不動産人/不動産景気の遅効性

今の時期、コロナ抜きには何も語れません。
コロナ第5波の大きな波の真っ只中ですけど、確かに去年の第1波の時のような緊張感は感じられません。
大阪でも緊急事態宣言やまん延防止措置がずぅ~と続いているので訳が分からなくなっています。
そこに今週はずっと大雨ですから、気分は最悪です。

【不動産価格の遅効性】

景気停滞により不動産業界が落ち込む場合、生活の基盤である不動産業界は他の業界よりも後から影響を受けるというのが通説です。
不動産業界への新型コロナウイルスの影響は限定的にとどまる可能性が高いとも言われていますが、コロナ前にそろそろ不動産価格が調整局面に入ったと囁かれていたことを忘れていませんか?
それが、コロナ感染が始まり従来からの低金利に加えてコロナ禍の金融支援策で市中にお金が溢れて不動産価格を支える役目を果たしているのです。
そのお陰で、売り物件が極端に少なく、その結果実体経済は悪いにもかかわらず物件価格も下がらないのです。
最近では、購入意欲のある人でも、なかなか希望物件に出会うことが難しい状況になっています。

 

【空室期間長引く傾向に】

最近よく耳にするのは、賃貸マンションの空室期間が長引いているということです。
ここ数年はマンションブームだったこともあり、賃貸マンションを建てる人、買ってマンション投資をする人、それにお金を貸す銀行などでお金は回っていました。賃貸マンションを借りようとする人も物件選びも幅広く検討できたのですが、いきなりのコロナ禍で学生や単身者の社会人も簡単に引越しできるような状況でもなくなっています。(賃貸物件の世界だけは「人流が抑えられている」ということか…)
それに元々人の数より住居数は上回っていたのですから、賃貸マンションの客付は難しくなり、動きは鈍くなって当然なのでしょう!
入居者の確保が手間取り始めると、不動産の収益に影響します。
長い目で見れば、利回りが低下する可能性が出てきます。
当初はコロナ禍の影響を受けていなかった不動産業界にも、ジワジワと悪影響が近づいて来たような感じがします。

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不動産人/水漏れで水道代が高額に…

先日、知り合いの仲介業者さんから「一棟売マンションの売買契約の数日前に、水道代が100万円位になっているのが分って…」という話を聞きました。
水道料金の支払いは、基本的には2ヶ月に1回です。

(理由は、水道局のメーターの検針に来るのが2ヶ月に1回だからです。)

先回の水道量から大幅にアップしていたのが判明したのが、契約数日前だったから大騒ぎになったということです。

 

漏水箇所によりオーナー負担も

一般住宅と違い一棟マンションの場合は、複数の住居があります。
各戸の水道代は、ワンルームなどでは定額2000円にしていたり、メーター検針して使用料に応じて徴収するケースもあります。
分譲貸マンションの場合は、各戸の使用量に応じて賃借人が水道局や管理会社に支払いを行います。
下図のあるように道路から建物の親メーターまでに水漏れがあった場合は、マンションオーナーの負担は発生しませんが、親メーターから建物内の各住戸に配管されている部分の水漏れはマンションオーナーの修繕・費用負担が必要ですので、水漏れがどこで起きているのか確認が必要です。

(大阪市水道局HPより)

地下漏水の場合は減額50%が限度

もし、建物側で水漏れが発生していて、高額な水道料金になってしまっていたら、マンションオーナーの負担軽減する制度があります。
但し、目視できる箇所からの水漏れは減額の対象外です。
大阪市水道局では、次のような原因を減額対象とするとしています。

  • メーターの取付又は取替の不備による漏水

  • 地下、床下、壁内等の配管の破損等による漏水

  • 水洗便所等の故障による漏水

  • 受水槽ボールタップの故障による漏水

  • 天災その他の災害による給水装置の破損等による漏水

■漏水箇所により減額割合は異なる

■③④は一度限りの適用

■減額対象期間は、修繕が完了した日をはさんだ前後2検針分

■減額申請は、正当な理由がない限り、漏水の事実を知った日または天災その他の災害による被害を受けた日の翌日から起算して6ヶ月迄に行うこと

 

