不動産ナマ知識/三為契約(さんためけいやく)

収益物件の価格自体が高いものになってしまったせいで、不動産業者による収益物件の転売もし難くなっております。
今迄から不動産価格が右方上がりの時には、不動産業者が一旦取得した物件(土地でも収益物件でも)を再販して商売をするのが常であります。

ここ2~3年は金融が緩んでいたのにも係らず、銀行は大口の融資先が見当たらないこと、低金利による不動産投資ブームと相続税対策ブームが重なって、収益物件の取得に拍車が掛かり一機に収益不動産の価格が上がってしまって、収益物件の利回りは低下してしまいました。
金融機関の方も売主よりエンドユーザーに1件ずつはめ込むより、転売する不動産業者に何棟かロットで収益物件を買い取ってもらい、その不動産業者から新たな買主に売り渡した方が楽です。

不動産業者が買い取ることにより、瑕疵担保責任を負うことになるし、リフォーム工事や空室の募集なども行い”商品化”しますので、次の買主にとっても悪いことばかりではありません。
転売用の収益物件を保有する不動産業者にとっても、日銭が入ってくるのでジックリと買主を待つことも可能です。
不動産業者は日常的に売り物件を目にしているので、購入できるとすれば即着手する体制が出来上がっていますので、不動産業者により収益物件市場は昔から存在しています。

「三為契約」(さんためけいやく)は、そのスキームをもっと大胆に実行する方法です。

「三為業者」とは、不動産の買取と転売をする業者のなかでも、特に「第三者にためにする契約」を行う不動産業者のことです。
売主A→三為業者B→買主Cの流れの中で、Aから所有権を移転させるのにBは登記費用を負担することのない「中間省略登記」という方法で、買主Cに物件を売却します。
「中間省略登記」については、一時禁止されましたが、第三者Cの為にAとBが「買主たる地位の譲渡契約」を結べば、合法的に「中間省略登記」はできます。

問題なのは、金融機関がそのスキームに便乗して、三為業者Bの手助けと真の買主Cへ融資を同時に行う立場を利用しているところにあります。
真の買主Cへの融資を行うことを前提に、金融機関はBに対するアドバイスと利幅確保を行います。

三為業者Bはノンリスクで売主Aから物件購入と(Bからすると出口に当たる→)買主Cへの転売を同時に行うことが出来るので、殆どの場合はA→B→Cの契約を同日中に行うことが出来ます。

一般の転売とは違って、買主Cは高値で取得するリスクを負うことになります。

不動産の業界人は、この買主さんは購入する物件から遠い地方にお住まいの方が多いということを知っています。
殆ど物件を見ることもなく、机上の知識と情報で購入するスキームに嵌っているからでしょうか。

このスキームで面白いように儲かった不動産業者も多かったと聞いています。
まあ、すでに不動産業界から抜けていった人もいるみたいですけど・・・

不動産ナマ知識/訂正印・捨印

今朝など、まるで冬そのものの寒さでした。
今年は秋の虫の鳴いている声を聞いていません。
風情ってなくなりましたし、テレビのワイドショーでもやたら切れる人の話題が多くなっているような気がしますが、日本国中でなにかしらの不満が溜まっているんでしょうね。

不動産の世界でも何か言ったら、コンプライアンスとか言って、業者さんも自分で自分の首絞めているような感じがしています。
だから、契約書とか申込書とかもすごく神経質な扱いになってます。

最近の不動産取引では(昔は当たり前だった)“手書きの契約書”を見かけることは殆んどなくなっています。
今は、ワードやエクセルで作成して、プリンターから打ち出し、チェックして、一応作成できればメールで相手方の業者さんに送って内容確認してもらった上で最終的に完成させることが多いですね。

で、不動産取引の場面で、誤字や脱字とか“訂正印”で修正したり、当日に新たな合意内容を書き加えたりすることは滅多になく、ましてや予め“捨印=訂正することを前提にあらかじめ契約書などの欄外に押しておく訂正印のこと)を押すなんてことは殆どなくなりました。
だから、社会人になった時にパソコンがあるのが当たり前の20~30代の不動産業者さんですと、“訂正印“をもらって「4文字削除、5文字追加」記入なんていうことを経験したことがある人は滅多にいないでしょう。
ネットで検索してみても、“捨印“は絶対に押すべきものでないとする意見で占められていますが、”捨印“の目的は少々の書き間違いなどで、その都度連絡を取って訂正の確認を取りに行くのが面倒だなどという理由で、その手間を省く便利な慣習ですが、訂正の範囲や限度は決められていないので、理屈上は”捨印“は「白紙委任」と同じです。

それでは“捨印”で契約金額や購入希望額、契約名儀人の変更が可能かについては、意見も判例も1つではない。
契約者の意見と異なる内容に変更されても、契約書等を2部作って各1部ずつ所持することや、1部しか作成しなくてもコピーを持っておくことで、一応の保全はできると思います。
でも、“捨印”の効果が広義に解釈されれば、もう内容を無茶苦茶に修正されたとしてももう後戻りはできません。
最近のように何かあると法律が出てくるギスギスした世の中では、どんな書類にでも“捨印”は押さないほうが賢明です。

不動産ナマ知識/仲介手数料の話

仲介手数料は売主・買主・貸主・借主の皆さんにとって気になるものですが、不動産仲介業者の“生活の糧”そのものでもありとっても重要なものです。
信じられない話ですが、収益ビルを買いたいということでお会いしたある買主様に「私は(仲介)手数料はお支払いしませんので、そのつもりで良い物件を紹介して下さい!」って言われたことがあります。
「それでは私共(仲介業者)は何処から報酬をいただけるのですか?」とお聞きしましたが、 お答えは「売主から貰えばいいじゃないか…」と。
「えっ?・・・・」(唖然、言葉もでない・・・) すごい人いるものです。

