不動産ナマ知識/新型コロナウィルスと「金融検査マニュアル廃止」の影響

昨年12月、金融庁が銀行の経営内容を把握するための「金融検査マニュアル」を廃止したことはご承知の通リです。

「金融検査マニュアル」は、バブル後の1990年代以降、融資先の経営悪化により多額の不良債権を抱えた銀行に対する「検査の手引き」です。
要するに融資先の経営状態に応じてちゃんと引当金等の対策を講じなさいというものでしょう。
それを辞めて各銀行の自らの判断で融資するという大胆な政策変換でした。
実務的なことは分かりませんが、不動産業社にも昨年後半からの景気後退に銀行さんがどういう風に動くのか見極めようとしていた人も多かったと思います。
ところが、3月の決算前に勃発した新型コロナウィルス感染症の影響により、その大きな話題はどこかに吹っ飛んでしまいました。

今は、緊急事態宣言の影響で飲食店・宿泊観光業な・製造業など幅広く急激な売上減少に対する、資金繰り支援が緊急の課題だからです。

テナントの家賃負担が大きな問題になっていますが、建物の所有者(家主)さんや事業主さんの取引先銀行にとっても大問題です。

テナントの撤退や収入の激減などで経営が悪化する家主さんが増えれば、各銀行は一体どれだけ引当金を積めばいいのか?
将来の予測が合理的に判断できる状態でない今、事業融資に対する見極め・目利きは普段よりもっと難しいはずだけど、
家主さんや事業主を支える金融機関が、「金融検査マニュアル廃止後」に不良債権を抱えることになってはいけないはずだからです。
5月1日現在、約1ケ月程度の緊急事態宣言の延長が予定されていますが、解除後もかなり厳しい経済状況が待ち受けているはずです。
”新型コロナは医療従事者”の皆さん、”経済は金融機関”の皆さんの協力なしには成り立ちませんので、頑張つてください!
事業主さんも、テナントさんも、不動産業者さんもなんとか前向きに頑張りましょう!

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