出る物件が極端に少ないため、昨今は一部動きが止まったような状況になり、その上、不動産価格は『低金利+金融緩和+リスケ※』で高止まりしています。

いや、“高止まりさせられている”と言った方が正しいのかも知れません。

※「リスケ」は略語で、正しくは「リスケジュール(reschedule)」。金融機関への返済が苦しくなってきたときに、返済可能な計画に変更すること、先延ばしすることを指す言葉であります。

株価が下落すると不動産が動く?

 

コロナ禍が広がった2020年1回目の緊急事態宣言が発出された時は、不動産業界も仕事自体がストップ状態に陥りましたが、その後は回復基調が鮮明です。
とはいえ、先行きには不透明です。
コロナ禍で実体経済はやはりダメージを受けており、このまま不動産価格の高止が続いて安定した状況が続くとは考え難いと思います。

株価が下落するような状況や金利が上がることになれば、物件を売り急ぐ動きが出てくることも十分にあり得ます。
一方でワクチン接種が始まるなどコロナ禍の終息に向けた期待も広がっていますが、世の中が落ち着くまでは時間が必要でしょうから、当分の間はドキドキしながら過ごす日々が続きそうです。

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商業地5年ぶり下落 基準地価(全国平均)

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不動産ナマ知識/初めての裁判(2)・・・「裁判官は選べない」

初めての裁判(1)・・・「媒介報酬等請求事件」

訴訟を起こそうとする場合、まず弁護を託す弁護士さんを誰にすれば良いのかと考えるでしょう。
裁判所に行くことや法律相談をしに頻繁に弁護士事務所に行く用事がない人間は、知人の紹介とか所属している不動産団体の顧問弁護士事務所がまず頭に浮かびますが、今回の場合も同業の不動産会社の顧問契約先の弁護士事務所の弁護士さんに依頼することになりました。

そうすると原告として裁判所に通う必要もなく、弁護士の先生と行う打ち合わせはその事務所で行います。
最初は少し長めの打ち合わせになりますが、裁判が月1回のペースで行われることになれば、その裁判の前か後に協議したり、裁判所からの質問事項についての反論を行う内容を弁護士さんと話し合うことになります。

相手(被告)からの反論は、殆ど我々の主張に対して全否定でした。
この全否定については、初めは猛烈に憤りを感じましたが、弁護士の先生によると、裁判とはそういうものだそうで、「私が相手の弁護士の立場でも、同じような反論をします」と言っておられましたので、”裁判とはそういうものか”と割り切るようにしました。

半年以上のやりとりの末に、裁判官から両方の弁護士に対して、和解に応じる気持ちがあるかどうかの打診がありました。

我々はどういう(和解)金額であれ、和解に応じなくて判決となっても同じような金額になるだろうということで、和解に応じる意思を示したのですが、被告は元々が”金銭を支払う意思のない”ことを主張し続けていたのでおそらく相手は和解には応じないだろうと思っていました。

2019年8月1日のお昼過ぎに、大阪地方裁判所に出向き、まず我々原告が小さな部屋に呼ばれて裁判官から「800万円で・・・合意できますか?」と告げられました。
正直な気持ち、私たちはすごく不満でしたが、一旦退席して再度短い協議の結果「しょうがないな」ということで、被告側の弁護士さんと入れ替わるように再び部屋に入りました。

我々が着席すると、被告側の弁護士さんも席に戻ってきました。
裁判官から何故か「被告が400万でと言うところを、頑張って800万円にしてもらいました」と、まるで相手側の弁護士を労うような言葉が出て来たのには驚きました。

なんか我々が妥協して和解に応じたことが虚しく感じられた瞬間でした!

それから、支払いをいつ出来るのかという点で、相手側の弁護士さんが一度被告人と電話で確認する為にまた部屋を出たのですが、(すごく長く感じましたが)10分以上してから戻ってきて、

「会社の支払いが毎20日締めの翌15日支払いなので、15,16日が休日になっているので17日で・・・」

と言うじゃないですか!?

※先回書いたように「CA」「取り纏め依頼書」「買い付け証明書」等は自ら経営する法人名で提出してきたが、結果的に購入そのものは個人として購入していました。
こういう一連の経緯からしても、会社の定期支払いの期日が出てくること自体がおかしいと思うのですが・・・

咄嗟に、元々和解金の支払いは『可及的速やかに』というのが前提ですから、自分の会社の支払日に併せるなんて人を馬鹿にしているとしか思えません。
「おかしいじゃないですか!」という声を上げると、この
裁判官は「まぁそう言わずに・・・」と我々をたしなめる様な発言です。

さすがにこれには、頭にきました!!

