不動産ナマ知識/大手不動産会社の横暴・「両手」「両直」

かつての不動産仲介業務は大手不動産会社の参入する世界ではなくて、中小零細の不動産会社が受け持っていた世界でした。
銀行の子会社である不動産会社でも、大きな物件なら兎も角、細かい住宅や小振りの事業用物件などには見向きもしなかったものです。
ところが今やそんな時代があったことを知っている人さえ少なくなっているのが実情です。
実績ベースでは所謂大手不動産会社の占める割合は非常に高く、特に中古住宅や中古マンションにおいては、圧倒的な比率で仲介市場に存在しています。

事業用不動産仲介の世界でも銀行系を中心に大手不動産会社の占める割合は大きいとされていますが、物件の囲い込みを疑われるような仲介手数料の「両手」(売主と買主の両方から仲介手数料を取ること)とか「両直」と言われているやり方が横行している。

それを調査したサイトでは、M不動産 57.53%、S不動産販売62.75%、K不動産61.53%など概ね6割が「両手」・「両直」取引だとか。
意識して売り情報を他社に出さずに、社内で処理する、または担当者のみで買主を見つけることに邁進している様子が想像できます。

勿論、「両手」「両直」は宅建業法等に違反しているものではありません。
不動産仲介会社に売却を依頼する際に、専任媒介を結んだ場合、仲介会社は「レインズ」と呼ばれる業者専用のサイトに登録をしなくてはなりませんが、
他社からの情報提供を求められても「商談中」だとか、「資料作成中」などという理由で、資料を開示しない場合や、そもそもレインズに登録しないなどのケースもあるようです。

こういう物件を隠すことは、媒介契約に違反しています。
売主の物件を「両手」「両直」をすれば仲介業者の収入が2倍に増えるという勝手な都合で、物件そのものを仲介市場から抹殺することになるからです。
その上悪質なケースは、少し時間が経ってから売主に物件価格を下げる提案をして、「両手」「両直」のしやすいように誘導することです。
大手不動産会社の担当者がそういうのなら、止むを得ないと考える人は多いと思います。
でもこれには、まだ続きがあります。
その仲介業者が「両手」「両直」で取引をした後、その物件を購入した新たな所有者に転売をすることにして、2回目の「両手」「両直」を実行する訳です。
不動産業界では、これを「往復ビンタ」を呼びます。

【実例】
私の叔母さんが高齢になって、戸建住宅よりマンションに住みたいというので、新聞の折り込みチラシで見つけた近鉄奈良線の中古マンションを買いたいという電話がありました。調べてみると、その物件はレインズ登録されている物件だったので、K不動産に連絡しました。
担当者は、「その物件はもう決まりました」というので、叔母さんにその旨を伝えたのですが。その後、叔母さんは直接K不動産に電話をしたら、車で迎えに来てその中古マンションを内覧させてくれた。契約も出来ると・・・
 叔母さんはK不動産とは話したくないと言って、揉めましたねぇ~

事業用不動産の世界でも同じようなことは多々ありますし、ここ数年収益用不動産の融資が緩んでいたこともあり、物件も値上がり傾向でしたので、転売業者さんの活躍の場が広がっていました。
そう、スルガ銀行の「三為契約」や「四為契約」で収益マンションが転がって取引されていたのも、「両手」「両直」でしか仲介しないスルガ銀行と仲のいい不動産会社が居たから出来た技です。

仲介物件の「囲い込み」をしてまで、「両手」「両直」に拘るかどうかは、会社の大きさの問題ではありませんが、少なくとも大手の信用力を使って売主を騙すような営業手法は止めて頂きたい。
勿論、中小零細の仲介会社であれば信用を取り戻すことは不可能だと思って、売主・買主の立場になって最大限の営業活動をすることは当然のことだと思いますが・・・

不動産マメ知識コーナー/【「両手」と「片手」】

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