不動産人/万年床の話(原状回復義務)

「自然損耗」と「日常生活損耗」は人によって違う!!

賃貸借契約は、家主さんと入居者の合意に基づいて行われますが、貸す側の家主さんと仲介業者は事業としてやっているプロですが、借りる側の入居者は殆どの場合、素人さんです。
契約のときは、特に問題がなくっても、退去時に「原状回復義務」ということに対して双方の認識が違う場合があります。

「原状回復義務」は、建物賃貸借契約の終了時における借主のなすべき義務の一つです。

この「原状回復義務」について、借主がどこまで建物を原状に戻す義務を負うかに関してはさまざまな見解がありますが、いわゆる入居時の状態から通常の暮らしをしていて生じる「自然損耗」は借主は原状回復する必要はありません。
借主が故意に傷つけたり、壊したりした箇所については、入居時の状態に戻す義務が生じます。

最近では、「喫煙」による室内の汚れは借主の責任で原状回復するように賃貸借契約書の特約などでも明記されています。
以前、家主さんに代わって賃借人の退去立会いをした時に、床のフローリングが変色しているのを見つけましたので入居者に原因を尋ねました。
すると、敷布団をズ~と引いてあったので、こうなったのではないかということが分かりました。

ご本人は「日常生活していての損耗(=自然損耗)」だと主張しましたが、「万年床」は自然じゃなくて、単なる物臭とか不精だということでフローリングの張り替え費用を支払ってもらいました。
木製のフローリングの張替って、入居者の家賃1ヶ月より高額でしたから、「万年床」は高くつきました。

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不動産ナマ知識/実家の処分はなぜ揉める?

「相続」は税金の問題だけではありません!

昨日、建売業者(土地仕入れ)の方と話をしていたのですが、「知り合いの税理士さんからの紹介で相続物件を購入するのが、いきなり契約直前になって相続人の一人から売却反対の意見が出て商談がパァになった」ということがあったそうです。
事業用の不動産仲介業者さんや建売業者さん、マンションデベロッパーの人なら、一度や二度はこういった相続物件取引の難しさは経験しているものです。

その理由は、その物件の売主が複数人だからです。
尚且つ、その複数の売主(相続人)が、垢の他人ではなく親族だからです。

親が亡くなると、親の不動産は子供や配偶者などの相続人に相続されます。
両親とも亡くなれば、子供に相続されますが、複数人いる場合は人数に応じて(原則)平等に相続する権利が発生します。ご存知のように、相続税は被相続人が亡くなったことを知ってから10ヶ月以内に支払わないといけません。

相続税課税の見直しで、相続税対象者は増えたとは言え、それでも課税対象者は相続全体の8%ほどですから残りの92%の人達は相続があっても相続税の支払いは必要ありません。

相続税の対象となるのは、基本的には次の金額を超えるということです。

相続税財産>3000万円+600万円×法定相続人の数

相続税課税の対象にならない相続人の多くは、親の残した財産のうちで最も大きな財産である“実家”の処分で揉めるそうです。
相続財産については、相続人同士で話し合いをしなくてはなりません。
勿論、すぐに売るとか誰が住むとか決めなくても構いませんし、すぐに所有者の名義を変えなくても問題はありません

実は、私のところも両親が亡くなってから20年以上、名義はそのままでしたし、具体的にどうしようと行動を起こしたことはありませんでした。ただ、実家に住んでいた実兄が一昨年に亡くなって、空き家になったことから、残りの姉達と話をすることになり、遡って相続登記をして実家を売却したのでした。各家庭にはそれぞれ事業や経緯、思惑がありますので、話は一筋縄には進まないものだと改めて痛感しました。

自分が不動産屋をしているので、知り合いの司法書士さん、測量士さん、不動産業者さんとの実務的なことはスピーディに処理できましたが、必要書類の手配、各人の押印、署名、打ち合わせや隣地への挨拶などなど一般の方であればそれは大変な作業だと思います。

相続した土地、建物の売却は、相続人全員の一致でおこなわないといけないので、一人でも同意していない人がいると処分できません。

「金額は幾らくらい」なのか、「どういう風に分けて」、「税金は幾らくらい払うのか」「お墓はどうする」など、相続人同士の話し合いが何回か繰り返し行われます。
この間、言っていたことと違うことを言い出す人もいますし、新たに昔のことを持ち出して、どうのこうのと言い出す人も現れます。(笑)
それでも、なんとか自分を殺してみんなの合意を取り付けます。