今日初めて、裁判官と会ったのですが、すごく感じるものがありましたね。
この人は我々とは違う感覚の持ち主なんだと気が付きました。

裁判で被告相手に戦っていたと思っていたのですが、実は裁判官を相手に戦わないといけないものだと初めて分かりました。

たぶんこの裁判官は、事業用不動産の売買取引や仲介業務などという仕事に対する理解もないし、分かろうとしようともしていないのだと・・・だから、結果がこうなったのだということを。

裁判は、裁判官次第でどうにでもなると…我々は弁護士さんを選ぶことは出来ても、裁判官は選べないのです。
今回の裁判で、自分なりにいろいろなことが分かりました。

世の中は自分自身は意図していなくても色々な問題に巻き込まれます。そして否応なしに、その問題に対処するせざるを得ないのです。

出来れば、もめごともなく平穏に過ごしたいものです。
でも、身に降る火の粉は払わにゃなりません、

不動産のトラブルは、損害も大きな金額にものになりますので、不動産業者の皆さんだけでなく、不動産の購入や売却をお考えの皆さんも、みんなが良い人ばっかりじゃありませんので、注意をして付き合う人を見極めて下さい!

※この買主は相続対策用に収益物件を保有する為の購入でした。仲介手数料が所謂、正規手数料の「3%+6万円と消費税」の半分で済んだわけです。裁判としては、表面上我々不動産業者が勝ったように見えます。 被告である買主が実は「手数料が半分で済んだ」と心の中でほくそ笑んでいるのでしょう。 判決が取れば、実名で公表出来たのですが、和解では双方の歩み寄りということで、内々の手打ち式でしかありません・・・心底、残念です。

 

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不動産ナマ知識/初めての裁判(1)・・・「媒介報酬等請求事件」

2019年8月9日の森友学園への国有地売却と財務省の公文書改ざん問題について、元財務省幹部が再び不起訴になり、テレビや新聞などの各マスコミでは疑問の声が上がっている。

いったい検察は真相を解明しようとしているのか?

そもそも捜査をする気があったのかどうかすら分からない!

近畿財務局の職員が自殺までしているのに、全うな神経の持ち主ならだれしも納得できないことだと思います。
また、娘をレイプした父親を無罪にした裁判官のことも、我々が素直な気持ちで疑問に思う感情が司法の世界では通用しないみたいな事例です。
アメリカでも同じように、女の子をレイプした男子が「良家の出身」「名門校の生徒」という理由で検察の申し出を却下した裁判官が辞任したというニュースもありました。

司法の世界はケッタイな世界だと思っていましたが、それは他人事だと思っておりました、ついこの間までは・・・

 

ここからが本論ですが、昨年の初夏の頃、大阪の十三駅近くの一棟売収益用マンションの売買契約がありました。買主の74歳の男は、自ら経営する会社の社印を押して「CA」(守秘義務契約書)を提出、その後資料を吟味して「取り纏め依頼書」を1度、その後買主は金額の変更を行ったので「買い付け証明書」2度売主に提出し、建物を内覧後に重要事項説明書と売買契約書の案文が出来た正にその時、仲介業者に対して「君らはなにも仕事していないので、仲介手数料は支払わない」と通告してきたわけです。

因みに、私は最も売主側の仲介業者としてこの取引に関わっておりました。

買主に物件を紹介した仲介業者さんは買主に何度も連絡を取ろうとしたのですが、電話に出ないし、出ても「忙しい、こっちから連絡するから」とか逃げまくったあげくに、仲介業者に黙って売主の事務所に出向き購入を嘆願したのです。
売主も「仲介手数料は支払うべきだ」との意見を述べ、買主も相応の対価は支払う旨の態度を表明したので、後日仲介業者に通知のうえで仲介業者抜きの売買契約を終了させたのでした。

よく仲介業務には「媒介契約書」の取り交わしが必要だとされていますが、今回のような事業用不動産の売買では買主側の仲介業者は最終取引金額の合意があった時に、仲介手数料も決定するのが一般的です。

今回は、最終の「買い付け証明書」提出時に仲介手数料1550万円の支払い(因みに正規手数料の満額であれば1750万円だった)を買主が承諾していたので、速やかに「媒介契約書」の取り交わしがされる直前でした。