【  賃貸契約の場合】

宅建業法によると『家賃の1ヶ月以内』相当額(注1)がその報酬と決められているのですが、現実には名目はいろいろありますが、それ以上に実質的手数料が発生しているケースが多いのです。
大企業の所有する大型ビルや入居者がどうしても入りたいような人気エリアの物件は、宅建業法の規定に沿って仲介手数料が支払われていることが多いと思われますが、それは競争力のある物件だから許される事で、小規模の物件や通常の賃貸マンションは、宅建業法通りの報酬では仲介業者の協力が得られ難く空室状態が長引くことが考えられるので、正規の仲介手数料とは別の費用を発生させてでも早期の客付けを不動産業者に依頼しているのが実情です。

不動産業界としては、現行の“賃貸手数料”の持つ課題はとても大きいと思います。

注1  『家賃の1ヶ月以内』相当額

不動産業者でも勘違いしている場合が多いのですが、この『家賃の1ヶ月』相当額は「貸主」と「借主」からの支払い額の合計だということです。
その意味で「借主からの手数料が半額」とか「…手数料はいただきません」とか言うキャチフレーズは別に驚くに値しませんが、「貸主さまも手数料は半額」とか「…いただきません」でなければ手数料の合計が『家賃の1ヶ月以内』相当額にはなりません。

ただし、貸主の依頼により行なう広告費・(遠隔地の物件等の)調査費用・宿泊費・交通費などについては別に請求できることも確かですので、全てが問題だとは言い切れませんが。

【 売買契約の場合】

売買の場合は賃貸と比べて分かりやすいと思います。

物件価格200万円以下 物件価格の5%
  〃 200万円超~400万円以下  〃   4%
  〃 400万円超  〃   3%

※仲介手数料は消費税の対象になります。

この計算式から算出された金額を売主・買主双方から支払われることになります。

よく、“3%+6万円”の“6万円”って何だと聞かれますが、200万円の5%=10万円、~400万円の4%=8万円の合計18万円と、1~400万円の3%=12万円の差額6万円の金額です。
ただ、この金額は手数料の上限とされているので売主・買主は不動産業者に対して手数料を値交渉することができます。
冒頭の強烈な買主様のような人は殆どいらっしゃらないと思いけれど,不動産業者も手数料を支払って頂けない買主様には良質の物件情報は提供しないでしょうから、少なくとも常識の範囲で手数料を払う姿勢はお持ち頂きたいものです。
仲介手数料についてはいろんなエピソードや苦労話がありますが,ここは「同じ物件情報を複数の仲介業者から得た場合」と「支払時期」について取上げることにします。
同じ物件が別々の不動産業者から提供されることはよくあることですが、不動産取引に不馴れな方が対応を間違うと大きなトラブルになります。
プロでしたら、基本的に先着順に話しを進めていくことで、どうも商談がまとまらないとか、仲介業者の対応に納得ができない場合など、明らかに話が暗礁に乗り上げたことが明白であれば後順位の仲介業者に依頼し直すこともあります。
この場合では、先の仲介業者にハッキリ断りを入れておくことが大事です。
買主さんがプロじゃない場合、後で同じ物件情報を持って来た仲介業者の話しに乗ってしまうとか、同時並行して話しを進める人なんかも稀にいらっしゃいます。
後々商談が成立して蓋を開けてみると、先に情報を持ってきた業者が“抜かれた”ことになり、その業者から正規の仲介手数料を請求されることもあります。
そんな場合は自分自信で蒔いた種ですが,気分は悪いでしょうし、もめることになりますので、不動産情報は筋の通った方法で、順序立てて商談をすすめて下さい。

仲介手数料の支払は取引終了時(=決裁時)に行なわれることが殆どです。
よく契約時50%、決裁時50%と分けて仲介手数料を受け取る不動産業者もおりますが,それはその不動産業者の決めたルールであって特に法的に決まったものではありません。

ただ、仲介手数料の請求権は契約時点で発生しますので、別に決裁まで待たなくても問題はありません。
ただ、不動産取引は決済・引渡しまで完了して成就できるものですから、不動産業者としては決裁・引渡しが終わってから仲介手数料を頂くのが正解だと思います。
以前のことですが,台湾の法人さんにビル用地を購入してもらった時に、法務局で登記簿謄本が出来て所有者として名前が確認出来るまで、暫く仲介手数料の受領を保留したこともありました。
その時は、外国の方特有の慎重さだと納得して同意したのですが、そんなケースはイレギュラー中のイレギュラーで普通はそんなのはありえませんので、皆さんは決裁時には支払を済ませて下さい。

 

不動産ナマ知識/『道路』について

購入を検討する物件が「道路」にどの様に接しているのか、それが凄く重要なことはご承知のことでありますが、「道路」をテーマにしたお話しは奥が深くて多岐に渡るので結構大変です。

一般的には、既存の投資用マンション購入することが検討しやすい理由の1つに、「道路」にそれほど気を使わなくいいこと言うことがあると思います。 1棟マンション購入の場合「道路」の意識は物件からの景色、車と道路の関係くらいで、購入者はもっぱら“お金(収支)の問題”に気持ちがいくのではないでしょうか。 それに比べて更地や中古住宅等を購入しようとする場合(反対に売却する場合も)や、建築計画をするときなど「道路」の重要性は最重要課題であります。

