不動産人/総合的な判断

総合的な判断の話です。

いろいろ物件をご紹介しても最終的に、『「年まわり」が悪いので、今年は買わない』とか、『占いで見てもらったら、あなたにとってこの物件は方角が悪いと言われたので・・・』という言う理由で断る人は最近殆どいなくなりました。

事業用不動産の場合、やはり大きな比重を占めるのは「融資金額」の場合が圧倒的です。
去年とか一昨年あたりは、フルローンとかで丸ごと融資を受けることが出来て物件購入できるケースが多々ありました。

融資の基準も緩かったんでしょうね!
昨日も電話で、某金融機関の次長さんが嘆いておられましたが、今年の場合は厳しくなったと言うより、物件の方が融資基準に填まっていないという感じでしょうか。
大阪市内でも、新築マンションの利回りは5%位まで低下していて、手持ちの現金を1~2割入れても調達金利が1%位でないとソロバン的には合わないじゃないでしょうか。
でも、物件は売れていきます。

利回りの低い物件は、新しくてしっかりしている物件が多いのですが、購入できるのは節税目的の場合が多いと思います。
富裕層となると都市銀行や信託銀行あたりとお取引があるお客さんがメインになると思いますが、知り合いの売主さん(=不動産業者)に取引の内容を聞くことがありますが、銀行さんに“お任せ定食“っていう感じのケースが多々あるそうです。

私も、そういえば今も忘れられないケースがありました。
所有物件が道路拡幅のために収容(=立退き)されることになって、買換えをしようと2億円位の売り土地を探していた兄弟で会社経営されている買主さんがおられました。

買主さんの会社には何社かの不動産業者が出入りしていましたが、私も適当な物件を何件かご紹介した中で「これがいいかなつて思ってます・・・」と弟さんに言われた物件が見つかりました。
その後お兄さんと相談したのでしょう、「某銀行のご紹介された物件に決まってしまった」との返事があり、それはそれで仕方ないことです。
で、参考までにどんな物件か教えてもらったのですが、申し訳ないのですが「えっ!」と言っちゃいました。
間口が2m位で奥行きの長い、お隣の方でないと利用価値がないとしか考えられない物件だったからです。
弟さんも何故この物件にしたのか分からないということでしたが、お話によるとお兄さんが「取引銀行のご紹介だからこれでいい」と最終的に判断されたとのことでした。
おそらく、兄弟間で論争があったと感じました。

良し悪しは、全体を見て判断するものです。
最終的にそれで良かったのか、そうでなかったのかは、その後何年も掛かってしか分かりません。

不動産人/お互いの気持ち

今日も雨、テクテク歩いて事務所まで辿り着きました。

月曜日に引渡が終わった賃貸マンションの契約書等が、借主さんや保証人の捺印が終わって今日返却されてくる予定です。それを家主さんに郵送してほぼ仕事は終了です。
元々、賃貸系の仕事はしていなかったのですが、20年くらい前からお客さんや知り合いから要請があってやり始めたのですが、主に家主代行みたいな立場です。
売買と違う仕事ですが、賃貸もなかなか面白い部分もあります。

この家主さんは3人姉妹のうちの一人で、2年前に亡くなられたお父さんが生前に娘のためにと賃貸用に分譲マンションを3人それぞれに買ってあげたものです。
お父さんは自分で会社を経営していて、景気のよいときにこつこつ不動産を買っていたそうです。
物件の場所はバラバラで客付けしやすいものもあれば、手こずるものもありますし、家賃もバラバラで、大きさもバラバラです。
娘さんのお住まいも、石川県、千葉県、枚方市とバラバラです。
1棟マンションもありますが、それは法人名義にして、区分のマンションは娘さんそれぞれの名義でと使い分けておられます。
生前に何度もお会いしていますので、お父さんの気性はよく分かっていますし、なんとかお役に立ちたいと思って入居者の募集・退去後のリフォームや借主からの苦情や問い合わせなどに対応しておりますが、もう15年以上経ちました。
そのお父さんを紹介してくれたのも、投資用のマンションをサラリーマン時代に買っていたNさんです。
この方とは、(随分前のことですが)DMを出して電話を頂いたのがキッカケです。
この間、もう80を超えたと電話で言っておられたのですが、声は歳を取らないものだと本当に思いました。