★不動産管理に関する記事

投資用マンションの修繕積立金

善管注意義務(賃借人の責任)

修繕費と減価償却処理

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不動産ナマ知識/相談相手の選択(弁護士・税理士・設計士…)

「相談相手の選択」はとても大事なことです。

 

不動産の問題って、幅が広いので相続に関わる不動産の問題、例えば分割、売却、管理、税金、融資などいろいろなことが頭を駆け巡るわけです。
所有権移転や分割協議書などは司法書士さんに相談して、その後売却になると宅地建物取引業者にバトンタッチです。

でも、こんな人もいますよ。

相続税の問題を相談して申告します。
その後、50坪の駐車場だけは売ってしまおうと、「A先生、売るの手伝ってくれませんか?」ってね。
その駐車場の売却を手伝う?って、普通は「売って下さい!」っていう意味ですよね。
もしもし、A先生は不動産業者じゃありませんよ?

で、A先生は不動産業者に資料渡して、買主を見つけると、手数料相当額を頂戴することになります。
誠に美味しいサイドビジネスです。

※こういう場合、不動産業者が資料の提出、質問、調査への協力をA先生に申し入れると、本業が忙しいのか、怠慢なのか、妙に値打ちを付けているつもりなのか判りませんが、「遅い、的外れ、中途半端」なことが多いですね。悪口言うつもりはありませんが、本当にそうなんですよ^^)

物件調査は?・・・資料受け取った不動産屋さんがします。
重要事項説明は?・・・取引実務を行なう不動産屋さんがします。
土地の測量は?・・・測量士の方に依頼します。
駐車場の契約者の解約手続きは?・・・契約手続きをする不動産屋さんがします。
融資が伴う場合の手続きは?・・・買主さんと仲介業者もお手伝いします。
決裁手続きは?・・・同じく取引する不動産屋さんがします。
登記手続きは?・・・司法書士の先生がします。
売主からの報酬は?・・・先生達が頂きます!

こういうケースが、弁護士・税理士・設計士などの士業の先生にはあったりします。

反対に、不動産業者もそういう相談を受けることがあります。
例えば、不動産って相続の問題で不動産の相続税評価額を算出する場合、多少なりとも何回か経験していれば大よその評価額は算出できるものです。
賃貸マンションの確定申告のお手伝いなんかも、家主さんの代わりに計算なんて普通の不動産屋ならできると思います。
でも、税理士法に引っかかると拙いので、そういう場合は知り合いの税理士さんを紹介したりします。

士業全体の人数が増加し続けているにもかかわらず、AIの発達、依頼者の減少、競争の激化で設計士・税理士さんや弁護士さんもそれなりに大変だと聞いています。

私のような不動産業者、コンサルタントやFP、その他士業の方々それぞれに業務範囲に関わる関連法規があります「餅は餅屋」です。

適切な相談相手を見つけることは依頼者の責任です。スムーズに問題を処理できるかできるかどうかの重要ポイントですので、頑張って下さい!

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不動産ナマ知識/売買取引の習慣、大阪と東京の違い

※関西・関東では範囲が広すぎるので,ここでは解り易さを優先し「大阪と東京」と表現します。

大阪では、相手のことを「自分」と呼び、「アホ」と言われても不愉快な気持にはならないけど、「バカ」と言われると腹が立つ。

お笑いの世界では東京でも大阪弁がかなり浸透していますが,不動産取引の世界では逆に大阪に東京方式の考え方が入り込んできております。
東京では大阪よりもマーケットの規模が大きくて、且つ、金融の世界では世界の中心でもありますので、不動産でも圧倒的な強さを保持しています。
聞けば、東京でそれなりの立地であれば、利回りも表面3~4%確保出来る物件を購入することは至難の技だそうです。
外資系のファンドが日本に来た頃から、大阪方面にも進出し東京方式の取引が増えたのです。
今回は、数ある不動産取引の中でも特に“収益物件取引”に伴う大阪・東京の習慣の違い、≪★保証金・敷金の取り扱い≫≪★税負担の按分方法の相違≫について整理してみました。