■   土地や土地付建物を売買するときの「道路」

建築基準法上の「道路」は、原則として幅員4m以上で公道(国道・府道・県道・市道・町道等)でも私道でもかまいません。 幅員4m未満の道でも特定行政庁(注1)が指定したものが、よく『2項道路』(注2)と呼ばれる道路で、現況道路の中心線から両サイドに2mずつセットバックしたところが道路境界線となります。 道路負担した面積は通常取引対象面積の価格には含まないことが多いのですが、たまに「坪なんぼ?(=大阪弁で[坪単価で幾らですか?]の意)」「(道路部分も含めて)坪**円です」なんて云うこともありますので、有効面積なのか私道を含めた全体面積なのかは再確認が必要です。

建売住宅などで多い『位置指定道路』は調査も厄介なものです。 住宅を効率良く建てるために例えば下の図のように道路を作って特定行政庁に認可してもらうものです。

道路の仕様(アスファルトとか砂利敷き)は決まっていても、その権利関係は様々で一律では有りません。 その道路の名義が後に府や市が引き取ってくれればすっきりするのですが、全体の住宅の共有持分であったり、建物の前だけそのその住宅の名義で持ち寄っていたり、分譲業者の名義のままでその会社は既に無くなっていたなんてこともあるので、現地を目視しただけでは解からないのです。
それのどこがよろしくないのか言いますと、例えば上下水道やガスなどの配管をやり直す時など、道路の持ち主の同意・許可が必要になり了解を得る為に“承諾料”が必要になるなどの交渉や費用の問題が絡んでくるし、もし所有者が捉らないときその手続きはとても大変な手間と労力を要するからです。

たかが「道路」なんてと何気なしに思っていても、維持管理するには費用も発生するものですから、権利関係のスッキリしないものはよろしくありません。 不動産は登記簿上の面積と実際のそれとが必ずしも同じだとは限りませんが、マンションのパンフレット表示が壁心で、登記簿は壁の内法で表示しているというようなことは特に問題ではありませんが、古くからある分譲地や最近測量していない土地などは現実に登記簿と実際の面積が相違しているものが沢山あります。
それは昔の測量方法と今の方法が異なっていたり、隣地との立会いで境界の変更、未測量だった…等の様々な理由からです。 実際の大きさや物件の現状を知るためにも、土地を購入する際は出来るだけ実測図付で取引をした方が良いでしょう。 (入札物件は別として)最近は買主も実測取引を希望するのが殆どで、公簿取引(注3)ですることは少なくなりました。

実測取引となると隣接地同様、道路と面しているところの境界もハッキリさせ実測図(注4)の作成が必要となりますので、道路の所有者(国・府県・市町村・個人・法人)との立会いがあり、買主も物件そのものをより正しく把握できるからです。

(注1)   特定行政庁

建築主事を置く市町村の区域については当該市町村の長をいい、その他の市町村の区域については都道府県知事をいいます。

(注2)    2項道路

建築基準法第42条には、「道路」について定めていますが、その2項に4m未満の道について書かれています。その為、4m未満の道路のことを「2項道路」と言っています。

(注3)    実測取引と公簿取引

実測取引…決済時には測量により実測面積が確定していて、売買代金の授受をおこなう取引。   公簿取引…登記簿面積により売買を行ない、実測面積との精算をしない取引。

(注4)    確定測量図と現況測量図

確定測量図…売買対象地とその全ての隣接地について、隣地所有者立会いの上で境界確定(民民・官民)を行ない、作成された測量図であり実測取引にはこの測量図を採用する。

現況測量図…売主(所有者)が必ずしも全ての境界確定をしないで作成された測量図。

『都市計画道路』として当該地の一部が、将来立ち退き予定のあるものも結構身近に存在します。 何十年も前に計画されたものが実行されず、役所の図面上だけで確認できるなんてものもありますし、その対象地の所有者はタイミングによっては《立退き料》や《物件の買い替え》により、立ち退き料を頂いて美味しいものになる可能性もありますし、当然、その逆のケースもあります。
直接に立ち退きを迫られる当事者でなくても、近隣の土地所有者の方々も将来道路が完成すれば周辺の状況が大きく変化し、その所有物件の価値が大きく変化することになったりします。

■   建築しようと計画するときの「道路」

現状が幅員4m以上(6m以上の場合もあります)、間口2m以上の接道が満たされていなくても、私道負担(所有地の一部を道路に提供する)や2項道路として認められれば、建築基準法上の道路として建物を建築することも出来ます。 その際考えないといけないのは、都市計画で定められた容積率と前面道路の幅員によって容積率の制限がある点でしょう。 例えば、4m道路に接している敷地で住居系の用途地域で容積率300%の場合、160%の容積率が適用せれます。 用途地域が住居系の場合と、その他の場合で次のように扱いが違っています。

建築物の前面道路(2以上あるときは幅員が最大なもの)が12m未満のときは、定められている容積率と下記の算出値と比べて厳しい方の数値を採用します。
住居系の用途地域等 前面道路のメートル:数値×4/10
その他の用途地域       〃    ×6/10

 

不動産ナマ知識/サラリーマン家主さんの話

サラリーマン家主さんの話

不動産投資を一般のサラリーマン向けに営業している不動産販売会社も多いのですが、そもそもマンション投資とかマンション経営はいわゆる副業なのでしょうか?
10月13日の朝日新聞で見たのですが、“兼業が禁止されている裁判官のマンション経営はどこまで認められるのか“という記事がありました。
読んでみると、相続で取得した土地建物を、金融機関から1億3千万円ローンで、鉄骨3階建ての賃貸マンションに建替えて、12室を管理会社に貸して年間1100万円程の賃料収入を得たという内容でした。