仮に、実家の売却や、利用方法が決まりましたら、相続登記をすると同時に、または速やかに最終的な名義にしてしまいましょう。
そうでないと、新たなる問題発生の可能性があります。
共有名義の財産を処分する場合、時間を置いてからすると各人の事情が変わったりすることがありますので、そのうちの一人が合意した内容と違った方向に動くとややこしくなるからです。

仮に、3名の共有名義にした不動産があったとして、そのうちの一人が自分の持分である所有権をややこしい人(←ナニワ金融道に登場するような人とかです)に売ってしまったり、仮登記を打たれたりすると、その”実家”(不動産)はまともには売れなくなるからです!
相続人自体が亡くなって、その相続人である子供や奥さんが全く違う考えを持っている場合もあります。
だから、相続人の意思が一致すれば、サッサと実務的に手続きを進めてください。

同様の理由で、“将来の相続税対策”として親や子供の名義で不動産を取得するのも後々問題が起こりやすいので、できるだけ避けるべきだと考えられます。

★相続に関する記事

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土地相続未登記に「過料」?

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不動産人/「既存不適格建築物」と「違反建築物」

改正宅建業法と重要事項説明書

既存不適格建築物は、その建物が建てられた時は合法的であったのですが、その後の法改正などにより現状の法には適合していない状態にある建築物のことです。
それに対して、違反建築物とは、建築当初から法的に違反していたものであります。

この4月から、改正される宅建業法により「重要事項説明書」に、建物検査済証の有無、建物状況調査の有無、確認申請時の図面添付、リフォーム履歴などを記載したり、添付したりするようになります。

戸建住宅と同様に、一棟売物件でもそのように対応しないといけませんので、当初から違反建築物だった物件や、建築確認申請後に検査済証を取得しなかった物件や検査済証取得後に増改築した物件は、4月から売却する際には今まで以上に過去の記録が大事な資料になります。

おそらく、各金融機関もそれに沿って融資基準を変えてくると思われますので、築年数の古い物件や所有者が何回か変わっていて過去の資料が無いような物件は、購入者に対しての融資条件がより厳しくなって、売却する際には苦労するかもしれません。

尚。不動産業者の分譲した戸建住宅は、建築確認取得後で無いと広告・販売が出来ませんので、最低限の資料は収集できると思いますが、注文住宅として建築した戸建住宅は、案外過去の資料がない場合がありますので、注意が必要だと思います。

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不動産人/大阪のホテル客室42%増(2020年末予想)

訪日外国人4000万人は絶対目標です!

昨年、来阪外国人客数が1000万人超で日本に来る外国人観光客の1/3は大阪に来ているわけです。ミナミの繁華街などは平日の昼間でも観光客でいっぱいですし、今では飲食店の店員さんも外国人スタッフは当たり前です。

元々、大阪はホテル自体が少ない所だと言われていましたが、ここ数年間は大阪市内のまとまった坪数の土地は、ホテル用地として売却されることが多いですね。

マンション用地やビル用地と比べて、ホテル用地だと坪単価が1.5倍とか全然違ってくるからです。事業用不動産の取引をリードしてきたのは、ホテル売買とその用地です。

売り土地は不動産取引できれば一件落着ですが、新たにホテルを建てて運営するとなると色々な職種の人の協力が必要です。
収益マンションと違って、ホテル経営は運営会社の腕次第で経営が上手くいくか、そうでないのか大きな差がありますから。
それに今でも人手不足で、受付、ベッドメイク、清掃、飲食サービスなどの仕事をするスタッフを確保するのが大変だそうですから、これから先の人材確保はホテル業界の大きなテーマです。

2020年末時点で、(16年末対比)大阪では2万1000室増、42%増の予想だとか・・・いっぱい新しいホテルが完成するのです。
2020年の政府目標である訪日外国人4000万人は絶対死守しないといけません。

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不動産人/近未来リスク

昨日は株価が今年一番の大幅値下がりでしたが、どう考えても安倍政権の株式相場を下げない政策があっての高値相場だと思っている人は多いのではないですか?
米国や欧州でも景気は良くなってきていて、低金利政策をそろそろ見直そうとしているようで、金利を少しずつ上げようとしているようです。

