不動産人/仲介業者の独り言②

「大手」だから「安心」とは限らないという話

【事例】

売主Aさんは一棟マンションの売却をするために、大手仲介業者S不動産販売に仲介業務を依頼します。
S不動産販売から物件紹介を受けた当方は、B社に物件を紹介して直ぐに「買付証明書」を受領しました。

その後、売主Aさんから「売渡承諾書」が提出されます。

契約の日時、手付金額なども合意して、S不動産販売は重要事項説明書と売買契約書の素案を作成します。
それから間もなく、S不動産販売から当方に連絡が…「実は、今回の合意金額以上で購入したいという買主Cが現れたので、上司の指示でその話を売主Aに伝えたい」と。
聞けば買主CはS不動産販売の直接の顧客だということが分かりました。
当然ですが、B社は烈火のごとく怒り、S不動産販売の本部に抗議するという声が上がりましたが、当方も誠意を持って話をして事を納めました。
売主Aさんは、B社に対して合意金額からの買い上がりを希望し、B社が買い上がることで一応収まりましたが…

【諾成契約の話】

確かに、正式な契約を交わしていない段階でも、契約日まで合意しているのに他の買主が現れたからそっちにしたいなんてことがあれば、安心して契約できないですよね。

当事者の申し込みと承諾という合意の意思表示があれば契約は成立するという話をお聞きになったことがあると思います。
「諾成契約」(だくせいけいやく)という)

法律上は不動産売買も「諾成契約」で成立するとされていますが、単に売買金額だけでなくて「手付金や決済金の金種」「決済日」「違約金の内容」「引き渡し条件」など諸々の決定事項などを決めないと現実的な売買契約は成立しません。

だから、不動産売買契約の成立は“書面”(売買契約書)の作成義務が宅建業法第37条に定められているのです。

 

【プロとしての品格】

とすると、【事例】にあったS不動産販売が行った行為は、契約成立前なので問題はないとも言えますが、社会通念上は許される行為ではありません。

売主買主が契約合意した後に、違う客にそれ以上の金額で購入意思を取りつけ、そちらの商談を進めようとするなんてことは、「自分都合」以外のなにものでもありません。

宅建業者は宅建業法第37条や第47条により業務について誠実な対応を求められています。

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■(宅建業法第31条)業務処理の原則

宅地建物取引業者は、取引の関係者に対し、信義を旨とし、誠実にその業務を行わなければならない。

■(宅建業法第47条2の3)

宅地建物取引業者等は、前二項に定めるもののほか、宅地建物取引業に係る契約の締結に関する行為又は申込みの撤回若しくは解除の妨げに関する行為であって、第35条第1項第14号イに規定する宅地建物取引業者の相手方等の利益の保護に欠けるものとして国土交通省令・内閣府令で定めるもの及びその他の宅地建物取引業者の相手方等の利益の保護に欠けるものとして国土交通省令で定めるものをしてはならない。

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【誰もが“半沢直樹”にはなれない】

単に自己の利益や、「買付証明書」や「売渡承諾書」が法的な拘束力がないと軽んじ、自分以外の関係者を翻弄するような行為は“行政処分”されることもあります。

名の通った大手仲介業者であっても、本当にバカなことをするものだと呆れてしまいます。

ただ、S不動産販売のまだ若い担当者の行為は、上司からの指示で止むを得ないということは理解できました。

勤め人の辛いところは、理不尽な指示でも従わなければならない時があるもので、わたしも経験があります。

誰もが“半沢直樹”にはなれませんが、「将来、ひとの上に立ったらこういうことをしない上司にならないとイケない」と伝えておきました…不動産業者もいろいろ、上司もいろいろであります!

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不動産ナマ知識/検査済証のない収益物件

建物の“検査済証”と言えば、建築基準法に基づいて申請された“建築確認申請書”の通りに建てられているというお墨付きを表す文書であります。

従来は役所(特定行政庁)だけで発行されていましたが、現在は指定確認検査機関(民間)交付されています。
最近でこそ検査済証の有り無しをうるさく言うのですが、昭和末のバブル期迄は検査済証の有る無しはさほど気にする必要も無かったのですし、金融機関の方も融資審査の要件としてはさほど重要視していなかったと思います。

でも、昨今は融資を受けようとする方ならお分かりだと思いますが、検査済証の無い物件は金融機関の“断り文句”のひとつとなったりすることがあります。検査済証の有無をうるさく言い出した大きな原因は、収益物件の購入者が金融機関の融資申し込みをした際に、その収益物件が違反建築物であると判るとそもそも融資対象にならないとか、仮に融資が受けられてもその金額が思いのほか低かったりすることになることになるケースがあるからです。