裁判官は、許可を得れば兼業することが出来るそうで、これまでは転勤した場合に自宅を貸したり、2件目の自宅を購入して前の自宅を賃貸に出したりするケースは許可されていたそうです。
今回の場合は、“利益目的”だとして不許可となり、当事者の裁判官が不服を申し立てて、最終判断がもうすぐ示される予定だとか。
そもそも、兼業が禁止されているのに、ある程度のものは許可されるという“ある程度”というのが明文化されていから、「あいつはOKで、なぜ俺はNOなのか?」ということになるのでしょうね。

裁判官という法の番人でも、個人的な問題になるといかにも人間臭い問題提起をするものだと思いました。
裁判官は特別職として、一般の国家公務員とは違うのだそうですが、一般の場合は、所謂、税務署の決めている『5棟10室』基準(注)といわれる事業として見なされる程度になるとダメだそうです。

 

 (注)不動産貸付けが事業として行われているかどうかの判定 
(国税庁HPより)
 不動産などの貸付けによる所得は、不動産所得になります。  不動産所得は、その不動産貸付けが事業として行われているかどうかによって、 所得金額の計算上の取扱いが異なる場合があります。  不動産の貸付けが事業として行われているかどうかについては、原則として社会通念上事業と称するに至る程度の規模で行われているか どうかによって、実質的に判断します。  ただし、建物の貸付けについては、次のいずれかの基準に当てはまれば、原則として事業として行われているものとして取り扱われます。

(1) 貸間、アパート等については、貸与することのできる独立した室数がおおむね10室以上であること。

(2) 独立家屋の貸付けについては、おおむね5棟以上であること。

この“おおむね“という表現は、1棟でも大きな店舗とか、5室しか無くても賃料収入が年間に1000万円もあるとかだとアウトだという意味です。また、駐車場も2~3台だとOKですが、100台もあると立派な不動産事業と認定されます。不動産事業かどうか微妙な場合は、税務署が判断して決めますが、不服があれば反論することも出来ますが、そういう場合は認めてもらえないことが多いのでしょうね!

一般のサラリーマンの場合は、最近では副業を大いに認めている会社も多いようですし、投資用マンションで賃貸収入を得ている人の多くは、5棟10室未満だと思いますので確定申告さえしておけば何の問題もないと思います。

まあ、不動産投資にはまって9戸までいくとあと1戸で10室ですから、行っちゃいますよね^^)
それでも、まだ気持ちが不動産投資に向いていると1棟マンションとかアパート経営とかにも進んで行く方もおられます。

そうなると、2~3戸所有しているのとは違って、何かと用事が増えてきてとても忙しくなります。

戸数が増えると、やっぱり、不動産事業の一端を経験することになりますし、今度は出口戦力(物件を手放す時期)が気になり始めますし、相続なんてのも気になり始めますので、いよいよ家主さんの悩みが分かるような段階に突入することになります.

10年ほど前のことですが、某超大手電機メーカーのサラリーマンの方が10戸以上の中古の分譲マンションを買って、賃貸で入居者を入れて運用しておられました。
さすが、一流企業の人は物件を購入するのも上手に買いますし、ローンをつけるのも上手いと感心しておりました.
でも、入居者募集は地元の賃貸業者に任せるのですが、入居者の申込書が入ると返事をしないといけませんし、入退居がある度にリフォーム発注、現地確認、それに分譲マンションの場合は管理組合の役員が定期的に廻って来たりしますので、忙しい会社で仕事をこなしながら賃貸業者やリフォーム会社、管理会社や管理組合との遣り取りをスムーズにこなすのは難しいものです。
不動産管理の仕事では、瞬時の判断や早急に対処する場合いが多々あります。
結局、会社の仕事と、不動産事業の各業者への連絡等々どちらかが疎かになる。
趣味の不動産投資が副業ではなくなってしまう規模になると、本業になります.

元々、まるごと投資用マンションの事業主が全部やってくれる場合は、差し引かれた金額が通帳で振り込まれるだけですから、本来の事業ではありませんので、こういう問題は起きませんが、この場合はいつまで経っても本業になりません.。

 

不動産ナマ知識/ミスは何故起ったのか!

タカタ・日産・東洋ゴム・そして神戸製鋼と大企業の不祥事が絶えません。なにかが緩んでいるのか、世の中の流れがそうさせているのか、よく判りません。

不祥事も大きなミスも根元は同じところから発しているのではないでしょうか。
そういえばこの前、某証券会社の営業マンが飛び込みでいらっしゃったのですが、すごく軽い感じで一方的にセールスしてくるので、この人「まだまだやなぁ」って思ってしまいました。最近、この手の時代遅れっていうのか、独りよがりのセールスってお目に掛かることが少なくなっていますから、ちょっと驚きました。

“不動産業界でもバブル崩壊後30年近くが経ち、バブル期に未成年だった人でも、今では第一線でバリバリ活躍するようになっています。 あの頃は不動産取引も活発でしたから、ごく普通の営業マンでも取引件数をこなしており、いろいろな取引上の手続やチェックポイントが自然と体験できて、自分のものになるというメリットがありました。
でも最近では取引件数自体も昔よりは少なくなり、ネット上で集客するような営業形態もはびこっていて人との信頼関係も希薄です。
また、権利関係の複雑な物件や大企業のリストラ物件などは入札方式が大流行ですので、仲介業者が買主・売主の間に入って話を纏めてみたり、慎重に物件調査しなければならない案件を自ら経験出来ないままに、バリバリと活躍することにもなってしまうことも多いのかもしれません。
そこで今回は、自分自身の経験を取上げて“ミス”はどういうふうに起り、また防げるのかを考えてみたいと思います。 (当時の関係者の都合もありますので、細部についてはボカシをかけておきました。)