★保証金・敷金の取り扱い

■   収益物件で賃借人(入居者)付の物件は、売買する物件の所有権等の移転に伴い、賃借人の方との契約も旧所有者から買主(新所有者)に継承する手続を行ないます。
その際、元々賃借人が旧所有者に敷金や、保証金を支払っているのですが、その賃借人の退去時には敷引・ 解約引きや、保証金の償却などを差引かれた後の金額を返還してもらいます。
物件自体の所有者が売買によって変わるので、新所有者は所有権移転後に賃借人が退去した場合は、「返還金」を支払う事になります。

例)取引金額 1億円 保証金600万円(内350万円解約引き)

上記例の物件を東京方式(保証金返還方式)と称する方法ですると、1億円の物件取引を行ない、その時に売主は将来賃借人に返す予定の250万円(注1)を買主に引き渡します。(※保証金600万円ごと引き渡すケースもある。)

(注1→ 保証金600万円-解約引350万円=返還債務分250万円)

同じく、大阪で1億円の物件購入をした場合“持回り”(返還債務負担)と言って、買主は購入後の退去者に対してその都度返還金を自らの負担で支払うのが一般的です。
取引金額が同じであれば東京方式の買主は“お徳”に決まっていますが、大阪の収益物件を購入する場合はその取り扱い習慣を理解した上で、検討・交渉しなければなりません。

★税負担の按分方法

■   同じく上記例にある収益物件の取引が11月1日決裁とします。
今回の売主が1月1日時点の所有者であるとすると、1年分の固定資産税・都市計画税の支払をすることになります。
仲介業者は、所有権の移転の日でその年間の税額を売主と買主に按分する作業をします。

大阪では下表のように年度初めの4月1日から10月末が旧所有者の、新所有者は所有権移転日から来年の3月末までを負担するように計算しますが、

東京では1月1日から12月31日迄を1年間として案分するケースが多いようです。

例)11月1日決裁の場合で、固定資産税・都市計画税が年額80万円とします。

大阪の場合

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2

売主負担分:467,760円 【4/1~10/31の214日分】

買主負担分:332,240円 【11/1~翌年3/31の152日分】

東京の場合

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2

売主負担分:666,667円 【1/1~10/31の305日分】

買主負担分:133,333円 【11/1~12/31の61日分】

他にも色々商習慣の違いは各地域によってあると思いますので、プロでもその都度気をつけて確認していかないといけないものです。

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不動産人/その管理会社は「最適」なのか?

一棟マンションや貸ビルを所有しているオーナーは専門業者に管理を委託していますが、昔は結構「自主管理」している方もいましたので、オーナーさんが朝早く掃除していたなんて光景も見かけました。
また、ご夫婦で室内の“洗い工事”とか“鉄部の塗装”をやっていたオーナーさんもいらっしゃいました。
昔の人は器用でしたからね。
今は専門業者に頼んだ方が、素人がやるよりキレイで楽ですから、業者さんを使いますね。

分譲タイプの収益マンションの場合は、建物全体を管理している「管理会社」がいて、オーナーさんは毎月「管理費」「修繕積立金」を支払っていますよね。
室内の入居者のクレームや不具合などに対応するには、その部屋のオーナー自ら行うことも出来ますが、オーナーが選定した不動産業者(注)「管理会社」として対応するケースの方が多いと思います。

注)厳密に言えば、この管理業務は、宅建免許を必要としないので、不動産業者である必要はありません。

 

確かに、通常であればそう頻繁に用事が発生するようなことはありませんので、自分で対応出来そうな感じもあります。
ただ、「管理業務」って結構細かい作業の積み重ねですので、一定の経験や知識がないと入居者が満足できる対応が出来ないと思われます。

例えば、“水漏れ”や“ベランダに鳩が巣を作った”“退去の立ち合い”リフォーム工事の確認“”鍵の紛失“…手間の掛かる仕事ですし、スピードも必要です。
でも、日常的に発生するような問題ではありません。

 

