不動産ナマ知識/「不動産投資家」は「宅建免許」が要るのか?

いわゆる「不動産投資家」と言われる方、サラリーマン・自営業者や会社経営などの事業者として本業をお持ちでサイドビジネスとして区分所有のマンションや一棟の収益マンションを所有している方で、昨今の不動産投資ブームで複数の物件をお持ちの方も珍しくありません。

2~3件所有すると、今度は税務上の「事業」として認知される「5棟10室」基準にしとこうかと言う気にもなるものです。

多分、年金代わりとか保険にもなるとか本で読んだり、セミナーで言われたりして、インカムゲイン(賃料収入)節税効果の次にキャピタルゲイン(売却益)を狙いましょうなんて教えられていませんか?

宅建業法では、「業として行なう」場合は、宅地建物取引業の免許を取得しなくてはならないものとして次の要素を挙げています。

※総合的な判断で決めるということですので、どれかひとつでも当てはまるとアウトって訳ではありません。

  1. 取引の対象者が、広く一般の者を対象に取引を行う者。

  2. 利益目的とする者。

  3. 自ら使用する目的や相続による取得ではなく、転売目的で取得した者。

  4. 自ら販売する者は事業性が高い。

  5. 反復継続的な取引を行う者。

 

副収入目的のマンション購入や、相続税対策のアパート経営に留まっていれば単なる大家業です。

特に複数の物件を所有している方は、そろそろ売却益が見込まれそうな時に、ひとつふたつと売却するとなると「無免許業者」扱いとなるのですが、それは厳密に言えばの話であります。

法人で不動産投資しているとか個人であっても相当数の取引実績があればアウトでしょうが、そうでなければスルーしちゃいますよね。

ということで、理屈っぽい話になってしまいましたが、今のところは問題ないということでありましょう。

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不動産ナマ知識/「事故物件」と「告知義務」

「事故物件」って交通事故とかいう意味じゃなくて、その物件(土地や建物)で殺人事件や火事があったりしたことのある物件のことであります。
但し、その物件で病死(自然死)したりした場合は、「事故物件」とは言いません。
建物であれば、オフィスビルであっても、一戸建て住宅でも同じです。
土地の場合は、既に更地になっていても以前建っていた建物の中で自殺や殺人、転落死があったとすると「事故物件」扱いをすることになっています。

 

宅建業法第47条1項に「故意に事実を告げず、又は不実のことを告げる行為」は禁止されていますので、「事故物件」は告知義務がある事項となっています。
勿論、仲介業者にだけ「告知義務」があるのではなく、売主にも「告知義務」がありますよ。

では、そのことをいつ購入者や賃借人に伝えればいいのか?

昨日、知り合いの業者さんがお客さんにオフィスビルを買ってもらうことになって、重要事項説明書を作成していたところ、売主から「実は今、倉庫になっている部屋は6年くらい前に自殺があったところです。」と伝えられたという話を聞きました。

通常、売り物件であれば「物件概要書」という大よそのことが判る物件説明書に、「告知事項あり」と記載されていることが多いのです。

この「告知事項あり」って何かと尋ねると、「転落死した人がいる」とか「火事があって、台所が燃えたことがある」とか告知事項を知ることができるというわけです。

そういう事からしても、売主・買主双方の契約金額の合意があった後に、「昔に自殺があった・・・」なんて言われてもどうかと思いますよね!
日本で自殺する人は年間3万人くらい居る状態が続いていますが、そのうちの半数は自宅で亡くなっているらしいので、勤め先で亡くなる人は比率としては少数ですが。

不動産取引は売主と買主は利益相反関係だと言われているのですが、不誠実な態度は結果として不信感を招きますので、もし「事故物件」をお持ちの方も早めに仲介業者にそのことはお話して下さいね。

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不動産ナマ知識/小規模宅地の特例の改正・・・平成30年4月1日以降

小規模宅地の特例は、相続時の土地の評価が下がる制度です。
自宅の土地は・・・330㎡まで80%減
賃貸住宅の土地は・・・200㎡まで50%減
事業用の土地は・・・400㎡まで80%減になります。