日本の政府も今の景気は、成長率は無茶苦茶低いのですが、息だけは長い回復を続けているという見解を示していますので、比較的近い将来、金利を上げるタイミングを模索し始めてるのじゃないですかね。
不動産相場は、金利が上がるとか、融資が厳しいとかいうのは、そのアナウンス効果だけでも影響は大きいものです。

「景気の気」は気分とか気持ちだって言うじゃないですか。

低金利は不動産投資にとって追い風ですが、金利が上がるというのは景気を冷やす側面がありますので、不動産の動きにとって向かい風です。
過去2~3年間の不動産価格は好調に上昇しておりましたが、その大きな理由に低金利と融資審査の緩さがあったことは明白です。

その逆の流れもあるということですね。

一般的にローンは変動金利の元利均等で組んでいる方が多いのと思いますから、少しぐらい金利が上がったとしても、当面の返済額は変わりませんが、利息と元本の比率は変化しています。

利息が増えて、元本が減ります。
これが隠れたるリスクとなります。
仮に5年後になにかしらの理由で、物件を売却することになった時に、意外と元本が減っていないことに気がつきます。

最悪のケースは、売却する物件の価格が元本を下回っている場合です。
手持ちの現金使わないと、銀行の抵当権抹消できませんからね。
そうならないように、頭の片隅に置いておくことは結構大事なことです。

《寄り道》

(1)借入額2000万円 返済期間20年 借入金利2%

★金利総額428万2400円

(2)借入額2000万円 返済期間20年 借入金利3%

★金利総額662万685円

■仮に金利が1%違うと、毎月の返済額は9743円違ってきます。この場合の返済利息総額は、233万8285円違ってきます。

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不動産人/相談できる不動産屋さん

不動産業者は正式には、「宅地建物取引業」という名称です。
5人に一人の宅建取引士を常時置いておく必要がありますので、社長さんが宅建持っていなくても、80歳過ぎたお爺さん雇って不動産屋している人もいます。

 

表向きには判り難いのですが、例えば「仲介」しておりますって言っても、何をどうしているのか判り難い業界です。
一番判りやすくて最も身近な不動産業者は、テレビでコマーシャルしているような(居住用の)「賃貸」業者さんです。
個人のお客さんを集客して、“住まい”を斡旋する仕事ですが、法人相手に“社宅”を中心に仲介している業者さんもいます。
それにプラスして、個人住宅の「売買」仲介もする業者さんもいます。

それに対して、「事業用」不動産仲介を本業にしている不動産業者がいます。
大阪市内だと、北区や中央区など市内中心分部のビルの1階とかではなく、上の階に事務所を構えていたりします。
「事業用」の中でも、「賃貸」と「売買」があって、(事業用の)「賃貸」でも“店舗”や“事務所”に特化して営業している不動産業者もたくさんいます。

(事業用の)「売買」の仲介を生業にしている業者には、”一棟売収益マンション・建売用地・物流倉庫・・・“などと幅は広いものです。
ただ長年、事業用売買を生業にしていると、自分の得意分野以外でも一通りはこなせるようにはなりますので、ホームドクター的な位置付けでしょうか。
それぞれの得意分野によって営業手法や客層が違いますが、実務的な能力は経験とともに身についてくるものです。
ですから、事業用不動産の問題について誰に相談しようかと困った時は、まず窓口として安心できる不動産屋さんが1社いれば心強いものです。

勿論、「南森町不動産」までご一報いただければ有難いことです!

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不動産人/営業スタイルの話

最近では見掛けなくなったのですが、大柄の縞の背広に、燃費の悪いアメ車、大きな声の大阪弁・・・一昔の不動産業者ってこういうイメージがありました。
さしずめ「ナニワ金融道」に出てくるような感じでしょうか。

近頃の不動産業者さんは、平気で国立大学とか四私大とか卒業していますし、外国語の出来る人も珍しくありませんから、確かに頭はクリアーですよ。
パソコンの操作なんかお手の物ですし、物事の理解もすごく早いですよ。
ただ、個人的に感じているのは「淡白」な感じがしますね。
昔の営業マンの良いところで、「粘り」とかありましたけどね。