投資用マンションを購入した時に、「管理会社」が決まっていることもあります。
管理専門の「管理会社」なら、毎月一定の管理業務料金を支払うことになるでしょう。
サブリースや家賃保証が付いている場合もあります。

こうなると、オーナーさんは管理会社に「丸投げ」状態になります。

そのすべてを悪いことだとは思いませんが、『勿体ない』という感じもします。
だって、頻繁に用事が発生することの方が少ないからです。

以前、岡山で教師をされていたオーナーさんは、購入時にセットされていた「管理会社」に食い物にされていたので、管理委託を解約したほうが良いとアドバイスしました。そのことを告げるとその管理会社から投資用マンション5件分で240万円の違約金を請求されました。

結果的に、裁判をお勧めして勝訴されましたが、保有していた5件のマンションのリフォーム代金は、実際には施工もしていないのに支払っておられましたし、入居者からの苦情にも対応していない状況で、毎月定額の管理委託料を支払い続けていたという事実を取り戻すことは出来ませんでした。
ちなみに、この管理業者は入居者からも「●●友の会」と称する費用を毎月徴収していました。

 

先のような悪徳業者は論外ですが、オーナーさんと「管理業者」との信頼関係があることが理想的です。
事務的な仕事の仕方をされてしまうと、微妙に親切ではなくなってしまいます。

「管理会社」の選定はなかなか難しいことですが、オーナーさんにとって非常に重要な仕事なのです。

★不動産投資と管理業務に関する記事

不動産投資トラブル20~30代が餌食に

家賃保証会社のメリット

修繕積立金のトラブル

管理会社の倒産

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不動産人/「通常有する品質性能」(土地)とは…

2021年4月1日施行の宅建業法第35条では、担保すべき責任の履行について、「当該土地又は建物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合」というように重要事項説明の条文が改正されました。
この「通常有する品質性能」とは、一体なんなのか?

【熱海で起こった土砂災害】

7月3日に、静岡県熱海市で発生した土石流によって多くの命が奪われ、いまだに多数の行方不明者の方がいらっしゃいます。
ニュースでは、土石流で崩壊した斜面の一番上にある箇所が“盛り土”であって、軽くて流れやすい“火山灰”などから出来ていたので、流れやすいことが原因ではないかと伝えています。

テレビで見ていても、土石流の勢いはすごいスピードで大量の土砂を流していました。
もともと逢初川の上流部は、「土石災害警戒区域」という川底に土砂が溜まりやすい住宅地だったそうです。
県が高さ10メートル、幅43メートルの砂防えん堤(土砂をくい止める擁壁)作っていたのですが、時速40キロ、5万立方メートルでその砂防えん堤を乗り越えて流れていったそうです。

この土地は何を目的に盛り土されたのでしょうか?

それを購入した所有者は、こと土地をどうしようと思っていたのか?

【土地の品質性能】

「重要事項説明」では土地の通常有する品質性能は、①地盤②地中埋設物③土壌汚染について説明責任を求められます。

  • 地盤 

目的物である土地に隠れたる瑕疵があり、目的が達せられない場合は、売主は損害賠償責任を負う。住宅建築を目的として土地を購入した場合、建物の敷地として、崩落・陥没等のおそれがなく、地盤として安定した支持機能を有することが必要です。

熱海の土地の場合は、現所有者は特に目的がなく購入したとされています。

投機目的だったのでしょうか?

こういう場合、売主(前所有者)の責任は一体どうなのかはよく分かりません。

  • 地中埋設物

購入した土地の地中に、産業廃棄物や撤去した建物の地下室や基礎が残っていた場合、買主によっては問題ないのかも知れません。

ただ、宅建業者としては売主へのヒヤリングや売主の保有する資料から、地中埋設物の有無を買主に伝えなければなりません。

  • 土壌汚染

目的物である土地に、有害物質が含まれていると買主が購入目的を達することが出来ない場合、売主はそのことを知らずに購入することはありえません。
よって、売主は契約時点で買主と土壌汚染についての情報を伝えることが必要です。
勿論、仲介業者も同様にその情報を共有して買主に伝えなければなりません。