今年度からそれぞれについて適用される要件が厳しくなっています。

相続税の節税対策に不動産を使う方法はいくつかありますが、単純に現金を更地のなど不動産に替えるだけでも、節税効果はあるものです。
それを収益用マンションなどの一棟収益物件を現金で購入した場合、その土地は小規模宅地の特例を受けるとすると、さらに相続税評価が下がります。

購入時に銀行から借入した場合は、負の財産としての節税効果も期待できます。
で、相続が終わってそそくさと一棟マンションを売却して再び現金に戻す人が目立ったせいでしょうか。

この4月以降はこの手の節税対策が少しダメになりました。

平成30年4月以降で、相続開始前3年以内に賃貸マンション経営を開始した土地は、小規模宅地の特例を受けられなくなりました。
平成30年3月31日前に事業規模(いわゆる5棟10室規模)で賃貸経営していた方や、4月1日前に賃貸経営していた土地については、特例措置が受けられます。

細かい点は個々に税務署や税理士さんに聞いたいただきたいのですが、おおまかな点では”3年の縛り”があるということを覚えておきたいものです。

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不動産ナマ知識/賃貸マンションと孤独死について・・・その3

今朝の朝日新聞の一面トップで、2045年推計人口の記事が載っていましたが、43道府県で20%以上が75歳以上になるそうです。(社会保障・人口問題研究所)
14歳以下の割合は全都道府県で低下するとのこと。

 

年齢が高いから孤独死が増えるという単純には言えないけれど、今後高齢者の単身世帯が増えることはほぼ間違いないので、孤独死の問題は賃貸マンションオーナーの皆さんにとっても他人事ではありません。
入居者の方が病院で亡くなっても、室内の残置物をどう処分するかで困ったことはありませんか?
身内の方が遠方であったり、疎遠であったりして、その後始末に思いの外時間と労力を使うことになることもあります。

ましてや、室内で亡くなったり、孤独死が起こったりすると、現実の問題として費用負担の問題が家主さんに降りかかってくる可能性があります。

本来の費用負担は、賃貸借契約上の賃借人の地位も相続の対象となりますので、法定相続人や保証人、家賃保証会社ですが、相続放棄や保証金額の限度があったりすることもあります。

特に、発見までの日数が掛かると、特殊清掃室内の内装工事に保険では賄いきれない費用(下記参照)が発生する可能性もありますので、気をつけたいものです。

 

次に問題となるのが、その部屋が「事故物件」扱いとなり、次の入居者募集に告知義務が発生するので、賃料の値下げ、また、長期間の空室、近隣の部屋の退出があると大家さんの収入自体が減少するわけです。

※事件が起こると、改修工事として水周りキッチン・お風呂など費用の掛かる設備の交換、臭い強烈な汚れなどの程度によって発生する費用は大きく変わってきます。

空室率が高まってきていますが、出きるだけ身元のしっかりした人、保証人や家賃保証会社を付けて入居者募集の段階で安易な妥協することは避けたいものです。また、賃料の滞納や、水道光熱費の増減にも注意することも賃貸マンションオーナーにとってのリスクヘッジになると思われます。

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不動産ナマ知識/賃貸マンションと孤独死について・・・その2

賃貸マンションと孤独死について・・・その1

【孤独死の死亡原因】

死亡原因については、病死が圧倒的に多くて約60%、自殺は約12%です。

病死は自然死ですから止むを得ないのですが、家主さんにとって大問題なのは自殺とか殺人です。
自殺については、元々男性の比率が高かったのですが、一昨年は11ポイント、昨年は8ポイント、今回は5.1ポイントと徐々に女性が男性の方に近づいている傾向が見られます。

死亡が発見されるまでの日数は、平均で17日ですが、3日以内に発見されるのは女性が男性よりも11ポイント程高いということが目を引きます。
30日以上経ってから発見されるケースも、16.5%と結構な数字です。
また、4日以上経過してから発見される数字は男性の方が多いようです。

死亡を発見する人の属性は、不動産管理会社やオーナーが27%で最も多いのですが、郵便物の溜まっていることに気が付いたり、家賃の支払いがないことで孤独死を発見するからでしょう。
30日以上と発見が遅いケースでは、異臭による通報が増えていますが、人との付き合いが本当に少なく孤立している様子が感じられて悲しい気持になります。