営業の仕事は、楽しいことばかりじゃないですし、理不尽なことにも遭遇しますけど、それも含めてその経験があると、他人のことがより一層理解できるようになる筈です。

若い時の営業スタイルの典型的なものに、「飛び込み」営業があります。
不動産業界でも、半ば死語になりつつありますが。
中高年になって全く知らない会社や、個人宅に飛び込みするのは抵抗がありますし、飛び込まれる方も違和感あるのじゃないですか。
「飛び込み」営業って、辛いものですし、『こんなことしててもイイのだろうか?』『無駄じゃないの?』って思ったりもしますが、後々になって振り返ると「あ~そうなんだ!」って思える時があると思いますね。

多少なりとも、人見知りしなくなるとか、跳んでもない人と出合っても動じない神経が備わるとか、言葉遣いに無駄がなくなるとか、いろいろあるんだと思います。

いろんな年齢層の人や知らない人と相対すること自体に得るものも多いし、何よりも自分を発見できるような気がしますね。

若い営業マンや営業レディの皆さん『若いうちに“恥”と“けつ”は掻きなはれ』っていう歌もありますし、頑張ってください!!

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不動産人/六根清浄(ろっこんしょうじょう)

『六根清浄』・・・「欲や迷いを断ち切って、心身が清らかになること。」の意だとか。
今日は何故かそんな心境であります。

実は昨日のこと、年末に提出していた「買い付け証明」の返事が売り主側の仲介業者からあり、最終的に当方の買い主様には断念することになりました。
3億円超の一棟売マンションで、買主様の事務所から歩いていける距離にある物件だったので、ご本人も融資特約もなく満額(言い値)での「買い付け証明」提出だったのですが、詳しい理由は分かりませんが、売主様が「別の購入者さんに売ることになる」という返事でした。

その旨を買い主様にお伝えして、「また、別の物件でお世話になりたいと思いますので、宜しくお願いします」と、今後の努力を誓ったのでした。
買い主様も、気持ちよく理解していただいたと思い、私も年末からずっと引き摺っていた気持ちに区切りがつきました。
結果は残念ですが、また前向きな気持ちが湧き上がったので、自分の心境としては『六根清浄』ということであります。

不動産仲介の世界は、例え商談が10件あっても10件すべて成立するわけではないので、気持ちの切り替えが大事です。
でも、なかなか難しいことでもあります。

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不動産人/”正当事由”とは何か

「正当事由」とは、賃貸人(家主)から賃借人に契約違反がないけれども、賃貸借契約を終了させることができる理由のことです。

要するに、「正当事由」とは、賃貸人(家主)に賃貸借契約を終了させる「正当な理由」という意味です。
最もオーソドックスな理由は、賃貸人が貸している建物を自分で使う必要があるという場合です。
居住用物件の場合、他に住むところがなくてどうしても貸している建物に住まなければならない場合、事業用物件の場合、商売の都合でどうしても貸している建物を使いたいというような場合も「正当事由」だと考えられます。
また、貸している建物が老朽化して危険なので建て替えをしなければならないとかいうのも「正当事由」でしょう。
しかし、「正当事由」は、このような賃貸人側の一方的事情だけで決まるものではありません。賃借人(入居者・テナント)にとってその建物は、家族が生活する自宅だったり、営業の拠点だったりしますので、賃借人は、その場所を借りていなければならない都合があるわけですから。賃貸人側にとっての「正当事由」があるということであっても、賃借人側の都合も同じくらい重要な理由があります。
ですから、賃貸人(家主)側に「正当事由」があっても、通常は賃借人(入居者やテナント)に対して、「立ち退き料」として金銭的な解決をする必要はありと考えます。

≪寄り道≫

ある賃借人の方からのご質問です。
『お借りしている分譲マンションの家主さんから、「自分が今住んでいる分譲マンションに建て替え計画があって、そちらに住みたいので半年後に退去して欲しい」という手紙が着たのですが、退去しないといけないのでしょうか?』というのがありました。

