これまでは好景気で「インフレ」が進み、不景気の時はデフレが進むと聞いておりましたが、今回はウクライナで戦争が起こったのが主な原因で、世界的に「インフレ」になっています。
元々、日本は欧米各国と比べても景気が良くなかったのに物価は上がっていて心配です。
「不動産はインフレに強い」と言われていますが、今回の場合もそうなのでしょうか?
≪現金より現物≫
物価が上がるということは、貨幣価値が下がるということ。
こういう風に「インフレ」下では、現金・預金は価値が下がるとされ、現物が強いという理屈です。
異次元の金融緩和や低金利政策で株価と不動産市場は上向き、コロナ禍の緊急融資や補助金の放出で不景気でも倒産は少なく済みました。
不動産投資は他の投資商品と比べても魅力的なのですが、特にここ数年は相続税対策や年金対策ともリンクしてバブル化していました。
東京や大阪の分譲マンションは低金利と共稼ぎ夫婦のペアローンのお陰で返済能力はかつてないほど高まり、10年前に6000万円/20坪と言えば高額物件だったのに今では当たり前の価格になりました。
でも給料が上がらない以上、これ以上の販売価格アップは難しいとも言われています。
≪金利はどうなる?≫
投資用マンションや一棟収益物件も、大阪での表面利回りは4~5%が多いですね。
不動産は金利が上がれば、値は下がるというのが今までのトレンドです。
金利はもう下がりようがありませんし、逆に少し金利が上がれば忽ち値崩れが起りそうな雰囲気がプンプンしています。
欧米では「インフレ」退治策として金利を上げ始めています。
今後、融資の縮小が始まるのは景気が悪くなりそうなのでイヤなのですが、お金を引っ張ることのできる買主は良い物件を拾いやすくなるメリットがあります。
どちらにしても、生産年齢層は減少し続ける状況で、不動産価格の上昇トレンドがいつまでも続くなんてことはあり得ませんよね。
≪収益物件の命=賃借人の収入≫
「インフレ」で家賃も上がると問題はないのですが、投資用マンションの賃料を上げようとしても、入居者の給料(収入)が上がらないと難しいし。(※ただ、超一等地や好立地の物件はまた別物ですけど!)
やっぱり、『給料』(収入)のアップ…これが収益用不動産にとっても『命』です。
7月10日参議院選挙の最大の焦点は「物価対策」みたいですが、『賃金アップ』に熱心な候補者のことをお忘れなく!!
⇔大阪日日新聞より(令和4年6月11日号)