不動産人/『事故物件』の話

殺人、自殺、孤独死、無理心中……などの死亡事故が起きた「事故物件」に住み続ける芸人の話として、映画『事故物件 怖い間取り』が上映されます。
内容は詳しくは知りませんが、要するに怖い話なんでしょうか。
ちなみに、主演は「亀梨和也」というからきっと若者向けなんでしょう。

私自身は今までに事故物件を取扱いしたことはなかったのですが、先週に警察署から連絡があり、2年前に入居契約して頂いた方が孤独死をされたということがありました。
生活保護受給者で、ご親戚も疎遠であって寂しい限りです。
この方の場合は、区役所と警察の方でご遺体を引き取られて、ご葬儀を済まされることになりました。
少し遺品があるみたいですが、遠縁の方が受け取らなければ家主側で処分することになりますが、そのご親戚の方に電話で事情をお伝えすると「考えて連絡します…」ということでしたので、まだどうなるのか決まっていません。
また、家賃保証会社に加入していたので連絡を入れました。
生活保護も家賃保証会社も死亡すると同時に契約は打ち切られます。

相続人や親戚の引継ぎが無ければ、室内の原状回復費用も全て家主さんの負担で処理しなければなりません。
不動産業者としても、このお手伝いは気が重い仕事です。
通常のリフォームとは違い、特別清掃なる撤去費用・処分代金などはやはり大きな負担ですし、室内を換気する期間も数日というわけにはいきません。
次の入居者を探すのにも、当初は割安な家賃設定をするべきでしょうし、仮に売却するにしても同じく割安な価格になります。

『事故物件』っていうには、かなり重い心理的なダメージがありますが、上映される映画の”どこか軽いイメージ”と違い、”家主さん”にとっては物凄い負担があるということだけは知っておいて頂きたいですね。

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【もうひとつの『事故物件』の話】

森友学園の国有地値引きで、公文書改ざんを強要され命を絶った財務省近畿財務局の赤木俊夫さんの妻、赤木雅子さんのロングインタヴューが大阪日日新聞(8月29日号)に掲載されていました。元NHK記者の相沢冬樹さんが大阪日日新聞社の編集局長に着いて、赤木さんの裁判の記事や雅子さんの心情を取り上げているので、全国紙とは違って内容はかなり細かいものになっています。(ちなみに、大阪日日新聞は無料で配られている新聞で、広告料で経営している。)

「実家の支え」という箇所で、ご主人が亡くなって雅子さんが実家に帰り、母親とお兄さん一家(男の子3人)と暮らしていた時のことが書かれています。

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一番下の小学5年生だった子が「まあちゃん、こういう時はな、お笑い番組見たらいいんやで」って言ってくれて、番組を録画してくれて。その子は自分の見たい番組とかいっぱいあるじゃないですか。なのにね、部屋に連れていってくれて、それで一緒にお笑い、「千鳥が好きやろう」って言って、それをわざわざ録画してくれてて、一緒に見てくれたんですよ。

(中略)そしたらね、真ん中の子がね、急になんか様子がおかしくなったんですよ。
で、下の子に「もうちょっとその番組消せ」って大騒ぎになって、「ええじゃん、どしたん」とか言いながら見てたら、お笑いのそのネタに事故物件(室内で自殺者などが出た物件)の話があったんですよ。

ほんならね、真ん中の子はすごい気つかう子やから、その事故物件のネタが出るの分かってたから、「もう消せ、消せ」って大騒ぎしてくれて。うん、優しいなあと思った。ははは。

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