バブルが弾けて、外資系のファンドが日本に進出し、証券化するために信託受益権の取引を行う場合や、現物の所有権取引であっても、バブル期の反省から建物の遵法性(←違反していないこと)を証明するルールを作って、そのための踏み絵的な資料として検査済証が脚光を浴びることになったのです。

その当時、元々大阪は東京などに比べて、検査済証のない建物が多かったので、今まで野球のルールで試合していた人間が、ある日を境にラグビーのルールで試合しろよって感じたくらい我々大阪の不動産業者はかなり戸惑ったものです。

特に、大阪は“車庫転”(シャコテン)といって、建築確認時点では1階を駐車場で申請してから、建物が完成した後に店舗として賃貸すると言った容積率違反の物件が多いと言われています。この場合、駐車場の面積は一定の範囲まで容積率に算入しないという決まりがあるので、建ててから店舗や住居に改装するという方法で違反をするのです。
元々この場合は、賃貸マンションを建てて、将来とも売却する気が無いからこういう方法を取っていたと思うのでが・・・百歩譲って”人間の欲”として許せる部分も感じないではありません。

でも、別のケースですが、私の知っている不動産業者さんの居る分譲マンション内の1階部分の事務所が、建築確認の段階では駐輪場で、マンションが完成してからその駐輪場を事務所に改装して区分所有物件として分譲業者が売却したなんて凄い技を使ったケースもあるそうですが、これは本当に悪質であって全然可愛くありません。

でも、検査済証”が無いと金融機関が絶対に融資しないわけではありません。
一般的に、都市銀行は厳しいですし、地銀、信金、信組、ノンバンクは概ね緩めです。
要は、購入者が金融機関からどのように評価されているのかという問題とか、融資する側からみて融資する必要性があるのかどうかという問題です。

そんな大阪でも”検査済証”の取得率はひと昔は3割程度しか取得されていなかったけれども、近年は8割以上に上昇しているようです。


古い物件の中には、違反性がなく検査済証を取得することに問題ないのにも関らず、わざわざ申請しない建築物もあったくらいでした。
30~40年前、清水建設や大成建設などのスーパーゼネコンの建てたビルなどは、役所の”検査済証”よりも、社内検査を受けて出される“完了書”みたいなものの方が値打ちがあったって言っている人もいました。 また、多くの物件の中には“検査済証”は有なのですが、その後の改装工事や行政による都市計画や用途変更・容積率等の変更によって現状の建物が違法である場合があります。 (既存不適格)
このような既存不適格物件も検査済証はあっても、実際は無いのと同じ扱いなのですが、余程悪質か凄い違反でなければ融資を受ける際の問題は比較的少ないと思っていましたが、最近経験した事例では”検査済証”がないのとほぼ同じでした。
築年数が古くて融資期間が短くなる収益マンションや収益ビルの融資問題を解決するには、売却する金額を下げて、利回りをアップさせて収益力を魅力的にして売る方法を取ることが多いですね。

割り切って購入できて資金調達もできるプロの業者さんは違反性があっても購入していきますが、余程リスクが取れる購入者でないと、一般消費者の方にはお勧めできないと思っています。

「売ってしまえば後はあくまでも買主の問題」だと思っている不動産業者だったら、お構い無しに取引するでしょうが・・・そこは、業者としての姿勢とか信義則の問題かも知れません。

※  検査済証は改めて取り直すことは出来ません。ただ、検査済証という書類を紛失しても、役所で取  得済かどうかの確認やその写しを取ることはできます。
※  設計士などが調査する“住宅診断”や不動産証券化の際に専門の調査会社が行なう“エ ンジニアリングレポート(通称ER)”でも物件の遵法性調査や強度診断、建物の劣化状況 とその修繕費用などが分かるのですが、“検査済証”そのものではありません。

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不動産ナマ知識/決済と抵当権の抹消

第3回目の緊急事態宣言下の真っ只中、17日間で新型コロナ感染者数がどこまで抑えることができるのか、それにワクチン接種がいつどのように行われるのか、いつになったら落ち着いた日常生活に戻ることが出来るのか分からないことだらけです。

【売却予備軍の不動産が…】

 

大阪市中心部のキタ・ミナミの飲食向け店舗の空き室が目立ってきています。

あれから1年間、休業や時短の繰り返し、それに今回はアルコールの禁止があります。
オフィスもじわりと空が増えてきたようです。

新型コロナ禍で、約4割の人が年収減を実感している…そんな調査結果も明治安田生命が出しています。

テナントや入居者の収入源は、大家さんの収入減に早晩辿りつきます。

 

