昨年にあった実体験のお話です。
投資用マンションの売却の依頼があって、無事に取引も終了しました。
ひと月ほど経ったころ、買主様から電話があり「マンション管理会社」から”修繕積立金の値上げ”のお知らせが来たとのこと・・・
売買契約前に重要事項説明書を作成した際、「マンション管理会社」に「重要事項に関わる報告書」の費用を払って申請し、管理費や修繕積立金の値上げ予定や、検討中の有無を確認していますので、その時点では修繕積立金の値上げについては、関係者全員知る由もありません。
内容を聞いてみると、契約後数週間経った頃、「マンション管理会社」に一人の理事から修繕積立金の見直しを希望する話が出たそうです。
それで、「マンション管理会社」の担当者は翌月に開催される総会に議題として取り上げたとのことです。
議題としては各組合員に郵送で通知して、翌月の総会で可決され、約4ケ月後の修繕積立金から月額2340円アップするという結果を各組合員に郵送で報告したということです。
この可決された報告書が届いた時は、当該物件の売買取引が決済した後で売主さんも報告書の内容は認識していなかったとのことです。
※一連の流れは下記一覧表にて
買主さんは売主の通知義務違反だと言ってこられましたが、どうなのか微妙な問題です。
確かに、総会前に修繕積立金のアップが議題にあったのであれば、買主に知らせるべきだったので、その点はお詫びが必要でしょう。
実際には、この手の通知文を熟読している投資用マンションの所有者は少ないと思います。
決済前に行われた年一回の総会には、売主さんは遠方にお住まいだということもあり委任状を出して出席していません。
総会の結果には従わなければなりませんが、決議内容が送られて着たのは、既にマンションは人手に渡った後のことです。
ここで問題だと思うのは、「重要事項に関わる報告書」を提出後、修繕積立金の見直しを数週間で議題にまでした「マンション管理会社」の手続きと、総会に至る事務処理をしたというもの凄いスピードです。
修繕積立金はマンション共用部の大規模修繕を計画して、施工する部分の費用を見積もって、各年度や各組合員に案分して金額を算出するものです。
場合によっては、施工会社に費用を再度見直したりする作業も必要ですので、かなり時間と手間を要する作業です。
この「マンション管理会社」はその作業を、半月足らずで算出してひと月程で総会で可決したというのだから到底まともなものとは思えません。