何年も前のことですが、超有名企業のJ社がリストラ対策としての遊休地の処分、大手信託銀行のT社を窓口として買い客を探しておりました。
以前から順調な業績を続けていた社員20名程のS社が倉庫用地として購入を希望し、S社から受け取った『買付証明書』(注1)を提示し、多少のやりとりはありましたがJ社との商談は合意に達しました。
当然、契約前の『売渡承諾書』の提出を求めたのですが、T社担当者は「『売渡承諾書』なんて必要ありませんよ、うちも保証しますし、あのJ社が売るって言っているのですから…」と大手の信用力に押されてそれは諦めて、すぐに“重要事項説明書”や“契約書”の内容を文書化しようと言うことになりました。

それから数日後の夜、私にT社担当者から「どうしても今夜、すぐに会いたい…」旨の電話がありました。
 私ちょうどお風呂に入っていたのですが、「明日じゃダメですか?」と言っても聞いてくれないので、急いで自転車に跨って北浜まで行った次第です。
すると、T社担当者は今回の取引をJ社の都合で断りたいと言うじゃありませんか!
話を聞いてみると売主のJ社担当者(といっても総務部長さん)は、この間まで営業の第一線で活躍していた方で、この間総務部長に配属されて間もないとのことでした。

今回の遊休地は30年前に取得したもので、その後土地区画整理事業の後、未利用地となり、減歩により従前の面積より減少したままの状態で、A社としても特別気になる土地でもなかったようです。(注2)
そんな土地をJ社の総務部長さんは自分1人で売却による処理を進めたのでした。
たぶん、このくらいの物件処理なら一人でできるって思ったんでしょうね。
そして、A社部長は従前の面積が書かれた古い登記簿謄本を見つけ、自ら資料を作成してT社担当者へ渡していたのでした。

私は、自分で直近の謄本を取得して実面積は確認済みでしたが、売主側は「坪100万円」とする表現で話を進めていたので総額(=面積×坪単価)が会話の中に出てこなかったのです。
私も坪数間違えるなんてことが、あの超大手J社と信託銀行T社に限って絶対ないと言う暗黙の了解がありましたし、こちらが『売渡承諾書』を希望した時も「うちみたいな大会社がそんなもん必要ない」って偉そうにしてましたから…
ですから、J社部長はT社からの契約書(案)を見たときに飛び上がって驚いたと言うことです。

いくつかのミス、J社総務部長の事務処理能力や実務経験・信託銀行T社担当者のチェックミス・思い込み…過信が重なって起こったケースですが、こうなった以上実情を知ることが出来ない買主は、買うに買えない状況になってしまいました。

※売主・信託銀行の方から、買主には売主の都合が変わったので売れなくなったと言って欲しいと懇願されましたので、買主様には悪かったのですが嘘も方便と黙っておいたのです。

売主J社は、その部長以外売却できなかった理由も解からないまま、その部長が退職するまでその土地を持ち続けたそうです。
被害者の買主はその後、全く別の物件を購入し、社業は相変わらず順調であります。
買い手側の仲介業者(私ですが…)は、1円の儲けも無く、心の処理をするのに大変時間がかかりました…。

何も知識・経験だけが総てではないけれども、宅建試験に合格しているからといって、不動産のプロになったわけでもありません。勿論、試験には合格しておかないといけませんが… 不動産自体は同じ物が2つとないので、それこそ1件1件がオリジナルの取引となります。
買う人・売る人も十人十色、いや百人百色とすると、不動産屋というのはそれ相当の時間と経験をかけてようやく一人前になれる職業だと思うのです。

ミスはなぜ起こったのか?
大きな会社だって人間一人ひとりの集合体ですから、間違いは起こります。
ましてや、不動産仲介の仕事は会社がするのではなく、大きな会社に勤めていても、担当者個人の能力・経験・判断がすごく重要な仕事だと思いますが、ご理解戴けますでしょうか。

(注1)『買付証明書』と『売渡証明書』
※下記HP「不動産マメ知識コーナー」ご参照下さい
2002.4  売買契約前の重要書類について
(注2)土地区画整理事業

公共施設の整備、宅地の利用増進などを図るために、事業区域内の土地所有者から少しずつ土地を出しあってもらって、事業区内を整然とした区画にする。 そのため、土地所有者の仮換地される面積は従前のものより減少するのが通常であります。これを減歩と呼びます。 単に面積が減るだけなら損失としか考えられないが、整然とした区画の土地の利用価値は従前のものより高まると考えられるので、実際には損失には当らないと考えられる。 また、是正策として精算金などの制度もあり一方的な不利益は避けることができる。

 

不動産ナマ知識/検査済証のない収益物件

建物の“検査済証”と言えば、建築基準法に基づいて申請された“建築確認申請書”の通りに建てられているというお墨付きを表す文書であります。

従来は役所(特定行政庁)だけで発行されていましたが、現在は指定確認検査機関でも交付されています。
最近でこそ検査済証の有り無しをうるさく言うのですが、昭和末のバブル期迄は検査済証の有る無しはさほど気にする必要も無かったのですし、金融機関の方も融資審査の要件としてはさほど重要視していなかったと思います。

でも、昨今は融資を受けようとする方ならお分かりだと思いますが、検査済証の無い物件は金融機関の“断り文句”のひとつとなったりすることがあります。検査済証の有無をうるさく言い出した大きな原因は、収益物件の購入者が金融機関の融資申し込みをした際に、その収益物件が違反建築物であると判るとそもそも融資対象にならないとか、仮に融資が受けられてもその金額が思いのほか低かったりすることになることになるケースがあるからです。

バブルが弾けて、外資系のファンドが日本に進出し、証券化するために信託受益権の取引を行う場合や、現物の所有権取引であっても、バブル期の反省から建物の遵法性(←違反していないこと)を証明するルールを作って、そのための踏み絵的な資料として検査済証が脚光を浴びることになったのです。

