コロナ禍なのに、日経平均株価が30年半ぶりに3万円台を回復したことは、普通に考えて有り得ないことだと思った人が大多数じゃないでしょうか。
証券業界の人のご意見では、日経平均を構成する東証一部上場企業は自営業や中小企業に比べて、コロナ禍の痛みが少ないところが多く、過去最高の業績を上げた企業もあったりして、全く正常なマーケットなのだそうです。
「へ~そうななんだぁ」って感じですけども、野村証券やクレディ・スイスが巨額損失を出したなんてニュースもありましたし、どこかマネーゲーム風な感じは拭いきれません。
売り物件減少+価格は高止まり!
株価のように不動産は上昇してはいませんが、(都心の商業地を例外として)下がってもいません。
今年の2月頃から大阪市内の不動産市況は急に冷え込んだように感じられます。
レインズの市場動向で見ても、大阪市内の登録物件は前年比では減少気味傾向、売り物件が少なくても成約状況は前年比でみても好調です。
結果として、購入希望者が検討できる物件情報は少なくなっています。
同様に事業用の不動産市場も、コロナ禍でも結構取引は行われていたのですが、新しく売りに出る物件が極端に少ないため、昨今は一部動きが止まったような状況になり、その上、不動産価格は『低金利+金融緩和+リスケ※』で高止まりしています。
いや、“高止まりさせられている”と言った方が正しいのかも知れません。
※「リスケ」は略語で、正しくは「リスケジュール(reschedule)」。金融機関への返済が苦しくなってきたときに、返済可能な計画に変更すること、先延ばしすることを指す言葉であります。
株価が下落すると不動産が動く?
コロナ禍が広がった2020年1回目の緊急事態宣言が発出された時は、不動産業界も仕事自体がストップ状態に陥りましたが、その後は回復基調が鮮明です。
とはいえ、先行きには不透明です。
コロナ禍で実体経済はやはりダメージを受けており、このまま不動産価格の高止が続いて安定した状況が続くとは考え難いと思います。
株価が下落するような状況や金利が上がることになれば、物件を売り急ぐ動きが出てくることも十分にあり得ます。
一方でワクチン接種が始まるなどコロナ禍の終息に向けた期待も広がっていますが、世の中が落ち着くまでは時間が必要でしょうから、当分の間はドキドキしながら過ごす日々が続きそうです。