大規模な土地取引でなくても、一般の戸建住宅であっても庭や建物の地中に”廃材”や”使用済の浄化槽”などがあることを売主は買主に伝えなければなりません。
売主としては契約が終わったから「後は知らん…」というのは通リません。
また、買主は購入する土地や建物を何に利用しようとするのかで、「通常有する品質性能」がかなり違ってきますので、現状の「重要事項説明書」「買主の購入目的」を具体的に明記するようになっています。

★「重要事項説明」に関する記事

「活断層」の記載義務

『特約条項』(売買)の話

「事故物件」と「告知義務」

重要事項説明に関するトラブル

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不動産人/収益不動産オーナーの「出口戦略」

「出口戦略」って、物件を手放すタイミングを考えることです。

収益用不動産を購入する時はすごく勉強していたのに、運用や売却に関してはそれほどの関心を持たない人も多い。確かに、購入時には『いつ売るのか決めている』なんていう人は余り聞いたことがありません。

売却する理由・原因

収益用不動産の「売却理由」は、大よそ次の二つだと思います。

  • 売却すれば儲かりそうなので売る。

  • 売らなければならないので手放す。(←売却損の場合もあります)

必ずしも売却益は出ないけれど、他に買いたい物件があるので手放すケースもあるでしょう。

また、本業の経営状態の都合や物件の築年数を考慮しての売却なんて言うこともあるでしょう。

不動産は売りに出してもすぐに買手が見つかるとは限りません。

でも「物件の値踏み」さえ間違えなければ、通常であれば3ケ月以内には買主は見つかるはずです。

一番最悪なのは、どうしてもお金が必要な時に、収益不動産を売りたくても売れないケースです。

インカムゲインとキャピタルゲイン

購入時点で採算の取れない収益物件を取得する人はいないと思いますので、表面利回り6%とか7%くらいインカムゲインがあれば、大体10年超で結構元は取れていると思われます。
そういう状態で売却する金額が購入時の価格を下回っていても、(勿論、借入金の比率や金利にも依りますが・・・)トータルのキャピタルゲインはそれなりの投資効率になっているはずです。

5年以上の保有期間

「出口戦略」で売却益が出そうでも、税金が掛かります。

長期譲渡の期間は5年以上と決まっています。(下表参照)

個人の長期譲渡所得は、譲渡した年の1月1日現在で所有期間が5年を超える土地建物を、また、短期譲渡所得は譲渡した年の1月1日現在で所有期間が5年以下の土地建物をそれぞれ譲渡したことによる所得をいいます。

譲渡所得に対しては、他の所得と分離して所得税と住民税が課税されます。

譲渡所得がマイナスの場合には課税されることはありません。

 

譲渡所得の税率表

区分

短期 長期

期間

5年以下

5年超

税率

39.63%

20.315%

(所得税30.63%住民税9%) (所得税15.315%住民税5%)

※復興特別所得税として所得税の2.1%相当が上乗せされています。

税金のことを考えれば、収益物件の購入後5年が「出口戦略」上、一つの節目となります。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

以上、所有者の経済状態等、どのくらいのインカムがあって、どのくらいのキャピタルが得られそうなのか。譲渡所得の問題を考えれば5年超なのかをトータルで考えて、手放す時期を考えてみるというのが、収益不動産オーナーの「出口戦略」ということになります。

★不動産と税金に関する記事

一棟売マンションを購入した時の不動産取得税・固定資産税

意外な負担感がある「住民税」「健康保険料」の話

投資用中古マンションの減価償却費

財産評価基本通達6項

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不動産人/返済方法の話

先日、一棟マンションをご紹介した方が銀行に借入の相談に行かれました。
収益物件を購入する時のローンも、住宅ローン同様いろいろな商品があります。
でもベースになる考え方は「元利均等」返済か、「元金均等」返済です。