頼んでやろう、やらせてもらう、こういう仕事は大きい小さいじゃなくて、お互いの気持ちが入ってますのでやりがいがありますね。

不動産人/10年後に残れる仕事

10年後無くなる仕事って話題になりましたよね。

日本国中に大型量販店とコンビニの波が押し寄せて来て、街の小さな本屋さん、家族でやってる米屋さん、おばあちゃんが座って接客していたタバコ屋さん、気分のいい電気屋さんが淘汰されてしまって大阪市内でもめっきり少なくなってしました。また、大衆食堂やラーメン店も、昔は家族経営でやってたイメージの仕事だと思いますが、今や企業経営の時代です。

インターネットによる商品購入できる商品が増えて、生命保険・書籍・スマホでダウンロードできるようになった音楽・事務所で使う文房具など、自宅やオフィスに居ながらにして配達してくれるものがドンドン増えて、一世を風靡した郊外型店舗も苦戦を強いられています。

ネット全盛時代に生き残れる店舗は何ですかって感じです。

どこで買っても同じものは、ネットで買ったほうが安いし、早いし、お店は実物を確認するところです。

不動産業はどうなのか?
元々、不動産屋さんには実物があるわけではないので、あるのは物件資料です。
不動産業界もネットが普及してから、一瞬にしてその物件情報が撒き散らすことができるので、取り敢えず早いもん勝ちって感じの変な商売になってる部分もありますね。

不動産仲介の中でも比較的シンプルな作業で取引ができると考えられる、区分マンション売買の仕事や居住用賃貸の仕事は、今後もかなり荒らされるような気がします。
事業用物件の場合は、それでも未だ救われるのは、説明や調査、購入後のケアが要る場合が多いので、数値化できない部分や便利だけでは計れない何か、人間力が必要だということはあります。
ただ10年後、個人の人間力も無力化してしまって、一部の大手業者だけが生き残る業界になっているのだけは勘弁して欲しいです。

【参考】重要事項説明のIT化に反対

http://www.minamimorimachi.jp/page1999999-99.html

 

不動産人/常套句

不動産業者の常套句(←ありきたりな決まり文句)ってあります。

『他のお客さんが検討中なので、急がれた方が…』とか、『売主に交渉して月曜日まで物件を止めてもらいます』とか、買い付け証明書とか、購入申込書とか購入の意思表示を先に現した方が優先権を持つとしているからです。

物件を止めるとか言う言い方もします。

確かに、売買でも賃貸でも同じ時期に別のお客さんが付く傾向があることは理解できます。
良い物件は足が速いし。良い物件はゆっくり検討していると買えないのも確かです。
あまり見え見えの常套句は、同業者として傍から見ていると滑稽です。
でも、そういう風に言われるお客さんや、セールスされることが大好きな買主さんが居られることも事実ですから、一概に不動産業者の常套句が悪いとも言えません。

セールスされるの大好きな人ですか? 私はちょっと無理です(^^)

 

 

 

不動産人/困ったお客さんの話

不動産業って人間模様というか、ドラマというか、いろいろな経験をさせてくれる職業だと思います。
勿論、いいことばかりじゃないですし、人間不信になるような経験もしなくてはなりません。
最近は自分自身がそれなりの年齢になっているせいか、露骨に不動産業者を見下すような人にお目にかかることは無いのですが、30代の頃とかにはありましたね。
自分自身も若かったので、仕方なかったのかも知れませんが、当時の不動産屋って大柄の縞々模様の背広着て、やたらと外車とかに乗っているイメージがありましたらね。(笑)

一番困るお客さんって、嘘をつく人ですね。

嘘にもいろいろありますが、例えば、最初は頼むから物件探してくれって言って、なんとか希望の物件を探してきてから、キツイ指値なんかしてきて、散々すったもんだして買主さんの同意を取り付けた段階で、手数料を払う気がないって言う人がいましたね。
ちゃんとした会社の社長さんですから、常識はあるはずだと思っていましたけど…勿論こちらも、最初の段階で手数料の話はしていますけど、「そうですか~」って最初から支払う気がなかったんでしょうね。
買主側の仲介業者さんにも恥ずかしくって、恐る恐ることの経緯を話したところ、「野沢さんは悪くないけど、この話はなかったことにいませんか」ってことになりました。

契約の数時間前に病気になったという理由で、仲介会社を通じて「行けませんので…」って言ってきた買主さんもいましたね。
後で判ったことですが、「すでに金融機関からの融資が下りています」と言っていたのが嘘だったのです。
それから数日後にちゃんと融資承認出来たのに、売主さんから信用できないと断られました。

正直に話してくれていたら、話のしようもあったのですが、世の中には、ほんとに困った人がいるもんですわ。

 

不動産人/アパートローン一巡か?