支援金や低利借入、リスケなどの影響で、売り物件不足が顕著で、逆に売却を考えている大家さんは、比較的思った金額で処分できる可能性は高いと言えます。

倒産件数は劇的に少ないみたいですが、実態経済は結構冷え込んでいますので、潜在的な倒産予備軍や廃業予備軍が密かに出番を待っているという気がしてなりません。

コロナ債務を抱えてしまった事業者にはそれほどの時間の猶予がありません。

大家さんが本当にしんどくなってくると、“売り物件”が増えてくる。

売却する不動産に限った事ではありませんが、おおかたの不動産には抵当権根抵当権が設定されている。

抵当権は、土地や建物に設定してお金を借りて、全額を返済すれば抵当権は抹消手続きをします。

 

(注:抵当権は自動的には抹消されません。それに必ずしも、抵当権を登記上抹消しなくても構いませんが、後々のことを考えれば全額返済時にさっさと抹消することが最良だと思います。)

 

根抵当権は、設定後、極度額の範囲で何度でもお金の貸し借りが出来ますので、借入額がゼロになっても根抵当権は消滅しません。

 

【借入残高を確認/債務超過・隠れ債務】

 

売却する場合には、売買契約書に「決済引渡しまでに抵当権を抹消すること」が条件になっていますので、契約後どのくらいの期間おいて決済日を決めるのかは仲介業者が売主と買主の都合を聞いて調整します。

買主の都合で多いケースは、決済金を銀行から融資をしてくれる日です。

売主の都合で多いのは前述のように、抵当権を抹消できる日の場合であります。

通常は、今回の取引で買主が支払ってくれる売買代金で残債を返済して抵当権を抹消します。

これを「同時抹消」と言い、不動産売買では珍しくありません。

ただ、売主が本当にしんどい状態で、買主からの決済金だけでは売主の残債が一部残ってしまうこともあります。

残債を全額抹消できる現金が用意できない場合は、売主は別の物件に担保を設定してお金を借たり、他の財産を処分してお金を作るとか、場合によっては親戚から借り入れをしてでも、なんとか資金を搔き集めて抹消する手立てを講じなければなりません。

決済できなければ、違約金が発生したりする場合もありますが、元々資金繰りに窮している売主が違約金を支払うことは難しいので、買主としても迂闊に手付金を支払うことは避けたいですね。

このように売主も契約時にはどのくらいの準備期間を設けて決済に臨むのか考えて於かないといけません。

【抵当権抹消できないときの仲介業者の責任は…】

 

もし、抵当権根抵当権の金額が取引金額よりも大きかったり、複数の抵当権が設定されていたりする場合は、要注意です。

仲介業者は売主に金融機関の残高証明を求めますし、登記簿に記載している他に借入金(高利貸し、個人的な借入金)がないかどうかを確認します。

仲介業者は、売買対象物件の権利関係や登記情報を説明し、聞き取り調査や金融機関の抹消手続きについて問題がないと確認している限りにおいて、売主が抵当権の抹消ができずに所有権移転(決済)が出来ないという売主の違約については、その責任を負うものではないとされています。

もちろん、買主に不利益になるようなことが分かっていたなら、仲介業者の責任はとても重いということは当然ですけど。

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不動産ナマ知識/初めての裁判(2)・・・「裁判官は選べない」

初めての裁判(1)・・・「媒介報酬等請求事件」

訴訟を起こそうとする場合、まず弁護を託す弁護士さんを誰にすれば良いのかと考えるでしょう。
裁判所に行くことや法律相談をしに頻繁に弁護士事務所に行く用事がない人間は、知人の紹介とか所属している不動産団体の顧問弁護士事務所がまず頭に浮かびますが、今回の場合も同業の不動産会社の顧問契約先の弁護士事務所の弁護士さんに依頼することになりました。

そうすると原告として裁判所に通う必要もなく、弁護士の先生と行う打ち合わせはその事務所で行います。
最初は少し長めの打ち合わせになりますが、裁判が月1回のペースで行われることになれば、その裁判の前か後に協議したり、裁判所からの質問事項についての反論を行う内容を弁護士さんと話し合うことになります。

相手(被告)からの反論は、殆ど我々の主張に対して全否定でした。
この全否定については、初めは猛烈に憤りを感じましたが、弁護士の先生によると、裁判とはそういうものだそうで、「私が相手の弁護士の立場でも、同じような反論をします」と言っておられましたので、”裁判とはそういうものか”と割り切るようにしました。