その当時、元々大阪は東京などに比べて、検査済証のない建物が多かったので、今まで野球のルールで試合していた人間が、ある日を境にラグビーのルールで試合しろよって感じたくらい我々大阪の不動産業者はかなり戸惑ったものです。

特に、大阪は“車庫転”(シャコテン)といって、建築確認時点では1階を駐車場で申請してから、建物が完成した後に店舗として賃貸すると言った容積率違反の物件が多いと言われています。この場合、駐車場の面積は一定の範囲まで容積率に算入しないという決まりがあるので、建ててから店舗や住居に改装するという方法で違反をするのです。
元々この場合は、賃貸マンションを建てて、将来とも売却する気が無いからこういう方法を取っていたと思うのでが・・・百歩譲って”人間の欲”として許せる部分も感じないではありません。

でも、別のケースですが、私の知っている不動産業者さんの居る分譲マンション内の1階部分の事務所が、建築確認の段階では駐輪場で、マンションが完成してからその駐輪場を事務所に改装して区分所有物件として分譲業者が売却したなんて凄い技を使ったケースもあるそうですが、これは本当に悪質であって全然可愛くありません。

でも、検査済証”が無いと金融機関が絶対に融資しないわけではありません。
一般的に、都市銀行は厳しいですし、地銀、信金、信組、ノンバンクは概ね緩めです。
要は、購入者が金融機関からどのように評価されているのかという問題とか、融資する側からみて融資する必要性があるのかどうかという問題です。

そんな大阪でも”検査済証”の取得率はひと昔は3割程度しか取得されていなかったけれども、近年は8割以上に上昇しているようです。


古い物件の中には、違反性がなく検査済証を取得することに問題ないのにも関らず、わざわざ申請しない建築物もあったくらいでした。
30~40年前、清水建設や大成建設などのスーパーゼネコンの建てたビルなどは、役所の”検査済証”よりも、社内検査を受けて出される“完了書”みたいなものの方が値打ちがあったって言っている人もいました。 また、多くの物件の中には“検査済証”は有なのですが、その後の改装工事や行政による都市計画や用途変更・容積率等の変更によって現状の建物が違法である場合があります。 (既存不適格)
このような既存不適格物件も検査済証はあっても、実際は無いのと同じ扱いなのですが、余程悪質か凄い違反でなければ融資を受ける際の問題は比較的少ないと思っていましたが、最近経験した事例では”検査済証”がないのとほぼ同じでした。
築年数が古くて融資期間が短くなる収益マンションや収益ビルの融資問題を解決するには、売却する金額を下げて、利回りをアップさせて収益力を魅力的にして売る方法を取ることが多いですね。

割り切って購入できて資金調達もできるプロの業者さんは違反性があっても購入していきますが、余程リスクが取れる購入者でないと、一般消費者の方にはお勧めできないと思っています。

「売ってしまえば後はあくまでも買主の問題」だと思っている不動産業者だったら、お構い無しに取引するでしょうが・・・そこは、業者としての姿勢とか信義則の問題かも知れません。

※  検査済証は改めて取り直すことは出来ません。ただ、検査済証という書類を紛失しても、役所で取  得済かどうかの確認やその写しを取ることはできます。
※  設計士などが調査する“住宅診断”や不動産証券化の際に専門の調査会社が行なう“エ ンジニアリングレポート(通称ER)”でも物件の遵法性調査や強度診断、建物の劣化状況 とその修繕費用などが分かるのですが、“検査済証”そのものではありません。

不動産ナマ知識/所有者不明の土地

全国で“所有者不明の土地”があるとNHKやマスコミでも取り上げています。
“所有者不明の土地”って、「不動産登記簿等にある所有者と、現在の所有者が直ちに判明しない、判明しても連絡がつかない土地」のことで、その総面積は九州よりも広いという推計による発表もありました。
良く似た言葉に、不在地主”っていうのがありますが、これは「その土地に住んでいない所有者」のことですから、必ずしも何処に居るのか判らないわけではありません。

 

国土交通省の調査では、日本の総面積3780万ヘクタールの約53%が私有地であって、その内の2割(筆単位)“所有者不明の土地”ということですから、すごい広さです。

【寄り道】①

土地の個数は、登記簿上で“筆”(1筆とか)という単位で表します。

空き家の問題と元は同じです。
どうやら、東日本大震災の被災地の復興事業で、土地の所有者の同意を取るにも“所有者不明の土地”の壁にぶつかり、立ち往生したことがこの問題の表面化に繋がったということらしいけれども、それ以前にも、各地の固定資産税徴収の担当ではある程度は予測できていたと思われます。

国(法務省)も研究会なるものを発足させて、法律的解決策を模索するらしいのですが、そもそも、相続や売買で所有権が変わっても不動産の登記は義務ではなくて、権利です
固定資産税を払うためにするのでもなく、市役所が所有者を把握するためでもありません。
不動産登記で“所有権の保存”をするのは、他人に私が所有していることを明かすためであって、申請するのは任意(本人任せ)です。
だから、その後、所有者が引越ししても登記上の住所を変更することは必須ではありません。

だから、50年前に死んだお爺ちゃんが住んでいた場所の土地の名義が、去年亡くなったお父さん(息子)から自分(私)に変わっていなくても、それ自体は罰金もお叱りもありません。
ただ、つい10~20年まで、日本って土地神話があって下がらないと皆が思っていたので、田舎の土地でも殆どの人は財産だと思って相続登記していたのでしょうね。

でも、登記費用も要るし、毎年固定資産税も支払わないとダメだし、これからも田舎にも殆ど帰らないし、そもそも売るにしても誰も買ってくれる人が居ないし、資金を引っ張るだけの資産性もなさそうだし・・・そんな人が日本国中にいっぱい居ることが判って、どうしようとしているのが今の状況です。