個人向けのアパートローンが急減速しているという。
今年4~6月の新規貸出金額は、前年同期比15%減の7171億円。(日銀)
相続税対策の目的でアパートを建てる波が落ち着いてきたからでしょう。

大阪市内に住んでいると判りにくいけれども、郊外や地方に行くと同じようなアパートや、マンションが建て並んでいる光景に出会うことがあります。
分譲では無さそうな雰囲気は見れば判りますから、賃貸用に建てられた共同住宅です。

地主さんの遊休地利用と相続税対策、老後の資金造りにと考えていて、他方、貸出先の少ない金融機関とテレビCMや地元で有名な建築業者が一緒になって営業した結果でしょう。

日本国中で人口が減少する中、都心以下の収益物件は苦戦を強いられるのは必死です。

数年前に三重県の一棟売マンションの資料をもらった時、全70戸の部屋が空室(大手のブラジル人従業員の解雇があったとのこと)の状態でしたので、買主を見つけるためには、まず入居者をどうしたら確保できるか考えて当たったのですが、上手くいかず断念したことがありました。
その後、その物件が大阪の不動産会社が購入し、別の大手製造業の社宅として入居契約をして成功したと知りました。

不動産業者であれば、なんとか対処のしようもあるのですが、初めてマンション経営する方ではいろいろな対策は人任せになってしまいますので、それは大変です。

郊外や地方に行くと、(大阪市内では考えられないでけど)駅前に不動産屋さんが一軒もないような処がたくさんあります。

それだけ、不動産屋にとってニーズが無いのでしょうね。

収益物件はテナントや入居者が入ってこそ、収入になるって建てるときは実感できないのかも知れません。

不動産人/店舗の家賃は3日で稼ぐ

「隣の土地は相場の2倍出しても買え」
「不動産に掘り出し物なし」
「住めば都」
「(欧米では)人生を豊かに過ごすには3人の友人を持て、1人は弁護士、1人は医者、もう一人は不動産屋」

など、不動産業界にも昔から色々と昔から言い伝えられた言葉があります。

そのひとつに

「店舗の家賃は3日分の売上で稼ぐ」

というのがあります。
月額の家賃20万円の物件だと一日の売上が6万6~7千円あると、やっていけるという考えです。
客単価や来店者の数などお店の内容によって色々あると思いますが、大雑把ではありますが昔から言われている目安ではあります。

また、1ヶ月の売上の10%程度が賃料の目安という説もありますが、表現の仕方が違うだけで「3日で家賃…」の計算と考え方は同じです。
1ヶ月の家賃が10万円であれば、その10倍の月商100万円(=一日当り3万~4万円)が上がらなければ利益を出していくのは難しいというのも同じことです。
お店は、立地は大事ですがいかに立地がよくても必ず成功するものでもなありません。

うちの近所のラーメン屋さんは細い路地の中にあるお店が盛況で、それよりもいい立地にあるお店はテナントがコロコロ変わっていくなんてこともありまして、難しいものですね。
業種によって、売上に対する適正家賃の割合は、違うものだと思いますが、参考にはなる考え方だと思いますね。

不動産人/マスクマン

今年の就職活動シーズンの頃でした。新聞の投書欄に、ある学生さんが「いくつもの会社を訪問して面接を受けたのですが、自分の氏名は名乗るのですが、面接してくれる方は名前も肩書きも伝えてくれない…」というのがありました。
学生さんの言っていることが当然で、考えてみれば、会社の名前は判っていても、質問している人がどういう人なのか判らないなんて、本当におかしな話ですよ。
もう数ヶ月前のことなのに、まだ記憶にあるのは、かなり納得した内容だったからでしょう。

私のメインの仕事は一棟売物件の売買仲介業ですが、10数年前から家主さんに直接依頼された物件のテナント募集や入居者募集もするようになりました。
大阪で物件を所有している東京や地方の方が、知人の紹介とか、ネットで「南森町不動産」HPを読んでもらって、親身に相談されると嬉しくって賃貸募集もするようになったわけです。

賃貸の場合はだいたい、業者さんが連れてくるお客さんがどこの誰とも判らないことがほとんどで、内覧した後の返事もないことの方が圧倒的に多いものです。

勿論、借りたいとか、条件交渉してくる場合は、お客さんの素性も判ってきますが…

物件によってはなかなか決まらないケースもありますので、いろいろな業者さんが取っ替え引っ替えお客さんを連れて来てくれるのは有難いのですが、その後の返事が全く無いということが続きますと、こちらとしては気の抜けたサイダーみたいな感じになるのであります。

まあ、賃貸の営業って、とりあえず案内する仕事なのかも知れませんが…昨日なんか、飲食不可の物件に飲食希望のお客さんを連れて見に来る賃貸業者なんてのは論外ですわ!