後は、福祉関係の訪問時、親族や友人などですが、親族・友人については男性が約30ポイントに対して、女性が約41ポイントで、ここでも女性の方が、ご近所や友達とのコミュニケーションが日常的に取れていることがわかります。

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不動産ナマ知識/賃貸マンションと孤独死について・・・その1

大手の保険会社協会が「孤独死現状レポート」を発表しました。

一般社団法人日本少額短期保険協会

第3回「孤独死現状レポート」

今までは高齢者というと「65歳以上の人」という位置づけですが、既に日本で100歳まで生きる人が6万7千人超になっていて、70歳から年金受給する案なんかもありますから、いくつからが高齢者か分かり難くなっています。

孤独死の問題は、賃貸マンションの家主さんにとっても気になる問題なはずです。
貸しているお部屋で、孤独死が発生すると、引取り人の問題とか、原状回復の費用、新規に募集する際の条件の見直しが必要になったりするからです。

そのようなことも念頭に置いて、孤独死の問題を先のレポートを読みながら3回に分けて考えてみたいと思います。

【高齢単身者の入居者】

レポートによると、孤独死した人の平均年齢は男性59.7歳、女性57.8歳です。
日本の平均年齢よりも男性で20歳、女性で29歳若いことになります。
それでも、孤独死の年齢層からすれば60歳代が多いのですが、女性に限ると30~40代の合計はかなり多いのが特徴的です。

賃貸住宅の男女比率は6:4ですが、孤独死の男女比率は8:2と圧倒的に男性が多い。このデータからすると、60代以降の男性の単身者が一番イメージに近いですね。

自分のことを考えてみても、親戚・ご近所のお付き合いは女性のほうが上手です。
たぶん、仕事をしなくなった男性は孤立しやすいと言われていますが、それも一因だと想像できます。

孤独死の発生する理由の一つに、単身世帯の増加がありますが、2035年には3世帯に1世帯が単身世帯になると予想されていたりします。
中でも高齢者の賃貸マンションの入居者の比率もドンドン増えるはずですから、家主さんにとって高齢者の入居者を避けて通ることは難しいということです。

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不動産ナマ知識/重要事項説明に関するトラブル

重要事項説明については、買主や借主がプロの不動産業者であっても、契約前に重要事項説明をすることになっていたのですが、平成29年4月より変更がありました。

「不動産業者が土地建物の買主や借主になる場合は、重要事項説明を不要とし、その書面を交付することで足りるものとする。」ということになりました。
勿論、従来通りに対面して説明をしてもイイのですが、もし、説明そのものを省く場合は、「重要事項説明書の交付の際に、説明を行わないこと」を明記する必要があります。

不動産業者以外の買主・借主にとっても、契約前の重要事項説明はとても大事なのですが、私の経験からすると”どの部分が大事なのかよく分からない”ということもあるからでしょうか、どうも熱心に聞いている方ばかりでも無さそうです。

重要事項説明書の内容は総じて大事なものではありますが、その内容は下記の2つについて書いてあります。

①取引対象の土地や建物に関しての重要な事項
②買主や借主にとって、契約する内容について重要な事項

不動産取引のトラブル事例の一例ですが・・・

「買った土地が想定していた建物が建てることが出来ないと購入後に分かった」

「前面道路の説明に間違いがあった」

「隣接地への越境物の告知義務違反」

「物件の瑕疵や不具合に付いての説明不足」

「収益マンションの入居者の賃貸条件についての相違がある」

「契約解除の際の、手付金の返還は?」

 

その他いろいろなトラブルがありますが、
①の物件に関する問題については、買主・借主が重要事項説明書に記載されている内容を聞いていたものと、後日その内容と現実が相違していれば、売主や仲介業者に非があることになります。

②の契約に関する問題については、引渡しが遅れた時、契約違反、解約、持ち回り返還金の扱いなど、一般の買主・借主が慣れていない場面に出くわした際に揉める事柄です。

重要事項説明書の説明を聞くときに大事なのは、分からないことがあったときには、早く済まして帰りたいなどと思わず、こんなこと聞いて恥ずかしくないかなと思わずに、説明している宅地建物取引士に対して質問することが重要だと思う次第です。