裁判官も「黙示の契約」の成立は認めているようで、半年以上に渡り審議した結果、和解の話が出してきました・・・

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※契約の成立を主張する当事者は,契約書が作成されなかった経緯,当事者の人的な関係,経緯及び交渉の状況などの間接事実を積み上げて契約の黙示の成立を主張することになります。
経緯や交渉記録にメールの存在は欠かせません。面談した際も、渡した書類や会話・質問等の内容はメモにしておきましょう。
レターパックでお送りした物などもあれば、何を送ったのか記録しておくことは大事です。
このように,媒介契約書がなくても「黙示の契約の成立」が認められる余地があるわけですが,無用な紛争を予防するためにも媒介契約書の作成が必要なのはいうまでもありません。

私自身は判決を出してほしい気持ちがあったのですが、共同仲介業者の中にはこれ以上に裁判が長引くことに疲れ始めている者もいたし、和解の金額がだいたい見えてきて、判決を取ってもどうせ同じような金額だろうと察しが付いたので和解調停の席に着いたわけです。

結果は我々の申し立て金額の半分、被告側は全く支払う意思はなかったわけなので、表面的には我々の勝利だと考えてもいいのですが、「黙示の契約」が成立しているし、買主が逃げ回っているにも関わらず、何故報酬金額が半分なのかは今でも全然理解できません。

(続きは、『初めての裁判(2)』・・・「裁判官は選べない」へ)

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実話/年金の話…加給年金と振替加算

コロナ禍で雇用関係も不透明な状況です。
不動産業者に限らず、転職したり独立したりする人もいらっしゃるでしょう。
また最近では、60歳や65歳になると今まで働いていた会社と「業務委託」(注1)などという関係で会社の仕事をするというような雇用関係を採るところもあるようです。

(注1)

「業務委託」で仕事すると、従来の社会保険とは縁が切れますので、自分で健康保険や年金の負担をすることになるはずです。もちろん、その分まで面倒を看てくれる会社があれば結構ですけど…普通は有り得ないと思いますね。

加給年金は、厚生年金制度のひとつです。
65歳になる本人の厚生年金加入期間が240月(20年)以上ないと支給されません。
会社員として働いていた期間が20年無い人や、転職年金加入期間に隙間があるような人は、日本年金機構から毎年誕生日月に届く「ねんきん定期便」で加入期間が240月あるかどうか確認しましょう。

 

★加給年金の受給資格(原則)

 被保険者期間が20年以上、65歳以上。

 生計を維持されている配偶者または子供がいる。(但し、前年の収入や所得制限あり)

 (配偶者は65歳未満、子供は18歳(誕生後の最初の3月31日迄など))

 自ら加給年金の受給手続きをする必要があります。

 

実は私自身の厚生年金加入期間が240月ありませんでした。
63歳の時に厚生年金の加入期間が233月だったことに気が付きましたので、年金事務所の人に「惜しいですね~」って言われちゃいました。
その時は「それがどうしたんだ」って調子でスルーしていたのですが、よくよく考えてみれば大よそ月額33,000円×12ケ月=396,000円/年があるのとないのとでは大きな差があるという風に思い直した次第です。

嫁さんが65歳になるまでの期間は3年間ありますから、396,000円×3年間の総支給額は1,188,000円です。

私は個人事業主として仕事していますから、今更法人にして厚生年金に入るのも大層ですから、友人の会社に籍を置かせてもらい、社会保険料は自分で負担するように友人に渡しました。(下表参照)勿論、個人で営業しているのはそのままです。

加給年金が受給できるのは、配偶者が65歳になるまでですので、配偶者も年金を受給できると打ち切られ、代わりに配偶者の年金に振替加算分が上乗せされます。

★振替加算の受給要件(一部)

 1926年4月2日~1966年(昭和41年)4月1日迄の間に生まれていること。

 厚生年金や共済年金の加入期間が240月未満である。

振替加算の受取額は年齢が若くなるごとに減額され、昭和41年4月2日生まれ以後の方はゼロとなります。(注2)
我が家の場合、月額3000円弱ですが、生涯受け取り続けることが出来ますので、長生きすればそれなりの金額になりますね。

(注2)
「配偶者が厚生年金加入者の場合に、国民年金に加入するルールがなかった時代の方(昭和61年4月1日時点で20歳以上の方)」を保護することを目的とした制度だからです。

65歳になっている自分を想像できない方でも、転職や独立、リタイアする時はあります。
そんな時のお役に立てれば幸いです。

★年齢を重ねることに関する記事

定年後はパソコン・スマホですか?