売買物件、特に収益物件の商談や現地案内の場合は、同業者さんとのコミュニケーションもそれなりに必要なので、売主や買主のプロフィールも大体判ることが多いですね。
また、売主・買主との遣り取りの結果もそれなりに連絡や報告があることが普通なので、話として白黒がはっきりするものです。

コミュニケーションが取れない業者さんとは自然と疎遠になって行くものですから、『いい加減な奴だな!』っていう評価で終わってしまいますよ!

不動産人/住居表示と地番

法務局の申請書類に『地番・家屋番号は、住居表示番号(○番○号)とはちがいますので、注意してください。』と書いてあります。 そうです、「住居表示」と「地番」は、通常同じではありません。

(田舎に行くと、地番と住所が同じところもありますが・・・)

「地番」→「その土地の登記簿での所在地・番号」

「住居表示」→「建物の表示で、そこに住む人の住所・番号」

として利用しています。

法務局では、土地はすべて「地番」で登記されていますし、建物の登記簿上の「家屋番号」も「地番」が分かれば調べることができます。

■住居表示のしかた■(大阪市)

(町名)

(街区符号)

(住居番号)

大阪市××区 ××●丁目 ●番 ●号

マンションは、●―●号

棟番号と各戸の番号

※街区符号のつけ方は、数字を用い、大阪城にもっとも近い街区を起点として、連続蛇行式により順序よくつけるものとする。

※住居番号のつけ方は、大阪城に近い街区の角を起点として原則として右廻りに街区の境界線を10m間隔に区切り、住居番号の基礎となる番号を当該間隔に順次つける。 (大阪市住居表示実施基準より)

 

■地番の意味■

元々「地番」は(明治時代の地租改正以来)固定資産税を聴取するために個々の土地につけた番号です。

だから、“固定資産税・都市計画税”の請求は所有者の住所に着ますが、対象不動産の表示は「地番」で行っています。

土地を特定するためにつけた番号と、その所有者を明解にするための登記することになります。

 

不動産人/人生いろいろ、商もいろいろ

大相撲秋場所千秋楽は、日馬富士が優勝決定戦でも豪栄道に勝って逆転優勝。

11日目の時点で星の差3つから逆転したのは、15日制が始まって以来の快挙だとか!
勝負事は最後まで何が起こるか判らないと言いますが、不動産仲介業の仕事も大どんでん返しや、煮え湯を呑まされることなど、全くいろいろな経験をさせてくれます。

本当にいろいろなことがあるので、どれから書いたらいいのか迷ってしまいますが・・・

例えば、(最近の話ではないのですが、)契約日、売主様の会社に買主様と一緒に伺ったのですが、到着後に買主様の本社(台北)から送金が出来ないということが判ったのでした。
理由は、台北のD銀行が台風で休業しているというのです。
日本では、台風如きで銀行が閉まるなんて考えられないことですが、売主がカンカンに怒ってしまって「だから外国人と契約するのは嫌だったんだ!」なんて言い出す始末です。

その銀行は日本のD銀行の台北支店だったので、売主はD銀行の本店に確認の電話をしました。
結果は、本当に台風で休んでいたので、皆、沈黙して引き上げました。

そして、売主様は憮然として、後日改めて契約に臨んだのでした。

ある売り物件に、買主が付くのに手間取っていたのにも関わらず、いざ買主が付くと、ほぼ同時に別の買主が現れるなんてことも日常茶飯事です。

また、次々に買主が付くのに、売主がいろいろな要因で、断り続けることがあります。暫くすると、「最初の買主が一番良かったなぁ~」なんてことも結構よくあることです。

こんな話しも・・・契約後、暫くして、売主の経営する会社の資金繰りが悪化していることが判って、買主様に事情を説明して、理解して頂き、慌てて決裁したってこともありました。
売主の会社は、その直後に倒産しました・・・(汗)

世の中、何が起こっても不思議ではありません。
粘り強く、諦めてはアカンということです!