半年以上のやりとりの末に、裁判官から両方の弁護士に対して、和解に応じる気持ちがあるかどうかの打診がありました。

我々はどういう(和解)金額であれ、和解に応じなくて判決となっても同じような金額になるだろうということで、和解に応じる意思を示したのですが、被告は元々が”金銭を支払う意思のない”ことを主張し続けていたのでおそらく相手は和解には応じないだろうと思っていました。

2019年8月1日のお昼過ぎに、大阪地方裁判所に出向き、まず我々原告が小さな部屋に呼ばれて裁判官から「800万円で・・・合意できますか?」と告げられました。
正直な気持ち、私たちはすごく不満でしたが、一旦退席して再度短い協議の結果「しょうがないな」ということで、被告側の弁護士さんと入れ替わるように再び部屋に入りました。

我々が着席すると、被告側の弁護士さんも席に戻ってきました。
裁判官から何故か「被告が400万でと言うところを、頑張って800万円にしてもらいました」と、まるで相手側の弁護士を労うような言葉が出て来たのには驚きました。

なんか我々が妥協して和解に応じたことが虚しく感じられた瞬間でした!

それから、支払いをいつ出来るのかという点で、相手側の弁護士さんが一度被告人と電話で確認する為にまた部屋を出たのですが、(すごく長く感じましたが)10分以上してから戻ってきて、

「会社の支払いが毎20日締めの翌15日支払いなので、15,16日が休日になっているので17日で・・・」

と言うじゃないですか!?

※先回書いたように「CA」「取り纏め依頼書」「買い付け証明書」等は自ら経営する法人名で提出してきたが、結果的に購入そのものは個人として購入していました。
こういう一連の経緯からしても、会社の定期支払いの期日が出てくること自体がおかしいと思うのですが・・・

咄嗟に、元々和解金の支払いは『可及的速やかに』というのが前提ですから、自分の会社の支払日に併せるなんて人を馬鹿にしているとしか思えません。
「おかしいじゃないですか!」という声を上げると、この
裁判官は「まぁそう言わずに・・・」と我々をたしなめる様な発言です。

さすがにこれには、頭にきました!!

今日初めて、裁判官と会ったのですが、すごく感じるものがありましたね。
この人は我々とは違う感覚の持ち主なんだと気が付きました。

裁判で被告相手に戦っていたと思っていたのですが、実は裁判官を相手に戦わないといけないものだと初めて分かりました。

たぶんこの裁判官は、事業用不動産の売買取引や仲介業務などという仕事に対する理解もないし、分かろうとしようともしていないのだと・・・だから、結果がこうなったのだということを。

裁判は、裁判官次第でどうにでもなると…我々は弁護士さんを選ぶことは出来ても、裁判官は選べないのです。
今回の裁判で、自分なりにいろいろなことが分かりました。

世の中は自分自身は意図していなくても色々な問題に巻き込まれます。そして否応なしに、その問題に対処するせざるを得ないのです。

出来れば、もめごともなく平穏に過ごしたいものです。
でも、身に降る火の粉は払わにゃなりません、

不動産のトラブルは、損害も大きな金額にものになりますので、不動産業者の皆さんだけでなく、不動産の購入や売却をお考えの皆さんも、みんなが良い人ばっかりじゃありませんので、注意をして付き合う人を見極めて下さい!

※この買主は相続対策用に収益物件を保有する為の購入でした。仲介手数料が所謂、正規手数料の「3%+6万円と消費税」の半分で済んだわけです。裁判としては、表面上我々不動産業者が勝ったように見えます。 被告である買主が実は「手数料が半分で済んだ」と心の中でほくそ笑んでいるのでしょう。 判決が取れば、実名で公表出来たのですが、和解では双方の歩み寄りということで、内々の手打ち式でしかありません・・・心底、残念です。

 

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不動産ナマ知識/初めての裁判(1)・・・「媒介報酬等請求事件」

2019年8月9日の森友学園への国有地売却と財務省の公文書改ざん問題について、元財務省幹部が再び不起訴になり、テレビや新聞などの各マスコミでは疑問の声が上がっている。

いったい検察は真相を解明しようとしているのか?

そもそも捜査をする気があったのかどうかすら分からない!