土地(財産)の値段が下がると、いろいろな問題が派生するものです。最近では、資産価値の低い“不動産”のことを、“負動産”なんて見掛けることもよくあります。

【寄り道】②

私の実家も親が亡くなってから、20年以上土地の名義を変更していませんでしたが、役所の人が調べて長男宛に固定資産税納付の通知書を送ってきていました。

土地の価格の二極化は、都会と田舎だけではなく、都市部内でも発生しています。
原因は今まで書いてきたものと同じですが、相続税課税強化と少子化によって都市部の実家の引き取り手に困るケースです。

これは個人的な意見ですが、一昔は長男が実家を継いで、親と同居して暮らしたものでしたが、昨今、たとえご近所であっても親は親、子供は子供で別世帯のところが多いようです。
親が亡くなると、大なり小なり揉めます。
ご近所に住んでいても、親の面倒は見ていたとか、いや、俺は長男だとか言い出すと、揉めます。大きく揉めると、不動産の相続ややっと不動産を売却することに合意したとしても、どこの不動産業者に任せるのかで一騒動し、売却した金額の配分でまた揉めて収拾が付かないなんてこともあります・・・そして、相続登記することなく数年経ちますと、相続人も歳をとりますから…

団塊の世代が80歳を超える2030年以降は、毎年の死亡者数が160万人超とかで、大量の相続が発生する見込みです。

【寄り道】③

“所有者不明の土地”でもなく“不在地主”が税金を払わない族が話題になったことがありました。
数年前から外国の(ファンド、とか大企業とかではない)人が、日本の分譲マンションや戸建住宅、山林などの土地を購入することが日常的に行われております。
当初、固定資産税をどこに送ったらいいのかとか、管理費の滞納が何ヶ月もあって困っているという話を耳にしました。
2年ほど前に、税制改革があって「納税管理人」という制度が始まりました。

納税管理人は、日本で申告が必要な収入(所得税)、日本国内に住所がある場合は住民税、日本の不動産を所有している場合の固定資産税を支払う納税事務処理を行います。

固定資産税については、1月1日現在の不動産所有者に課せられますが、仮に大阪市内に自宅や賃貸不動産を所有して出国して非居住者となる場合は、固定資産税の(大阪市内に住所がある)納付管理人を選任する必要があります。手続きは、不動産の所在地(市区町村)に「納税管理人申告書」を提出します。

 

不動産ナマ知識/宅地建物取引士

「宅建主任者」から「宅建取引士」へ

「宅地建物取引主任者」を「宅地建物取引士」に名称変更するなどの宅建業法改正が、国会で可決され後の2015年の4月1日から施行となりました。 一見すると、わざわざ「…主任者」から「…士」に変更するだけなのに大袈裟なことをと思いますが、実はなかなか大変な手間と年月が掛かっております。 法案等によりますと・・・暴力団に関係した人は、そうでなくなった日から5年間経過すること、暴力団関係者がその事業活動を支配する場合はダメ。

「宅地建物取引士」を含めた宅建従事者の倫理規定・コンプライアンス意識と、重事項説明の内容が年々増加するなど、取引に関する法律や関連制度が多様化するため宅地建物取引士の責任は益々重くなっています。

確かに、かつての重事項説明書は一棟売マンションでも、A3用紙一枚だけなんてのも見たことがありますが、今では考えられないことです。

その為、専門的知識の習得などに更なる研修制度が実施されています。 我々当事者としては、これらが有料化されたり、新たな団体に加入したりするのを恐れている次第です。なぜなら、今まで新しい制度や法律の整備がなされると、それが新たな天下り先に繋がる口実なんてことだったら由々しき問題だと思うからです。 「宅地建物取引士」は、その不動産会社の営業関係者の「5人に1人必要」というのが絶対数必要ですが、以前からくすぶっていた「3人に1人必要」にしようというのは、当分の間はなさそうだというのです。理由は、十分な教育を受けた「宅地建物取引士」がいて、その他の従業員もボトムアップするからその必要はないということらしいが・・・正直いって、その意味はよくわかりませんなぁ~

いわゆる“士業”といえば、弁護士、不動産鑑定士、司法書士など「士」と呼ばれる専門性の高い国家資格の俗称ですが、最近では、マンション管理士やファイナンシャルプランニング技能士などの新参ものもありますが、「宅地建物取引士」も専門性の高い国家資格だと言うのであれば、不動産の営業に関わる人は全員その資格を持つことが望ましいのじゃないでしょうか。

「宅地建物取引士の記名押印」

売買や賃貸借の契約をする時には、その契約前に宅建業法第35条に定める重要事項の説明、重要事項説明書への記名押印及び同第37条に定める書面(契約書等)への記名押印は、「宅地建物取引士」が行う必要がありますが、不動産業者でも意外と勘違いしていることがあります。 まず、宅建業者が売主の場合や複数の仲介業者が存在している取引の場合も、すべての宅建業者が宅地建物取引士の記名押印をしなければならないということ。

宅地建物取引業法  第37条1項(書面の交付)

(注)1項は「売買又は交換」2項は「宅地又は建物の貸借」でほぼ同じような内容です。

宅地建物取引業者は、宅地又は建物の売買又は交換に関し、自ら当事者として契約を締結したときはその相手方に、当事者を代理して契約を締結したときはその相手方及び代理を依頼した者に、その媒介により契約が成立したときは当該契約の各当事者に、遅滞なく、次に掲げる事項を記載した書面を交付しなければならない。
■取引の当事者の氏名(法人にあつては、その名称)・住所