これがトラブルに出会わない方法の最初の第一歩です。

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不動産人/誇大広告&禁止用語

不動産を販売するために一般に広告すること、またお問い合わせや商談において、使ってはいけない言葉・用語があります。

これは、いわゆる「嘘」とは違うもので、『抽象的な表現を使うことによって、お客様に誤認を与えるような表現』であります。
そのような表現を話したり、使ったりすることは禁止されています。

使用が禁止される用語は、

① 完全、完ぺき、絶対

② 日本一、抜群、当社だけ

③ 特選、厳選

④ 最高、最高級など最上級を意味する言葉、

⑤ 格安、堀出、土地値、

⑥ 完売、など

凄く人気が高く、買ってお徳だということを過度に強調する言葉です。
また、商談の中で「購入後、転売しても儲かる」とか、「今は空室ですが、すぐに入居者が入りますから」などの、裏付けの無い、いい加減なセールストークも禁止です。

反対に言えば、購入者の方にとってそう言われると、気分も良くなるし購入意欲が増すってことです。不動産業者の方からすると、「入居者ですか?決めるのにはだいぶん時間が掛かりますね」とか、「購入しても、次ぎ売るときは絶対この金額では売れないと思います」なんてマイナスの表現は使わないです。

”チャンとした表現方法”って意外と難しいのかも知れません。

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不動産ナマ知識/キャッシュフローが大事です!

“不動産投資”って、要するに「大家さん」になることです。

赤字でいいから「大家さん」になろうとする人はいないでしょう。
仮に不動産投資の目的が、「相続対策」であったとしても毎月の収入より出費の方が続くとなりと手持ち資金がドンドン少なくなって、何をしていることか分かりません。
それだったら、寄付した方が良さそうです。

一棟マンションでも、区分マンションや店舗など収益用不動産の種類はたくさんあるのですが、不動産投資のメリットを謳うセールストークとして、「損益通算」「減価償却」『節税効果』、不動産の「相続税評価が現金よりも低いこと」に加えて、ローンを組んで意識的に「負債」を持つことによる『相続税対策効果』があります。

 

この『節税効果』『相続税対策効果』を享受するためにも、まずはキャッシュフローのことを知っておくべきだと思っています。

キャッシュフローは、現金収入から現金支出を差し引いて手元に残る資金の流れをいいます。
だから、差し当たり“減価償却”や“金利”のことを詳しく計算する必要はありません。
まずは、投資前なら予想収支表、すでに投資後であれば確定申告の内容を見ての状況確認からです。

まず、不動産投資の場合、「減価償却費」は利益が出ていれば差し引くことが出来ますが、ローン返済額の内、元本は経費として扱えませんので、通帳から金融機関に戻っていくだけです。

“返済元本“「節税効果」には寄与していないのです。
「減価償却費」も、最終的に物件を売却する際には購入金額からその分を差し引いて原価とするので、差し当たり”売却益の先取り”という側面を持っています。

「損益通算」もかつては、現在の建物の金利だけではなく借りた金額に対しての金利全部を経費として利益を低減させ、他の所得と「損益通算」出来たことに比べると随分『節税効果』は低くなりました。

国税はいろいろな『節税効果』がブームになると、モグラ叩きのように“節税する穴”を塞いでくるのです。

『相続税対策』で建てたアパートや賃貸マンションに思ったほど入居者が確保できないケースは大変で、キャッシュフローが赤字なんてことがあれば大変なことです。反対に、満室稼動で順調に収入があると、今度は現金が通帳に溜まってしまい、次の『相続税対策』に取り掛かるなんていうこともあるので、嬉しいことですが結果的に税金対策になっていないケースもあります。

キャッシュフローを健全する方法は、まず入居者の確保、ある程度の資金が確保できた段階でローンの一部返済を試みることが考えられます。
個々のケースで違いますが、比較的長期間投資物件を保有しておられる方は、売却する際にはローンがかなり少なくなっているのですが、意識的にローンの一部又は全部の返済をされていることがよくあります。
当たり前ですが、毎月の返済金額が少なくなると、毎月の手元資金が多くなります。
『節税効果』に一定の限界があるのなら、資金回収に勤しんでもイイのじゃないですか?