近畿財務局の職員が自殺までしているのに、全うな神経の持ち主ならだれしも納得できないことだと思います。
また、娘をレイプした父親を無罪にした裁判官のことも、我々が素直な気持ちで疑問に思う感情が司法の世界では通用しないみたいな事例です。
アメリカでも同じように、女の子をレイプした男子が「良家の出身」「名門校の生徒」という理由で検察の申し出を却下した裁判官が辞任したというニュースもありました。

司法の世界はケッタイな世界だと思っていましたが、それは他人事だと思っておりました、ついこの間までは・・・

 

ここからが本論ですが、昨年の初夏の頃、大阪の十三駅近くの一棟売収益用マンションの売買契約がありました。買主の74歳の男は、自ら経営する会社の社印を押して「CA」(守秘義務契約書)を提出、その後資料を吟味して「取り纏め依頼書」を1度、その後買主は金額の変更を行ったので「買い付け証明書」2度売主に提出し、建物を内覧後に重要事項説明書と売買契約書の案文が出来た正にその時、仲介業者に対して「君らはなにも仕事していないので、仲介手数料は支払わない」と通告してきたわけです。

因みに、私は最も売主側の仲介業者としてこの取引に関わっておりました。

買主に物件を紹介した仲介業者さんは買主に何度も連絡を取ろうとしたのですが、電話に出ないし、出ても「忙しい、こっちから連絡するから」とか逃げまくったあげくに、仲介業者に黙って売主の事務所に出向き購入を嘆願したのです。
売主も「仲介手数料は支払うべきだ」との意見を述べ、買主も相応の対価は支払う旨の態度を表明したので、後日仲介業者に通知のうえで仲介業者抜きの売買契約を終了させたのでした。

よく仲介業務には「媒介契約書」の取り交わしが必要だとされていますが、今回のような事業用不動産の売買では買主側の仲介業者は最終取引金額の合意があった時に、仲介手数料も決定するのが一般的です。

今回は、最終の「買い付け証明書」提出時に仲介手数料1550万円の支払い(因みに正規手数料の満額であれば1750万円だった)を買主が承諾していたので、速やかに「媒介契約書」の取り交わしがされる直前でした。

裁判官も「黙示の契約」の成立は認めているようで、半年以上に渡り審議した結果、和解の話が出してきました・・・

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※契約の成立を主張する当事者は,契約書が作成されなかった経緯,当事者の人的な関係,経緯及び交渉の状況などの間接事実を積み上げて契約の黙示の成立を主張することになります。
経緯や交渉記録にメールの存在は欠かせません。面談した際も、渡した書類や会話・質問等の内容はメモにしておきましょう。
レターパックでお送りした物などもあれば、何を送ったのか記録しておくことは大事です。
このように,媒介契約書がなくても「黙示の契約の成立」が認められる余地があるわけですが,無用な紛争を予防するためにも媒介契約書の作成が必要なのはいうまでもありません。

私自身は判決を出してほしい気持ちがあったのですが、共同仲介業者の中にはこれ以上に裁判が長引くことに疲れ始めている者もいたし、和解の金額がだいたい見えてきて、判決を取ってもどうせ同じような金額だろうと察しが付いたので和解調停の席に着いたわけです。

結果は我々の申し立て金額の半分、被告側は全く支払う意思はなかったわけなので、表面的には我々の勝利だと考えてもいいのですが、「黙示の契約」が成立しているし、買主が逃げ回っているにも関わらず、何故報酬金額が半分なのかは今でも全然理解できません。

(続きは、『初めての裁判(2)』・・・「裁判官は選べない」へ)

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不動産ナマ知識/土地相続未登記に「過料」?

2月3日、新型コロナウイルス対策の特別措置法・感染症法の改正法が成立しました。

 

改正感染症法では、入院拒否や入院先から逃走すると50万円以下の「過料」、改正特別措置法では緊急事態宣言のもとで休業や営業時間短縮の命令に応じない場合、30万円以下の「過料」が科せられることになりました。

そもそも「過料」って路上喫煙での1000円とか2000円程度のマナー違反・モラルの向上に対する少額の金銭を徴収する罰則というイメージがあると思います。
「過料」は刑罰ではないので、刑法、刑事訴訟法は適用されないから前科はつかないというけれど、何だかんだ言って支払わないと差し押さえを食らうことはあるらしいので“逃げ徳”は通用しない!