■物件の住所・所在、地番・種類、構造

■取引金額やその支払の時期及び方法

■引渡しの時期・移転登記の申請の時期

■契約の解除に関する定めがあるときは、その内容

■損害賠償額や違約金の内容 ■天災その他不可抗力による損害の負担と内容

■当該宅地若しくは建物の瑕疵を担保すべき責任

■公租公課の負担と内容・・・・・・等が主たる事項です。

 

それに、宅建業法第37条では、いちいち細かくは書いていませんが、売主が業者の場合、仲介業者が記名押印しているから売主自らの記名押印を不要だとはしていません。 また、仲介業者が複数の場合、根付業者が代表して記名押印すれば、その他の中間業者は仲介手数料を受け取るために領収書さえ持ってくればイイというものではありません。

昔ほどではありませんが、今でも意外といいラフな場合も多いようですが。

 

不動産ナマ知識/金融機関の融資基準

【今の不動産融資姿勢】

正直なところ、弱いながらも“逆風”が吹いている感じですよ。

国の年金資金の運用や、低金利の金融機関も貸付先に苦労していますから、株式運用や不動産融資に特化してお金をつぎ込んでいる訳でしょう。だから昨年・一昨年あたりは、不動産融資も緩々(ゆるゆる)だったのかも知れません。だから今は少し調整局面なのかも知れませんが、これからもズ~っと不動産融資だけが順調だなんて嘘でも言えません。
昨年の不動産融資額がバブル期を超えたなんてニュースを目にしたのはつい此間でしたが、個人的な皮膚感覚では1~2割位融資が厳しくなっているという感覚です。

それでも、できるだけ手持資金を使わずに収益物件を手に入れようと考えている人が多い状況は、今のところ変わりっていないようです。

購入を検討できる収益物件の数も減っていることも確かです。

不動産融資というものを、購入者側と金融機関側の双方から見た3つの要素【担保評価】【与信】【融資基準】について考えてみます。

【担保評価】

金融機関に融資申し込みをするときの第一関門が、担保評価です。

「物件の価値」には、その金融機関独自の掛け目があって、融資限度額になります。

担保評価はどこの金融機関でも同じではありませんし、融資担当者や支店によっても異なりますから、よく「自分は此の位の金額なら借入れ可能だから・・・」って思っていても、最近の傾向では買主様ご本人の希望する融資金額は1~2割くらい不足する感じです。

人には厳しく、他人には甘いのが世の常でございます。

【与信】

融資対象の不動産評価とは別に、融資申込者(法人や個人)の信用評価を与信といいます。

法人であれば、決算内容やキャッシュフロー、個人であれば収入・支出を、そして買い主様が現に保有している資産の内容が与信に影響します。

購入しようとしている不動産の利回りがそれ程でなかったとしても、節税効果や本業の収入に余裕があれば融資は楽です。 その反対の場合は、融資額はご本人が思っているほどでないこともありますが、これはあくまでその金融機関が判断することですから、意に反する場合であっても仕方ありませんよ。

ここだけの話ですが、この融資申込者の与信は、かなり伸縮自由であってA氏は満額融資を受けれたのに、B氏は80%の融資しか承認されなかったりする理由が判り難いから厄介です。 そうそう、金利も金融機関のみならず融資申込者によっても、「へぇー!」って言うほど違う場合もあります。

【融資基準】

不動産投資のリスクとして、金融機関の融資基準そのものの変化があります。〔変更といった方が正しいかも知れません。〕

“リスク”って危険とか、マイナスとかじゃなくって、資産運用で言うところの“リスク”は、結果のバラツキ具合を意味します。つまり、マイナスの場合はもちろん、プラスになった場合も同じく「リスク」というのです。

不動産融資に対して厳しい目で審査する金融機関でも、景気が上向くなりその兆しが見られるとなると基準を変化させます。

従来、不動産担保評価の基準として利用されていた「固定資産税評価額」「路線価なども、一時、「収益還元」(≒収益性)に取って代られた時期もありました。 最近では建物の「検査済証」の有無で融資の可否を決定したり、「建築年数」を盾に融資の期間を決めることが多いようです。 融資が厳しい時期には、結果として購入できる人や法人が少なくなります。

信用金庫や信用組合など中小金融機関には不動産融資に意欲的なところも沢山ありますが、物件探しだけでなく、金融機関の融資姿勢も研究しておくことが大事です。

 

この前、某信用金庫の方と話をしておりました。そのときの話しでは、今の融資基準としては、「鉄筋コンクリート造の場合、新築で57年」の融資期間が可能、「鉄骨造の新築物件なら44年間」だそうです。

つまり、平成9年新築の築後20年経っているRC造の収益マンションがあるとすれば、融資期間を“57-20=37“→37年間で計算してくれるということです。

仮に融資を受ける金利が3%だとすると、1億円かりて月額返済約373,000円となりますので、そのマンションの表面利回り8%(年収800万円)とすれば・・・

収支では、年収800万円-(月返済額37万3千円×12月=447万6千円)=352万4千円です。

ここから固定資産税や管理費・補修費などを控除して、最終的な収益が決定します。

でも、税金はまだ払ってないことをお忘れなく!

 

巷では、築年数の新しい収益物件が人気です。先の要件である、融資期間が長くて、いわゆる遵法性(←建築基準法などに違反していないということ)を満たしているので、金融機関も融資対象に成りやすいからです。

それに大阪でも、築年数の新しい物件の利回りは5~6%位と少し前に比べて低くなっているので、低い金利で融資を受けることの出来る買主様や、手持ち資金を物件価格の2~3割投入できる買主様ででないと収支が合いません。

一般的な尺度でいうところの富裕層・資産家の方が、資産運用のひとつとして不動産融資をしてみるって感じでしょうか。