さて、銀行評価も終わって、借入可能額に目途も立ち金利等の融資条件の話になって、銀行から「元金均等」返済の商品を勧められたそうです。

なにやら新しい商品らしくて、将来金利が上昇すると「変動金利」から直ぐに「固定金利」に変更してくれる商品なのだということ…

ただ、この新しい「元金均等」のローンは、ローン契約を締結する際に通常のローン手数料とは別に100万円以上のローン手数料が必要になるのだとか。

ちなみに、借入金額は2億数千万円で、(変動)金利もそれなりに低いものでした。

「このローンどう思いますか?」って聞かれたので、思った通リに伝えました。

結局、ご自身のお考え通リに「元利均等」返済を選択されました。

下のイメージ図の通り、「元利均等」返済は毎月の返済額が一定ですので、返済計画が立てやすい。

借入金残高の減り方は遅いけれども、利息は経費処理できるとい面もありますので、当初の節税効果は高くなります。

それに対して、「元金均等」返済は元金のみ一定で、徐々に利息分が減っていきます。
収益物件を長期保有すると総返済額は「元金均等」「元利均等」となります。

デメリットは当初の返済額が最も高額でスタートするので、不意の資金需要があった場合にはそれに耐えうるだけの資金的耐力が必要だということです。
当然、金融機関の融資対象者に対する審査のハードルは高くなります。

一般的には、「元利均等」返済を選ぶ方が多いのですが、上記のような方ならば、絶対に「元利均等」返済が優れているとも言えません。

現状の低金利状態では、総返済金額が低くなるからと言って、「元金均等」返済を選択する必要性は低くなっていると考えます。
また、収益物件は長期保有を前提に購入しても、いろいろな問題が発生して思いの外売却の時期が早まることもあります。

借入金返済方法についても、柔軟に考える必要がありそうです。

★不動産と銀行融資に関する記事

「検査済証」の有無と銀行融資の関係

コロナ禍の金融緩和と収益物件

提携ローン…投資のリスクは全て買主が負う

フラット35悪用した不動産投資

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不動産人/仲介業者の独り言③

わざわざ契約を壊す不動産業者

物件を紹介し、内容を詰めて、やっと買主側の購入の意思がハッキリしてきたら、売主側の仲介業者との打ち合わせに入ります。

売買それぞれの仲介業者の2社だけの場合もありますし、“あんこ”と言われる中間業者がいる場合もあります。(注)

(注)不動産売買の依頼を売主さんから直接受けた不動産業者のことを元付け業者といいます。それに対して客付け業者は借主(貸主)を探す不動産業者のことをさす。物元(ぶつもと)ともいいます。
なお、関西では値付(ねつけ)業者ともいい、売主側は売値付業者、買主側は買値付業者と呼びます。

(一般の住宅や分譲マンションなどは、ほとんど中間業者は存在しません)

金額交渉や引き渡し条件、特約事項の内容など、売主と買主とでは真逆の立場になりますので、ここで話を纏めることが仲介業者の腕の見せ所っていう感じです。

過去に一度でも取引したことがある業者や、日頃から付き合いのあるような気心の知れた業者さんだと、打ち合わせはスムーズに進むことも多くてトラブルに成りにくいので安心はあります。
反対に、全く会ったことも聞いたこともない業者さん、どういう不動産を扱ってきたのか分からない、特に経験があまりなさそうだと感じられる営業マンと出会うと最初は手探り状態です。ご承知のように、人間は百人百様。
一口に「常識」って言っても人それぞれ微妙に違うものです。
ましてや、同じものが二つとない不動産は話し合いで物事が決まるわけですから、話が噛み合わない業者だとかなり手こずります。
大手の不動産会社とか、個人で営業している不動産業者とかいう問題ではありませんよ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

例えば、それほど難しくない質問をしてすぐに返事があると思っていても、全く連絡がないなんてことがあると、なにがあったのか不安になってしまいますよね。
2~3日して連絡すると、「あっ、忘れてました」なんて言われたりすると、この人大丈夫かなってことに・・・そういう小さなことってすごく大事な要素ですから。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

重要事項説明書について、売主側の業者さんが「下書きして送ります」なんて言われると当然メールとかで送ってくるって思うじゃないですか。
それがFAXで手書き、しかも内容がどう考えても打ち合わせ内容が明文化されていない文章だと、待っていた時間が無駄だっただけだったなんてこともありました。
この時は、時間が無いのに必死のパッチでパソコンの前で頑張りました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