不動投資の利回り効果はまだ、ほかの金融商品と比べても負けてはいないと思いますが、回収した資金を株式投資や生命保険などに使ってもいいと思いますよ。
特に長期間のローンを組んでいると、(元利均等だと)元本は中々減りません。
ローンで塩着けの時のようなレバレッジ効果は得られませんが、多少税負担が増えても資金の自由度は増しますし、いざという際の売却時の決断にも寄与できるからです。

超低金利も永遠には続きませんから・・・

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不動産ナマ知識/事業用不動産の価格査定

事業用不動産を売却する場合、売主は様々な理由があっての決断があるはずです。
失敗は許されません。

個人の戸建住宅や分譲マンションなら、その多くは比較的近くに取引された事例があるので、だいたいの相場はわかります。
また、パソコンで“土地総合情報システム(国土交通省)” http://www.land.mlit.go.jp/webland/や民間の一括査定サイトなどでも大雑把な相場感を掴むことはできます。

事業用不動産の場合は、小規模とか大規模の物件に関わらず個人住宅よりは査定は多少複雑ですが、不動産の査定方法は「取引事例比較法」「原価法」「収益還元法」の3種類で変わりはありません。

ここでも主として「取引事例比較法」がメインであることは同じですが、それに他の査定方法を加えて調整を図ります。

さらに、現地の調査をしなければ本当の査定は出来ません。
仮に、机上で5000万円と算出された物件でも、現地へ行くまでの環境やその道中の接道状況、建物や設備の実際の状態などで、プラスマイナスが生じます。

不動産は全く同じ物件は絶対にありません。

また、役所調査も必要ですね。
建物の検査済証を紛失している場合の建築概要書の入手、前面道路の種別(市道・府道・国道・私道など)や幅員、上下水道の引き込み状況の確認などは価格査定の時にやっておかないと、買主に説明が出来ませんから。

また、収益物件の査定には「収益還元法」の考え方も考慮しますが、現在の入居者の入居日・現家賃の確認・滞納の有無・保証金の返還債務の確認などの資料を知った上で売り値を査定しなければなりません。
建物の修繕履歴も、価格査定には大切な資料です。

長年の間、事業用不動産として活用していた物件も、場合によっては解体したほうが売却するのに有利だという物件もあります。
最近では、古いビルやラブホテル、倉庫なども売却後そのまま使うのではなくて、他の用途の建物を計画して古年物件を購入する買主も増えています。

その場合は、「原価法」を利用して、売主に対しては“更地価格-建物解体費用”して売却物件の査定をすることになります。
でも、結果として建付け地の状態よりも、高く売却できることもありますし、実際に建物を解体するのではなく、その想定で売却価格を査定することもできます。

最後に、最も大事なことがあります。
不動産仲介業者にとっては、査定金額はおおむね3ヶ月で買主を見つけることが出来るものだとされていますが、売主が少し高めにして欲しいと言われる場合があります。

売主がそういうお考えならば、なんの問題もありませんので、売る時期の調整や、売主様の真意を仲介業者にお伝えください。
信頼できる仲介業者は、チャンと売主様の意を汲んでサポートしてくれるはずです。

≪寄り道≫

以前、購入いただいた一棟売マンションを10年経ったので、売却するというお話を戴いた時のことです。
売主様のご希望金額を聞いて、「もう少し高く売れますよ・・・」って申し上げたのですが、「いや、金額はこれでイイから、早く売って欲しいので」とのこと。「出来れば、1ヶ月以内に売りたいので」と。(其のわけは判りませんが・・・)
“1ヶ月以内“というのは、なかなか無い経験ですからね。その時はギリギリ1ヶ月で決裁まで完結致しましたが、レアな経験でした。
もの凄く緊張したのを覚えていますね。

反対に、仲介業者の中には、物件を任せてもらう為に査定時点では明らかに高めに査定しておいて、他業者を排除してから、暫く経って金額の変更を申し入れる輩もいます。
『高く売ってくれるンだ!』って喜んでばかりはおられません。
知名度バツグンの大手不動産業者だから絶対に安心だとはいえません。

あまりにも高めの金額で市場に放しておくと、業界用語で「さらしもの」といわれて、売るのに余分な労力を要する場合がありますのでご用心ください。

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