不動産に関わる「過料」

 

今日2月11日の朝日新聞一面に『土地相読 未登記に過料という記事が載っていました。

法制審議会が法務大臣に答申した内容が、地積調査で所有者不明の土地は全国の2割に上り、相読で土地を取得した相読人に対して取得を知った日から3年以内に登記することを義務づけるというものです。

そのことに違反すると罰則として10万円以下の「過料」が科せられるというものです。
また、所有者の転居があった場合は、2年以内の変更登記申請を義務化し、罰則は5万円以下の「過料」とするというものです。

相読する土地にもよりますが、必ず登記しなければいけないとなると費用負担の問題が発生します。

田舎の土地ってタダでも購入者がいないケースもありますからね…

 

数年前からクローズアップされている「空き家」の問題、こちらは東京や大阪でも存在する問題ですが、老朽化して放置しておくと危険だとして地方自治体が自ら制定する条例に基づき「過料」を科すことができます。

いずれも相当悪質でない限り、「過料」と云えども執行されるケースは稀だと思いますが、ドンドン世知辛い世の中になってきたなぁということはヒシヒシと感じます。

★不動産と法律・規制に関する記事

サブリース新法施行

『固定資産税』の“あれこれ”

個人が消費税課税事業者になる場合

不動産と相続放棄の関係

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不動産ナマ知識/「検査済証」の有無と銀行融資の関係

コロナ禍/2回目の緊急事態宣言

昨年のコロナ感染症で非常事態宣言が発令された頃には、不動産価格は下落するのは秋口か、年末かなんて思っていた人も多かったですよね。
でも、非常事態宣言が解除されてから通常の営業生活が始まり、その後、再び感染者が増え始めても土地も収益物件の価格は一向に下がる気配はありません。
国の支援策として融資や補助金などのお金が大量に市中に出て、その効果で不動産を売却する人(法人)が極端に減少したためだと言われています。
“コロナバブル”なんていう人もいるみたいです。
株価の高騰もそういうこともあるのでしょうかね。
プロの不動産業者やマンションデベロッパーなど、事業を進めていく上でどうしても不動産を購入する必要性がある場合は多少高値だと思っても仕方なしに購入することも珍しくないという状況です。

高利回りの収益不動産

購入者にとって“利回りの高い物件”とそうでない物件があったら“利回りの高い物件”の方が良いに決まっています。
でも中には、その高利回りである原因が後で家主さんの足を引っ張ることになる場合もあります。
そのひとつが、「(建物」検査済証」の有無です。

ご存じのように、建物を建築する際には設計図が必要で、その図面通リに建築するお墨付きを役所や認定審査機関に「(建築」確認済証」として交付してもらいます。
そして、その通リに建築し検査を受けて問題なければ「(建物」検査済証」が発行されます。

収益マンションやビルなどの一棟物件の購入を検討する場合、物件概要書「検査済証」が有とか無とか表示してあるのは、そういうことです。
但し、「(建物」検査済証」が有という場合でも、その後に建築確認申請をしないで改造工事や増築工事を実施している場合があります。

その収益物件は、厳密に言えば「違反物件」です。

そもそも「検査済証」を取得していなかったり、取得した後に違反工事をした建物は、出口としての売却を考える際に、次の買主が金融機関の融資を受け難くなる場合が予想されるので、売却金額を思惑より下げて高利回りにして売り出ざる得ないケースもあります。

元々関西、特に大阪は「検査済証」の取得率が低いと言われていました。

1階をガレージで確認申請して、完成後に店舗などのテナントを入れて賃料をアップさせる「車庫転」(しゃこてん)などというのが半ば当たり前だった時期もありましたし、金融機関も収入が上がってチャンと返済してくれるのならばと問題視していませんでしたから。
でも、ここ10年間くらいは金融機関も「検査済証」のない物件には、厳しく査定してきていますので、殆どの建築物には竣工時には「検査済証」はあるはずです。

金融が緩んで融資基準が甘くなると「検査済証」が無くてもOK、反対に融資査定が厳しくなると「検査済証」が無いから駄目だとか、金融機関の融資における物差しは、コロコロ変わりますし、買主の属性によっても伸縮自在ですので一筋縄ではいきません。
融資なんて所詮人間のやることですから、くれぐれもご注意ください。

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不動産ナマ知識/『消費税』の基本的な知識

不動産仲介業も商売ですから、信頼や説明力・表現力って大事なことです。
今回は、以前に一棟売りマンションの売買契約をした時のことをお話します。
売主側の仲介業者さんが売買契約書(案)を作成してきて、買主側の仲介業者として当方が疑問点や修正箇所がないかどうかチェックすることになりました。
売買金額の内訳として、土地・建物と(建物の)消費税に分ける際、売主側の仲介業者の社長さんが「売主は個人だから消費税は掛からない」というのです。
理由を聞くと、「個人は消費税が必要ないから」と言うのです。
「へぇ~そうなんですか」と聞き流しておきましたが、こういう仲介業者さんでもちゃんと売主から売却を依頼されて商売できてるんだなぁと変な感心をしてしまいました。