2040年 高齢世帯4割超

ベテラン司法書士さんの廃業

「老後2千万円蓄え必要」金融庁報告書の余波

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不動産人/相続登記の義務化

日本の「所有者不明土地」が問題になっています。
誰が所有者なのか分からない土地は、日本全体で約410万haとされていて、九州よりも大きな面積だというから凄いことです。

不明の原因の7割が相続の起った後に相続人がそのままほったらかしているケースだとか。

不動産を取得しても、“登記”自体は義務ではありませんから。

都会でも昔なら未登記の土地にお目に掛かりましたが、未登記の建物は今でも時々出会うことがあります。

地方の土地は価格が低いし、利用するにも適当な方法が見つからない、子供は都会に行ったきり帰ることもない・・・等々の理由で、登記費用を負担してまで自分たちの名義にする必要性を感じないのでしょう。

所有者不明の原因の3割は、住所変更登記未了です。

管轄の役所では、1代目はまだそれでも所有者は特定出来ます。(戸籍などで確認したり、使用者を特定したりして)

でも、その所有者に相続が発生し、複数の名義に散らばり、空き家になって未使用になる状況だと、ドンドン誰のものか分からなくなりますし、固定資産税の徴収も出来なくなってしまいます。その上、公共工事の妨げ、上下水道などの老朽化による設備工事の妨げ、空き家で火災や犯罪が起ったりなどの問題にも。

 

■相続で不動産取得を知った日から3年以内に登記、名義変更をしないと10万円以下の過料の対象になる。

尚、遺産分割がまとまらない場合、その内の1人が法務局に申告することにより、一旦、過料は免れます。

■個人・法人が住所変更した場合、住所変更登記が義務化され、2年以内に手続きしなければ5万円以下の過料の対象になる。

3月5日に不動産登記改正案を閣議決定して、国会で成立すれば、2023年度に施行される予定となっております。

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不動産人/仲介業者の独り言①

どこかのブログで、“成功した話よりも失敗した時の話の方が読者に受ける”というのを読んだことがありました。
確かに、成功談は自慢話みたいに思われたりしますし、失敗談は人間的な匂いがするような気がします。

一人前の営業マンや経営者の方であっても、若い頃には営業に不慣れだった時期があったはずです。最初からベテランなんて人はいないし、誰しも上司のアドバイスだとか、先輩の段取りやり方を見聞きして今日までやってこられたのではないでしょうか。

【失敗は成功の母】

営業慣れしていない時期には、会社の知名度に頼り過ぎたり、物件情報を次から次にお客さんに見せまくるようなこともあると思います。

最初は売主さんの物件の売却を任されることは少ないと思いますから、購入希望する方の要望を聞いて物件情報を集める仕事が多いでしょう。

希望条件に見合う物件情報を探してきて、見てもらうに努めます。

でも、ある日突然、他社からの持ち込まれた物件で決まってしまうことがあるものです。

ちなみに、どんな物件を購入されるのか教えてもらうと、自分が聞かされていた希望条件とは全く違うものだったりすることもあります。

他社の営業マンの方が本当の希望を聞き出す能力(?)、技術(?)、感性(?)が優れていたかも知れません。

また、買主と取引している銀行のから持ち込まれた物件だったりして購入を決定したのかも知れません。(その場合は、物件の良し悪しとは別の要因と考えていいでしょう。)

そういう残念な結果に終わった商談も決して無意味ではありませんよ。

商談が全て成約できるなんてことはそもそも有り得ないのですから。

こういう成就できなかった商談も”肥やし”になるはずだと考えるようにしています。

「失敗は成功の母」ですから。

【自分を飾らない】

営業マンとして数年経験した頃のサラリーマン時代のことです。

理由が分かりませんでしたが、会社の上司から行くように言われて、あるお客さんのところに訪問しました。

よく喋る飲食店経営している社長さんでしたが、20社くらいの不動産業者に声を掛けて、ヨーイドンで業者を競わせようとしているヤナ感じの買主です。

ベテランの営業マンは、こういうお客さんには意欲が沸かないもので、だから上司がまだ青臭い私に行ってこいと言った意味が分かりました。

でも、私も特に忙しい仕事もないし、好きなようにやってみようと商売っ気なしでぶつかりました。

社長さんは昼間からお酒を飲む人でしたので、ランチタイムには一緒にお酒も飲みました。

夜にはご本人が行こうと言えば、ミナミの韓国クラブにも同行しました。

なにも成約するとか決まっていないのに、親戚の方を紹介してもらい先にそちらを成約しました。

結局、社長とは成約することになるのですが、今までとは違ったストーリーはその後の営業スタイルに影響しました。

お客さんは営業マンがどういう人物か見ているし、逆に営業マンもお客さんがどういう人なのか見ています。

だったら先にこちらから自分を出すことでお客さんも本音を出しやすくなるはずです。

今では自分を出すことに躊躇することは全くなくなり、妙な気負いや気兼ねすることもありませんので仕事はすごくやりやすくなりました。

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