どこかのブログで、“成功した話よりも失敗した時の話の方が読者に受ける”というのを読んだことがありました。
確かに、成功談は自慢話みたいに思われたりしますし、失敗談は人間的な匂いがするような気がします。
一人前の営業マンや経営者の方であっても、若い頃には営業に不慣れだった時期があったはずです。最初からベテランなんて人はいないし、誰しも上司のアドバイスだとか、先輩の段取りやり方を見聞きして今日までやってこられたのではないでしょうか。
【失敗は成功の母】
営業慣れしていない時期には、会社の知名度に頼り過ぎたり、物件情報を次から次にお客さんに見せまくるようなこともあると思います。
最初は売主さんの物件の売却を任されることは少ないと思いますから、購入希望する方の要望を聞いて物件情報を集める仕事が多いでしょう。
希望条件に見合う物件情報を探してきて、見てもらうに努めます。
でも、ある日突然、他社からの持ち込まれた物件で決まってしまうことがあるものです。
ちなみに、どんな物件を購入されるのか教えてもらうと、自分が聞かされていた希望条件とは全く違うものだったりすることもあります。
他社の営業マンの方が本当の希望を聞き出す能力(?)、技術(?)、感性(?)が優れていたかも知れません。
また、買主と取引している銀行のから持ち込まれた物件だったりして購入を決定したのかも知れません。(その場合は、物件の良し悪しとは別の要因と考えていいでしょう。)
そういう残念な結果に終わった商談も決して無意味ではありませんよ。
商談が全て成約できるなんてことはそもそも有り得ないのですから。
こういう成就できなかった商談も”肥やし”になるはずだと考えるようにしています。
「失敗は成功の母」ですから。
【自分を飾らない】
営業マンとして数年経験した頃のサラリーマン時代のことです。
理由が分かりませんでしたが、会社の上司から行くように言われて、あるお客さんのところに訪問しました。
よく喋る飲食店経営している社長さんでしたが、20社くらいの不動産業者に声を掛けて、ヨーイドンで業者を競わせようとしているヤナ感じの買主です。
ベテランの営業マンは、こういうお客さんには意欲が沸かないもので、だから上司がまだ青臭い私に行ってこいと言った意味が分かりました。
でも、私も特に忙しい仕事もないし、好きなようにやってみようと商売っ気なしでぶつかりました。
社長さんは昼間からお酒を飲む人でしたので、ランチタイムには一緒にお酒も飲みました。
夜にはご本人が行こうと言えば、ミナミの韓国クラブにも同行しました。
なにも成約するとか決まっていないのに、親戚の方を紹介してもらい先にそちらを成約しました。
結局、社長とは成約することになるのですが、今までとは違ったストーリーはその後の営業スタイルに影響しました。
お客さんは営業マンがどういう人物か見ているし、逆に営業マンもお客さんがどういう人なのか見ています。
だったら先にこちらから自分を出すことでお客さんも本音を出しやすくなるはずです。
今では自分を出すことに躊躇することは全くなくなり、妙な気負いや気兼ねすることもありませんので仕事はすごくやりやすくなりました。
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