消費税の課税事業者

 

消費税は、『課税事業者』と呼ばれる事業者が納税する税金です。

法人でも個人でも『課税事業者』になりえます。

単に「個人だから消費税は関係ない」なんてことは全くありません。

それに、先の売主さんは何棟もマンションを所有している方だと聞いてましたので、『課税事業者』である可能性が高いと思われました。

『課税事業者』であるどうかを判断するには、2年前の課税売上で判断します。

2年後に課税売上が一切ない場合は消費税を払う必要は勿論ありません。

それと、もし2年前に課税売上が1000万円を超えていなければ、売却した年に『課税事業者』になることはないので、消費税は課税されません。

それは基本的な知識ですので、おそらく売主さんはご存じのはずです。

 

特定期間というもの

 

プラスして課税事業者のことで付け加えると、『特定期間』(※注)というものがあります。

通常の基準期間の課税売上高が1000万円以下でも、『特定期間』における課税売上高が1000万円超だったら消費税の課税対象になります。

 

※注・・・個人:前年の1月1日~6月30日 法人:前年事業開始以降6ケ月

 

インボイス方式が導入される

 

2023年10月1日から導入されるインボイス制度

免税事業者が消費税を預かる形で納税することなく”益税”となることが難しくなる制度だと言われています。

この制度によりもうすぐ、免税事業者は消費税を上乗せして請求できないということも知っておかないといけませんね。

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不動産ナマ知識/『特約条項』(売買)の話

日本の不動産業者の殆どは、全国宅地建物取引業協会(宅建)か全日本宅地建物取引業協会(全日)に加盟しています。
その理由のひとつには、不動産業を開業するには宅建の免許はもちろん、事務所の手配をはじめとした開業資金として1000万円の供託金が必要です。
宅建や全日に所属すれば60万円の支払いで済むため、開業資金の負担が軽減できるし、法定研修などでタイムリーな講習を受けることが出来ます。
不動産税制や判例等は間違った知識を持ったままだと、不動産取引をする際に大きなトラブルに繋がりますので、不動産業者としては日頃からこうした講習に参加することはとても重要なことになります。

■標準的な契約書条文■

元々両団体とも”売買契約書”や”重要事項説明書”などのフォーマットが、サイトからダウンロードして使用できるため、書類作成の手間が随分と減ります。
ただ、売買契約書としてダウンロードできるのは、標準的な条文だけです。
不動産取引には売主・買主の当事者が合意した独自の契約内容と言うものが頻繁に出てきますので、標準的な契約書の条文以外にオリジナルの『特約条項』があることは半ば当たり前のことであり、且つ、重要な部分でもあります。。

 

■『特約条項』の意義■

不動産の契約は当事者同士の同意内容を網羅した書面です。
契約当事者が特に希望した契約条件が別途出てきたとしても、なんら不思議な問題ではないし、むしろその方が自然だとも言えないこともありません。
売買契約であると、賃貸契約であろうと、標準的な条文と異なる取引条件というものは、契約書の中に記載しておく必要があります。
昔の契約書は、契約書の条文そのものを二重線で抹消し訂正印を押したりし、または、追記・修正したりする方法が多かったのですが、現在は標準的な契約条文の最後に『特約条項』として追記する方法が一般的です。

 

■『特約条項』の例■

それでは具体的な例文で、『特約条項』ってどんなものなのか見てみましょう。

□「地積更生手続き」の特約

最近の売買契約では、売主が実測測量を済ませているか、未了であれば決済までに完了させるという契約が多いのです。

その実測面積が登記簿記載の面積と異なる場合、買主が売主に地積更生の登記を行うことを特約で縛る条項がこれにあたります。

実情は地積更生までは求めず、隣地の筆界確認書・接道している官民境界明示書を取得するという特約の方が多いと思います。

 

□「更地渡し」を求める特約

この特約はよく見かけるものです。

売主が取引対象の土地の上に建っている古家などを、引き渡し日(≒決済日)までに撤去し既存建物の滅失登記を完了させて、更地にして買主に引き渡す内容を記載するという特約です。

その費用を売主が負担する場合が多いのですが、中には買主負担で実務を売主が実行する場合など当事者間の合意内容はケースバイケースであります。

 

□「立ち退き」についての特約

賃借人付の不動産(古アパート等)という場合や、売主やその親族などが居住している場合(相続物件等)、空き家にして引き渡すということが多々あるものです。

青空駐車場なども同様です。

「売主は、本物件の賃借人を第〇条〇項の引渡日までに、売主の責任と負担により本物件から退去させるものとする」という特約となります。

 