内容的には「正当事由」だと思われましたが、念の為、家主さんの住んでいる分譲マンションの管理会社にそのような建替え計画があるのか問い合わせをしてみました。
答えは、「確かに築年数が経っていて、そのような話はあるのですが、実施するかどうかまでは決まっておりません」とのことでした。
つまり、家主さんは嘘をついていた訳です。
後日、本当の理由が判かりました・・・家主さんにお金が要る都合があり、「売却するなら空家にしてから売却するほうが高く売れる」と不動産業者から言われて、そのような嘘をついたとのこと。
家主さんと入居者の人間関係に亀裂が入り、結局、居付きのまま売却することになって、しばらくして「家主変更の通知」が届いたそうです。

 

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不動産ナマ知識/事業用不動産の価格査定

事業用不動産を売却する場合、売主は様々な理由があっての決断があるはずです。
失敗は許されません。

個人の戸建住宅や分譲マンションなら、その多くは比較的近くに取引された事例があるので、だいたいの相場はわかります。
また、パソコンで“土地総合情報システム(国土交通省)” http://www.land.mlit.go.jp/webland/や民間の一括査定サイトなどでも大雑把な相場感を掴むことはできます。

事業用不動産の場合は、小規模とか大規模の物件に関わらず個人住宅よりは査定は多少複雑ですが、不動産の査定方法は「取引事例比較法」「原価法」「収益還元法」の3種類で変わりはありません。

ここでも主として「取引事例比較法」がメインであることは同じですが、それに他の査定方法を加えて調整を図ります。

さらに、現地の調査をしなければ本当の査定は出来ません。
仮に、机上で5000万円と算出された物件でも、現地へ行くまでの環境やその道中の接道状況、建物や設備の実際の状態などで、プラスマイナスが生じます。

不動産は全く同じ物件は絶対にありません。

また、役所調査も必要ですね。
建物の検査済証を紛失している場合の建築概要書の入手、前面道路の種別(市道・府道・国道・私道など)や幅員、上下水道の引き込み状況の確認などは価格査定の時にやっておかないと、買主に説明が出来ませんから。

また、収益物件の査定には「収益還元法」の考え方も考慮しますが、現在の入居者の入居日・現家賃の確認・滞納の有無・保証金の返還債務の確認などの資料を知った上で売り値を査定しなければなりません。
建物の修繕履歴も、価格査定には大切な資料です。

長年の間、事業用不動産として活用していた物件も、場合によっては解体したほうが売却するのに有利だという物件もあります。
最近では、古いビルやラブホテル、倉庫なども売却後そのまま使うのではなくて、他の用途の建物を計画して古年物件を購入する買主も増えています。

その場合は、「原価法」を利用して、売主に対しては“更地価格-建物解体費用”して売却物件の査定をすることになります。
でも、結果として建付け地の状態よりも、高く売却できることもありますし、実際に建物を解体するのではなく、その想定で売却価格を査定することもできます。

最後に、最も大事なことがあります。
不動産仲介業者にとっては、査定金額はおおむね3ヶ月で買主を見つけることが出来るものだとされていますが、売主が少し高めにして欲しいと言われる場合があります。

売主がそういうお考えならば、なんの問題もありませんので、売る時期の調整や、売主様の真意を仲介業者にお伝えください。
信頼できる仲介業者は、チャンと売主様の意を汲んでサポートしてくれるはずです。

≪寄り道≫

以前、購入いただいた一棟売マンションを10年経ったので、売却するというお話を戴いた時のことです。
売主様のご希望金額を聞いて、「もう少し高く売れますよ・・・」って申し上げたのですが、「いや、金額はこれでイイから、早く売って欲しいので」とのこと。「出来れば、1ヶ月以内に売りたいので」と。(其のわけは判りませんが・・・)
“1ヶ月以内“というのは、なかなか無い経験ですからね。その時はギリギリ1ヶ月で決裁まで完結致しましたが、レアな経験でした。
もの凄く緊張したのを覚えていますね。

反対に、仲介業者の中には、物件を任せてもらう為に査定時点では明らかに高めに査定しておいて、他業者を排除してから、暫く経って金額の変更を申し入れる輩もいます。
『高く売ってくれるンだ!』って喜んでばかりはおられません。
知名度バツグンの大手不動産業者だから絶対に安心だとはいえません。

あまりにも高めの金額で市場に放しておくと、業界用語で「さらしもの」といわれて、売るのに余分な労力を要する場合がありますのでご用心ください。

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nozawa@minamimorimachi.jp