契約当日になって、契約書と重要事項説明書の記載内容の変更を元付業者から言ってきたことがありました。
いわゆる大手仲介業者だったので、担当者がOKだと言っていた特約条項の内容を、その会社内でチェックする専門部署から修正を求めて来たのでした。
売主さんが知らないところで、元付業者が自らの保身のために特約条項を突き付けて来たのでした。
軽微な訂正だったら買主も了解してもらえたのですが、ものすごい量の追加項目があって、その内容も「●●については、売主は責任を負わない」「●●に関する問題については、買主の責任と負担にて解決する」…のような一方的な内容のオンパレードだったので、さすがに気のいい買主も「ここまで言いはるんやったら辞めます」ということで契約は出来ませんでした。

法的に正しいとか、理屈は尤もだと言うのとは別に、売主・買主の気持ちを汲んだ取引を成就させるのが仲介業者の仕事です。
稀に、そのことを分かっていない業者さんがいるものです。
売主・買主そして不動産業者も、仲介業者には気をつけないと、出来る取引も出来なくなってしまいます。

★仲介業者の独り言

「大手」だから「安心」とは限らないという話

失敗という経験

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不動産ナマ知識/財産評価基本通達6項

「この通達の定めによって評価することが著しく不適当と認められる財産の価額は、国税庁長官の指示を受けて評価する。」(財産評価基本通達6項)


「タワーマンション購入による相続税対策」「アパート経営についる相続対策」を謳った節税策に対して国税庁が、『その相続税対策はやり過ぎ!』だと問題視する場合に使う規定となっています。

ネット上でも実際の判例を見ることができますが、不動産業者や建築業者としてもどうゆうルールなのかは最低限知る必要があると思いましたので、簡単に整理してみたいと思います。

不動産を使った節税策

相続税の課税対象者は年間死亡者の内、約8%でもの凄く多いとは言えません。
ただ、富裕層の保有財産はそれ以外の方の財産とかなり差がありますので、相続税課税対象者にほぼ近い方も含めて非常に関心が高いというのが現状です。
その節税方法も多種多様で、生命保険を使った策、養子縁組で法定相続人を増やす策、生前贈与や教育資金贈与などで相続財産を減らす策等あります。
要するに税金の問題ですので、税理士さんの協力が必要ですが、不動産を使った策は相続税対策の大きな柱のひとつです。

■更地に賃貸アパートを建築する

■タワーマンションを購入する

■収益不動産を借入金で購入する

こんな風に不動産を購入、所有すると例えば現金や預貯金の1億円を不動産に変えると3000万円とか4000万円の相続評価額に変えることも可能です。
不動産を使う対策は金額が大きいのでその効果も大きいし、他の対策に比べて分かりやすいというのが人気の理由なのでしょう。

先の3つの対策は、建物の相続税評価額=固定資産税評価額だということ。
次に、土地は路線価で評価するので、それだけでも地価公示価格の80%程度になるし、小規模宅地等の特例を適用するとさらに相続税評価額を下げることができます。
建物を自宅ではなくて貸家として人に貸せば、貸家の評価(借家権30%ダウン)に出来ます。

借入金で不動産を購入すれば、不動産の相続税評価額より差し引かれるので、大きな節税効果をもたらすというのはアパート建築や収益物件購入を推奨する業者の常套句でもあります。

要するに程度の問題

「財産評価基本通達6項」はそうした行為をダメだと言っているのではありません。
(今のところ)『露骨な節税』はダメだと言っている。
『露骨な節税』とは、例えば余命数ヶ月の段階で数億円するタワーマンションや一棟売マンションをほぼ借入金で購入するとか、相続税の申告が終ったらさっさと売却するとか税務署をなめたような行為をするなってことです。

昔から節税対策と税務署は“モグラ叩き”のような関係です。
おそらく、税務署は役所の中でももっともキッチリ仕事する役所です。
物事には程度ってものがありますので、そこのところは我々アドバイスする側の人間も十分に気をつけないといけません。

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