□「越境物についての確認」についての特約

となりの家の庇が敷地の上に掛かっている。

こちらの敷地にある柿や桜の木の枝がお隣の塀の上を越している。

家の壁に設置してあるクーラーの室外機が少しだけどお隣の方へ飛び出ている。

家の基礎が地中で隣の敷地まであることが分かった。

奥にある家の排水管が我が家の敷地を横断していた。

など、昔はおおらかなもので、50年前にお隣のお爺ちゃんと故人となったお父さん同士が口約束で承諾したようなことを今も引きづっていることがあります。

また、目視で分かる場合もありますし、土地の測量をした時に初めて分かったなんてこともあります。

特約の種類は2つです。

  • 越境物を承諾し異議を申し立てないし、金銭で解決するなら幾らか明記すること。
  • 引き渡しまでに隣地の所有者と話し合いの上、それを撤去するか、将来建替えやその他のタイミングで撤去することを約束する合意書を取り交わすこと。

 

□「建築確認・開発許可」が得られなかった場合の解除

買主の購入目的が分譲マンションや建売住宅などで、契約から決済までの間に建築確認申請や開発許可申請の手続きを行いたい場合、もし何らかの理由でその許可が得られないということが判明した時には、売買契約を解除できるという特約を結ぶケースがあります。

その場合、契約書上の違約金の規定を適用せずに、売主は受領した手付金を無利息で買主に返還するとなどという特約を付け加えるケースもあります。

 

□「故人の名義の不動産」を売却する時の特約

相続物件の場合、被相続人の名義のまま対象物件を、第三者に売却することが決定したなんてことがあります。

その場合、「本物件の登記上の名義が被相続人〇〇〇の名義であり、本物件は被相続人〇〇〇の相続人間の遺産分割協議により売主が取得する予定になっていることを確認します。売主は第〇条の残代金支払・移転登記手続の日までに、本件不動産の名義を相続を原因として売主に変更するものとする。」

勿論、遺産分割の合意書に基づき相続人数名の連名で契約して、中間省略しても不動産の売却はできます。

こんな風に、『特約条項』の内容はいろいろありますが、他にも売主・買主の都合により細かな内容を記載して、後日揉めることがないようにしておくことが『特約条項』の目的です。

契約書の“胆”の部分でもありますので、もちろん本文である契約書条文も大事なのですが、『特約条項』はより深く理解することが大事です。

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不動産ナマ知識/新型コロナウィルスと「金融検査マニュアル廃止」の影響

昨年12月、金融庁が銀行の経営内容を把握するための「金融検査マニュアル」を廃止したことはご承知の通リです。

「金融検査マニュアル」は、バブル後の1990年代以降、融資先の経営悪化により多額の不良債権を抱えた銀行に対する「検査の手引き」です。
要するに融資先の経営状態に応じてちゃんと引当金等の対策を講じなさいというものでしょう。
それを辞めて各銀行の自らの判断で融資するという大胆な政策変換でした。
実務的なことは分かりませんが、不動産業社にも昨年後半からの景気後退に銀行さんがどういう風に動くのか見極めようとしていた人も多かったと思います。
ところが、3月の決算前に勃発した新型コロナウィルス感染症の影響により、その大きな話題はどこかに吹っ飛んでしまいました。

今は、緊急事態宣言の影響で飲食店・宿泊観光業な・製造業など幅広く急激な売上減少に対する、資金繰り支援が緊急の課題だからです。

テナントの家賃負担が大きな問題になっていますが、建物の所有者(家主)さんや事業主さんの取引先銀行にとっても大問題です。

テナントの撤退や収入の激減などで経営が悪化する家主さんが増えれば、各銀行は一体どれだけ引当金を積めばいいのか?
将来の予測が合理的に判断できる状態でない今、事業融資に対する見極め・目利きは普段よりもっと難しいはずだけど、
家主さんや事業主を支える金融機関が、「金融検査マニュアル廃止後」に不良債権を抱えることになってはいけないはずだからです。
5月1日現在、約1ケ月程度の緊急事態宣言の延長が予定されていますが、解除後もかなり厳しい経済状況が待ち受けているはずです。
”新型コロナは医療従事者”の皆さん、”経済は金融機関”の皆さんの協力なしには成り立ちませんので、頑張つてください!
事業主さんも、テナントさんも、不動産業者さんもなんとか前向きに頑張りましょう!

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